春隣 5     200句

春隣吾子の微笑の日日あたらし  篠原梵  ザ・俳句

春隣  春近し  春近* 春信

作品
作者
掲載誌
掲載年月
サーフィンの波の輝き春隣 原久栄 末黒野 201605
オリオンを横切る雲の春隣 橋本くに彦 ホトトギス 201606
春隣都心の土の濡れ色に 今橋眞理子 ホトトギス 201606
スカートの重ね穿きなり春隣 中島陽華 201606
水滴の次の音待つ春隣 古川夏子 201606
手櫛にてちよつとそこまで春隣 田岡千章 201606
言葉数日々増ゆる子や春隣 住田千代子 六花 201606
リヤカーで運ぶ野菜や春隣 横田敬子 201607
春隣声掛け合うて足場組む 久留島規子 万象 201608
春隣筆先ぷわっと太らせて 黒田さつき 船団 201612
三日月と金星の距離春隣 黒田さつき 船団 201612
あなたから風邪をもらった春隣 黒田さつき 船団 201612
ガリ勉も早弁もいて春隣 黒田さつき 船団 201612
春隣アインシュタインから宿題 黒田さつき 船団 201612
春隣計量スプーンの大中小 黒田さつき 船団 201612
春隣天津甘栗ほうり込み 黒田さつき 船団 201612
クレープをかじりかじらせ春隣 児玉硝子 船団 201612
日表といふ富士五湖の春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
この風もこの水音も春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
対岸は風の溜り場春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
水音はひかりのかたち春隣 今井肖子 ホトトギス 201702
田に降りてちらばる雀春隣 根橋宏次 やぶれ傘 201703
春隣洗濯物は揺れてゐる川 天野美登里 やぶれ傘 201703
退任の花束受くる春隣 山本久枝 やぶれ傘 201703
音立てて薄茶飲み乾す春隣 下田村園子 201704
良き妻になれと肩に手春隣 加藤峰子 201704
スカイツリー飛び立つごとし春隣 相良牧人 201704
犬の餌を雀ののぞく春隣 苑実耶 201704
宿木の黒き鈍色春隣 竹中一花 201704
カレーの香みんな大好き春隣 中谷富子 201704
作務衣みな膝よりやつれ春隣 大畑善昭 201704
錠剤のあはきむらさき春隣 大川ゆかり 201704
春隣ラー油の匙の小さくて 菊川俊朗 201704
行けぬ地の地図を辿るや春隣 長谷川歌子 春燈 201704
春隣手尺で計る機械工 金山雅江 春燈 201704
春隣少し自分を甘やかす 小倉陶女 春燈 201704
片髭の猫のまどろむ春隣 荒井慈 春燈 201704
ボレロ聴く音色ラヴェルの春隣 中澤弘 春燈 201704
目も耳も老いを感じて春隣 出口誠 六花 201704
風鐸のかすかに揺るる春隣 江見悦子 万象 201704
湧水に五指を沈める春隣 雨宮桂子 風土 201704
せせらぎに魚影たしかや春隣 阪上多恵子 雨月 201704
語らひのフルーツパーラー春隣 落合絹代 雨月 201704
春隣日差しに白き艶生まる 上辻蒼人 風土 201705
アカハラもシロハラもゐて春隣 須賀敏子 あを 201703
モザイクは天使ミカエル春隣 中島陽華 201705
板垣の釘のゆるみや春隣 中川句寿夫 ここのもん 201705
新聞紙きりりと括る春隣 田原陽子 201705
光りつつ川面の荒ぶ春隣 数長藤代 201705
坂道をからすおりゆく春隣 大崎紀夫 やぶれ傘 201705
専用車でピアノを運ぶ春隣 丑久保勲 やぶれ傘 201705
トラックに土載せてくる春隣 渡邊孝彦 やぶれ傘 201705
春隣生くる手立ての血を貰ふ 宮井知英 201705
やはらかく弾む雀や春隣 森清堯 末黒野 201705
近道を行けばぬかるみ春隣 森清堯 末黒野 201705
鳴く牛の大きな声や春隣 大川暉美 末黒野 201705
剽軽な話題展開春隣 植村蘇星 京鹿子 201706
姿見のくもりを磨き春隣 田尻勝子 六花 201706
会ひたいは好きといふこと春隣 和田華凛 ホトトギス 201706
昇降機開きてしまりて春隣 今井千鶴子 ホトトギス 201706
来る筈の人心待ち春隣 今井千鶴子 ホトトギス 201706
この荒ぶ風を耐へなむ春隣 山田閏子 ホトトギス 201706
春隣夫のなじみし甲斐ことば 野畑さゆり 201706
紙の上の砂鉄のをどる春隣 樋口みのぶ 201706
病む人も癒えたる人も春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201802
逃げてゆく日々追ひかけて春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201802
