初 音 2    213句

初音して鴬下リぬ臼のもと   几董

  うぐひす  匂鳥  初音

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
石仏の並びて初音きき在ます 伊藤敬子 201005  
電線に雨粒むすぶ初音かな 大山文子 火星 201005  
畑仕事捗りし日の初音かな 板橋昭子 201006  
取り仕切る兄が初音を聞き留めし 井上淳子 火星 201006  
木々多く初音に耳を傾ける 武智恭子 ぐろっけ 201006  
初音聴き奥の社へ野辺の径 川崎利子 201006  
初音聞く永久の足音石仏 中根健 201006  
鎌倉の小雨の中の初音かな 清海信子 末黒野 201006  
わが庭に初音しきりや朝たのし 大松一枝 201006  
退院を告ぐる電話に聞く初音 柴田良二 雨月 201006  
この妻となお生きたけれ初音聞く 吉沢秀ひろ ろんど 201006  
口中のレモンドロツプ初音かな 奥田筆子 京鹿子 201006  
隠沼に来て授かりし初音かな 内田俊弘 201007  
幸先をふと思ひたる初音かな 清水節子 馬醉木 201007  
山に入り思ひがけなき初音あり 渡辺裕子 酸漿 201007  
気を付けを令するやうに初音かな 石田きよし 201007  
山寺の磴の半ばに初音聞く 家塚洋子 酸漿 201008  
登校の一里を歩き初音かな 手拝裕任 201008  
初音かな俄かに風の膨らみて 大沼遊魚 倭彩 201009  
寺を出し初音は平家琵琶となり 林日圓 京鹿子 201101  
初音聞く旅も近しと思ふとき 稲畑汀子 ホトトギス 201103  
初音せりもうすぐここが通学路 鈴木照子 201104  
ドア開き初音きかむと耳すます 伊藤憲子 201105  
しづけさの蔵王堂にて初音聞く 藤見佳楠子 201105  
玻璃越しの初音に眼こらしけり 乙坂きみ子 末黒野 201105  
初音きく珈琲タイムの奈良ホテル 栗山恵子 雨月 201105  
薄ら日の山路鶯の初音かな 工藤美和子 酸漿 201106  
癒え兆す初音微かにチュッチュケキョ 鈴木石花 風土 201106  
初音あり烟れる木々の何処にか 浅野恵美子 酸漿 201106  
初音して予報どほりの日和かな 清海信子 末黒野 201106  
うぐひすの初音を夫と分かち合ふ 安永圭子 風土 201106  
川やがて分かるるところ初音あり 西山美枝子 酸漿 201106  
初音して新羅万象うごき出す 林和子 201107  
初音かな洗濯物を干しをれば 奥野初枝 万象 201107  
雲水の走る廊下に初音聞く 三浦澄江 ぐろっけ 201108  
人の世を少し浄めて初音かな 山田佳乃 ホトトギス 201108  
朝の厨幼き初音に耳をかす 西川春子 春燈 201108  
剥落の仁王聴きゐる初音かな 雲所誠子 風土 201201  
六甲を指呼に初音の芦屋川 稲畑廣太郎 ホトトギス 201202  
一声の初音のあとの森の黙 旗島嘉則 末黒野句集 201203  
黙深き山は初音にほどけ行く 三橋玲子 末黒野句集 201203  
気多の宮入らずの杜の初音かな 中山純子 万象 201203  
渓谷に透きとほりくる初音かな 川井専蔵 末黒野句集 201203  
鳥声の数多に拾ふ初音かな 岡野里子 末黒野句集 201203  
襖褪せし部屋に通さる初音かな 浜口高子 火星 201204  
篁の奥より透る初音かな 森清堯 末黒野 201204  
くさぐさの初音や杜に人を見ず 園部早智子 ろんど 201204  
二人して初音に向きを揃へたる 谷田部栄 万象 201205  
初音なり聞きたくて来し夫の墓 細川コマヱ 雨月 201205  
耳といふ半島二つ初音かな 石田きよし 201205  
初音せる隣家の門に在釜札 田下宮子 201205  
初音また妻に遅れてしまひけり 山崎青史 ろんど 201205  
初音聞き朝の目覚めの心地よき 服部珠子 雨月 201205  
鶯の初音の宿の朝餉かな 川井素山 かさね 201205  
水仕事終へたる朝の初音かな 桔梗純 万象選集 201205  
声上げて呼ぶ母あらず初音かな 中野あぐり 春燈 201205  
金色の如来の背より初音かな 山田春生 万象 201205  
初音かな影なきままの薄情 鈴木直枝 ろんど 201206  
初音かな空耳にこそふさはしき 深澤鱶 火星 201206  
初音聞き身の軽くなる登山道 山本達人 かさね 201206  
