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じゃんけんで負けて螢に生れたの    池田澄子

  ほたる  ほうたる

作品
作者
掲載誌
掲載年月
百幹を縫うて一途の螢とも 大槻右城 円虹 200109
蛍火を追ひ雨音を忘れゐし 村田明子 円虹 200109
どうしても埋められぬ溝螢飛ぶ 森麟 銀化 200109
水掛くるなほ螢火を燃やすため 森麟 銀化 200109
螢見のための戀人とも云へず 石山正子 銀化 200109
川の香を深く吸い込み螢狩 甲田夏湖 船団 200109
まっさらの夜の始まり螢狩り 小西昭夫 船団 200109
螢の夜ゆけば去りし日追ふごとし 保坂加津夫 いろり 200109
病む妻を慰めくれし螢かな 相沢健造 いろり 200109
つかのまの螢の浮揚闇深む 赤座典子 あを 200109
手灯りにすいと螢の好奇心 赤座典子 あを 200109
手の裡に光かさねて螢舞ふ 赤座典子 あを 200109
かこひたる掌にふれずして舞ふ螢 赤座典子 あを 200109
累代の墓地に蛍火明減す 永野秀峰 ぐろっけ 200109
蛍火のみどりの書体自在なり 中川濱子 ぐろっけ 200109
恋はげし蛍一匹つつ走る 岡田芳子 ぐろっけ 200109
蛍火に顔照らされて妖精めく 岡田芳子 ぐろっけ 200109
蛍の火つまむ真綿のごとそつと 岡田芳子 ぐろっけ 200109
掌に載せし蛍腕をのぼりゆく 岡田芳子 ぐろっけ 200109
螢飛ぶ山村学舎へ子を預け 真鍋瀧子 ぐろっけ 200109
灯を消して螢の闇に亡夫とゐる 塩見育代 200110
虚子蛍美穂女ほうたるかも知れず 稲岡長 ホトトギス 200110
情念のあくがれ出づる蛍とも 稲岡長 ホトトギス 200110
上水を青く照らして螢の火 前田達江 200110
螢火の源氏平家と入り乱れ 前田達江 200110
言葉より強し螢の恋の火は 松本五軒町 遠嶺 200110
清流を越えて螢の恋実る 松本五軒町 遠嶺 200110
外房で暮れて螢と遊びけり 松本五軒町 遠嶺 200110
前歩く螢の籠のゆれてをり 松本五軒町 遠嶺 200110
黒ぐろと里暮れ残る螢かな 松本五軒町 遠嶺 200110
少年の掌はやはらかき螢籠 萩原行博 遠嶺 200110
螢火のひとつ点るやふたつ消ゆ 萩原行博 遠嶺 200110
白磁大壼蛍待つかに仄と立つ 山岸治子 馬醉木 200110
掬ぶより双手こぼるる螢の火 小野恵美子 馬醉木 200110
現身の彼我縫ひゆけり螢の火 小野恵美子 馬醉木 200110
蛍とべそぼははつまの泣きし川 佐藤国夫 馬醉木 200110
奥の温泉の橋ごとに吊る蛍籠 和田和子 馬醉木 200110
曲屋の梁の太さよ蛍来る 岸のふ 馬醉木 200110
輪になつてお手玉を縫ふ蛍の夜 渡辺正子 百鳥 200110
螢狩けつこう本気といふべきか 嵯峨根鈴子 火星 200110
蛍沢最後に人の尾が消えた 坂本敏子 京鹿子 200110
螢雪のためのほたるのいくらかは 村上瑪論 銀化 200110
稲の葉の揺り落としたる螢の火 田中武彦 六花 200110
黒髪と戯むるる指螢の夜 浜麻衣子 六花 200110
明日ありと思へばかなし螢の夜 浜麻衣子 六花 200110
吉田さかえの首根っこ過ぎ祝ぐ蛍 五十嵐研三 海程 200110
初蛍茶髪ピアスのEメール 秋野火耕 船団 200110
蛍涌く合戦ありし夢のあと 古田考鵬 雨月 200110
螢火を見失ひたる川あかり 能村登四郎 羽化 200110
