葡 萄 4   100句

夫が持つ房より葡萄もらひ食ぶ   山口波津女

葡萄  山葡萄  野葡萄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
葡萄畑の傾りに風の沿ひゆけり 杉浦典子 火星 200911
濡れ髪の娘とゐたる夜の葡萄 山田美恵子 火星 200911
工場より鉄打つひびきあをぶだう 大島英昭 やぶれ傘 200911
葡萄捥ぐあんぐりぽろり手にずしり 森理和 あを 200911
葡萄熟る自由放任低農薬 森理和 あを 200911
白雲や葡萄熟れたる司祭館 安達実生子 200912
パリコレのオータムドレス葡萄色 山下佳子 200912
その昔馬子もぶだうを食べながら 小澤正信 200912
勝沼のぶだうの郷のにぎにぎし 小澤正信 200912
黒ぶどうあなたの過去は問ひませぬ 雨村敏子 200912
葡萄食ぶ推理小説繰るやうに 上谷昌憲 200912
下町といふ居心地の葡萄棚 前川明子 200912
葡萄食べ龍太の里をめぐりきし 大西八洲雄 万象 200912
野葡萄や四囲の山稜雲生みて 大竹淑子 風土 200912
ざわざわと食べ放題の葡萄捥ぐ 長瀬節子 ぐろっけ 200912
消息の葡萄の色にありにけり 戸栗末廣 火星 200912
ぶだう棚より涼しさを貰ひけり 伊藤セキ 酸漿 200912
黒葡萄染むる舌先種とばす 秋田健三 200912
横たはる娼婦にも見え黒葡萄 宮田香 201001
葡萄狩まづは鋏を開く閉づ 大地真理 201001
過去は過去ぶだう一つぶづつ甘し 清海信子 末黒野 201001
白雲に紅葉触れをり葡萄畑 谷合青洋 酸漿 201001
客来れどもう一粒と葡萄食ぶ 石川裕美 ぐろっけ 201001
葡萄狩覗く袋の白さかな 高倉恵美子 201002
ぶだうつぶつぶつぶし切れない膝を抱く 坂本敏子 京鹿子 201002
木洩れ日を揺らし葡萄を剪りにけり 國保八江 やぶれ傘 201002
ひと粒で口塞がりぬ黒葡萄 志方章子 六花 201003
青ぶどうゆすれば一つ零れ落つ 鎌倉喜久恵 あを 201008
青葡萄すでになみだの種はらむ 丸井巴水 京鹿子 201009
隣家より涼しさ送るぶだう棚 伊藤セキ 酸漿 201009
太陽を浴びても山葡萄の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010
ぶだう食うべ花火の様な茎残る 仙石君子 雨月 201010
撓なり葡萄の葉影カフェテラス 森理和 あを 201010
初葡萄摘み晴れ渡る普賢岳 城台洋子 馬醉木 201011
黒葡萄こけしの首のきゅきゅうと 大島翠木 201011
引力のふつくら揺るる葡萄棚 上谷昌憲 201011
同胞の円らかなりし黒葡萄 上谷昌憲 201011
大葡萄驟雨の中を届きけり 阿部ひろし 酸漿 201011
熟待ちしただ一房の葡萄捥ぐ 内田和子 酸漿 201011
殊に濃き蔭を生みけり葡萄棚 宮田香 201012
黒葡萄皿と一点のみ接す 常田創 201012
売るほどに葡萄の実りぶだう寺 森清信子 末黒野 201012
葡萄食ぶ仏の夫と語らひつ 大橋伊佐子 末黒野 201012
土地の名がつきて新種の葡萄かな 島谷征良 風土 201012
葡萄食ぶ一粒ごとに指ぬぐひ 天谷翔子 火星 201012
村の湯場ナイヤガラなる葡萄買ふ 網野茂子 酸漿 201012
夕日差し暮色の映ゆる葡萄棚 北尾章郎 201101
葡萄捥ぐ宝永山の見えぬ富士 淺場英彦 万象 201101
再会の卓に大きな黒葡萄 大山文子 火星 201101
靄籠めに葡萄酒醸す香の盆地 北川英子 201101
