春隣 2     200句

叱られて目をつぶる猫春隣    久保田万太郎

春隣  春近し  春近* 春信

作品
作者
掲載誌
掲載年月
踏みしめる高千穂渓谷春隣り 早川周三 ぐろっけ 200306
手枕の足に朝の日春隣 西塚成代 六花 200307
姿見に半歩踏みこむ春隣 山元志津香 八千草 200307
耳付きの器にスープ春隣 蓮井いく子 200307
病院の一期一会や春隣り 河内童楽 六花 200307
繰り返し母に答へし春隣 近藤幸三郎 風土 200401
弾みよく鳩の降り来る春隣 渡辺周子 雲の峰 200403
叱っても背伸びする猫春隣 増田祐三 帆船 200403
春隣日課となりしまどろみも 須佐薫子 帆船 200403
ドロップのピンク選ぶ子春隣 阪口美枝子 雨月 200403
春隣一車輌目にひよこ鳴き 齋藤宣子 帆船 200403
神に捧ぐ水に香のあり春隣 高橋ちよ 200404
川船の波蹴り上ぐる春隣 寺内佶 遠嶺 200404
猫の目と心の通ふ春隣 芝尚子 あを 200404
春隣じつと見詰める掲示板 木村幸子 帆船 200404
春隣角すこし伸び奈良の鹿 高橋千美 京鹿子 200404
春隣り黄味の重さの卵持つ 道具永吉 対岸 200404
ながながと鵯の夕鳴き春隣 柴崎英子 200404
舌を焼く鰭ひれスープ春隣 大橋敦子 雨月 200404
マネキンの衣裳取替へ春隣 塩川滋也 築港 200404
葦原にこもる水音春隣 田中佐知子 風土 200404
雀きて鳩鳴く苑の春隣 梶島邦子 築港 200405
犬の仔のジーンズファッション春隣 楯野裕子 200405
耳たぶに朝日のなごみ春隣 清水公治 200405
派手な絵の地下鉄電車春隣 竹内悦子 200405
さざ波の囁いてゐる春隣 山荘慶子 あを 200405
ピカソ似の絵のある園や春隣 加賀富美江 遠嶺 200405
ゆつたりと陛下の車春隣 近藤真夫 遠嶺 200405
つれ歩くわが影うすし春隣 高橋瑛子 河鹿 200405
手作りの小箱賜り春隣 寺島順子 雨月 200405
乳呑児を抱かせてもらふ春隣 秋岡朝子 200405
子に残すものなどあらぬ春隣 野坂民子 馬醉木 200405
糸車くるりくるりと春隣 藤森万里子 百鳥 200405
高階の小町の面春隣 中島陽華 200405
店先の古書に日あたる春隣 佐々木よし子 200405
春隣り植ゑかへてゐる花時計 舩越美喜 京鹿子 200405
リハビリの靴に名を書く春隣 久保田妙 百鳥 200405
春隣湖へ出入の風忙し 長村雄作 栴檀 200406
味噌にまだ麹の匂ひ春隣 大森サカエ 帆船 200406
いくつかの誘ひ来てをり春隣 岩垣子鹿 ホトトギス 200406
遠山に木々の歌声春隣 大塚孝一 帆船 200407
北向きの屋根きらきらと春隣 飯田泰子 八千草 200408
追伸にその1、その2、春隣 野沢しの武 風土 200410
先生が猫を蹴とばし春隣 内藤ゑつ ゑつ 200411
枯色の山越えて海春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200501
春隣芭蕉三百六十歳 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
春隣怒濤に色を置き初めし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200501
春隣り時鐘半拍づつずれて 品川鈴子 六香 200501
富士はもう見えぬ山越え春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200501
紅少し濃く引くことに春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200501
厄介な方へ歩む子春隣 中村房枝 六花 200502
絵手紙に添へし一句や春隣 高橋秋子 200503
ティーバッグ糸で操る春隣 林昭太郎 200504
地図の距離測る指さき春隣 福山悦子 200504
見えぬとて句に生かさるる春隣 鈴木白洋 雲の峰 200504
群鶏の一羽真白く春隣 千手和子 馬醉木 200504
切り張りの梅や桜や春隣 清水公治 200504
酸素管つなぐボンベは春隣り 丸山冬鳳 京鹿子 200504
身ほとりに世界の香味春隣 坂ようこ 200504
春隣象牙の箆は母譲り 清水ミツコ 200504
春隣つのはしばみが角揃へ 阿部ひろし 酸漿 200504
掛け値なき齢を鏡に春隣り 伊藤希眸 京鹿子 200504
野から野へ雀歩きに春隣 小澤克己 遠嶺 200504
春隣熱海土産の干物焼く 大沢敦子 雲の峰 200504
自転車の婦警の帽子春隣 萩原みどり 雲の峰 200504
人はみな何か抱へて春隣 高畠陽子 河鹿 200504
仏法を正座してきく春隣 中山純子 万象 200504
甥っ子の娶近づく春隣 大橋敦子 雨月 200504
