葡 萄 3   100句

朝刊を大きくひらき葡萄食ふ   石田波郷   鶴の眼

葡萄  山葡萄  野葡萄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
棚の葡萄るいるい垂れて滴る空 瀧春一 瓦礫 200606
朝の葡萄氷の如し空より享く 瀧春一 瓦礫 200606
わが天蓋わが瓔珞の棚葡萄 品川鈴子 ぐろっけ 200608
持ち寄りて房比べをり葡萄園 大井邦子 ぐろっけ 200608
恋ひとつ触れて行きけり葡萄棚 環順子 夢帽子 200608
その中に葡萄の神秘詰められし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200610
ほんのりと紅透けて黒ぶだう 木内美保子 六花 200610
よき返事待ちてつぎつぎ葡萄剥く 山口高子 200611
葡萄採朝日に露の輝きて 島崎勇作 酸漿 200611
中天の冨士を仰ぎて葡萄畑 山口順子 200612
葡萄自家製シャーベット冷凍頼り 鈴木榮子 春燈 200612
夕暮の淡々葡萄の色変へず 瀬下るか 200612
亡き人を想ふ葡萄にむせてをり 前川明子 200612
ぶだう食ぶ指先すでに古希を過ぐ 柴田久子 風土 200612
水かぶりながら水脱ぐ葡萄かな ことり 六甲 200612
葡萄棚向う三軒みな富めり 定梶じょう あを 200612
千疋屋でぶだう明治屋でワイン 篠田純子 あを 200612
葡萄棚白洲次郎はいい男 篠田純子 あを 200612
旧道に沿ふ葡萄園寂れをり 赤座典子 あを 200612
米包むギリシャ料理の葡萄の葉 赤座典子 あを 200612
採れたての葡萄ショパンに酔ふごとし 東亜未 あを 200612
重たしと葡萄を蔓に戻しをく 佐藤喜孝 あを 200612
葡萄取り入れつひ口遊む縁故節 堀内一郎 あを 200612
峰薬師開扉の燭に葡萄映え 村上光子 馬醉木 200701
水はじき光をはじき黒葡萄 岡田真利子 200701
葡萄棚ぬけ一望の八ヶ岳 今井松子 遠嶺 200701
太陽の寵愛黒葡萄甘し 樺山翠 雨月 200701
葡萄畑眺めつワイン酌み交す 梶井和呼 酸漿 200702
網の目に剪定終る葡萄畑 阿部月山子 万象 200706
慈しむ思ひに葡萄洗ひをり 岡本眸 200708
したたりて神のごとくに黒葡萄 田尻勝子 六花 200709
巨峰てふ葡萄賜はりてありがたし 安陪青人 雨月 200710
密着の粒のおしくら黒葡萄 布川直幸 200711
孫の目を釘付けにする黒葡萄 小城綾子 200711
ひと房の密に結ばれ黒葡萄 黒澤登美枝 200711
仏壇のぶだう程よき甘さかな 仁平則子 200711
たねなしの葡萄に小さき種を噛む 平野みち代 200711
葡萄狩親子が覗く糖度計 沖則文 ぐろっけ 200711
李下の故事憶ひ触れまじ葡萄棚 友田直文 200712
ジュウドウは国際語なり黒葡萄 坂上香菜 200712
核心に触れずにゐたり黒葡萄 冨松寛子 200712
若き等はみな背をすくめ葡萄狩り 須藤トモ子 200712
武田節路地に流れて葡萄狩り 高野幸次 200712
黒葡萄食むや露けきたなごころ 松本幹雄 馬醉木 200712
陽射し濃き傾斜畑の葡萄狩 片山茂子 遠嶺 200712
剪り取りて思はぬ重さ黒葡萄 飯塚洋 遠嶺 200712
甲斐信濃跨ぎて葡萄棚の下 山本喜朗 雨月 200712
葡萄棚布けり日の入るはたてまで 岡田貞峰 馬醉木 200801
老幹たたふべし百房の葡萄樹下 岡田貞峰 馬醉木 200801
妖精の息か葡萄酒醸さるる 延広禎一 200801
