春めく 2       119句

三島江のつのぐみわたる蘆の根の一よのほどに春めきにけり     曽禰好忠

春動く  春兆す  春めく

作品
作者
掲載誌
掲載年月
すんなりと春めく日々を訝しむ 稲畑汀子 ホトトギス 200803
この会のまこと春めく日なりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200803
見る限り春めく旅路なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200803
躁も病鬱も病や春めきて 水原春郎 馬醉木 200803
春めくやことに銀座の宵の口 鷹羽狩行 200803
春めきて庭に数増す土竜塚 高野美子 200804
名山のなくて房州春めきぬ 湯橋喜美 200804
春めくやネイルの色を替へてみる 森山のりこ あを 200804
カウンター春めける灯をこぼしけり 岡本眸 200804
春めける候としたたむ鳥の影 田原陽子 200805
春めくやミシンの縫ひ目細かくす 竹島勝代 200805
春めけるものの一つに哺乳瓶 林昭太郎 200805
春めける陰影碌山美術館 高嶋文清 春燈 200805
春めく夜ヴァイオリンの音の細し 米屋道子 200805
水飴を巻く太箸も春めけり 蘭定かず子 火星 200805
段畑に人影のあり春めける 松山直美 火星 200805
水つなぐ京大阪の春めける 久保田雪枝 雨月 200805
春めくや障子に揺るるものの影 宇佐美ゆき 酸漿 200805
春めきて鴉の色のなかんづく 芝尚子 あを 200805
春めきて午報元気に鳴り響く 泉田秋硯 200806
仏壇の一火春めくものの影 戸田和子 200806
アドバルーン上りて街の春めける 堀井英子 雨月 200806
春めくや改札口はワンタツチ 北村香朗 京鹿子 200806
予報それ淡き春めく日ざしなり 山田をがたま 京鹿子 200807
春めきし水曜花の特売日 北川孝子 京鹿子 200807
春めきて夕べは茜さす障子 瀧春一 深林 200901
火の山の春めく大地踏みしめて 稲畑汀子 ホトトギス 200902
春めくや惑星X解明へ 稲畑汀子 ホトトギス 200903
表情に春めく心生れけり 稲畑汀子 ホトトギス 200903
春めくや予定変更ありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200903
雨だれのまどほのままに春めける 豊田都峰 京鹿子 200903
春めけるおたべ人形おいでやす 松田和子 200904
春めくや鍬もて返す土の息 吉沢陽子 200904
春めくや神に頼みし旅の無事 竹内悦子 200905
春めくと言ふ予報士の紅淡し 阪本哲弘 200905
春めいて流るる水の豊かなり 羽賀恭子 200905
春めくやバックミラーの中の空 新井いづみ 炎環 200905
春めくや壁厚くなる左心室 丑山霞外 炎環 200905
春めくや海と空とが溶け合ひて 呉屋菜々 万象 200905
野に遊ぶ牛の咀嚼も春めけり 妹尾貞雪 春燈 200905
プランターのパセリルッコラ春めきて 奈佐幸子 200906
春めくや金平糖に角あまた 永野真智子 200906
即身仏春めく野山川の魚 中山純子 万象 200906
春めきてリスも遠出や万歩計 伊吹之博 京鹿子 200906
低空に鴉の群れて春めけり 北川とも子 ぐろっけ 200906
春めきて浜に腹ばふ児が一人 佐方敏明 ぐろっけ 200906
生きてゐるものの鼓動か春めける 平ふみ子 酸漿 200906
伊吹見え竹生島浮き春めける 宮崎正 ホトトギス 200907
春めきて石の童子のととのへる 森津三郎 京鹿子 200908
青空を取り戻すより春めきぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201001
むらさきの数珠を選ぶも春めいて 村田冨美子 京鹿子 201001
交叉してスクリュー音の春めける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
春めくとネクタイだけが褒めらるる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
春めくや駅西口へ土の道 鷹羽狩行 201002
地下鐵が坂登りをり春めきて 佐藤喜孝 あを 201002
春めくやもぐらの土もその穴も 鷹羽狩行 201003
家居して春めく思ひ自ら 稲畑汀子 ホトトギス 201003
春めくや予定後からついて来る 稲畑汀子 ホトトギス 201003