豆の灰汁をすくうてをりぬ春隣 近藤紀子 200504
この曲はモーツァルトか春隣 狹川青史 馬醉木 200504
一舟の水脈ひかり来る春隣 佐々木よし子 200504
まなうらを擽る光春隣 三沢蘭 遠嶺 200504
ふつくらと豆煮含めて春隣 猪俣洋子 200505
青白く粥の泡ふく春隣 三枝きぬ子 帆船 200505
南座の切符むらさき春隣 森洋子 京鹿子 200505
京菓子の箱の行方や春隣 鈴木實 百鳥 200505
針のめど通す窓辺や春隣 隅田恵子 雨月 200505
小流れのひかりを孕み春隣 前迫寛子 河鹿 200505
春隣犬小屋ごとんと伸びをする 岡敏恵 ぐろっけ 200505
春隣サーブに込むる打つチカラ 芝尚子 あを 200505
看護士の惚けししぐさ春隣り 水野範子 ぐろっけ 200505
夕かげの雲のはたても春隣 吉円邦幸 遠嶺 200505
永観堂の見返り阿弥陀春隣 島田和子 風土 200505
アメリカへ送る荷一つ春隣 前田陽子 200505
マネキンの脚の長さよ春隣 大坪景章 万象 200505
古時計止って動いて春隣 米岡幸子 200506
人文字の並ぶ校庭春隣り 水野範子 ぐろっけ 200506
乗り替への利かぬ八十路へ春隣 古屋喜水 春燈 200506
裏の犬われになつきて春隣 遠藤とも子 ぐろっけ 200506
春隣川幅日毎ひろがれり 佐々木恭子 遠嶺 200506
お昼など一しよにいかが春隣 今井千鶴子 ホトトギス 200506
春隣一木歩み来るごとし 岩岡中正 ホトトギス 200507
命名の書ののびやかに春隣 服部早苗 200507
店前の風荒くとも春隣 西村慧子 200508
赤ん坊あやしてゐたり春隣 中道愛子 200508
新刊の本の感触春隣 岐部陽子 八千草 200508
花舗の水街へはみ出す春隣 山元志津香 八千草 200508
春隣ハガキ一枚出す散歩 岡田芳べえ 200508
歯の欠けた夫婦が笑う春隣 岡田芳べえ 200508
漁具船具売る店に猫春隣 貝田遊山 200508
折鶴のはじめ三角春隣 清水ゆみ子 200510
白波を立たせる風も春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200601
協会賞選考会や春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200601
春隣言葉選んでゐる君に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
春隣虚子も歩きしアスファルト 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
春隣何時も何かが咲く下田 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
春隣てふ戸惑ひのありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
春隣ドームは日差溜めてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
しなければならぬならぬと春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200601
遠浅の波ひた寄する春隣 福地初江 200601
南の風囁きて春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
春隣水は明日へ流れゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
春隣海抜二十五メートル 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
元町で筆の櫛買ひ春隣 山田六甲 六花 200603
篆刻の月日百代春隣 山田六甲 六花 200603
療術の予約や雨の春隣 山田六甲 六花 200603
春隣りペンだこ柔くなりにけり 吉田かずや 春燈 200603
朝市に店と人増す春隣 長崎桂子 あを 200604
ちりめんの機音弾む春隣 片山喜久子 雨月 200604
焼香の順序たがへる春隣 篠田純子 あを 200604
春隣雀と雀なに話す 村越化石 200604
春隣力士の風呂敷膨らんで 石川喜代美 百鳥 200604
老いてなほ夢ふくらめり春隣 永岡セツ 酸漿 200604
春隣龍を鳴かすに手を打つて 蘭定かず子 火星 200604
持ち慣れし杖の手光り春隣 植竹惇江 春燈 200604
横浜に白き巨船や春隣 永田歌子 遠嶺 200604
ふるさとの昔はいづこ春隣 松元末則 酸漿 200604
まだみつき嬰よく笑ふ春隣 細川コマヱ 雨月 200604
医療費のレシートの嵩春隣 杉本重雄 200604
グッピーにまた子の産まれ春隣 渡邊紅華 酸漿 200604
雨の日に喜劇見に行く春隣 篠田純子 あを 200604
