白木蓮 1

木蓮   白木蓮  紫木蓮

作品
作者
掲載誌
掲載年月
門燈の昏く点きたる白木蓮 清水蔦生 青湖 199805
触れ合うて白木蓮の珠翳りをり 岡部名保子 馬醉木 199806
白木蓮あなたの背中といふ小島 吉川真実 海程 199807
喪服着てすこし汗ばむ白木蓮 野沢しの武 風土 199811
シスターとすれ違う坂白木蓮 大倉郁子 船団 199812
白木蓮父なき後の母つよし 野口光枝 高籬 199812
白木蓮の傷むまで日の闌けにけり 萩原記代 199901
白木蓮の道へ迷はず来てをりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199904
琺瑯の白木蓮の曇天に 松林尚志 199905
風の日の辛夷白木蓮白違へ 宮津昭彦 199905
寂光の水面に遊ぶ白木蓮 小澤克己 遠嶺 199905
万寿山照るに白木蓮喝采めく 松崎鉄之介 199906
白木蓮散るこだわりの高さより 保坂加津夫 いろり 199906
青空を白木蓮がしりぞかす 鷹羽狩行 199906
白木蓮夫に定年駆けて来る 杉浦典子 火星 199906
白木蓮てのひら干してゐるやうな 飯塚ゑ子 ヒッポ千番地 199906
空つぽになりたくて咲く白木蓮 大倉郁子 ヒッポ千番地 199906
白木蓮の一樹あかりや写経の間 島田尚子 馬醉木 199907
白木蓮あとがきも無く散りゆくか 北原武巳 船団 199909
振り仰ぐ白木蓮にめまひせり 山村桂子 遠嶺 199909
白木蓮まぶた賑やかに快晴 星野一郎 海程 199910
白木蓮や闇には白も炎ゆるいろ 武政礼子 雨月 200005
白木蓮のはじけ夕空また深き 武政礼子 雨月 200005
捧ぐるは青空の燭白木蓮 松林尚志 200005
青空に蕾ふくらむ白木蓮 福田みさを いろり 200005
白木蓮のひらくと雨の退りけり 大橋敦子 雨月 200005
白木蓮満開にして葬の家 小川花久 いろり 200006
白木蓮の日和の天を仰ぎけり 阿部ひろし 酸漿 200006
白木蓮や動いてをりぬ夜の雲 金田きみ子 200006
白木蓮の百の妖精目覚めけり 府中谷幸枝 馬醉木 200006
庭中の光り奴ひ込む白木蓮 柴田美佐子 いろり 200006
白木蓮を仰ぐ通夜より帰り来て 吉川郁美 200007
白木蓮の重み増しゆく夜のとばり 野口香葉 遠嶺 200007
蒼き夜の音みな消えて白木蓮 神山喜美代 遠嶺 200007
言の重さで咲けり白木蓮 田中亜美 海程 200008
白木蓮首にさげてるボールペン 中林明美 ヒッポ千番地 200010
白木蓮や鳥にならんと苞を脱ぐ 内山和江 奧嶺 200010
白木蓮きつねの輿が先をゆく 戸田春月 「光陰」 200012
階段を失いし夢白木蓮 吉川真実 海程 200101
白木蓮に朝の光を置きそめし 稲畑汀子 ホトトギス 200104
昼月に眠気うつされ白木蓮 鷹羽狩行 200104
み吉野の白木蓮の径通る宿 稲畑汀子 ホトトギス 200104
白木蓮主亡き庭守るごと 須賀敏子 あを 200105
白木蓮の香りこもれる翁堂 小林輝子 風土 200106
清明邸跡逢魔がときの白木蓮 川井政子 風土 200107
白木蓮高きに据ゑる志 玉川悠 遠嶺 200107
風の中白木蓮の倍になる 金澤明子 火星 200107
花高くかかぐ白木蓮昼の月 安藤孝助 200107
白木蓮の一花は鳥の翔ぶやうに 木内憲子 200107
日溜まりは母のぬくもり白木蓮 武友朋子 200107
応答は揺れることなり白木蓮 麻生圭佑子 海程 200107
