春 隣 3     200句

春隣  春近し  春近* 春信

作品
作者
掲載誌
掲載年月
チューリップ配られしより春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200801
ナビゲーター応へくれたる春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200801
春隣芭蕉と同い年の僕 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
集ひたることがもつとも春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200802
御殿場のイルミネーション春隣 須賀敏子 あを 200803
猫の目の何かしさうぞ春隣 平子公一 馬醉木 200803
ファゴットの紅の美し春隣 赤座典子 あを 200803
抽斗に詰まる歳月春隣 千手和子 馬醉木 200804
宇宙へと紙飛行機が春隣 小澤克己 遠嶺 200804
体内の水がうがうと春隣 内山花葉 200804
隣席の小さな欠伸春隣 松嶋一洋 200804
春隣豆大福の豆数へ 安部里子 あをかき 200804
社家洩るる爪弾ありて春隣 乗光雅子 雨月 200804
風通りぬけきし日差し春隣 芝尚子 あを 200804
子犬のワルツ聞えくる窓春隣 大橋晄 雨月 200804
温泉の湯気の滴や春隣 中山静枝 200804
猫の四肢伸びきつてゐる春隣 あさなが捷 200804
尼の買ふハンドバッグや春隣 八田マサ子 馬醉木 200804
窓拭きのゴンドラの綱春隣 丑久保勲 やぶれ傘 200804
行く雲のやさしき流れ春隣 松嶋一洋 200804
ワンクールひとまず終へて春隣 斉藤裕子 あを 200804
引越しの日どり決めたる春隣 平岡かづを やぶれ傘 200804
ドーナツをふたつに割つて春隣 宮島宏子 200804
チェーンソーの音が減りなば春隣 泉田秋硯 200805
着流しの粋な力士や春隣 渡邉紅華 酸漿 200805
大らかな姉の五十九春隣 松浦洋子 酸漿 200805
草の名のながながしきも春隣 佐藤喜孝 あを 200805
岸近く泡立ちたる春隣 前田美恵子 200805
出不精を嗤はれてゐて春隣 中原敏雄 雨月 200805
目配せの以心伝心春隣 瀬下るか 200805
七福神巡りの誘ひ春隣 白石正躬 やぶれ傘 200805
筬の音や雲むらさきに春隣 湯浅夏以 樹も鳥も 200806
プロヴァンスよりの旅土産春隣 山田弘子 ホトトギス 200806
ワイングラス二つ並んで春隣 岩岡中正 ホトトギス 200807
山際の雲のほぐるる春隣 山下由理子 200810
潮目又変りて渚春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200901
健康な笑顔集へり春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200901
重ね着る色のかるうて春隣 ことり 六花 200902
江の電に止められてをり春隣 阿部ひろし 酸漿 200902
完結の正念場を生く春隣 八家こひで 春燈 200903
声ひくくゆるゆると坐す春隣 長崎桂子 あを 200903
根菜を娘と刻む春隣 篠田純子 あを 200903
愛ちやんのまあるい尻も春隣 小形さとる 200904
古書店で下巻探して春隣 大松美津子 ぐろっけ 200904
源氏絵巻繰つてふたりの春隣 和田孝村 春燈 200904
掃除機を掃除してゐる春隣 林昭太郎 200904
干魚を売る婆のこゑ春隣 平野みち代 200904
春隣夜明のまへの星ひとつ 井関祥子 酸漿 200904
春隣木々の日表色めける 岸本久栄 雨月 200904
春隣先を競ひて樋の雨 甲州千草 200904
春隣笹生小径の風のこゑ 近藤きくえ 200904
掛軸を細身に替へて春隣 矢島久栄 200904
春隣灯すことなき吊りらむぷ 竹内弘子 あを 200904
野良猫の眼の翡翠色春隣 山口天木 雨月 200904
水と水触れ合うてゐる春隣 辻美奈子 200904
波音のリズムとなりて春隣 山田暢子 風土 200904
紺碧の若狭の海や春隣 竹内悦子 200904
ひと目づつすくふ針目や春隣 中野京子 200905
猪を撃つ銃の音春隣 白石正躬 やぶれ傘 200905
宅配車近く来りて春隣 岡久枝 酸漿 200905
駅頭に車一台春隣 大島英昭 やぶれ傘 200905
石段の影のでこぼこ春隣 苑実耶 200905
真向へる海の紺青春隣 大泉美干代 雨月 200905
礼状は筆にて書かむ春隣 高木千鶴子 酸漿 200905
茅葺の雨だれの音春隣 竹内久子 京鹿子 200905
失くしたる指輪現はる春隣 北村香朗 京鹿子 200905
春隣寝癖のついたハムスター 倉持梨恵 200905