風荒き一と日過ぎゆく春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201802
曲線を行きつ戻りつ春隣 山本みち子 201803
手を打つて水気をとばす春隣 根橋宏次 やぶれ傘 201803
ぴよぴよと青信号は春隣 丑久保勲 やぶれ傘 201803
捨て舟の中に細波春隣 天野美登里 やぶれ傘 201803
口紅の色変へにけり春隣 柴崎富子 春燈 201803
ピクルスの色とりどりや春隣 小川流子 201804
三つ折りのそろふ手紙や春隣 稗田寿明 201804
くろがねの鯉の反転春隣 植村蘇星 京鹿子 201804
突堤に潮目薄るる春隣 渡邊千枝子 馬醉木 201804
玻璃越しに鳥の影おき春隣 山咲和雄 末黒野 201804
春隣人形芝居のメール来る 鈴木鳳来 春燈 201804
歳時記に栞のあまた春隣 柴崎甲武信 春燈 201804
夫作るスムージー甘し春隣 篠田純子 あを 201804
正社員に登用決まる春隣 篠田純子 あを 201804
自転車を外股で漕ぐ春隣 篠田純子 あを 201804
春隣腹の立つこと多々あれど 定梶じょう あを 201804
船上の魚のたたきや春隣 中島陽華 201805
通ひ道川面騒めき春隣 杉原ツタ子 201805
キャラメルの箱に天使や春隣 有松洋子 201805
川裾に水の揉み合ふ春隣 志方章子 六花 201805
春隣藤田嗣治の耳飾 志方章子 六花 201805
芽キャベツのほろりと苦き春隣 志方章子 六花 201805
春隣御苑の地図を訪ひ余す 村田あを衣 京鹿子 201805
望楼の空大いなる春隣 鷺山珀眉 京鹿子 201805
春隣上寿に未来なしとせず 亀井福恵 京鹿子 201805
間取り図を見比べてゐる春隣 篠藤千佳子 201805
芭蕉庵近くを歩く春隣 田中臥石 末黒野 201805
デパートに買ふ駅弁や春隣 森清信子 末黒野 201805
一歳の始めの一歩春隣 大塚かずよ 末黒野 201805
サイドミラーに太陽ぽつり春隣 丑久保勲 やぶれ傘 201805
故郷の水はゆたかに春隣 亀岡睦子 やぶれ傘 201806
春隣畳に開く古地図かな 吉田万喜子 雨月 201806
春隣のど飴がこのバックにも 森なほ子 あを 201805
米寿祝ぐカードパリより春隣 千原叡子 ホトトギス 201808
春隣乗らぬ自転車磨き上げ 田岡千章 201808
窓広き処方薬局春隣る 田岡千章 201808
ステッキの手艶光りや春隣 田岡千章 201808
反物の色目を合はす春隣 押田裕見子 201808
猫の名で呼ばるる医院春隣 横田敬子 201808
ふふふんと鼻歌作る春隣 松永啓子 船団 201809
水色のリボンを結ぶ春隣 松永啓子 船団 201809
春隣嫁ぎ行きたる娘の未来 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
点眼の口あく男(おのこ)春隣 山本紫苑 船団 201811
春隣嫁に行きたる娘の未来 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
春隣風と日差の鬩ぎ合ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
手になじむ貝殻拾う春隣 若泉真樹 201902
肩越しに笑みし姿見春隣 渡部恭子 201902
春隣さざなみは川さかのぼる 辻美奈子 201903
春隣町の医院の大時計 小山繁子 春燈 201904
神木の新旧そろひ春隣 西岡啓子 春燈 201904
逞しき倒木の根や春隣 小林紫乃 春燈 201904
春隣白犀一頭立つたまま 本多俊子 201904
カーテンに雀の影や春隣 永尾春己 201904
遠富士の薄き棚雲春隣 森清堯 末黒野 201904
街路樹の電飾外す春隣 宮澤靖子 末黒野 201904
竹林に羅漢の嗤ひ春隣 鈴鹿仁 京鹿子 201904
春隣吾に晩年無かりけり 植村蘇星 京鹿子 201904
ウッフンとうごくドアミラー春隣 鷺山珀眉 京鹿子 201904
声出して歌碑を読む人春隣 森なほ子 あを 201904
湖畔の灯ふえて明けそむ春隣 安原葉 ホトトギス 201905
鉢花を並ぶる菓舗や春隣 森清堯 末黒野 201905
湯上りの桃色の稚春隣 森清信子 末黒野 201905
路地裏を琴の音流る春隣 岩崎俊 201905
暁の鉄路の音も春隣 良知悦郎 201905
神名備に人の気配や春隣 中田禎子 201905
店頭のチョコさまざまや春隣 大塚たきよ 201905
三越で第九合唱春隣 小張昭一 春燈 201906
音程のひょいとはずれて春隣 香川昭子 船団 201906
とどまってユンボ悠然春隣 香川昭子 船団 201906