白木蓮仏顔して空にあり 熊谷みどり いろり 200107
白木蓮の討死振りを眩しめり 泉田秋硯 200107
白木蓮一夜の雨の色なりし 高尾豊子 火星 200107
武家屋敷に桃と桜と白木蓮と 古田考鵬 雨月 200108
白木蓮の塀に触れたる一枝あり 駒井でる太 200109
髪切りに行く白木蓮の下抜けて 濱地恵理子 200202
学舎に日の香ただよふ白木蓮 関口ゆき あを 200205
白木蓮や蕾のままに主逝く 延川五十昭 六花 200205
白木蓮を見むと日陰に入りにけり 大橋敦子 雨月 200205
白木蓮の咲かむとすなるふくよかさ 大橋敦子 雨月 200205
白木蓮の先立つ誇見ゆるかに 植竹美代子 雨月 200206
花片のふっくらと散り白木蓮 後藤とみ子 ぐろっけ 200206
吹かれゐるかたちに咲きて白木蓮 山本耀子 火星 200206
白木蓮の漂ふ東京空襲忌 鈴木良戈 200206
白木蓮百千ひらく一枝剪る 長戸幸江 百鳥 200206
白木蓮の落花土足に踏まれゐる 金森教子 雨月 200206
白木蓮の光となりし空仰ぐ 梅田秀子 酸漿 200206
白木蓮狭庭の空を押し上げて 塩野きみ 遠嶺 200206
白木蓮の照りをまともに飾窓 小林希世子 200206
にぎやかに日を呼び込んで白木蓮 恩田甲 百鳥 200206
白木蓮はたと止まりし蹄かな 野口光江 遠嶺 200207
白木蓮散華の海に櫂もなく 芝川百合子 京鹿子 200207
青空の白木蓮をふちどれる 塙告冬 ホトトギス 200208
落日の点火をしたる白木蓮 塙告冬 ホトトギス 200208
白木蓮散りし刹那にもう古ぶ 山田弘子 ホトトギス 200208
白木蓮囲む大空貴かり 塙告冬 ホトトギス 200208
白木蓮と辛夷のあひだ行き来する 井上菜摘子 京鹿子 200208
白木蓮の冬芽に雨の至りけり 大島翠木 200304
白木蓮燭とす衆生来迎図 神蔵器 風土 200305
白木蓮の拳をほどく風の中 米倉よしお 雲の峰 200305
白木蓮影はわたしも同じいろ 丸山佳子 京鹿子 200306
白木蓮一気に咲いて空埋める 松下君子 築港 200306
家ごとに白木蓮あかり峡の村 内藤順子 酸漿 200306
人寄せぬ白木蓮のたたずまひ 村松夏魚 200306
白木蓮の燭みな北へ反りにけり 浅井青二 雨月 200307
唐突に白木蓮の始まりぬ 笠井円 円虹 200307
白木蓮夫の野球の始まれり 山田怜子 遠嶺 200307
白木蓮決意を告げて友発ちぬ 木村冨美子 遠嶺 200307
白木蓮や脳の迷路に風通す 十河波津 200307
胸にある言葉はじけて白木蓮 松本きみ枝 遠嶺 200307
白木蓮の闇を見つめし親鸞像 高尾豊子 火星 200307
地方選をへし静けさ白木蓮 田中青魚 200308
白木蓮の宙にまことを奏でをり 邑橋節夫 遠嶺 200308
白木蓮の声青天にひしめき合ふ 足立幸信 200312
白木蓮の千花一花の遅れなし 小山徳夫 小春の山河 200401
命日へ白木蓮の千こぞる 伊藤白潮 200404
無体にも白木蓮に雨また雨 大橋敦子 雨月 200405
白木蓮の白さがつくる木の姿 阿部ひろし 酸漿 200405
白木蓮小雨に花弁散らしたり 小野博志 築港 200405
白木蓮 →2

 

 

2021年3月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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