56句

双眼鏡遠き薊の花賜る   山口誓子

  夏薊  秋薊   冬薊

作品
作者
掲載誌
掲載年月
薊咲く富士の鉄砲水の跡 鷹羽狩行 199909
野薊の此処には海の寂しさが 中林明美 ヒッポ千番地 200010
薊咲く野ゆき山ゆき春夫の忌 三神あすか 船団 200011
蓬髪跋扈寝牛起き馬花薊 相原澄江 海程 200110
黒潮の怒々と崩るる浜薊 石原義輝 馬醉木 200112
願ひ文そつと伏せ置く花薊 吉野のぶ子 遠嶺 200112
土のいろ脱ぎし芽薊売られけり 小林輝子 風土 200209
カルデラの奈落の淵の花薊 佐藤景心 200308
花薊柳生の里に来てゐたり 浦松静二 築港 200309
野薊や屋根に石置く町つづく 石原光徳 酸漿 200405
薊挿す山疵のこる大湯呑 木村仁美 馬醉木 200407
風荒き岬の薊低く咲く 金山千鳥 酸漿 200407
母生けし母の想ひの花薊 前園美智子 河鹿 200407
さびしむや薊一茎抽んでて 定梶じょう あを 200507
花薊手折りし罪か棘二本 平山風鳥 河鹿 200606
薊濃し想ひ出の母気丈なる 赤羽正行 遠嶺 200608
野薊やをのこ少なき分教場 手拝なをみ 200610
野薊や試歩の男の足太し 高倉恵美子 200611
摩天崖に始まるロケや隠岐薊 田下宮子 200809
牛の舌薊を残し草を薙ぐ 金居欽一 万象 200810
雨の中またあざやかに花薊 島崎久美子 酸漿 200907
野薊のつぼみのもてる明日のいろ 柴田鏡子 200910
湖の指呼に展けぬ富士薊 菅野日出子 末黒野 201001
花あざみ野は大王の都あと 秋田建三 201005
手折りしが持て余したる薊かな 小林朱夏 201006
仰ぐ土手妣に見せたき薊咲く 池田いつ子 酸奬 201008
鬼あざみ嗤ふや太夫屋敷跡 塩路隆子 201009
花薊牧の柵より牛の舌 松本正生 やぶれ傘 201009
鬼あざみむかし忍びの裏街道 松岡和子 201011
あざみ沿線ふるさとのない長女二女 伊藤希眸 京鹿子 201011
鬼薊に浮雲ひとつ留まりぬ 加藤みき 201012
幻の線路の跡や鬼薊 吉村摂護 201012
人知れず墓守りたる花薊 遠藤実 あを 201106
野薊の刺の力に生き行かむ 和田照子 201109
只じつと見下すナース山薊 吉村摂護 201112
薊の絮人の匂ひにまとひつく 伊藤希眸 京鹿子 201112
薊描く仕上げに棘の紅強く 白水良子 201208
奥津城へ野あざみの紅刈り残す 荒井千瑳子 201208
陽の中の野薊の花湿り濃く 白石正躬 やぶれ傘 201210
終点のバス折り返す花薊 天野美登里 やぶれ傘 201211
真っ向に連峰ありて富士薊 熊岡俊子 雨月 201211
首重き鳥海薊群れ咲けり 阿部月山子 万象 201311
富士薊身に寸鉄の孤高かな 四條進 201312
養生の天女の松や浜あざみ 大坪景章 万象 201407
双眼鏡遠き薊の里を見る 池田光子 201407
里山に合掌けさのあざみ汁 鎌田悟朗 ろんど 201408
野薊の紫が飛ぶとぶでんでら野 内海良太 万象 201410
草丈の負けずぎらひの薊かな 北村淳子 ろんど 201410
坂道にとげのはみ出す山薊 廣畑育子 六花 201712
溶岩原の砂礫に転び富士薊 森清堯 末黒野 201812
向う佐渡吾が丈を越す花薊 藤原翔 201905
野薊の枯れ果て棘のころも被て 伊藤希眸 京鹿子 201911
山彦を岩場が返す山薊 天野美登里 やぶれ傘 202010
野薊の絮へばりつくフェンスかな 廣畑育子 六花 202011
ひとつ目のカーブを曲り花薊 天野美登里 やぶれ傘 202105
谷音を聞きつつ咲くや沢薊 種田利子 春燈 202201

 

2022年4月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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