葡 萄 2   100句

ぶだう吸ふ男の顔をととのへて   亀田虎童子   百里

葡萄  山葡萄  野葡萄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
黒葡萄幼児の手を拭きにけり 青池亘 百鳥 200211
葡萄狩言ふほど食べること出来ず 塩川雄三 築港 200211
葡萄棚身をかがめては歩を進め 塩川雄三 築港 200211
抱いて子に一房剪らす葡萄狩 高橋あさの 200211
バッカスの誘惑に堕つ黒葡萄 武田菜美 銀化 200211
牧丘町戸毎掲げる葡萄棚 清水和子 酸漿 200211
絵ごころの少し残りし葡萄かな 堀内一郎 あを 200211
ぶだう狩の徒にもときどき威銃 堀内一郎 あを 200211
葡萄食み少女の頃の夢をみし 山荘慶子 あを 200211
原子力空母入港黒ぶだう 川井政子 風土 200212
兄と呼ぶ人の欲しかり黒葡萄 祐森禰香 遠嶺 200212
旅は別れか別れは旅か葡萄摘む 堀内一郎 あを 200212
黒葡萄そりやあいろいろ人は言ふ 大場佳子 銀化 200212
葡萄の名聞いて忘れて食しをり 石川元子 酸漿 200212
一房を剪る音勁し黒葡萄 村本真由美 遠嶺 200212
日に透ける葡萄を切るや房のまま 平田紀美子 風土 200301
葡萄棚外人墓地に続きけり 影山わこ 百鳥 200301
木洩れ日を増やす葡萄の房摘みて 小西瑞穂 ぐろっけ 200302
自家製のぶどう酒醸す闇の中 須佐薫子 帆船 200307
葡萄棚頭が潜り抜けて来る 中村房枝 六花 200308
土壇場にきてしんがりに鬼葡萄 瀬川公馨 200310
十戒の第五真黒きぶだう食む 荒井千佐代 200310
一粒づつ食べる他なし葡萄狩 塩川雄三 築港 200310
人間に食べる限界葡萄狩 塩川雄三 築港 200310
天よりの授かりものの黒葡萄 鷹羽狩行 200311
ドイツ語会話習ふ端から葡萄食ふ 伊藤白潮 200311
ありがとうと言はぬ国なり葡萄買ふ 河村高天 200311
宅配の葡萄の箱の香りたつ 青木政江 酸漿 200311
指先も舌も紫葡萄食ぶ 大森玲子 築港 200311
葡萄園秤を置いて直売所 宮村操 築港 200311
黒葡萄甘言ときに罪となり 宮内とし子 200311
近づきし火星の微熱葡萄熟れ 岡本崇 200311
箱よりも大き葡萄を引き出せり 浅田光蛙 対岸 200311
幸せか不幸か葡萄食みてをり 斎藤節子 馬醉木 200312
葡萄食み黙深め合ふ兄妹 斎藤節子 馬醉木 200312
雀来てまたしばしをり葡萄棚 山田孝枝 酸漿 200312
大房の葡萄頂く良き日なり 鈴木美枝 酸漿 200312
むらさきの声もて散会ぶどう摘み 岡正実 200312
葡萄の露ぶだうの色にこぼれけり 戸栗末廣 火星 200312
皿白磁葡萄太古の彩こぼす 長屋璃子 火星 200312
考へてゐるやうで唯葡萄喰む 大塚まや 京鹿子 200312
一望の丘陵葡萄匂ひたる 鳴海清美 六花 200312
黒葡萄日ざしの下に剥かれけり 鳴海清美 六花 200312
父見舞ふ手に余りたる黒葡萄 松本真佐 200312
母の掌に葡萄の房のどれも余る 柴田佐知子 200312
一房の葡萄にしづむ夜の家 柴田佐知子 200312
一房で充分の味葡萄狩り 安部美和子 ぐろっけ 200312
その上に南アルプス葡萄棚 中村洋子 風土 200401
尖んがつてみる黒葡萄つまみつつ 高田令子 200401
抱きあげて児に摘みとらせ葡萄狩 鵜飼紫生 雨月 200401
