日の短か     105句

短日  日短  暮早し  日の短か

作品
作者
掲載誌
掲載年月
日暮里に布地買ひゐて日の短か 鈴木郁 風土 199902
キッチンに今日のだんどり日の短か 村上田鶴子 風土 199903
この路地は一葉旧居日の短か 保坂加津夫 いろり 199911
善光寺五体投地の日の短か 保坂加津夫 いろり 199911
句作りは主婦業のうち日の短か 熊谷みどり いろり 199911
隣人の周章てて辞せり日の短か 長野碧水 200001
不消化の物見て喰みて日の短 丸山佳子 京鹿子 200001
菜箸にあやつられゐて日の短か 片山由美子 200003
羽二重だんごさげゆく人の日の短か 保坂加津夫 いろり 200012
銀色の仕掛け沈めて日の短か 杉浦典子 火星 200102
おめでとうコールに弾み日の短か 桑垣信子 いろり 200102
嘘すこし電話長々日の短か 松沢久子 いろり 200104
屋根替への夫に声掛け日の短か 松沢久子 いろり 200111
鵙鳴いて峡の湯宿の日の短か 大田かづみ いろり 200112
銀橋に群れゐる鴎日の短 宇利丞示 雲の峰 200202
「以下次号」の夫婦喧曄や日の短か 保田英太郎 風土 200202
片減りの箒繕ふ日の短か 唐沢静男 春耕 200202
ケーキ売る駅前広場日の短か 栗林松枝 春耕 200202
アポロンのうしろ髪なり日の短か 栗栖恵通子 200203
口数の少なき父や日の短か 町野昭人 遠嶺 200203
上がりてすぐ下りる遮断機日の短か 佐野幸子 百鳥 200203
マニュアルに解せぬ横文字日の短か 相川幸代 百鳥 200203
矜羯羅童子制叱迦童子日の短 井口ふみ緒 風土 200302
遺言の書き方受講日の短 齋藤宣子 帆船 200302
鶏を追ふ竹竿鳴つて日の短 坪井洋子 200302
灯ともして乱るる机辺日の短か 小林紗智子 200302
失せ物を探しつくづく日の短 大川冨美子 ぐろっけ 200302
漬石を抱き直して日の短 中田ゑみこ 馬醉木 200303
スープの音なおたぎらせる日の短か 横溝千代 八千草 200305
地下鉄の階段続く日の短か 赤星惠子 あを 200401
阿蘇下るロープウエイや日の短 磯野たか 風土 200402
隣家よりスープの匂ひ日の短か 鹿間樟 百鳥 200402
攻め窯の紅蓮のほむら日の短か 宮脇ちづる 200403
口裏を合はす某日の短か 青野れい子 200403
たこ焼きの列の先頭日の短か 坂本フジ 帆船 200412
玻璃に映る己が猫背や日の短か 鵜沢千恵子 200501
ぽつぽつと灯ともる余呉の日の短か 佐野芳子 築港 200502
古米古茶われも老いたり日の短か 吉田多美 京鹿子 200502
仲見世に押されてゐたる日の短 府中谷幸枝 馬醉木 200503
ときいろの雲を見てゐる日の短か 遠藤三鈴 栴檀 200503
灯袋に花鋏置き日の短か 田中藤穂 あを 200601
日の短かあれもこれもと纏まらず 黄川田美千穂 200602
ウインドに鳥の剥製日の短か 岡和絵 火星 200602
パソコンに向ひ主婦われ日の短 井口初江 酸漿 200602
効能書ルーぺもて読む日の短か 松下信子 万象 200604
鎌倉彫仕上ぐる妻に日の短か 沼沢破風 200612
父の日の短かすぎたる梯子かな 梶浦玲良子 六花 200709
釣舟を墨絵の中に日の短か 宮内とし子 200801
治療拒む父を宥めて日の短 峰尾秀之 200802
跳ね橋の跳ね垂直に日の短か 杉浦典子 火星 200802
九頭竜の対岸灯り日の短か 山田をがたま 京鹿子 200803
山頭火の径を辿れば日の短か 大井邦子 ぐろっけ 200803
フィヨルドクルーズ日の短さを嘆じつつ 菅澤陽子 春燈 200804
痛む腰いい子とさすり日の短か 山田をがたま 京鹿子 200901
