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蛇逃げて我を見し眼の草に残る  高浜虚子

 蛇出づ 蛇穴に入る 秋の蛇 穴惑い 青大将

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蛇の野のしげり恐れてゐたりけり 石脇みはる 200708
瀧繁吹き大蛇を噛みし犬の墓 次井義泰 200709
蛇泳ぐ池のくびれてゐるところ 杉浦典子 火星 200709
低く飛ぶ鳶が畦の蛇捉ふ 亀田やす子 万象 200709
中空の鳶がぱつと蛇落す 亀田やす子 万象 200709
よろづ屋に蛇捕り棒と囮鮎 内海良太 万象 200709
しろがねに光ゲさしわたる沼の蛇 石脇みはる 200709
吾憎み切れざる蛇の口中くちピンク 禰寝瓶史 京鹿子 200709
するすると蛇は繁みへ走り梅雨 林翔 200709
細心にして大胆に蛇出づる 河口仁志 200709
離宮の蛇に絵筆、写真機、句帖など 品川鈴子 ぐろっけ 200709
蛇死してなほてらてらと日を吸へり ことり 六花 200709
半夏生生涯通す蛇嫌ひ 水原春郎 馬醉木 200709
里の子のかはるがはるに蛇掴む 赤松郁代 万象 200710
蛇捕りの杖傘立に挿し込まる 木場田秀俊 200710
聞くたびに蛇の長さの食ひ違ひ 福場朋子 200710
轢死せる蛇の臭気に鼻摘む 宝玉トシ子 200710
人柄をむきだしにして蛇叩く 穐好樹菟男 馬醉木 200710
蛇を見し昨日の田面雨叩く 工藤ミネ子 風土 200711
巡礼に蛇を追ふなと言はれけり 浅田光代 風土 200711
往還の蛇をさらひし大鴉 樋口みのぶ 200711
下校児の喧し枝に蛇垂れて 今井忍 ぐろっけ 200711
竜にならんと遠雷へ蛇泳ぎゆく 大島翠木 200711
道よぎる蛇には蛇の都合あり 内藤呈念 ホトトギス 200712
月に酌み酔へば大蛇に因幡酒 禰寝瓶史 京鹿子 200712
蛇見しと団扇を宙にをどらして 竹下陶子 ホトトギス 200802
巌より蛇の大八ぬつと出で 滝沢伊代次 万象 200804
又蛇を見に戻り来し女かな 稲畑汀子 ホトトギス 200805
繩文の蛇に圍まれ梅雨の壺 佐藤喜孝 あを 200805
蛇舌を出す人間は顎を出す 稲畑廣太郎 ホトトギス 200806
蛇出でて山やはらかくなりしかな 田口紅子 200806
蛇捕りの南京袋干されあり 伊藤白潮 200806
蛇といふ予感の走る草動く 綿谷美那 雨月 200806
蛇の腹白きところが気の弱さ 浅田光喜 絵巻物 200806
墓よぎる白蛇のひかり神寂びて 石田厚子 馬醉木 200807
西行庵へ難渋の道蛇過る 石垣幸子 雨月 200807
走り寄る蛇草むらに逃げ込みぬ 山田六甲 六花 200807
蛇は首捩ぢり水田の方位知る 品川鈴子 ぐろっけ 200807
明日植うる田水のゆらぎ蛇渡る 斎藤道子 馬醉木 200808
音消して蛇の水光青空に 神蔵器 風土 200808
蛇泳ぐおのれの水尾を消しながら 戸栗末廣 火星 200808
沼渡る蛇の一途さ生めかし 北尾章郎 200809
日本橋の石柱の下蛇消ゆる 折橋綾子 200809
孫どもに見られたくない蛇嫌ひ 佐藤山人 200809
蛇にまた会ふ不思議なる日なりけり 竹下昌子 200809
蛇の飢ゑ水面に触れて渉りけり 石寒太 炎環 200809
菖蒲田のどこかに蛇のゐる気配 長谷川智弥子 炎環 200809
蛇逃げてゆくぞシロツメクサの中 山田庫夫 炎環 200809
猫か否蛇に呑まるるの声か 関根誠子 炎環 200809
蛇避けたつもりの道に青大将 菊間奈賀子 200810
富士の水みたせし池や蛇渡る 峯高子 万象 200810
しなやかに向う岸へと蛇泳ぐ 近藤幸三郎 風土 200810
真昼なり蛇を打つ子を遠巻きに 柴田佐知子 200811
