彼岸花 3   100句

彼岸花裸身の如く残さるる   本田さち   読本・歳時記

曼珠沙華 死人花 捨子花 狐花 幽霊花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
加茂堤翁も踏みし彼岸花 品川鈴子 ぐろっけ 201110
細き上に赤逞しき彼岸花 赤座典子 あを 201110
ひつそりと白く咲き出て彼岸花 柳生千枝子 火星 201112
参道に火の束を生み彼岸花 熊切光子 末黒野 201201
原子野の忘れな草や彼岸花 鳳蛮華 201201
彼岸花石組あらき岡城址 安武晨子 201201
一願を込めて突く鐘彼岸花 岡田満喜子 ぐろっけ 201201
人声に裏へ廻れば彼岸花 池田久恵 ぐろっけ 201201
日輪の及ぶ限りの彼岸花 川下明子 雨月 201201
昏れがての風を手放す彼岸花 木山杏理 京鹿子 201201
彼岸花土にもどれぬ放射能 岡澤田鶴 201201
一群れが一花のごとし彼岸花 志方章子 六花 201201
彼岸花果てし棚田の静寂かな 大橋伊佐子 末黒野 201202
遠くから児のこゑのする彼岸花 大島英昭 やぶれ傘 201201
農家へと誘ふ道の彼岸花 白石正躬 やぶれ傘 201202
花よりも茎の冷たき彼岸花 上村美翔 うらら 201202
彼岸花故里そこに見えてきし 久永つう 瀬戸の海 201203
天運を拾ひし我が身彼岸花 粥の味 和田郁子 201209
里山の「葉見ず」「花見ず」彼岸花 宮崎左智子 201211
秋篠へ続く佐保路や彼岸花 橋本靖子 201211
畦道の色彩一変彼岸花 青木英林 かさね 201211
畦道に赤い帯引く彼岸花 後藤克彦 かさね 201211
さざれ石古刹のすみの彼岸花 森岡陽子 かさね 201211
彼岸花捨田一枚増えにけり 大木清美子 201211
火の国の墓地に叢がる彼岸花 高瀬博子 六花 201211
彼岸花棚田の空の澄みわたり 高瀬博子 六花 201211
忽然と湧くかに畦の彼岸花 小倉正穂 末黒野 201211
彼岸花酔ふほど話弾みけり 岡野安雅 かさね 201212
かたまりて炎のごとき彼岸花 吉田博行 かさね 201212
地境の風からすうり彼岸花 井上信子 201212
蒲生野や城趾に野辺に彼岸花 大橋晄 雨月 201212
彼岸花を残す草刈事業団 秋岡美津子 京鹿子 201301
約束の如くに咲けり彼岸花 大橋伊佐子 末黒野 201301
風あつめ捨て田の畦の彼岸花 小倉正穂 末黒野 201301
夕映えの棚田ふちどり彼岸花 橋場美篶 末黒野 201304
彼岸花群れて咲かざる城の杜 山田六甲 六花 201310
彼岸花群れて咲かざる森の奥 山田六甲 六花 201311
泣けるだけ泣いてしまった彼岸花 木村茂登子 あを 201311
彼岸花見えかくれして友の行く 吉成美代子 あを 201312
はじけ咲き枯れて葉を待つ彼岸花 鈴木阿久 201312
咲き揃ひ仏むかへる彼岸花 小野寺節子 風土 201312
咲く前は赤の縦線彼岸花 中本吉信 201312
彼岸花遠流の島の行在所 古川干鶴 かさね 201312
彼岸花先づは仏をお出迎へ 小野寺節子 風土 201312
彼岸花彼岸忘れず咲き揃ひ 市橋香 ぐろっけ 201312
彼岸花仏待つごと天仰ぎ 山口郁子 末黒野 201312
母逝きて虚しさ埋むる彼岸花 坂根宏子 201312
薬師寺へ歴史の道や彼岸花 松本三千夫 末黒野 201312
刈取られ火屑の嵩の彼岸花 国包澄子 201312
鑑真廟へ破れ築地や彼岸花 松本三千夫 末黒野 201312
鳥声の谷戸や捨て田の彼岸花 吉田きみえ 末黒野 201312