日の短か眼鏡在り処を犬に訊く 小澤菜美 200902
午後からは曇りていよよ日の短 鈴木多枝子 あを 200902
子規庵の群竹さやぎ日の短か 大沢美智子 200912
バリーにてロードシヨウ観る日の短か 林日圓 京鹿子 200912
だまし絵を斜かひに見て日の短か 杉浦典子 火星 201001
捗らぬ整理整頓日の短か 三川美代子 201002
駅に会ひ駅に別るる日の短 村井二郎 馬醉木 201004
単線の時刻板見る日の短か 井口淳子 201101
高階の新婚を訪ふ日の短か 和田政子 201102
服薬の四品せはしや日の短か 清海信子 末黒野 201102
この景色いつか見た道日の短か 秋葉貞子 やぶれ傘 201102
左右より話一度に日の短か 清海信子 末黒野 201103
髮染むる先客のあり日の短か 芝尚子 あを 201103
数へ日の短針はあと五周半 涌羅由美 ホトトギス 201104
眉毛にも白きもの増ゆ日の短か 久世孝雄 やぶれ傘 201104
電子音同時に鳴りぬ日の短 篠田純子 あを 201201
印付すテレビ番組日の短か 北尾章郎 201202
蝦蛄葉仙人掌に無数の蕾日の短か 渡辺数子 火星 201202
検眼の答え一つに日の短か 秋葉貞子 やぶれ傘 201203
子の任地地図にさがして日の短 松本桓子 ぐろっけ 201204
てきぱきと動かぬ手足日の短か 村田とくみ ぐろっけ 201204
呼吸器科循環器科と日の短 北川英子 201301
煌々と豪華客船日の短か 井口淳子 201302
築山の径に灯の入り日の短か 小川玉泉 末黒野 201302
捜しもの捜しあぐねて日の短か 安田とし子 ぐろっけ 201302
日の短か余り毛糸の玉の数 垣岡暎子 火星 201304
白旗で片道通す日の短か 太田チエ子 末黒野 201402
離れてはまた寄る鉄路日の短か 塩田博久 風土 201403
待ち合はすミルクスタンド日の短か 岡田香緒里 やぶれ傘 201404
日の短かうつぼかづらの落し穴 山田和 京鹿子 201501
友訪うて思はぬ長居日の短 青野安佐子 201502
人生は誤算ばかりや日の短か 田村すゝむ 風土 201503
日の短か湖の憂色はじまりぬ 北川孝子 京鹿子 201503
マンホールの底に人声日の短 佐瀬晶子 ろんど 201503
鳩居堂に選ぶ句帳や日の短か 古川夏子 201504
復興のダンプの砂塵日の短か 羽賀恭子 201601
いま置きしものを探して日の短 田中藤穂 あを 201602
うたた寝の覚めたる老いの日の短か 水谷靖 雨月 201604
「じやあね」とふ便利な言葉日の短か 千田百里 201701
うす青き香炉の煙日の短か 紅露恵子 万象 201702
些事ばかり片づけてをり日の短か 宮本加津代 万象 201702
軒先にあれこれ吊し日の短か 戸栗末廣 201803
日の短かさびしきものに耳の裏 北川孝子 京鹿子 201902
やはらかき赤児ほつぺ日の短か 北川孝子 京鹿子 201902
日の短経木に包む山のもの 増成栗人 202001
白富士の近くなりたり日の短 大網健治 202002
日の短か背伸びしながらバスを待つ 有賀昌子 やぶれ傘 202003
針のなき卓上時計日の短. 立石まどか 202004
校庭をましら駆け抜け日の短 大槻祐二 春燈 202103
油揚げぜんまいと煮る日の短か 奥田温子 やぶれ傘 202103
日の短雀の影もなき砂場 待場陶火 202204
了解とのみのメールや日の短か 沼崎千枝 末黒野 202204
四温晴何かと一と日短かくて 畑田久美子 202210

 

2023年12月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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