まじまじと蛇の恋見て口渇く 守屋井蛙 酸漿 200811
玉音放送忘れつつあり蛇泳ぐ 藤田守啓 船団 200901
白蛇の棲む大杉や注連飾 豊谷青峰 春燈 200903
怖いもの見たさに蛇の所在問ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200907
蛇が木に素頓狂なメールマン 宮崎左智子 200908
藤蔓をなぞつてゐたる蛇身かな 栗栖恵通子 200908
朝日さす蛇の鱗の真さらかな 笠置早苗 火星 200908
ほうたるや草に蛇の目鼠の目 長戸路子 春燈 200908
蛇と目が合うて蠢く野性の血 塩路隆子 200909
蛇やなかなか抜けぬ蔵の鍵 雨村敏子 200909
くちなはとして蛇の道を踏み外す 柳川晋 200909
引力に逆らうてをり山棟蛇 前田美恵子 200909
三尺の蛇走りゆく川灯台 天野明 200909
対岸へ頭もたげて蛇泳ぐ 渡辺安酔 200909
先着の蛇に声かく草清水 南うみを 風土 200909
睡蓮を縫つてお堀を蛇渡る 丹生をだまき 京鹿子 200909
縞蛇と行け遊び半分で行け 小形さとる 200910
顎を引き蛇の行方をみてをりぬ 庄司久美子 200910
朝戸繰るや蛇のおどろき吾の驚き 江木紀子 雨月 200910
一身にひかり引き連れ蛇泳ぐ 齋藤厚子 200910
何故逃げぬ絶つは避けたき蝮蛇かな 猿橋二三雄 ぐろっけ 200910
高ノ蛇のたれゐる真昼かな 瀬戸悠 風土 200911
真つ直ぐに蛇おりきたる峠みち 柿沼盟子 風土 200911
蛇に道ゆづりてよりの暑さかな 柿沼盟子 風土 200911
ほこらげに赤い舌みせ盆の蛇 山崎靖子 200911
姥百合の直立不動蛇過り 西山美枝子 酸漿 200911
神々のまぐはひ振りと蟒蛇と 延広禎一 201004
蛇失せて矢鱈に眠き山上湖 伊藤白潮 201006
蛇過ぎし岩がしばらく眼の中に 中田みなみ 201007
解体のどさりと蛇の落ちてきし 秋千晴 201007
蛇見しと事件のやうに言ひつのる 横井明子 201008
両の手で蛇の丈言ふ垣根ごし 荒井千瑳子 201008
木の股に長蛇寝そべり庭師跳ぶ 武司琴子 ぐろっけ 201008
蛇を見し子の饒舌となりにけり 岡田房子 酸奬 201008
蛇料理草食系は近寄れず 阪本哲弘 201009
何くはぬ顔で蛇打つをんなかな 松岡和子 201009
山楝蛇轢き救急車疾走す 池元道雄 馬醉木 201009
退屈な胴をくねらせ蛇動く 丸井巴水 京鹿子 201009
洞窟がまの奥遺骨守れる蛇の影 臼杵游児 春燈 201009
主よ石で打たるるべきは蛇か我か 荒井千佐代 201009
とぐろ巻く神の使ひといふ白蛇 久世孝雄 やぶれ傘 201009
富士樹海入口あたり蛇に会ふ 靜寿美子 ぐろっけ 201009
消えてより蛇の大きさふくらみぬ 佐藤いね子 馬醉木 201010
からみつつ蛇吸はれゆく盤座に 堀江惠子 201010
蛇渡りたちまち花藻覆ひけり 浜口高子 火星 201010
本当の怖さは蛇の消えてより 芝尚子 あを 201010
池渡る蛇のくねりの重さ消し 竹下陶子 ホトトギス 201011
石仏の裏より生まれ変はる蛇 丸井巴水 京鹿子 201012
黒蛇は親亡き家の留守居役 堤節子 ぐろっけ 201012
逃ぐることまだ知らぬ蛇金網に 西山美枝子 酸奬 201105
静かさを口にまとひて蛇昼餉 布川直幸 201106
石垣の日向熟睡の蛇蜥蜴 坂根宏子 201107
石垣に蛇遊ばせて城の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201107
蛇→ 5      

 

2021年7月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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