春近*     49句

春隣  春近し  春近* 春信

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春近きほほゑみばしと云ふに立つ 岩崎皓子 雲の峰 200003
乳飲んで寝る夜重ねて春近む 村越化石 200004
春近き大樹うやまふ無言かな 伊藤一枝 酸漿 200005
開館の日に向けて春近づきぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200101
春近き旅の心を富士に置く 稲畑汀子 ホトトギス 200101
春近き気配は夕の空にこそ 柿沼盟子 風土 200204
綿雲の春近づけて電波塔 小澤克己 遠嶺 200304
春近き野に温泉を掘る櫓 朝妻力 雲の峰 200502
春近き雨に誘はれゆくものも 稲畑汀子 ホトトギス 200502
春近き海を眼下に子が尿る 松本圭司 200504
春近き一戸に飼はれ犬と雉 村越化石 200504
夫の歩の十歩十五歩春近む 村生翠 雨月 200504
表具屋の玻璃に日ぼこり春近き 木内憲子 200505
春近き香をもろともにカレーパン 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
春近き浮桟橋を鳩歩く 徳丸峻一 風土 200605
春近き汀に君のひるがへる 小澤克己 遠嶺 200704
春近き水音となりぬ母の歩も 柴田佐知子 200704
春近き微熱の指で鶴を折る 横松しげる 遠嶺 200705
春近み谺し合へる盲導鈴 村越化石 200804
春近き雲の動きでありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200901
片言の介護士の笑み春近き 和田郁子 200904
春近き音色は点呼ちやんの笛 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
煎餅を割ればおみくじ春近き 長濱順子 201004
湖の色藍深まりて春近く 田部みどり 201006
春近きこと土に問ひ空へ間ひ 今橋眞理子 ホトトギス 201107
春近きことを心に励むこと 稲畑汀子 ホトトギス 201201
百歳を目途とし生きて春近く 堀内一郎 あを 201204
照り返す桜の幹や春近き 大坪景章 万象 201205
福耳の一休像や春近き 粟倉昌子 201205
春近き川の流れを掬ひけり 天野美登里 やぶれ傘 201206
春近き空の色なり道を掃く 柴田佐知子 201303
明るさは春近きこと告げてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201401
化石の木化石の水に春近む 佐藤喜孝 あを 201404
春近き泥を立てたるどぢやうかな 城孝子 火星 201405
すつぽんの首を伸ばせり春近く 大坪景章 万象 201405
春近き湖の色はた山の色 竹内喜代子 雨月 201406
春近き花屋がともし入れにけり 大島英昭 やぶれ傘 201503
嬰一歩二歩三歩春近づけり 藤野力 馬醉木 201504
春近き墓地に音楽流れけり 福島せいぎ 万象 201605
花摘みの案内や安房の春近き 岡村彩里 雨月 201705
春近き養鶏場に卵買ふ 瀬島洒望 やぶれ傘 201705
春近づく指揮者が楽譜めくるたび 松尾龍之介 201705
阿夫利嶺のほぐるる雲や春近き 森清堯 末黒野 201805
湖のさざ波に春近きこゑ 塚本虚舟 やぶれ傘 201904
春近き芝の弾力ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
春近き雲の迅さでありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
茅屋根に万の雨粒春近し 間島あきら 風土 202102
乳牛の乳房の血筋春近し 青谷小枝 やぶれ傘 202103
春近き蠅虎が椅子にゐる 大崎紀夫 やぶれ傘 202105

 

2023年2月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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