路地裏の夜気の甘みや春隣 田中藤穂 あをかき 200905
葉隠れのレモン一箇や春隣 怱那みさ子 やぶれ傘 200905
木の香たつ建築現場春隣 木村茂登子 あを 200905
じつちやまの髭で遊ぶ子春隣 雨村敏子 200905
校舎へとつむじ風ゆく春隣 大崎紀夫 やぶれ傘 200905
抽出の前売券や春隣 石田邦子 遠嶺 200905
昼時のめし屋に並ぶ春隣 國保八江 やぶれ傘 200905
サーカスは人馬一体春隣り 後藤とみ子 ぐろっけ 200905
レプリカの戦車砂場に春隣 瀬島洒望 やぶれ傘 200905
グランドにひとり素振りの春隣 岩木茂 風土 200905
青空になりゆく早さ春隣 藤井啓子 ホトトギス 200906
溜まれば滲む筆先春隣 松本鷹根 京鹿子 200906
乾杯の音はラの音春隣 木暮陶句郎 ホトトギス 200906
これ以上反れぬ体操春隣 徳永明世 200907
鳥の影増えたる庭の春隣 彦根伊波穂 200912
計画は秘めて心に春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201001
峡とてもこの明るさは春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201001
春隣心変りは常の如 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
春隣張り切り焦る点呼ちやん 稲畑廣太郎 ホトトギス 201001
模様替庭に及びぬ春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201001
峠越えゆける明るさ春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201001
はるばると彼の出席春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201002
母の指くはへて寝る児春隣 ことり 六花 201002
鳥肌の女形流し目春隣り 品川鈴子 ぐろっけ 201003
春隣小川のひびく糺森 伊藤憲子 201003
春隣とふもきれぎれの雲覆ふ空 大橋敦子 雨月 201003
式を待つ花嫁御寮春隣 須賀敏子 あを 201003
人違ひして笑交す春隣 井上真江 酸漿 201004
新人の背筋すつくと春隣 竹内慶子 春燈 201004
春隣屋根より滑車下りて来し 根本ひろ子 火星 201004
旅の荷を先に発たせり春隣 藤原照子 201004
厄除門くぐる房総春隣 井口初江 酸漿 201004
手いつぱいの封書開くや春隣 坂本依誌子 春燈 201004
風折れの波の穂立ちも春隣 遠藤真砂明 201004
豆腐屋に朝ごとの湯気春隣 塩田博久 風土 201004
鳶声の立体交差春隣 田中貞雄 ろんど 201004
円グラフ折線グラフ春隣 柿沼盟子 風土 201004
嬰抱けば満面の笑み春隣 能勢栄子 201004
オカリナの万葉讃歌春隣 小澤淳子 201004
雨上る土の匂ひや春隣 府川昭子 春燈 201004
リフォームの鑿音高し春隣 杉本綾 201004
雨脚の大路に弾み春隣 岡野里子 末黒野 201004
ひろぐればひかる新聞春隣 根橋宏次 やぶれ傘 201005
ひと月に二度の満月春隣 小川玉泉 末黒野 201005
竹林の羅漢大笑春隣 冨松寛子 201005
現し世に柱丁本春隣 林友次郎 遠嶺 201005
原石に句碑のイメージ春隣 安田久太朗 遠嶺 201005
草色の絵具買ひ足す春隣 丸山美奈子 馬醉木 201005
春隣卒寿の母の坐り胼胝 後藤那生 ろんど 201005
春隣湖畔に了らの影多き 矢崎暉文 酸漿 201005
春隣テレビ画面の犬笑ひ 塩出眞一 ぐろっけ 201005
春隣えんぴつ描きの地図持つて動く 杉浦典子 火星 201005
旅誘ふちらしの増えて春隣 楯野正雄 201005
春隣姉にも好きな人がいて 陶山泰子 ぐろっけ 201005
すべり台にはずむ声して春隣 谷村幸子 201005
四人揃ふテニスコートや春隣 遠藤逍遙子 風土 201005
白磁器にサラダ多彩や春隣 石田玲子 201005
島を背の帆柱数ふ春隣 根本公子 末黒野 201005
電話力ードの穴二つ増え春隣 芝孝子 末黒野 201005
大鷭の潜る葦辺や春隣 木村コウ 酸漿 201005
一願の成りたる随喜春隣 溝内健乃 雨月 201005
ゆつくりと粉引く水車春隣 山県章宏 201005
湖みつむ静と動の血春隣 北川孝子 京鹿子 201006
着信のメロディを替へ春隣 西本育子 ろんど 201006
研ぎに出す木屋の包丁春隣 松木溪子 201006
春隣アルプス青き光満つ 岡田誠吾 201006
物置を出て鹿沼土春隣 池田澄子 201007
植込みに移る日差しや春隣 佐久間由子 201010
菊坂や路地一本の春隣 雨宮桂子 風土 201101
