2023年5月13日

1  94句

鮎くれてよらで過行夜半の門    蕪村

  香魚  錆鮎  落鮎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
釣りし鮎不揃ながら新しき
能村登四郎
199807
瀬を好む鮎ばかりではなささうに
稲畑汀子
ホトトギス
199808
鮎焼いて岩石貌の漢かな
小澤克己
遠嶺
199809
乗り降りのなき鮎川の上の駅
小西石蕗
円虹
199810
一軒は予約満席鮎の宿
小西石蕗
円虹
199810
四方より水を落として鮎生簀
小西石蕗
円虹
199810
鮎裂くやおてもとと言ふ箸始終
丸山海道
京鹿子
199810
尻ひろげとつくり冷めず美人鮎
丸山海道
京鹿子
199810
青年の鮎の青いろ串ほのほ
丸山海道
京鹿子
199810
鬼やんま鮎宿の娘をはなれざる
皆川盤水
春耕
199810
鮎生簀中も早瀬でありにけり
粟津松彩子
ホトトギス
199811
鮎川の本流逸れし水たまり
岡本眸
199811
養殖の安売り鮎を二匹食ふ
高木伸宜
船団
199812
串刺しの鮎に打ちたる化粧塩
荻野美佐子
船団
199902
灯を消して瀬音かぶさる鮎の宿
樋口英子
朝桜
199904
鮎料ることを生活(たつき)に暮れてをり
中原道夫
銀化
199906
鮎のごとありたいものと思ふなり
熊谷みどり
いろり
199906
養殖と分りしよりの鮎の味
稲畑廣太郎
ホトトギス
199907
水神にあひるの卵鮎の宿
皆川盤水
春耕
199908
鮎宿を出て来し農婦酒臭し
皆川盤水
春耕
199908
水迅し鮎のはじめを平野屋に
水谷芳子
雨月
199908
上流の雨煙りして瀬伏し鮎
桑垣信子
いろり
199908
口むすび凛々しき鮎の届きけり
井口初江
酸漿
199909
暁光に網もをどりて鮎の川
林翔
199909
けふもまた鮎の川から日暮れくる
宇都宮滴水
京鹿子
199909
鮎焼きや気がかり増やす黄泉の母
桑垣信子
いろり
199909
焼き鮎に箸を短く使ひけり
山田六甲
六花
199909
連れだつて来て離れゐる鮎の川
大東由美子
火星
199910
旅客機の飛び立つ河原鮎上る
土肥屯蕪里
俳句通信
199910
胃が無くて料理番組鮎穴子
安井よしこ
ヒッポ千番地
199910
山よりの風来て鮎の姿ずし
小川昭江
199911
鮎光る瀬音なつかし身すり石
丸山冬鳳
京鹿子
199911
鮎燦燦亡き師へ杉箸進ぜたし
丸山冬鳳
京鹿子
199911
鮎を焼き亭主敬白師を偲ぶ
丸山冬鳳
京鹿子
199911
吉野の鮎食べ老の血も香りけり
能村登四郎
芒種
199911
男の目鮎かかる瞬間見逃さず
向江醇子
ぐろっけ
199911
したがはぬもの何々ぞとまり鮎
和田祥子
馬醉木
199912
水に膝つきて投網の鮎剥がす
櫨木優子
199912
濁流の一夜で澄めり鮎の川
松崎鉄之介
199912
スライスを二匹の鮎の下に敷き
高木伸宜
船団
199912
この川の上流の鮎食らいたし
小西昭夫
船団
199912
姿煮の鮎の姿を壊しけり
荻野美佐子
船団
199912
天日の黄ばみて鮎の落つるころ
高橋さえ子
200002
鮎宿に絶やさぬ火あり飯食はな
橋本榮治
馬醉木
200007
鷹羽狩行
200007
鮎美しその焦げ色は猶更に
能村登四郎
200007
落人島裾濃ぼかしの鮎の網
品川鈴子
ぐろっけ
2023年5月13日
一人また入りてさびしき鮎の川
