春障子 3    130句

竹林があれば風湧き春障子   本橋仁   露光

障子   春障子  春の障子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春障子小屋仕立てなるこやの瀬座 能村研三 200803
春障子影繪の狐をどりたる 滝沢伊代次 万象 200804
見番の踊り稽古や春障子 能村研三 200804
春障子閉ぢ塵界を遠ざけり 小澤克己 遠嶺 200805
靴音も高き気配や春障子 小國佐世子 遠嶺 200805
憂きことの無きにはあらず春障子 高橋照子 雨月 200805
説法の始まつてをり春障子 伊藤たか子 遠嶺 200806
春障子裡に声して白拍子 大竹淑子 風土 200806
滝川に張り出してゐる春障子 浜口高子 火星 200806
春障子膝に白絹広げたり 中田みなみ 200806
宍道湖の夕日に開く春障子 吉岡和子 200807
野の香満たす和菓子や春障子 内藤紀子 遠嶺 200808
コーヒーは忘れずに飲む春障子 堀内一郎 あを 200902
きのふより今日の水音春障子 白井爽風 馬醉木 200904
春障子潮の匂ひの寒さあり 外川玲子 風土 200904
白といふ色とも違ふ春障子 米山喜久子 200905
聞香の声籠りゐる春障子 半澤正子 馬酔木 200905
明るくて肌をさす風春障子 加藤みき 200905
謹慎を解かるるここち春障子 千田百里 200906
春障子あけて如来にまみえけり 丸山照子 火星 200906
体内にひかりの時計春障子 吉田政江 200906
鳥語聴く無聊の日々の春障子 岩谷丁字 春燈 200906
東雲のあかるさにある春障子 中里よし子 春燈 200906
幼子の寝息聞ゆる春障子 坂本知子 酸漿 200906
なほ深き思惟に在す春障子 大野崇文 200907
古民家に機音のあり春障子 吉野さと 酸漿 200907
灯ともりてうす繭のごと春障子 山本右近 万象 200907
方丈の妻が顔出す春障子 根岸善行 風土 200907
春障子廊行く尼の影若し 狭川青史 馬醉木 201001
春障子媼の声の子守唄 滝沢伊代次 万象 201003
春障子明りに針に糸通す 山田六甲 六花 201003
茶筅師の影映りけり春障子 小林成子 201004
指穴の点々とあり春障子 松岡和子 201004
開け放つままにありけり春障子 稲畑汀子 ホトトギス 201004
だれもゐぬ部屋に陽を溜め春障子 布川直幸 201004
春障子力を抜いて引きにけり 高橋将夫 201005
孫の来てゑくぼ数多や春障子 安田久太朗 遠嶺 201005
深大寺庫裡は茅葺き春障子 鈴木撫足 春燈 201005
いま少し朝日入れたる春障子 小野木雁 酸漿 201005
嬰笑ふ声のもれくる春障子 武田薫子 201005
昼の席春の障子をあけ放つ 森山のりこ あを 201005
夕鶴の朗読の会春障子 濱上こういち 201006
ア・カペラや女竹の影の春障子 大島翠木 201006
衣擦れのやがて静もる春障子 雨宮しをん 201006
残り香の喪服を吊るや春障子 森田節子 風土 201006
臥龍松へ日の移りたる春障子 加古みちよ 火星 201006
独りなる鳥の影絵や春障子 池田いつ子 酸漿 201006
黒塗りの厠明るし春障子 松本三千夫 末黒野 201007
春障子児の指形にゆるみをり 吉田政江 201007
果報待つ気息に閉ざす春障子 風間史子 201007
繕ひし穴も花型春障子 武司琴子 ぐろっけ 201007
ミシン踏む音のときをり春障子 遠藤節子 201008
猫通るぶんだけ開けて春障子 芳賀清美 201008
校倉の一角見えて春障子 桂樟蹊子 201103
松風の影踊りゐる春障子 笹井康夫 201104
春障子細めに京の一と夜かな 外川玲子 風土 201104
春障子可愛い指の穴は孫 田中藤穂 あを 201104
発つ鳥の影の一瞬春障子 大島みよし 201105
六段を爪弾くは誰春障子 落合晃 201105
春障子に影を落して逝きにけり 竹内悦子 201105
猫のあけし穴また貼りぬ春障子 木村傘休 春燈 201105
禅堂の燭のさゆれや春障子 西川春子 春燈 201105
枝移る鳥の緊さし春障子 外山生子 末黒野 201105
春障子開けたる影の分かれけり 藤生昇三 六花 201105
春障子もの音昼を深めけり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
春障子猫の尻尾の影通る 坊野貴代美 ぐろっけ 201106
春障子明かりに展示古人形 門伝史会 風土 201106
明暮れの余震に敏き春障子 藤原照子 201107
九体寺の極楽浄土春障子 雨宮桂子 風土 201111
春障子忌日控へてゐる寺苑 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