呼び鈴にまづ犬が出て春隣 あさなが捷 201907
買ひ食ひのコロッケはふはふ春隣 田岡千章 201909
にはとりに鱗の脚や春隣 深川淑枝 201909
アルミホイルシャカシャカ芯だ春隣 山本真佐子 船団 201910
春隣今宵も牛の生き血酌み 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
乗り継いで乗り継いで湖春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
てのひらにビンタのきおく春隣 篠田大佳 あを 202003
博学に挑む雑学春隣 植村蘇星 京鹿子 202003
加齢てふなりの挑戦春隣 植村蘇星 京鹿子 202003
トロ箱の嵩のくづれや春隣 菊地光子 202003
絵に描いたやうな雲浮く春隣 小山よる やぶれ傘 202003
明日がある事の励まし春隣 植村蘇星 京鹿子 202003
文机のルーペの光る春隣 白井友梨 馬醉木 202003
熊本弁期せずして出づ春隣 田尻勝子 六花 202004
懸樋より零るるひかり春隣 森清堯 末黒野 202004
大きめのネックレス買ふ春隣 奥田茶々 風土 202004
あはうみに日の道現るる春隣 南うみを 風土 202004
ねむる子のほほゑんでゐる春隣 沼田桂子 春燈 202004
春隣陶の小人の鼻眼鏡 荒井慈 春燈 202004
匂やかに連れだつ舞妓春隣 久保久子 春燈 202004
がんばれと囃し立て拍手春隣 長崎桂子 あを 202004
橋くぐる水やはらかし春隣 笹村政子 六花 202004
タンバリンの音の洩れくる春隣 岡田史女 末黒野 202005
春隣ラップの端が見つからぬ 直江裕子 京鹿子 202005
幼子に鳩の寄り来る春隣 廣瀬雅男 やぶれ傘 202005
田原城へ初めての道春隣 村手雅子 202005
春隣肌刺す風でありたるも 志方章子 六花 202005
待ち合はす駅のホームは春隣 有賀昌子 やぶれ傘 202005
弓なりの渚の綺羅や春隣 森清堯 末黒野 202005
港きて火点し頃や春隣 大内由紀 末黒野 202005
待つことは苦手にあらず春隣 和田華凛 ホトトギス 202006
春隣オープンハウスの旗あまた 和田芳明 船団 202006
ひもすがら土鳩来てゐる春隣 浅嶋肇 やぶれ傘 202006
手術痕見せ合ふ湯殿春隣 苑実耶 202006
辞書捲りエア・メール読む春隣 萩原久代 やぶれ傘 202006
子ら計る卒寿祝や春隣 河野昭彦 ホトトギス 202006
春隣埴輪遠くを見てをりぬ 小河原清江 梛の木 202007
ふり返ることばかりして春隣 岩岡中正 ホトトギス 202007
春隣伊吹稜線模糊として 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
春隣官庁街の昼下り 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
大琵琶の水嵩といふ春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
春隣ビルの狭間にある日差 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
つま先を照らす光や春隣 横山さくら 春燈 202102
すべらせて反物拡ぐ春隣 吉田葎 202102
大いなる言葉を欲しや春隣 笹村政子 六花 202103
一木の散るをいそがず春隣 藤生不二男 六花 202103
春隣水より亀の首が出て 根橋宏次 やぶれ傘 202103
ごみを出す朝は快晴春隣 丑久保勲 やぶれ傘 202103
靴下に穴開きさうな春隣 小山よる やぶれ傘 202103
春隣色とりどりの幼稚園 村田武 やぶれ傘 202103
古文書のやうな日差しよ春隣 辻美奈子 202104
雲のかたち生くものに見え春隣 河崎祐二 202104
春隣文香の添ふ一筆箋 升田ヤス子 六花 202104
エンデイングノート求めぬ春隣 升田ヤス子 六花 202104
係留のマスト林立春隣 宮澤靖子 末黒野 202104
歯科女医の頼もしき声春隣り 伊藤美緒 末黒野 202104
封筒を秤にのせて春隣 山田暢子 風土 202105
煉切の菓子のももいろ春隣 菅原末野 風土 202105
商ひの声軽やかに春隣 上辻蒼人 風土 202105
弧を重ね鳥どち飛び来春隣 森清堯 末黒野 202105
隣家より洩るる歌声春隣 岡野里子 末黒野 202105
生籬の雀合戦春隣 岡野里子 末黒野 202105
二人していふ独り言春隣 岡美智子 末黒野 202105
塗師の箆光均して春隣 森村江風 202105

春隣→ 6

 

2023年2月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。