手鋏の固き手ごたへ葡萄摘む 中島知恵子 雨月 200401
葡萄捥ぐ秀吉の陣ありし丘 内藤三男 ぐろっけ 200401
静物として光り合ふ葡萄かな 阪本哲弘 200402
坊の膳出羽で醸せし葡萄酒 金升富美子 200402
葡萄酒を醸す大黒千手観音めく 金升富美子 200402
葡萄とはキャンベルのこと絶滅種 山田六甲 六花 200409
葡萄作りはひとより泪もろしとよ 堀内一郎 あを 200409
種ありてこその葡萄や日のしづく 神蔵器 風土 200410
葡萄たわわウイグル帽の楽士たち 荒木英雄 対岸 200410
小さき房残りてをりぬ葡萄棚 斉藤裕子 あを 200410
一湾の風ボサノバと黒葡萄 水野あき子 遠嶺 200411
冷凍の葡萄のさらふ眠気かな 林敬子 酸漿 200411
仏蘭西行はあきらめ葡萄種を吐く 伊藤白潮 200411
葡萄食み妻との黙を深めけり 武子都史郎 200411
押入の中に葡萄酒醸しけり 須佐薫子 帆船 200411
葡萄棚見たくて休暇取りにけり 高木武人 百鳥 200411
葡萄食べ脳の空白つづきゐる 大橋敦子 雨月 200411
深紫淺緑盛る葡萄かな 長崎桂子 あを 200411
葡萄粒トルコマーチに走り出す 堀百合子 200412
贖罪の歴史を秘めて黒葡萄 内山照久 200412
ぶだう食ぶ記憶の糸を辿りつつ 与川やよい 遠嶺 200412
きやうだいの絆は確と黒葡萄 亀ヶ谷照子 遠嶺 200412
この雨の中をひと来る葡萄棚 酒井十八歩 草の花 200412
嫁ぐ子に風のさゆらぎ葡萄熟れ 相沢有理子 風土 200412
葡萄食ふ神経質に種を吐き 宮城白路 風土 200412
割安の葡萄種持つ種も呑む 二瓶洋子 六花 200412
覗かれてゐるごと葡萄棚の下 高倉和子 200412
しばらくは葡萄の風をまとひをり 森佳子 遠嶺 200501
干葡萄せつなき甘さありにけり 中根喜与子 200502
正論はときにうとまし黒葡萄 伊藤敬子 遠嶺 200502
葡萄棚ただよう暮色濃く甘く 松井和恵 八千草 200503
葡萄棚涼を求める人のあり 今井久良子 酸漿 200504
孫も子も甲斐路に遊び葡萄狩り 吉原すみ子 200505
模造紙の上に種なし葡萄かな 高橋将夫 星の渦 200507
月の夜も月の出ぬ夜も黒葡萄 今瀬剛一 対岸 200510
種なしぶだうぬぐへぬ不信感 竹内弘子 あを 200510
ここに幸ありと葡萄の垂れさがる 村越化石 200511
葡萄園ここの木椅子に一詩人 村越化石 200511
黒葡萄皮のままにて吸ひにけり 永田勇 六花 200511
三房ほど生りし日除の葡萄棚 竹内弘子 あを 200511
忘られし携帯鳴りぬぶだう棚 森山のりこ あを 200511
ナイヤガラてふ葡萄の香故郷の香 三村武子 酸漿 200512
葡萄狩君にゑくぼのあるを知り 高羽里見 四葩 200601
弟妹のほとほと遠し黒ぶどう 高千夏子 200601
ガレージの屋根の葡萄を誰も取らず 佐々木建成 百鳥 200601
種のかげ葡萄受胎の透視めき 安藤しおん 200601
葡萄ひとつぶ指先の記憶力 倉持梨恵 200601
葡萄大房甲斐の夕日を蔵しけり 宮川みね子 風土 200601
葡萄盛る久谷のいろに隠りけり 宮川みね子 風土 200601
呟きのやうなシャンソン黒ぶだう 与川やよい 遠嶺 200606
葡萄→ 3      

 

2021年9月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。