春動く    94句

三日に一度春うごくいろありにけり   川戸飛鴻

作品
作者
掲載誌
掲載年月
魚鱗一閃水中に春動く 高崎武義 200003
眉墨の明るくなりて春動く 木村美猫 ぐろっけ 200005
水かけ祭五指のかがやき春動く 西田もとつぐ 船団 200106
勧請綱掛けて飛鳥の春動く 水谷芳子 雨月 200203
春動き反戦デモは広がりぬ 竹内悦子 200305
春動く中馬の里は瀬音より 中島真沙 円虹 200305
白鳥の動けば池の春動く 山田天 雨月 200404
てのひらの海星紅いろ春動く 鎌倉喜久恵 あを 200405
春動く硝子の中の京人形 鈴木あき子 築港 200405
新設のジムに入会春動く 楯野裕子 200505
春動く山門不幸風の中 工藤ミネ子 風土 200506
雨ごとに艶ます幹よ春動く 足利徹 ぐろっけ 200605
遊ぶ子の声暮るるまで春動く 井口淳子 200606
春動く天神さまの崖の濡れ 木内憲子 200606
東より白雲つづき春動く 大橋敦子 雨月 200704
春動く少女の赤き旅鞄 刈米育子 200705
春動く飛鳥の里の新遺構 曷川克 遠嶺 200705
風水の師父の羅盤や春動く 平野加代子 春燈 200803
北海道より客人ありて春動く 山崎泰世 200805
ランタンや長崎の春動き出す 工藤はるみ 風土 200805
泉水に濡らす袖口春動く 木内憲子 200805
黒猫の蹠まつくろ春動く 常盤優 炎環 200902
リストラの人との別れ春動く 竹内悦子 200905
花粉除け眼鏡カラフル春動く 田中敬 200905
皓歯より熱き言の葉春動く 谷岡尚美 200905
猿山の檻のうちそと春動く 徳永明世 200908
南北の門ひらかれて春動く 柿沼盟子 風土 200911
肩紐は頼りなきもの春動く 篠田純子 あを 201004
蟻食の掘りし大穴春動く 矢口笑子 春燈 201005
春動く地球の裏より重ね波 吉田政江 200605
またひとつ惜別ありて春動く 千坂美津恵 201006
川ふたつ出合ひて賀茂の春動く 池本一軒 201006
遠山の春動きけり鳶の笛 青山正英 201007
ゆるゆると春動きけり堀の風 松田洋子 201104
だしぬけに目白くるなり春動く 早崎泰江 あを 201104
春動く可睡斎てふ寺忍者めく 東亜未 あを 201104
春動くおにぎりひとつすれちがふ 鴨下昭 201106
春動き敵のごとく花粉来る 阿部重夫 末黒野句集 201203
春動く女性市長は行動派 竹内悦子 201204
合言葉風と雲とし春動く 鈴鹿仁 京鹿子 201204
春動く十二単にチョコレート 森理和 あを 201204
太陽の機嫌なひ交ぜ春動く 工藤ミネ子 風土 201205
山毛欅林の梢の先に春動く 林いづみ 風土 201207
龍の図の点睛の目や春動く 北崎展江 くりから 201209
雑木山ひかり持ちそめ春動く 森脇貞子 雨月 201306
渡し発つ音に川辺の春動く 白石正躬 やぶれ傘 201306
春動くジャズの流れる歯科医院 篠田純子 あを 201403
初めての嬰の寝返り春動く 川崎真樹子 春燈 201404
金メダル取りて日本の春動く 井口淳子 201405
春動く地球儀回し旅恋へり 東野鈴子 雨月 201407
水音に奥多摩の春動き出す 久染康子 201504
山椿ぽとりと池に春動く 愼野あさ子 風土 201504
猿山の主役脇役春動く 穂苅照子 万象 201505
竹林を洩れ来るひかり春動く 栗山恵子 雨月 201506
城壁に水の影揺れ春動く 金子正道 京鹿子 201506
きのふより今日新しき春動く 柴田久子 風土 201506
女の触角男の触覚春うごく 佐藤喜孝 あを 201604
靴紐を替へ玄関の春動く 中島あきら 201605
菌打ちの音の響みて春動く 永淵惠子 201605
春動く世界の地図に指動く 中山結雪 201605
春動く宇宙の不思議重力波 山西商平 ホトトギス 201606
春動くスチール棚を分解し 藤波松山 京鹿子 201607
ももいろの点滴つつつ春うごく 内田美紗 船団 201612
物干に家族乾されて春動く 千田百里 201704
リハビリのいっちにぃさんし春動く 篠田純子 あを 201704
鐘の音の尾のながながと春動く 阪上多恵子 雨月 201707
春動く二つに分かれ遠き雲 竪山道助 風土 201706
メダル獲るママアスリートに春動く 七郎衛門吉保 あを 201804
連れ舞ひてクルスの光春動く 柴田靖子 201805
千変の地層重ねて春動く 塙誠一郎 201805
ゴミシュウシュウシャーと指して二才の春動く 笹村恵美子 201806
藍瓶の吐息めく泡春動く 石黒興平 末黒野 201806
春動く栗鼠の尾房のひと振りに 千田百里 201904
畑毎に春動き出す人の影 大内幸子 六花 201906
厚底のシューズの走り春動く 七郎衛門吉保 あを 202004
あそびせんとや糸電話より春動く 千田百里 202004
野も山も疾風のごとし春動く 今村千年 末黒野 202006
夜半の春動き出したる精気あり 江島照美 202007
天神のパワースポット春動く 鷺山珀眉 京鹿子 202105
枝移りの栗鼠の片鳴き春動く 森清堯 末黒野 202105
駅前の信号は青春動く 六車佳奈 風土 202106
俎板に落とす刃音や春動く 阿部眞佐朗 202205
碇泊を終ふる巨船や春動く 木下晃 末黒野 202205

 

2023年2月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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