彼岸花 2     104句

彼岸花裸身の如く残さるる   本田さち   読本・歳時記

曼珠沙華 死人花 捨子花 狐花 幽霊花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一斉といふは恐ろし彼岸花 楠原幹子 200601
姉の忌に白を揃へて彼岸花 沖野貞子 ぐろっけ 200601
彼岸花あかりと言はむ古墳みち 西村しげ子 雨月 200601
彼岸花消えたる茎のならびけり 兼子栄子 酸漿 200601
夜は湖に白をつくして彼岸花 成川和子 200601
彼岸花子規の心に触れもして 稲畑廣太郎 ホトトギス 200609
墓隣り住居も隣り彼岸花 永沢昌太郎 四葩 200609
彼岸花棚田は四角三角に 苑実耶 200610
夢と一字白彼岸花添ふ墓に 宮津昭彦 200611
彼岸花雨の日の池いろどれり 阿部ひろし 酸漿 200611
菩提寺に白きが咲けり彼岸花 内藤美重子 酸漿 200611
屈葬の甕を囲める彼岸花 泉田秋硯 200612
畦道の兎にも角にも彼岸花 鎮田紅絲 200612
草の中に茫々と生ふ彼岸花 松崎鉄之介 200612
固まつて地蔵に咲ける彼岸花 浅野恵美子 酸漿 200612
彼岸花飛び火のごとし祭来る 海上俊臣 酸漿 200612
足早に月日過ぎゆく彼岸花 中田みなみ 200612
彼岸花かぞへなほしてバスを待つ 荒木甫 200701
彼岸花相聞歌碑に燃えをりぬ 大井彌雨 雨月 200701
夕暮れの村を巡れる彼岸花 高倉恵美子 200701
托鉢の経文テープや彼岸花 廖運藩 春燈 200702
彼岸花わが守護神の不動尊 山村桂子 遠嶺 200702
子規庵の狭庭に燃ゆる彼岸花 安陪青人 雨月 200710
石仏を支へて径の彼岸花 渡辺安酔 200711
彼岸花祖父の墓へとつづく道 松葉よし江 200711
牛啼くをまじまじと見し彼岸花 佐々木秀子 200711
彼岸花真昼さみしと群れ咲くや 中里よし子 春燈 200711
彼岸花の白咲く家に人見えず 松崎鉄之介 200711
太古には末子相続彼岸花 泉田秋硯 200712
自愛や切ながき捷毛の彼岸花 植竹惇江 春燈 200712
彼岸花未婚の女ふえてをり 小阪喜美子 遠嶺 200712
猫遊ぶ白彼岸花庭に咲き 田中まよみ 酸漿 200712
彼岸花一夜明くれば咲きそろふ 篠原普美子 酸漿 200712
畦道をくれない染むる彼岸花 齋部千里 ぐろっけ 200712
彼岸花故郷そこに見えて来し 久永つう 六花 200712
人だかりして先駆けの彼岸花 野路斉子 200712
確と咲く畦道細道彼岸花 小滝奈津江 酸漿 200712
彼岸花地獄極楽天無限 本多俊子 200801
彼岸花雨に鬱々咲きゐたり 大橋晄 雨月 200801
佐保堤長くる草抜く彼岸花 奥村鷹尾 京鹿子 200801
彼岸花萎えて五衰を呈しけり 鳳蛮華 200805
離りゆく足音ばかり彼岸花 竹貫示虹 京鹿子 200809
彼岸花王墓古墳の道の辺に 梶井和呼 酸漿 200810
山墓の日暮れを燃やす彼岸花 岡野ひろ子 200811
彼岸花の一本に逢ふ水辺かな 中西蘭子 炎環 200811
信濃路の曼珠沙華また彼岸花 森山のりこ あを 200811
彼岸花村に特急停まりけり 池上昌子 春燈 200812
彼岸花かたまり咲くはおそろしき 青山正生 200812
阿修羅仏にまみえし余韻彼岸花 小澤菜美 200812
刈田野に赤き道なす彼岸花 駒井のぶ 200812
彼岸花棚田ふちどる明日香村 石川かおり 200812
欄干の朱色より濃き彼岸花 吉沢陽子 200812
種つけず茎直立の彼岸花 黒澤登美枝 200812
彼岸花今年も母の忌を知らす 高木智 京鹿子 200812
蕊立てり思ひを宙へ彼岸花 久保田嘉郎 酸漿 200812
神苑に彼岸花咲く朝の雨 西出俊子 酸漿 200812
墓地までの道は一筋彼岸花 中村勝行 200901
マンションマンション快速列車彼岸花 桜三奈子 200901
山の畑囲みて咲けり彼岸花 土屋喜美代 酸漿 200901
街道の木戸柵跡の彼岸花 渡邉孝彦 やぶれ傘 200901
坊守の白さ培ふ彼岸花 増田整歩 遠嶺 200902