鶯の初音訓練マイクより 福島松子 ぐろっけ 201206  
まぼろしの夫の声かと初音聴く 鈴木加代子 末黒野 201207  
猿島のわけても高き初音かな 石黒興平 末黒野 201207  
猿島を登り下りて初音かな 渡辺絹代 末黒野 201207  
梅林の奥より微か初音聞く 佐藤喜仙 かさね 201207  
山里に行き合ふ藪の初音かな 倉橋千代子 末黒野 201207  
湧水と豊かに和して初音かな 鎌田慶子 ろんど 201207  
要塞のつづく小径の初音かな 渡辺絹代 末黒野 201207  
留袖をしたためをれば初音かな 小谷延子 万象 201207  
空白のありて初音と気付きたる 湖東紀子 ホトトギス 201207  
主亡き屋敷の庭に初音聞く 神田惣介 京鹿子 201208  
甘樫の雨上りゆく初音かな 井上浩一郎 ホトトギス 201208  
初音してその日や甥に嬰生る 北崎展江 くりから 201209  
千年の御堂にひびく初音かな 小島昭夫 春燈 201212  
補聴器の耳を初音に立ててゐし 布川直幸 201303  
初音聞く蹠を地震の走り過ぐ 布川直幸 201303  
神杉の神の声とも初音かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303  
金堂に仏の慈悲の初音聞く 藤見佳楠子 201304  
初音して建仁寺垣雨催ひ 西村操 雨月 201305  
初音よし谷渡り今稽古中 篠田純子 あを 201305  
旋盤の音聞きをれば初音かな 藤井美晴 やぶれ傘 201305  
むさし野のこよなく晴れて初音かな 山田春生 万象 201306  
縁切寺の一歩初音に迎へらる 太田昌子 馬醉木 201306  
岡の上のベンチ初音のありさうな 西村節子 火星 201306  
住む町の不意をつきたる初音かな 国包澄子 201306  
墨の香や初音かすかに朝稽古 大湊栄子 春燈 201306  
筆とめて初音たしかむ広目天 長谷川閑乙 馬醉木 201306  
初音かな一山の気の入れかはる 中島讃良 ろんど 201306  
初音せり日は朗々と沖わたり 松本幹雄 馬醉木 201306  
初音聞く足音止めて息止めて 陽山道子 船団 201306  
初音聞く木木の葉擦れの背山より 安斎久英 末黒野 201306  
鶯の初音や谷戸の大気澄む 福田房子 末黒野 201306  
切通し抜け禅寺の初音かな 林いづみ 風土 201306  
拙なくも転結引きて初音かな 上野進 春燈 201306  
まなざしを遠く聞き入る初音かな 水田壽子 雨月 201306  
宅配にドアを開くれば初音して 長久保郁子 かさね 201306  
朝日さし団地に初音ひびき来る 水田壽子 雨月 201306  
鍾乳洞出口入口初音かな 吉田克美 ろんど 201309  
仏性の句碑に傳き虫初音 田中貞雄 ろんど 201311 円覚寺
笹鳴の冬ぬくければ初音せり 瀧春一 花石榴 201312 高橋忠弥邸
孫の来てピアノの初音聞きにけり 松嶋一洋 201403  
坐禅句碑寺屋根越しの初音かな 田村愛子 万象 201404  
白粥の塩のあまさや初音せる 杉本綾 201404  
ほーほっきょきん日比谷公園にて初音 篠田純子 あを 201405  
産土のみ寺に初音覚束無 石倉千賀子 ろんど 201405  
耳澄ます籬移りに初音して 室伏みどり 雨月 201405  
初音聞く早朝出勤足止める 笠井清佑 201405  
鶯の初音駅員いつもひとり 中田みなみ 201405  
バス降りてすぐこゑひろふ初音かな 有本惠美子 ろんど 201406  
恙無き二人のたつき初音せり 錫木妙子 馬醉木 201406  
敦子師に千里の初音届けたや 味村志津子 雨月 201406  
あへぎゆく磴のなかばや初音して 乗光雅子 雨月 201406  
うぐひすの初音に総身宙に舞ふ 安永圭子 風土 201406  
休日の校舎の裏の初音かな 北本奈津子 万象 201406  
熊笹の明るき方や初音せる 林八重子 馬醉木 201406  
下駄鳴らし初音聞きしと叫びをり 今井充子 201407  
初音ふと小さき幸でありにけり 今橋眞理子 ホトトギス 201407  
正面へ耳を傾ぐる初音かな 柳本渓光 ろんど 201407  
姿見せ杜に四声の初音かな 堺昌子 末黒野 201408  
里帰り父母の化身の初音かな 園田雅子 ろんど 201408  
開龕の列に並んで初音きく 渡部次代 ろんど 201408  