螢火に近づいてゆく息ころし 能村登四郎 羽化 200110
羊歯叢にたしかひそみし螢かな 能村登四郎 羽化 200110
螢火を子の手に渡す母若し 能村登四郎 羽化 200110
雨後にしていまはの螢ひかりけり 能村登四郎 羽化 200110
夕螢出し湿らひの残りけり 能村登四郎 羽化 200110
蛍の夜が平凡に明けてをり 山田弘子 ホトトギス 200111
また夜の来し閑日の螢籠 藤木竹志 馬醉木 200111
螢火を十まで数へ嬰眠る 萩原行博 遠嶺 200111
細き幹太き幹あり蛍の夜 郷田健郎 百鳥 200111
眼の決めし甲子男蛍を一緒に追う 五十嵐研三 海程 200111
蛍火に噎せておののく葉でありぬ 澁谷道 海程 200111
空気入れ倒れてゐたり螢の夜 鳥居真里子 船団 200111
ほうほうと孫に頬ずり螢籠 田辺レイ 200112
蛍飛ぶ星の生死を爆発で 松永典子 船団 200112
手移しで蛍をもらふ時触れし 松永典子 船団 200112
聴覚の亡い妹と居り蛍見る 渡辺ケイル 船団 200112
吾と蛍ともに迷はぬ野闇かな 大槻右城 ホトトギス 200201
星空の落ちゆくさまに恋蛍 塩貝朱千 京鹿子 200201
ひとりには重き決断蛍の夜 井尻妙子 京鹿子 200201
父とゆきその後螢失せし川 坂本俊子 200201
白衣より夫にもどりぬ螢の夜 坂本俊子 200201
螢雪のためのほたるのいくらかは 村上瑪論 銀化 200201
霧の中蛍光色の上下過ぐ 望月周 百鳥 200201
螢の夜ここらが松岡さよの家 本村弘一 船団 200202
昇天するごとし蛍は山へ帰る 小西昭夫 船団 200202
奈落へと落ちてしまひし恋螢 小澤スミエ 200203
明日は征く兄のうしろを螢籠 梶浦玲良子 波小舟 200205
闇に目の馴れて増えゆく蛍かな 稲畑汀子 ホトトギス 200206
上流の蛍の噂流れ来し 稲畑汀子 ホトトギス 200206
初島に蛍火ほどの灯がつきし 関口ゆき あを 200206
覚えなき道となりゆき螢狩 鷹羽狩行 200207
帰りには少しいびつの螢籠 鷹羽狩行 200207
螢籠吊せば瑞の闇うまれ 鷹羽狩行 200207
いちにちのもう夜が来て螢籠 鷹羽狩行 200207
一冊が逆さの絵本蛍籠 山田六甲 六花 200207
蛍追ふ黄泉へ急ぎし夫おもひ 谷榮子 雨月 200207
蛍火の繚乱たるに谷の音 岡本まち子 馬醉木 200208
こゑのして近づいてくる蛍籠 長谷川守可 百鳥 200208
蛍籠提げたる指の白さかな 長谷川守可 百鳥 200208
上人か大師蛍かすれ違ふ 神蔵器 風土 200208
行く水に死のひらひらと蛍かな 神蔵器 風土 200208
人集ふ森や螢の舞踏会 佐藤美智 200208
源氏名を紫といふ螢かな 木本准南子 銀化 200208
蛍火のこの奔放さ吾に欲し 塩川雄三 築港 200208
この時間この闇好み蛍飛ぶ 塩川雄三 築港 200208
蛍飛ぶ新しき闇作りだす 塩川雄三 築港 200208
山姥に道たばかられ蛍狩 大橋敦子 雨月 200208
二つ三つ名残の蛍とぶばかり 大橋敦子 雨月 200208
蛍火を手にしのばせて能を見る 水谷芳子 雨月 200208
たましひのみちびきしづか川螢 湯本道生 200208
蛍4→      

 

2021年6月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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