胃袋をカメラが捕ふ春隣 鈴木多枝子 あを 200604
通夜の座のなつかしき顔春隣 中元英雄 河鹿 200605
水音の好日好夜春隣 岩下芳子 200605
少年の辞儀と挨拶春隣 井上富詩子 200605
渚踏む砂のきしみも春隣 山本康 200605
春隣灘の正宗喉を越す 津田霧笛 ぐろっけ 200605
春隣マネキン一歩前に出て 尾辻のり子 河鹿 200605
春隣ボレロのリズム始まれり 石川英利 百鳥 200605
丼に黄身がとろりと春隣 荒木治代 ぐろっけ 200605
漏れて来るピアノ教室春隣 山元海郎 河鹿 200605
陸橋を渡る足音春隣 中元英雄 河鹿 200605
末つ子の親に成る日や春隣 渡辺玄子 酸漿 200605
つやつやの口紅差してみる春隣 伊藤豊美 遠嶺 200605
武甲嶺に雲の一片春隣 大久保恵美子 遠嶺 200605
山鳩の餌の催促や春隣 斉藤小夜 風土 200605
鉢植に一声かける春隣 野口孝子 栴檀 200605
納屋の戸を大きく開けて春隣 武井美代子 万象 200605
ころころと笑ふ看護師春隣 中上照代 火星 200605
ひとり居も上手になりぬ春隣 千葉栄子 200605
フルーツの香りの飴や春隣 森下康子 200605
バス停に背黒鶺鴒春隣 安部里子 あを 200605
吹き散らす金管楽器春隣 岩松八重 六花 200606
春隣小さき旅より無事帰宅 東野太美子 ホトトギス 200606
春隣句会の席へ鶏の声 先山実子 ぐろっけ 200606
木の虚に詰る紙屑春隣 佐藤喜孝 あを 200606
春隣鉢に磨汁かけにけり 島崎久美子 酸漿 200606
手術日を朱で印して春隣 平居澪子 六花 200606
気仙沼のふかひれ寿しや春隣 花島みゆき 八千草 200607
出汁に浮く温泉卵春隣 ことり 六花 200608
手を握る男の見舞春隣 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200608
米山の尾根のけぶりて春隣 斉藤みちよ 春燈 200612
お隣へ抜け道出来て春隣 稲畑汀子 ホトトギス 200701
又芭蕉動く話や春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 200702
春隣君が隣に居ればなほ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200702
浮島に鳥の棲みつく春隣 清水裕子 200702
発車ベルホロロホールル春隣 木村茂登子 あを 200703
下校子の今日も手を振る春隣 稲葉ちよこ 風土 200703
宙船を漕ぎ春隣の野に弾む 小澤克己 遠嶺 200704
濯ぎ干す物にひかりや春隣 内山花葉 200704
常薬の数減らされし春隣 鈴木石花 風土 200704
家持の高き歌誦し春隣 大橋晄 雨月 200704
小流の水面きらめく春隣 林佳枝 酸漿 200704
春隣り改札通る盲導犬 奥田茶々 風土 200704
春隣うしろ暴悪大笑面 服部早苗 200704
烟出に家紋を透かし春隣 豊田都峰 京鹿子 200704
たたかれて出づれば野らの春隣 豊田都峰 京鹿子 200704
瑠璃紺の闇より水音春隣 加藤みき 200704
封筒に開けある小窓春隣 白井友梨 馬醉木 200704
白犬のたはむれはしやぐ春隣 長崎桂子 あを 200704
さまざまな地へ発つ切手春隣 掛井広通 200704
彩りのゼムクリツプや春隣 岩田都女 風土 200704
ジヤンピングしてゐる茶の葉春隣 鈴木庸子 風土 200704
繋がれし酸素解かれて春隣 杉本綾 200705
白味噌の椀すすりけり春隣 山本明彦 遠嶺 200705
沖波の凪耀ひて春隣 大泉美千代 雨月 200705
宮鳩のふくよかな声春隣 大川冨美子 ぐろっけ 200705
春隣目薬の木の温泉に浸る 中里カヨ 酸漿 200705
野の窪に雀ら吹かれ春隣 成川和子 200705
七輪に醤油焦がせし春隣 北島和奘 風土 200705
榾の火のなぶる鉄瓶春隣 永田二三子 酸漿 200705
関白は妻に返上春隣 杉本重雄 200705
残照に酔うて鳶舞ふ春隣 坪井洋子 200705
あたらしき同志となりて春隣 今井松子 遠嶺 200705
箒目の出口を探す春隣 梶浦玲良子 六花 200705
よく晴れて暮れて月あり春隣 今井千鶴子 ホトトギス 200706
哀しみを筆字に移し春隣 中野英歩 八千草 200708
水平に船すべりゆく春隣 奥山絢子 風土 200801
海の綺羅山の黙より春隣 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
春隣とは丸ビルの丸さにも 稲畑廣太郎 ホトトギス 200801
春隣→3      

 

2021年1月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。