葡萄の荷驟雨の中を届きけり 阿部ひろし 酸漿 201101
たわわなる葡萄に腰をかがめをり 小滝奈津江 酸漿 201101
大房に堪能したり黒葡萄 高谷栄一 嵯峨野 201107
旅果ての夕焼雲の葡萄色 鈴木良戈 201110
青葡萄甲斐の遠嶺の暮れなづみ 村上光子 馬醉木 201111
葡萄棚大阪駅の屋上に 中田寿子 ぐろっけ 201111
ひと粒をふた筆に描く葡萄かな 平野みち代 201112
放射能検査済み票付きぶだう 五十嵐紀子 201112
風渡る葡萄たわわに三木城下 長瀬節子 ぐろっけ 201112
葡萄食ふ記憶の一つひとつかな 阪本哲弘 201201
懐旧や夢二生家の葡萄熟る 禰寝瓶史 京鹿子 201202
甘酸つぱき葡萄離郷の日を思ふ 望月晴美 201210
葡萄の蔓存分に伸び夏深し 小澤正信 201210
どの家も青き葡萄に埋もれて 小澤正信 201210
ぶだう食ぶ一人の刻の仏かな 神蔵器 風土 201210
瑞々し星のしづくの佐用さよぶだう 山田六甲 六花 201211
文机の切子の皿に黒葡萄 田中臥石 末黒野 201211
日の滴口に投げ入れ葡萄粒 中野京子 201211
重力の魅惑が潜む黒葡萄 柳川晋 201211
問ひかけに葡萄ひと房かかげらる 長久保郁子 かさね 201212
粒ごとに光放てり黒葡萄 史あかり ぐろっけ 201212
小悪魔を呑み込むやうや黒葡萄 齊藤實 201212
種なしのととのひすぎし黒葡萄 花田心作 201212
立錐の余地なき房の黒葡萄 江澤弘子 201212
葡萄棚深きところに愛そだつ 塩貝朱千 京鹿子 201212
八十路なほなすこと多し黒葡萄 山田春生 万象 201212
川音や野ぶだうの色不揃ひに 南恵子 万象 201212
木洩れ日の敷藁を踏み葡萄狩 塩見治郎 雨月 201212
ひと皿の葡萄に夜気の深まりぬ 蘭定かず子 火星 201212
篠山の媼そだてし葡萄棚 高松由利子 火星 201212
したたりて神の如くに黒葡萄 田尻勝子 六花 201212
収穫の終りし葡萄棚ばかり だいじみどり 201302
武田菱はためく棚の青葡萄 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
青葡萄甲斐の稜線彩りて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201307
都議選は死票にならず青葡萄 森理和 あを 201308
黒々と山迫りくるぶだう棚 宮内とし子 201310
からだよく働きし日の黒葡萄 宮内とし子 201310
少年の声は太らず青葡萄 岩月優美子 201310
ポケットにワインの小瓶青葡萄 鈴木照子 201310
見渡せばぶどう畑の甲斐路かな 吉田博行 かさね 201311
ぶどう描く人それぞれの色となり 川井素山 かさね 201311
貴婦人と一角獣と黒葡萄 柳川晋 201311
坂の上の雲のくれなゐ青葡萄 間島あきら 風土 201311
夜のぶだう夫の独語のぽつりぽつり 千田百里 201311
亡き妻の笑顔へ供へ梨葡萄 小川玉泉 末黒野 201311
葡萄棚続く街道甲斐の国 青木英林 かさね 201311
葡萄棚の高さ家族の背の高さ 成宮紀代子 201311
不揃ひの房の残りし葡萄棚 後藤克彦 かさね 201311
二つづつ律儀に葡萄種蔵す 定梶じょう あを 201311
一と山の葡萄段畑天の川 瀧春一 花石榴 201312
葡萄→ 5      

2021年9月12日 作成

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