春めくと思ひし昨日失せし朝 稲畑汀子 ホトトギス 201003
又次の会への準備春めきぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201003
旅終へて又逢ふ仲間春めきぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201003
白銀の野を引き締めて春めける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
春めくや迷ひ歩きの畦の道 鷹羽狩行 201004
春めくや茶道学会よりてがみ 酒本八重 201004
病室のカーテン替えて春めけり 深沢和江 ぐろっけ 201004
春めくや夕月に添ふ星ひとつ 安立公彦 春燈 201004
春めくやもの思ふにも空仰ぎ 安立公彦 春燈 201004
春めくやうす紅の鳩の嘴 矢口笑子 春燈 201004
春めくや庭に番の山鳩来 木村みどり 春燈 201004
春めくや日の射す野道歩みつつ 池部久子 酸漿 201004
春めくや皆満足のBグルメ 伊庭玲子 201005
春めきて新婚の旅なぞりゆく 松岡和子 201005
春めきて障子の日差し膨らみぬ 田中浅子 201005
旅心そそる浮雲春めきて 西面和子 201005
春めくやぼんぼん時計十二打ち 村上沙央 201005
天金の風生句集春めけり 東良子 遠嶺 201005
朝寝して春めく雨を聞きゐたり 柳生千枝子 火星 201005
春めくや垣根を抜くる猫と風 三上程子 春燈 201005
校正の朱の花咲きて春めけり 石井勇 末黒野 201005
春めくと昨日は京へ今日紀伊へ 大橋晄 雨月 201005
春めきてほのと紅さす雑木山 横川泰子 酸漿 201005
春めきて港の風の仄あまし 清海信子 末黒野 201006
遠浅間見えて春めく川辺かな 白石正躬 やぶれ傘 201006
山々の春めく尾根をすかし見る 秋葉貞子 やぶれ傘 201006
春めきて魚拓の巨き釣具店 和田一 雨月 201006
妻といふ不思議なひとの春めきぬ 小堀寛 京鹿子 201007
春めきしことを忘れてしまふほど 稲畑汀子 ホトトギス 201103
春めきてゐる旅先に心置く 稲畑汀子 ホトトギス 201103
少しづつ捗る仕事春めきて 稲畑汀子 ホトトギス 201103
そののちの消息問はん春めく日 稲畑汀子 ホトトギス 201103
春めくや座布団赤き無人駅 石川かおり 201104
春めくや目鼻整ふ石ぼとけ 前川ユキ子 201104
春めきて開き直りの老人力 伊庭玲子 201104
春めくや鎖骨にながすリンパ液 近藤公子 201104
日溜りに遊べる魚影春めきぬ 工藤義夫 馬醉木 201104
春めくやアップルパイのさつくりと 大内由紀 末黒野 201104
病院をつつむ日差しの春めける 青木陽子 酸漿 201104
雨以後の空のみづいろ春めけり 菅谷たけし 201104
春めくやシャツバンザイに干されあり 東亜未 あを 201104
春めくや何処かに児らの弾み声 粟倉昌子 201105
春めくや先づ無住寺に風を入れ 鈴木とおる 風土 201105
春めくや駅の北口開店す 外川玲子 風土 201105
春めくや皇居を臨む美術館 門伝史会 風土 201105
十指みな声をもつ手話春めきて 村上すみ子 201105
春めけるせせらぎの音鳥の声 荒木千秋 末黒野 201105
空の青雲ととけ合ひ春めける 荻野加壽子 万象 201105
姿見に襟抜く仕ぐさ春めける 中島霞 ぐろっけ 201105
春めきて老い扱いを嫌う友 山本久美子 ぐろっけ 201105
大波の大きな音も春めけり 柴田佐知子 201105
春めきしものの一つに海の色 石原光徳 酸漿 201105
春めくや火点頃の駿河湾 伊藤いな栄 酸漿 201105
友からの受話器の声の春めきて 片岡久美子 201106
石段を上る靴音春めけり 吉清和代 万象 201106
雀らをこぼし梢の春めきぬ 清海信子 末黒野 201106
誓子句集「黄旗」装丁に春めきぬ 四葉允子 ぐろっけ 201106
春めくと妻を誘ひぬ森の道 柚木澄 末黒野 201107
ホップの実の小さきふくらみ春めいて 高柳正幸 やぶれ傘 201108
術後てふ春めく心添ふことも 稻畑汀子 ホトトギス 201202
術後よきてふ春めける便り来し 稻畑汀子 ホトトギス 201202
春めく→ 3      

 

2021年2月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。