2023年6月8日

6  100句

杉の實の青しと思ふ鮎を喰ぶ    高島茂

  香魚  錆鮎  落鮎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
一本の竹串鮎を波とせり 須賀ゆかり 201707
若鮎の魚梯を登るひかりかな 石黒興平 末黒野 201708
鮎の骨抜いてくれたる祖母のこと コ田千鶴子 馬醉木 201708
簗の鮎跳ねて真近に在る故郷 谷陽右 馬醉木 201708
鮎釣の流るる雲に竿打てり 笹村政子 六花 201708
吊橋やきらりきらりと上り鮎 升田ヤス子 六花 201708
串抜けば笑ひをりけり鮎の顔 住田千代子 六花 201708
父と師の川は球磨川鮎の影 田尻勝子 六花 201708
記念日の席に小鮎と酒肴あり 谷口一献 六花 201708
川音の貴船奥道鮎の宿 井上石動 あを 201708
津和野より石見の紙の鮎だより 山本喜朗 雨月 201708
鮎皿に川の絵模様泳ぐ鮎 溝渕弘志 六花 201709
厠まだ裸電球鮎の宿 森岡正作 201709
笹に乗せ鮎一匹をもらひけり 山内洋光 201709
落される堰を踊りて上り鮎 甕秀麿 201709
撓ひつつひかり投げ来る鮎の竿 大沢美智子 201710
おぼつかぬ歩みの猫に鮎与ふ 秋川泉 あを 201709
あれは鮎流れの綺羅に紛れしは 山西商平 ホトトギス 201710
旅心鮎解禁の古里へ 林加寸美 ホトトギス 201710
釣り上がる鮎の一閃二閃かな 三村純也 ホトトギス 201710
山揚や鮎焼く香り町ぢゆうに 内海良太 万象 201710
水溜りに鮎逃れゐて旱川 小林愛子 万象 201710
釣好きの父の忌過ぎて鮎を焼く 大坪貞子 万象 201710
足許の磯のかをりや鮎の笊 大坪あきら 万象 201710
小鮎とぶ朝の琵琶湖の水輪かな 須賀允子 万象 201710
鮎釣の鑑札壁に父逝きぬ 笹村政子 六花 201710
ぴちぴちと生け簀に跳ぬるをとり鮎 小川玉泉 末黒野 201710
解禁の夜明けの磧鮎匂ふ 今井千鶴子 ホトトギス 201711
鮎づくしいただきをれば通り雨 今井千鶴子 ホトトギス 201711
思はざる山家の昼餉鮎づくし 今井千鶴子 ホトトギス 201711
鮎を釣る根気鮎釣見る根気 山田閏子 ホトトギス 201711
鮎よりも旨いと宿主(あるじ)岩魚焼く 横溝和恵 京鹿子 201711
焼鮎の骨をふはりと抜きにけり 廣畑育子 六花 201711
鵜も鮎も人類うらむ鵜飼かな 大久保白村 ホトトギス 201712
子持ち鮎寺にもたらす宮大工 福島せいぎ 万象 201712
水分くる信玄堤下り鮎 高埜良子 春燈 201712
親指姫トントン釣の鮎食して 中島陽華 201712
国盗りの地にほろ苦き鮎雑炊 森岡正作 201801
身拵へほどには鮎の釣れてゐず 角野良生 201801
鮎梁を外れたる水のほとばしる 岸洋子 201802
蒼き山蒼き流れの鮎の里 長尾タイ 末黒野 201804
堰いくつ越えしか鮎の川激つ 河原敬子 201804
若鮎の跳べば光となるばかり 森岡正作 201807
鮎のぼるきほひのままに跳ねながら 松田明子 201807
日に水に光りて稚鮎上りけり 松田明子 201807
永らへて鮎の骨抜く貴船かな 中島陽華 201808
川底に光届きし鮎の川 田中美恵子 201808
新緑へのみ込まれたる瓢鯰図 村田あを衣 京鹿子 201808
父祖の地を手放し鮎の腸苦し 森岡正作 201809
山の水筧に引きて鮎の宿 堀井英子 雨月 201809
焼きたての鮎の一皿旅帰り 高木晶子 京鹿子 201809
真一文字に声の飛び交ふ鮎の糶 持田信子 春燈 201809
入れてより震へどほしやたもの鮎 池田光子 風土 201810
蘆原にぬつと出てくる鮎の竿 池田光子 風土 201810
焼鮎の反り身を照らす熾火かな 石黒興平 末黒野 201810