葡萄食べ二粒ほどの恢復期 諸岡和子 200801
一房の葡萄の全身預けらる 貝森光洋 六花 200801
些かの旅疲れある夜の葡萄 坪井洋子 200801
団欒の卓に大粒黒葡萄 寺本妙子 200802
手に重み確かめ葡萄摘みにけり ことり 六花 200808
今し方葡萄貰ひしところなり 山田六甲 六花 200809
葡萄食ふ一粒づつと会話して 上原重一 200811
黒葡萄作りし人の写真つき 奥村こちび 炎環 200811
一房の葡萄や今日の過ぎ行くよ 藤田良 炎環 200811
迷想も盡きたりぶだうの種を吐く 久津見風牛 200811
種無葡萄ふふみ科学に疑問あり 鎌田篤 雨月 200811
一房の皿はみ出して葡萄盛る 佐治奈津 雨月 200811
葡萄いま飛ばす種なし土間もなし 千田敬 200811
木洩れ日を子の駆けてくる葡萄園 清水明子 遠嶺 200812
濃密な時間ありけり黒葡萄 清水晃子 遠嶺 200812
母がゐて妻と娘が摘む葡萄かな 鈴木阿久 200812
葡萄欲しジャンクリフトフ読み返す 鈴木阿久 200812
また一つポリープとりて葡萄食む 鈴木阿久 200812
葡萄食ふ妻の話のとめどなし 山田春生 万象 200812
葡萄園の鋏ぬぐうて返しけり 杉浦典子 火星 200812
笛吹川の音こもりゐる葡萄房 浜口高子 火星 200812
前山の葡萄棚より明けにけり 戸栗末廣 火星 200812
茣蓙の上の母が指図す葡萄狩 垣岡瑛子 火星 200812
葡萄の香漂へる荷を解きにけり 花岡豊香 酸漿 200812
一語また葡萄一粒夜が更くる 泉田秋硯 200901
潮の香の余韻の中に黒葡萄 高田令子 200901
葡萄一粒一粒づつが豚の孤独 二輪通 炎環 200901
投函を迷つてをりし黒葡萄 細川和子 炎環 200901
ユダになる危ふさ我に黒葡萄 藤原はる美 200901
掌に重たき葡萄もらひけり 上林富子 やぶれ傘 200901
稜線へ鋏を入るる葡萄棚 増田整歩 遠嶺 200902
懐しき香りと言はれ庭葡萄 丸田安子 酸漿 200902
考へることあり黙つて葡萄食ふ 野沢しの武 風土 200906
貴腐葡萄要としたるワイナリー 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909
奥嶺の日得てくろがねの葡萄垂る 渡邉友七 あを 200909
葡萄棚金峰山は今日も雲捲けり 須賀敏子 あを 200909
白葡萄酒も新緑の色なりし 立村霜衣 ホトトギス 200910
粒ごとに表情違へ房葡萄 布川直幸 200910
勝沼の雫の葡萄キロ詰めに 布川直幸 200910
蘇へるいのち術後の黒ぶだう 上原重一 200910
口能登の種なし葡萄絶え間なく 大坪景章 万象 200910
内心はうす緑なる黒葡萄 高橋将夫 200911
笠紙を持ち上げ葡萄の品定め 和田政子 200911
口中に葡萄弾ける甲斐盆地 和田政子 200911
笠紙を持ち上げ葡萄の品定め 和田政子 200911
葡萄畑の傾りに風の沿ひゆけり 杉浦典子 火星 200911
葡萄熟る笑みの溢るるカフェの客 森理和 あを 200911
濡れ髪の娘とゐたる夜の葡萄 山田美恵子 火星 200911
内心はうす緑なる黒葡萄 高橋将夫 200911
青葡萄まびいてよりの風の道 神山市美 やぶれ傘 200912
葡萄→4      

 

2021年9月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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