 緒方拳の死

眠るかに逝きしと聞けり彼岸花

宮下倫一 やぶれ傘 200903
肩書はしやばに置いとけ彼岸花 吉村摂護 200903
奈良坂を登りつめれば彼岸花 笠井清佑 200911
代官山の一隅炎ゆる彼岸花 森下康子 200911
咲くまへの熱気地に秘め彼岸花 藤原照子 200911
彼岸花故郷捨てしひと昔 松本周一 200911
み仏の在すかに白彼岸花 山荘慶子 あを 200911
朱の帯の階段続く彼岸花 山口キミコ 200912
直列の均衡保ち彼岸花 前川ユキ子 200912
束の間を華やかに咲き彼岸花 増田一代 200912
彼岸花峡田の畦を飾りをり 駒井のぶ 200912
坂道に海の跡あり彼岸花 高田令子 200912
彼岸花粋なつもりの象牙色 吉田克美 ろんど 200912
疎開地に九年の月日彼岸花 代田青鳥 風土 200912
川沿の十手彩れり彼岸花 大里快子 酸漿 200912
母の忌や寺苑に彼岸花盛り 松本和子 酸漿 200912
見下せば下陰ながら彼岸花 大内恵 酸漿 200912
決壊の土手に群れ咲く彼岸花 山田和夫 200912
彼岸花折り取りし手を洗ひけり 竹内弘子 あを 200912
天空の棚田ふちどる彼岸花 小宮淳子 春燈 201001
彼岸花忘れ上手を忘れけり 小林正史 201001
丸き背気にせぬ農夫彼岸花 島内美佳 ぐろっけ 201001
川岸の蛇籠より生ひ彼岸花 渡邉孝彦 やぶれ傘 201001
旅人となりゆく朝彼岸花 安藤久美子 やぶれ傘 201001
擋網(たも)を手に腹這ふ木橋彼岸花 丑久保勲 やぶれ傘 201001
郷愁の風吹き抜けり彼岸花 宮崎薫風 201005
彼岸花も墓も大小等間隔 阿部知代 201007
彼岸花見に長袖を持ち歩く 中江月鈴子 201011
妻よあの日も雨また雨の彼岸花 中江月鈴子 201011
彼岸花流れる日々の溝跨ぐ 中江月鈴子 201011
彼岸花雲の切れ間のありにけり 中江月鈴子 201011
咲きのこる彼岸花あり女井戸 阿部ひろし 酸漿 201011
彼岸花外輪山へ雲の飛ぶ 田中藤穂 あを 201011
浪音が消し去る過去や彼岸花 杉本綾 201012
彼岸花刈る落ち口のひとところ 山本耀子 火星 201012
彼岸花今年遅しと僧の言ふ 大西八洲雄 万象 201012
彼岸花四時一憂の身を去らず 川端郷思 雨月 201012
やうやくに彼岸花咲き秋となる 小浦榮子 酸漿 201012
彼岸花倭建の薙ぎし火か 木山白洋 馬醉木 201101
休耕田の真中に咲きし彼岸花 高倉恵美子 201101
雨上り里山に現れ彼岸花 滝川あい子 雨月 201102
木木芽吹き葉を横たへし彼岸花 田中藤穂 あを 201105
彼岸花少し薄れて風白く 和田照子 201109
彼岸花→ 3      

 

2021年10月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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