木 蓮    130句

木蓮   白木蓮  紫木蓮

作品
作者
掲載誌
掲載年月
わつと咲く風の木蓮掃く朝な 井沢ミサ子 京鹿子 199907
木蓮の生毛莟や曉の雨 能村登四郎 「芒種」 199911
木蓮の黄葉はらりと日は落ちる 済藤深生枝 200001
木蓮の花のかけらとなりて散る 堀米洋江 風土 200007
木蓮に重ねる言葉片想い 甲田夏湖 船団 200010
木蓮の一木にして吉野かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
木蓮の蕾に生毛嬰の立つ 渡辺智佳 遠嶺 200106
満開までは木蓮の濡れゐたる 飯塚ゑ子 火星 200106
木蓮は白朝の空水浅黄 和田祥子 馬酔木 200107
思ひきり思ひきり木蓮の空 岩岡中正 ホトトギス 200109
スートラ厨へ流れ夕木蓮 宮嵜亀 船団 200109
木蓮の蕾ふくらみ仏来る 松村美智子 あを 200205
日の濃さに木蓮どつと咲き初める 山口マサエ 雲の峰 200205
木蓮に唇寄せてヅカガール 延川五十昭 六花 200205
木蓮や声一斉に消防士 大東由美子 火星 200206
木蓮や空青きまま冷えてきし 上林孝子 200206
ほろほろと木蓮の散る小昼どき 渡部義次 雲の峰 200206
木蓮やあすちりぢりの少年ら 望月周 百鳥 200207
木蓮の花びら重く風軽く 岡林知世子 ホトトギス 200208
木蓮に近付いて来し 岡林知世子 ホトトギス 200208
木蓮の白を剥がしてやまぬ風 山田弘子 ホトトギス 200208
木蓮の白てふ街を盛り上げて 磯江康子 ホトトギス 200208
木蓮の空へこませて従へて 森田桃村 ホトトギス 200208
雲過ぐるたび木蓮の汚れけり 岩垣子鹿 ホトトギス 200208
木蓮の風アカペラの声揃ふ 永野由美子 ホトトギス 200208
雨来るか木蓮の白冥く散る 山田弘子 ホトトギス 200208
木蓮の散り尽き青の風大き 岩垣子鹿 ホトトギス 200208
木蓮のランプ割れ落ちたるものも 森田桃村 ホトトギス 200208
木蓮の花の間にある日ざし 岡林知世子 ホトトギス 200208
木蓮の月との会話盗み聞く 森田桃村 ホトトギス 200208
路地長く木蓮の芽がつんつんと 芝宮須磨子 あを 200304
木蓮の蕾の上に昼の月 宮津昭彦 200305
木蓮の蕾膨らむ無垢の白 岡村容子 築港 200306
木蓮の空にふくらむ白を濃く 赤星惠子 あを 200306
白き家白き木蓮光り合ふ 大屋和子 帆船 200306
木蓮のつぼみ総立ちみづみづし 中村斐紗子 対岸 200310
木蓮の冬芽産毛に日ありけり 清水伊代乃 酸漿 200402
木蓮の冬芽素直にふくらみぬ 早崎泰江 あをかき 200403
木蓮の芽のこぞり立つ古墳山 古川昭子 栴檀 200405
力抜きつつ木蓮のひらきけり 浅田浦蛙 対岸 200406
木蓮のための青空ありにけり 高倉恵美子 200407
木蓮の白は深空に溶けやすし 清水ミツコ 200407
木蓮の花びら受けし地の固し 栢森定男 「風よ」 200407
木蓮の咲くをためらう二、三日 藤原りくを 八千草 200409
木蓮や肌と肌着にあはひあり 八田木枯 「夜さり」 200409
木蓮の冬芽に水のひかりをり 鈴木多枝子 あを 200504
木蓮の蕾は雨に弾むなり 今瀬剛一 対岸 200506
木蓮の咲くを待つ空ありにけり 南敦子 200506
母の忌へ木蓮ひそと合掌解く 渡邉友七 あを 200506
木蓮と辛夷の区別わかりけり 長谷川昌子 帆船 200506
花木蓮とうに身ぬちになき白さ 直江裕子 京鹿子 200507
木蓮の蕾涙の形なり ことり 六花 200507
夕暮の木蓮の白重たかり 藤田佑美子 栴檀 200508
木蓮のひと日を送る教師かな 島元文 遠嶺 200509
潮風の道木蓮の冬芽たつ 佐々木よし子 200604
木蓮の冬芽に星の生れけり 中島伊智子 酸漿 200604
産声の余韻木蓮真白なり 岩月優美子 200606
木蓮や闇夜に白き影動く 森山のりこ あを 200606
青空や木蓮の影重く揺れ 飯島かほる 対岸 200606
木蓮や日のかがやきに咲き揃ひ 小池槇女 火星 200607
木蓮の花弁ほどの命かな 高安勝三 遠嶺 200607
木蓮の若葉の頃をよしとせん 苑田ひろまさ 200609
日のくれの木蓮憂ひまとひそむ 水谷芳子 雨月 200706