瀬の温み不戦の鮎の不漁かな 七郎衛門吉保 あを 201810
川音につひに登場鮎料理 高木晶子 京鹿子 201811
星近し闇深めゆく鮎の宿 山下健治 春燈 201812
鮎の宿昏き廊下を渡りけり 大沢美智子 201901
掌の中の水ごと鮎をもらひけり 栗坪和子 201901
鮎釣や無言の行の一人ひとり 田代民子 201902
故郷に住むは不幸か鮎の川 山田六甲 六花 201905
鮎膳に向ふ川音聞く二階 稲畑汀子 ホトトギス 201906
鮎の宿とて届きたる案内状 稲畑汀子 ホトトギス 201906
川音の二階へ届く鮎の膳 稲畑汀子 ホトトギス 201906
岩を跳ぶ若鮎一匹つづ光る 宮内とし子 201906
高瀬舟発着場跡上り鮎 山田六甲 六花 201906
若鮎の水引つ張つて遡る 山田佳乃 ホトトギス 201908
父方のふる里の鮎釣られけり 本多遊方 春燈 201908
川に沿ふ廃線いまも上り鮎 笹村政子 六花 201908
てのひらを躍る小鮎のこそばゆし 笹村政子 六花 201908
水底に光走れり上り鮎 藤生不二男 六花 201908
若鮎のひかり浅瀬を遡上せる 永田万年青 六花 201908
繊月をめざし若鮎飛びにけり 升田ヤス子 六花 201908
もう鮎とわかる香りに釣られけり 升田ヤス子 六花 201908
若鮎の先頭切つてさぱしれり 赤松赤彦 六花 201908
若鮎の遡上遮る鳥の影 赤松赤彦 六花 201908
岩間の音の中より若い鮎 篠原敬信 六花 201908
夕食は息子の釣果鮎膾 菅野日出子 末黒野 201909
一竿に託す一日や鮎の川 石黒興平 末黒野 201909
片寄せの車三台鮎解禁 広渡敬雄 201909
鮎のことなら少年になる恩師 石川笙児 201909
堰越ゆる鮎やひかりの弧を描き 南うみを 風土 201909
渡しとはいふも箱舟鮎の里 浅井青二 雨月 201909
郡上鮎解禁の瀬の騒立てる 佐藤貞子 雨月 201909
初物の鮎のほどよき塩加減 草柳忍 201910
鮎釣りや烏塒に帰る頃 黒滝志麻子 末黒野 201910
腕によりかけて鮎釣解禁日 石黒興平 末黒野 201910
串刺の鮎逆さまに焼かれけり 山本久枝 やぶれ傘 201911
美しき鮎三枚に下ろすとは 後藤比奈夫 ホトトギス 201911
鮎の背にやさしき色の蓼酢かな 井上静子 201911
鮎をほめ焼き方をほめ峡の宿 石黒興平 末黒野 201911
入れてより震えどほしやたもの鮎 池田光子 風土 202001
雲荒き琵琶湖の鮎の一夜干し 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
満天の星のもてなし鮎の宿 遠藤清子 末黒野 202004
せせらぎも馳走のひとつ鮎の宿 稲畑廣太郎 ホトトギス 202006
鮎の宿話の種は鮎のこと 安齋正蔵 やぶれ傘 202007
若鮎の刃金びかりに奔りけり 森岡正作 202007
人間の生活に続く鮎の川 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
鮎の腑の苦きを食うべ夜目の効く 大沢美智子 202009
父の忌や終の食事の鮎雑炊 岡本尚子 風土 202009
鮎走る相模の水の輝けり 森田節子 風土 202009
水音の貴船に待てる鮎料理 中村洋子 風土 202009
友釣りの互ひに大き鮎の口 柿沼盟子 風土 202009
これよりは愛宕神域鮎の茶屋 岡本尚子 風土 202009
鮎宿のいぶし色なる愛宕札 岡本尚子 風土 202009
背から食ひ腹から食らふ串の鮎 新妻洋子 風土 202009
釣師みな言葉少なや鮎の川 石黒興平 末黒野 202009
鮎 →7

 

2023年6月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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