講演の準備足らずも春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201102
芳ばしき茶の葉焙じる春隣り 田中佳子 ぐろっけ 201102
パスポート出して確かめ春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201102
一心に指吸ふ赤子春隣 田中藤穂 あを柳 201103
ぎんの砂下は黒すな春隣 篠田純子 あをかき 201103
春隣水車は光弾きゐて 大橋晄 雨月 201103
春隣ねっとりとせるスープもて 大橋敦子 雨月 201103
鍋こがすもの忘れ課の春隣 安部里子 あを 201103
公園に友と会ひけり春隣 野中弓子 酸漿 201104
春隣至福の時はと子に問はれ 斉藤裕子 あを 201104
湧水に砂のおどれる春隣 黒澤登美枝 201104
雄鳩のくるりくるりと春隣 大坪景章 万象 201104
じっくりと子の言ひ分を春隣 斉藤裕子 あを 201104
紙鍋の豆腐を掬ひ春隣 藤原照子 201104
数寄屋門木槌とんとん春隣 長崎桂子 あをかき 201104
何といふ事も無けれど春隣 矢口笑子 春燈 201104
赤子泣くボーイソプラノ春隣 和田森早苗 201104
荒くれてゐる赤松も春隣 森岡正作 201104
幸せは子の笑顔だよ春隣 斉藤裕子 あを 201104
わらわらと光の波の春隣 中野京子 201104
ランドセル色とりどりに春隣 横山さくら 春燈 201104
竹の葉を洗ふ一雨春隣 加藤みき 201104
プラン無き新パスポート春隣 坂根宏子 201104
ビブラフォンの桴も弾んで春隣 斉藤裕子 あを 201104
折り鶴の生るる指先春隣 椎名文子 末黒野 201105
春隣笑顔で終るデイスカツシヨン 伊吹之博 京鹿子 201105
果し得ぬ夢に一途や春隣 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
絵手紙に旅の誘ひや春隣 八田マサ子 馬醉木 201105
里山に木を伐る響き春隣 次井義泰 201105
帽子屋の棚はなやげる春隣 堺昌子 末黒野 201105
包丁の金気のにほふ春隣 天野美登里 やぶれ傘 201105
家崩しの音の響きや春隣 白右正躬 やぶれ傘 201105
飛び石の終りはジャンプ春隣 吉田美智子 末黒野 201105
広重の馬子唄聞こゆ春隣 武田貞子 ぐろっけ 201105
朝日より夕日たのもし春隣 鳳蛮華 201106
卒乳の子の意志固く春隣 乾有杏 201106
郁夫描く敦煌仏画春隣 池田倶子 雨月 201106
気がつけば厨磨けり春隣 川原典子 酸漿 201106
水音に囲まれてゐて春隣 岩岡中正 ホトトギス 201107
その内といふ約束も春隣 木村享史 ホトトギス 201107
遠き日を連れて友来る春隣 野沢しの武 風土 201107
体ごと振るフライパン春隣 木暮陶句郎 ホトトギス 201108
春隣心の窓は両開き 木暮陶句郎 ホトトギス 201108
マジシャンの得意気な指春隣 木暮陶句郎 ホトトギス 201108
春隣俳句の未来故郷に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110
何処の子と知らぬ子とゐる春隣 星野早苗 船団 201110
滞在の五日に及ぶ春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201201
狭き部屋模様替して春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201201
春隣予備の釦は裏側に 藤本純子 京鹿子 201201
春隣やつと下田に来た気分 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
木々蔵しきれざる命春隣 稲畑汀子 ホトトギス 201201
かき混ぜる糠床の渦春隣 吉田葎 201203
大あばれする猫洗ふ春隣 和田森早苗 201204
濡れてきし獣の声よ春隣 近藤喜子 201204
春隣夕餉の菜の一つ増え 小池清司 かさね 201204
春隣じんべい鮫とツウショット 田中芳夫 201204
春隣歯抜け童の笑ひかな 坂上香菜 201204
山ふところの畑に足あと春隣 小野寺節子 風土 201204
影の上の千本鳥居春隣 小瀧洋子 ろんど 201204
雲梯に腹出す子ゐて春隣 福島茂 201204
プラタナス幹白々と春隣 笠井清佑 201204
よれよれの鬼がきたれり春隣 西村純太 201204
アルバムの昭和ファッション春隣 鈴木照子 201204
西行庵に切り株二つ春隣 雨宮桂子 風土 201205
春隣→4      

 

2021年2月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。