春障子創世記めく光かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201203
春障子外つ国の塵纏ひつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201203
付櫓連子窓には春障子 長谷川鮎 ぐろっけ 201203
やはらかき光透かして春障子 本間羊山 風土 201204
切貼りの淡き押し花春障子 松岡和子 201205
それぞれに出かけ一人や春障子 村上絢子 馬醉木 201205
昇さんのための開け閉て春障子 山崎祐子 万象選集 201205
木洩れ日のさまよひ遊ぶ春障子 田上幸子 万象選集 201205
春障子庫裡に音よき時計鳴る 井村和子 風花 201206
旅立ちぬ春の障子を閉づるごと 宇都宮敦子 201207
春障子のあはひに拝す吉祥天 浜口高子 火星 201207
這い這いの児を見守りて春障子 藤田京子 ぐろっけ 201207
ラフカディオハーン居さうな白き春障子 栗山恵子 雨月 201207
夕暮のゆつくりと来し春障子 上家弘子 ろんど 201208
水照りの影ゆらゆらと春障子 中條睦子 万象 201208
春障子開ければ影の分かれけり 藤生不二男 六花 201212
春障子閉めて一つの会閉ぢぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201303
春障子積るはなしを聞いてゐる 鈴鹿仁 京鹿子 201304
家雀の影の横切る春障子 松本周二 かさね 201305
双つ子の同じ寝姿春障子 水原春郎 馬醉木 201305
細やかな日射し組子の春障子 堤京子 馬醉木 201305
林に降る日を聴いてゐる春障子 豊田都峰 京鹿子 201305
山の日を集め鳴りけり春障子 豊田都峰 京鹿子 201305
木洩れ日の苔へ春障子開けてあり 豊田都峰 京鹿子 201305
春障子重低音の響きくる 高橋将夫 201305
僧の影うすうす過ぎし春障子 石川叔子 201305
ふたり居の昭和のくらし春障子 松岡和子 201306
春障子内緒話を楽しめり 大湊栄子 春燈 201306
杉材の肌理うつくしき春障子 礒貝尚孝 201306
魂の影を映して春障子 高橋将夫 201306
笑ひ声聞きて入りけり春障子 谷村幸子 201306
次の世の明るさ透かす春障子 岩月優美子 201306
春障子まだ名の付かぬ嬰眠る 土屋草子 ろんど 201306
春障子どこかで醤油焦げてゐし 北川孝子 京鹿子 201306
木の影の一日搖るる春障子 田中藤穂 あを 201306
結納の口上を聞く春障子 涌羅由美 ホトトギス 201307
起き出でて一人は淋し春障子 赤川誓城 ホトトギス 201307
女紋背中に一つ春障子 細川知子 ぐろっけ 201307
先づ猫が顔出す寺の春障子 塩路隆子 201307
三毛猫の白毛白かり春障子 山田六甲 六花 201402
気紛れな日差集めて春障子 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
春障子猫はだんだん人と化す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
春障子悌写しをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
春障子開けて未来と対面す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
猫の影人より大き春障子 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
臥しをれば音のこまごま春障子 楠原幹子 201404
照り曇り籠るひと日の春障子 今井洋子 雨月 201405
六畳の仏間即居間春障子 松本三千夫 末黒野 201405
舟宿の屋号大きく春障子 松田明子 201405
み仏にすべりすぎたる春障子 矢野百合子 201405
ミシン踏む影の微動や春障子 久染康子 201405
鳥影や閉ざすともなき春障子 笹村政子 六花 201406
漁火を見尽して閉づ春障子 下平しづ子 雨月 201406
人過る影やさしかり春障子 阪倉孝子 201406
楽となる声明のこゑ春障子 谷岡尚美 201406
覚めぬ間に綴る恋文春障子 辻香秀 201406
飛ぶ鳥の影をひきたる春障子 波田美智子 火星 201406
さざ波を映す老舗の春障子 橋本くに彦 ホトトギス 201407
春障子越しに聞かれし昨夜のこと 天谷翔子 201408
合掌村灯りに浮かぶ春障子 小林久子 璦別冊 201408
春障子→ 4      

2021年2月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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