朝の厨初音一声とどきけり 正保節子 璦別冊 201408  
入学のランドセル買ふ初音聴く 中島玉五郎 201503  
朝粥に箸とる奈良の初音かな 成智いづみ 馬醉木 201504  
初音きくわれ三尺の子のごとく 神蔵器 風土 201504
初音せり徹夜のつづく桂郎に 神蔵器 風土 201505  
初音かな大吟醸の蔵開き 田中佐知子 風土 201505  
ぴんとはる山の冷気に初音する 鈴木初音 201505  
明王の眉根緩びし初音かな 中林晴雄 201505  
思ひがけぬ近さに初音たまはりぬ 近藤紀子 201506  
初音聞き寧らぎの日の始まりぬ 片岡良子 雨月 201506  
遺されし日を手抜きもし初音聞く 大内幸子 六花 201506  
鶯と言ひて初音とつぶやきぬ 谷田部栄 万象 201506  
畦道へ喜色もたらす初音かな 安永圭子 風土 201506  
やはらかな日差しに散歩初音聴く 羽賀恭子 201506  
初音かな腦天直下足のうら 佐藤喜孝 あを 201506  
鉋刃嬌める折しも初音して 定梶じょう あを 201506  
庵主の句碑読めば賜る初音かな 松本三千夫 末黒野 201506  
面白の弥山の空の初音かな 中島陽華 201507  
初音聞く闘伽桶に泛く妻の顔 布川孝子 京鹿子 201507  
湯けむりを黄色に染める初音かな 児玉有希 京鹿子 201507  
初音聞く背にぬくとき日を溜めて 安斎久英 末黒野 201507  
朝の膳縁に持ち出し初音聞く 鈴木礼子 末黒野 201507  
堂守の耳をすませし初音かな 鎌須賀礼子 万象 201507  
供花と水提げて初音の山路かな 河原昭子 万象 201507  
初音して空のみづいろ広げけり 平田はつみ 馬醉木 201605  
子ら去りて一人しあれば初音せり 和田和子 馬醉木 201605  
初音かと仰げば聞こゆ山の寺 間島あきら 風土 201605  
毘沙門堂の奥へ奥へと初音聞く 池田光子 風土 201605  
予告なきもの戦争と初音かな 石田きよし 201605  
山の湯の音のひとつに初音かな 小山直子 末黒野 201605  
玻璃窓のまばゆく午後の初音かな 後藤眞由美 春燈 201605  
うぐひすの初音に目覚む鄙暮し 大湊栄子 春燈 201605  
あかときのいづくの寺の初音やら 本多正子 雨月 201605  
牛車置く館に初音を聞きもして 金森信子 雨月 201605  
檀寺に寸の用ある初音かな 井原美鳥 201606  
ゴンドラをつらぬく初音島はるか 高橋道子 201606  
山の子に等しく初音届きけり 和田照海 京鹿子 201606  
目くばせに二の声を待つ初音かな 森清信子 末黒野 201606  
燦燦と日の差す野辺の初音かな 高木邦雄 末黒野 201606  
忌明けせし身に何よりの初音かな 森幸 雨月 201606  
初音賜り三文の得となす 平野みち代 201607  
初音聞く木地師の里の丸木橋 山口順子 馬醉木 201607  
自づから鍬の手の止む初音かな 大矢恒彦 201607  
遠初音手を休めゐる水仕かな 水田壽子 雨月 201607  
背伸びせし朝寝間遠に初音かな 清原洋子 京鹿子 201607  
若冲の羅漢らと聞く初音かな 今井春生 201608  
聞いたよね今鳴いたよね初音かな 渡辺やや 風土 201701  
嫁二人とほどよき距離の初音かな 井上正子 童女 201701  
こよなきや千の鳥居に聴く初音 鈴鹿仁 京鹿子 201704  
間合ひ良き初音のとどく句会かな 山口登 末黒野 201704  
公園のやや臆しつつ初音かな 大橋晄 雨月 201705  
誕辰を祝ひくれたる初音かな 玉置かよ子 雨月 201705  
一朝の初音に詩心昂りぬ 大村仍子 雨月 201705  
間遠なる初音を待ちぬ奥社径 森清堯 末黒野 201706  
篁に初音聞ゆる黙破り 高木邦雄 末黒野 201706  
かがみたる水琴窟にいま初音 岡田和子 馬醉木 201707  
それつきり初音の絶えし榛名富士 岡田和子 馬醉木 201707  
急ぐ歩を思はず止むる初音かな 石黒興平 末黒野 201707  
鳴き出して戸惑ってゐる初音かな 下田奉枝 雨月 201707  
山麓まだ片言の初音かな 茂呂昇平 201707  
石磴を上りゐしとき初音降る 廣畑育子 六花 201707  
庭先の思はぬ初音朝まだき 久貝芳次 末黒野 201708  
私の口笛ほどの初音かな 永淵惠子 201707  
チャシの跡見張り櫓の初音かな 林陽子 万象 201709