木蓮は北を向く花文を書く 野沢しの武 風土 200711
木蓮が頭上にありて胸開く 坪内稔典 稔典句集U 200804
木蓮に白さをゆづり帆は沖へ 鷹羽狩行 200805
木蓮の花びら拾ひ集めをり ことり 六花 200805
木蓮の蕾ゆたかに日を待てり 足立武久 酸漿 200805
木蓮の雨にふくらむ白さかな 中緒和子 酸漿 200806
木蓮の花びら踏んで庭手入 鎌倉喜久恵 あを 200806
木蓮に苦吟の一句生まれけり 渡辺安酔 200807
浅き夢見し木蓮の咲く朝に 北川とも子 ぐろっけ 200807
木蓮のちぢみて道の花となる 佐藤恭子 あを 200810
返り咲く木蓮にして粒揃ひ 笹下蟷螂子 200901
木蓮の懈怠の夕日ちぎれけり 吉澤恵美子 春燈 200906
木蓮の生命全開佳き報せ 小澤菜美 200906
木蓮の蕾膨らむゴルフ径 木原今女 ぐろっけ 200906
木蓮の日中に白を極めけり KOKIA 六花 200907
木蓮のものの始めの白さかな 直江裕子 京鹿子 201001
木蓮の蕾鎌首もたげをり ことり 六花 201003
木蓮の蕾天指し春を待つ 落合きくゑ 酸漿 201004
木蓮の蕾ふくよか天仰ぐ 岩上定子 酸漿 201005
木蓮に声明のごと主文告ぐ 河村武信 ぐろっけ 201005
ぼとぼとと木蓮不整脈はげし 荒井千佐代 201005
一村の操立つべく柴木蓮 荒木甫 201006
合憲違憲桜木蓮菊牡丹 佐藤恭子 あを柳 201101
湧き上がる雲と見紛ふ老木蓮 福島松子 ぐろっけ 201107
木蓮の花の崩れに逢ふ夕べ 浅井青@陽子 ホトトギス 201109
木蓮の雨降るごとにすこし咲き 續木文子 あを 201111
木蓮の冬芽ふくらみ時を知る 早崎泰江 あを 201201
枯るるほど木蓮の葉の音乾き 中島幸代子 201202
木蓮の咲き初む路地のたたずまひ 芝宮須磨子 あを 201205
木蓮の芽吹きや苞の衣こぼし 清水和子 末黒野 201206
木蓮の表裏まちがへてはゐぬか 小嶋洋子 201206
木蓮(ぼくれん)や甲骨文字の話など 竹内悦子 201207
一二片残し木蓮散りにけり 久世孝雄 やぶれ傘 201209
木蓮の冬芽たしかに波郷の忌 大上充子 馬醉木 201303
木蓮の花に朝夕励まされ 佐藤健伍 201306
木蓮の輝く白さ陽を放つ 犬塚芳子 201406
木蓮は風にさらわれ雲となり 志貴香里 201406
木蓮の一花一花に空の青 野澤あき 火星 201406
秘め事は無し木蓮の俯かず 丸井巴水 京鹿子 201407
木蓮のむらさき濃くてゆるぎなし 池田光子 201407
運び終へ庭の木蓮目にしむる 西垣順子 201407
木蓮の白の残れる夜空かな 戸栗末廣 201408
槍衾めく木蓮の冬芽かな 上野進 春燈 201503
木蓮の一途の白の錆易し 羽根嘉津 201506
木蓮の意志ある白と思ひけり 熊川暁子 201506
木蓮の蕾はみんな北を向く 杉本薬王子 風土 201507
木蓮は母の形見や空を指し 江口九星 201602
木蓮の大樹や津波避難場所 間島あきら 風土 201605
木蓮や時に子宮に戻したく 仲里奈央 201606
木蓮の茶色となりて散りにけり 出口誠 六花 201606
木蓮の薄墨色の冬芽かな 久留島規子 万象 201608
木蓮に夢のかけらのありし日よ 雨宮桂子 風土 201706
いつせいに木蓮蜂起せるあした 細川洋子 201805
交番の横の木蓮尖り出す 松村光典 やぶれ傘 201807
木蓮の光の中に身を入るる 秋津令 201808
木蓮の白き衣擦れ小夜あらし 川内谷育代 馬醉木 201907
木蓮の白の喝采との曇り 齊藤いさを 馬醉木 201907
木蓮や臨月の腹はちきれむ 仲里奈央 201909
木蓮の花芽犇く友好碑 松本鷹根 京鹿子 202005
のんのんさま木蓮の芽のふくらんで みぎわせり 船団 202006
きのふけふ木蓮の白ことさらに 山岸明子 202006
昼月の薄れ木蓮空に満つ 黒滝志麻子 末黒野 202006
蒼天へ木蓮百の白かかげ 秋山文子 末黒野 202007
木蓮のかさなり落つる風のあり 藤生不二男 六花 202106
木蓮や空家つづきの塀越しに 大内幸子 六花 202106
木蓮や心も白きままなれば 仲里奈央 202108
狂咲く大木蓮の天をつく 山口民子 202211

 

2023年3月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。