山尾玉藻
火星
200008
鮎重なりて魚籠にある流れかな
坂井建
円虹
200008
鮎買ひて家路へ心はづみつつ
能村登四郎
200008
鮎尽し少しきつめの化粧塩
阿部正枝
遠嶺
200009
鮎に振る塩さらさらと笹のうへ
南うみを
風土
200009
焼鮎や丹波地酒のひややかに
南うみを
風土
200009
くれなゐの山の端なりし鮎の鮓
田畑幸子
火星
200009
利き足でさぐる川底鮎走る
藤井みち子
200009
天然の細身の鮎や夫の故郷
村瀬初実
春耕
200009
水槽の一匹が消え鮎料理
桑垣信子
いろり
200010
水車小屋跡形もなし鮎はしり
三嶋隆英
馬醉木
200010
鮎跳ねて簗の月光躍りけり
穐好樹莵男
馬醉木
200011
山の日の華と句碑建つ鮎のころ
豊田都峰
京鹿子
200011
俳諸師もてなす美濃の鮎づくし
永田等
200012
平家武者鮎とは逆に落ちにけり
塩出眞一
ぐろっけ
200012
鮎を焼く目玉の白くなりにけり
板倉勉
六花
200101
五、六戸に吊橋架かり鮎太る
宮原利代
ぐろっけ
200102
鮎食ひて瀬音の暮るる山の宿
池尻足穂
俳句通信
200106
淀む瀬に鮎の群きてみづふくる
鈴鹿仁
京鹿子
200106
鮎、うっかり身から泳ぎ出る背骨
山本純子
船団
200106
鮎宿の門灯小さき渓の雨
豊田都峰
京鹿子
200107
陽を返す抜きさしならぬ鮎の川
宇都宮滴水
京鹿子
200107
水底に影を落して放ち鮎
有山光子
遠嶺
200107
鮎を喰い酒を呑み夜はうたた寝
吉田さかえ
海程
200108
塩高く稲荷を祀る鮎の宿
朝妻力
俳句通信
200108
鮎焼けてしばし瀬の音高まりぬ
朝妻力
俳句通信
200108
ふるさとの鮎の大ぶり手塩打つ
高橋道子
200109
鮎づくしの膳の果なる「大阪〆」
加藤廣子
火星
200109
釣竿の並ぶ隙問の鮎光る
小浦遊月
酸漿
200109
鮎の川雨呼ぶ風のなまぐさし
皆川盤水
春耕
200109
簗場にて打ち上げられし鮎の顔
早崎泰江
あを
200109
居酒屋に焼きたての鮎誕生日
佐藤京子
百鳥
200110
鮎鮨の背の青さよ一つまみ
内藤順子
酸漿
200110
大首絵の懸りし脇に「鮎よろし」
延広禎一
200110
十指もてほほばる鮎の河原焼
武政礼子
雨月
200110
掌中を鮎のぬめりのすり抜けし
能村登四郎
羽化
200110
鮎美しその焦げ色は猶更に
能村登四郎
羽化
200110
鮎買ひて家路へ心はづみつつ
能村登四郎
羽化
200110
食感と言ふ妙ありて背越鮎
三枝邦光
ぐろっけ
200110
瓢鮎図曝すやなまずひとくねり
窪田佳津子
雨月
200111
鮎の骨抜く横顔を見てゐたり
大島翠木
200111
我が胸を鮎の小骨のとおりぬけ
辻村拓夫
船団
200111
屋形船鮎の尾頭ぴんと焼け
正木泰子
ぐろっけ
200111
流星や軒には鮎の一夜干し
深田雅敏
200201
目を皿にせずとも子持鮎ばかり
中原道夫
銀化
200201
白き瀬をきりなく鮎の上るなり
藤井昌治
200207
口元のきりりと鮎の焼かれけり
宮原みさを
花月亭
200208
鮎 2→       

 

2021年7月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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