チャシ

アイヌ語で砦

瀬音より時折拾ふ初音かな 及川照子 末黒野 201804  
初音きくこけしのうす目開きける 阪倉孝子 201805  
切株に生駒見渡す初音あり 松本鷹根 京鹿子 201805  
半自動ドアよりうぐひすの初音 井尻妙子 京鹿子 201805  
低木に隠れしままの初音かな 大橋晄 雨月 201806  
初音して勾玉池は空の碧 塩貝朱千 京鹿子 201806  
あの梢あたりに今朝も初音かな 峰幸子 末黒野 201806  
すぐそこに雨の来てゐる初音かな 府川昭子 春燈 201807  
垂乳根の峡の大門の初音かな 中島陽華 201808  
児に教ふ小声でこれが初音よと 眞田忠雄 やぶれ傘 201808  
初音して百壱歳を励ましぬ 後藤比奈夫 ホトトギス 201809  
低木に隠れしままの初音かな 大橋晄 ホトトギス 201809  
初音とは母の名前よ初音聴く 森岡正作 201904  
鶯の初音に明くるちちの里 石本秋翠 馬醉木 201905  
手のひらへ風の運びし初音かな 阪倉孝子 201905  
風化仏目を閉ぢ初音聞き在し 森脇貞子 雨月 201905  
廃坑を出づれば零れくる初音 熊岡俊子 雨月 201905  
初音かなふと慕はしきひとのごと 熊岡俊子 雨月 201905  
初音かも地鳴きのそれのつたなさに 川村欽子 雨月 201905  
作務僧の鍬を休むる初音かな 森岡正作 201906  
湾沿ひの列車眼下に初音かな 小形博子 201906  
ひと啼きに憂さを押しやる初音かな 森清堯 末黒野 201906  
いとけなき初音背山を二度三度 安斎久英 末黒野 201906  
学童の去りししじまの初音かな 伊藤鴉 末黒野 201907  
初音聴く川の流れを序曲とし 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002  
初音聞く六甲颪遠ざけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202002  
初音せり紅絹に塗椀拭きをれば 佐藤保子 馬醉木 202004  
平成の終の梅が香初音茶屋 太田良一 末黒野 202004 初音 →1

 

2020年4月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。


 

2020年4月23日