登廊木立隠りの彼岸花 松本三千夫 末黒野 201312
夕陽さす棚田の畦の彼岸花 池内とほる かさね 201401
禅寺へ至る小径や彼岸花 難波篤直 201401
彼岸花咲けば戦死の父偲ぶ 渡辺安酔 201405
彼岸花色を極めて棚田畦 塩路五郎 201411
黄泉人の挿頭なるべし彼岸花 塩路隆子 201411
妻籠へと導くさまに彼岸花 福本すみ子 201412
落城の武将の塚や彼岸花 片岡久美子 201412
半袖に風知る季節彼岸花 山本孝夫 201412
咲く刻をしかと心得彼岸花 桂敦子 201412
彼岸花連帯責任負ふつもり 宮崎左智子 201412
故に咲くか特攻の地の彼岸花 栗山恵子 雨月 201412
彼岸花あくまで天日こぼさじと 窪田佳津子 雨月 201412
ドアの無い黄泉平坂彼岸花 鈴木みのり 201412
引き返す道など見えず彼岸花 赤松赤彦義 六花 201412
お彼岸を知らせてくれる彼岸花 小野寺節子 風土 201412
湖心より届くさざ波彼岸花 生田作 風土 201412
偕老老の平穏無事に彼岸花 佐瀬晶子 ろんど 201501
句帳手の一団去りぬ彼岸花 石黒興平 末黒野 201501
軒下を通る江ノ電彼岸花 加藤タミ 末黒野 201501
波立たす十石舟や彼岸花 北村淳子 ろんど 201501
たましひの帰る日燦と彼岸花 田中一美 ろんど 201501
首塚の周り点々彼岸花 三屋英俊 万象 201502
蒼天へ飛ばせてみたき彼岸花 大石誠 201512
大刀自の墓とて白き彼岸花 手島靖一 馬醉木 201512
彼岸花と謂はれ現のはなやげる 高尾寛美 京鹿子 201512
彼岸花すつくと立てる月下かな 原田しずえ 万象 201512
彼岸花畦に一台軽トラック 森理和 あを 201512
河岸に赤き線引く彼岸花 出口誠 六花 201512
あの星で祝盃あげる彼岸花 森山あつ子 六花 201512
空っぽの頭なんだか彼岸花 いろは 201512
竹叢の奥まで澄みて彼岸花 生田作 風土 201512
天地の距離を広げて彼岸花 柿沼盟子 風土 201512
段畑へ疎水豊かや彼岸花 鈴木鞠子 末黒野 201601
彼岸花剪れば生水きみずのあふれけり 志方章子 六花 201602
抑留者の慟哭を聞く彼岸花 渡辺節子 201602
彼岸には彼岸花咲く径かな 浜福惠 風土 201611
浜の墓水替へ彼岸花も替へ 増田菖波 春燈 201612
彼岸花片便りではあるけれど 藤丸誠旨 春燈 201612
彼岸花一つ離れて咲きにけり 出口誠 六花 201612
彼岸花の白咲く径を行けと言ふ 落合絹代 風土 201612
山間に畦あるかぎり彼岸花 内藤静 風土 201612
ごんぎつね来よ鐘の音と彼岸花 平田はつみ 馬醉木 201612
彼岸花土手に群雄割拠せる 堀井英子 雨月 201612
しりとりのやうに繋がる彼岸花 高木晶子 京鹿子 201701
田と畦の境目しきる彼岸花 荻布貢 201701
過ぎてゆく日々に忌日も彼岸花 三輪温子 雨月 201701
彼岸花律儀の赤を一せいに 隅田恵子 雨月 201702
むら映える棚田の畦の彼岸花 石原健二 やぶれ傘 201710
彼岸花大屋政子といふ方が 石森理和 あを 201711
彼岸花棚田を下に畦道に 小巻若菜 やぶれ傘 201712
彼岸花からくれなゐの風と消ゆ 石田静 201712
無住寺のほとけの咲かす彼岸花 吉川隆 春燈 201712
彼岸花 →4      

2021年10月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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