作品 |
作者 |
掲載誌 |
掲載年月 |
木と糸をつなぎし遊びあたたかし | 清水晃子 | 遠嶺 | 200607 |
あたたかや蹠てのひらふたつづつ | 柴田佐知子 | 空 | 200607 |
川なりに歩みて大地あたたかし | 清水裕子 | 朝 | 200607 |
餡パンが出てあたたかな句会かな | 岩岡中正 | ホトトギス | 200608 |
虚子百句語り来し日々あたたかし | 長山あや | ホトトギス | 200609 |
婿といふ息子がをりてあたたかし | 岩岡中正 | ホトトギス | 200610 |
野辺のもの旅に満たしてあたたかし | 前田貴美子 | 万象 | 200610 |
惜命の稿の朱筆やあたたかし | 林いづみ | 風土 | 200611 |
川なりに歩みて大地あたたかし | 清水裕子 | 朝 | 200702 |
足さすりくれし吾子の手あたたかし | 桑田青虎 | ホトトギス | 200703 |
ふるさとを思うてをればあたたかし | 永嶋みね子 | 火星 | 200703 |
残る日や手を入れて米あたたかし | 竹貫示虹 | 京鹿子 | 200703 |
声出してみればあたたか一人の夜 | 高倉和子 | 空 | 200703 |
絵付する素焼の肌のあたたかし | 松崎鉄之介 | 濱 | 200704 |
あたたかや問診の医師前屈み | 青山悠 | 空 | 200704 |
今はむかしチッキに木札あたたかし | 定梶じょう | あを | 200704 |
無理するな楽をするなとあたたかし | 津野朝子 | 馬醉木 | 200705 |
あたたかや藻の屑浮きし忘れ潮 | 横田初美 | 春燈 | 200705 |
あたたかや魚の腹から小魚出て | 百瀬七生子 | 海光 | 200705 |
埴輪見てきて鉄棒のあたたかし | 百瀬七生子 | 海光 | 200705 |
山やまに呱々の声ありあたたかし | 百瀬七生子 | 海光 | 200705 |
文士らの直筆の稿あたたかし | 石橋萬里 | ぐろっけ | 200705 |
あたたかや料理上手の友ありて | 谷寿枝 | 酸漿 | 200705 |
安万侶の書きし古事記のあたたかし | 松崎鉄之介 | 濱 | 200706 |
赤絵陶器の十六羅漢あたたかし | 稲垣光子 | 濱 | 200706 |
あたたかや少年席をゆづり呉れ | 出口賀律子 | 雨月 | 200706 |
へうたんを買ひて鎌倉あたたかし | 八木下巌 | 朝 | 200706 |
酔つてゐる牧水の字のあたたかし | 服部早苗 | 空 | 200707 |
あたたかや墓地より望む白き船 | 池崎るり子 | 六花 | 200707 |
あたたかや祖父書き上げし紀行文 | 小林奈穂 | 沖 | 200708 |
病室に家族来たりてあたたかし | 高倉恵美子 | 空 | 200708 |
籠る身に旅の誘ひのあたたかし | 桑田永子 | ホトトギス | 200709 |
干潟かなポテトスープのあたたかさ | 矢野千佳子 | 京鹿子 | 200709 |
経あたたか源氏平氏の隔て無く | 堀井英子 | 雨月 | 200709 |
今日寒くあしたあさつてあたたかし | 堀内一郎 | あを | 200712 |
口元にスープの湯気のあたたかし | 福地初江 | 朝 | 200801 |
訛りあるナースの言葉あたたかし | 峰尾秀之 | 苑 | 200802 |
梟に見えゐて真闇あたたかし | 工藤義夫 | 馬醉木 | 200803 |
小学校の椅子の低さもあたたかし | 高倉和子 | 空 | 200803 |
あたたかや竹でつぱうの試し打ち | 内山花葉 | 沖 | 200803 |
あたたかや竜宮城の亀の役 | 鷹羽狩行 | 狩 | 200804 |
採血のうまき看護師あたたかし | 二村蘭秋 | 雨月 | 200804 |
蕎麦掻は夫の一芸あたたかし | 勝見玲子 | 鴫 | 200804 |
若きらの献血の列あたたかき | 岡佳代子 | 璦 | 200805 |
広縁のほほけ畳のあたたかし | 飛鳥由紀 | 鴫 | 200805 |
西行の真筆に会ふあたたかし | 神蔵器 | 風土 | 200805 |
あたたかき色のスカーフ胸にあり | 斉藤小夜 | 風土 | 200805 |
あたたかし牛も羊も声伸ばし | 西村梛子 | 馬醉木 | 200805 |
くろぐろと子犬の瞳あたたかし | 緑川啓子 | 馬醉木 | 200805 |
あたたかや時の素通り許しをり | 近藤喜子 | 槐 | 200805 |
あたたかやビタミンEの琥珀色 | 塩路隆子 | 璦 | 200806 |
あたたかき月をあげたる良寛忌 | 小坂灯村 | 馬醉木 | 200806 |
あたたかや子の描く月は目鼻持ち | 畑絹枝 | 馬醉木 | 200806 |
4Bで母と筆談あたたかし | 赤木亜華里 | 狩 | 200806 |
瓦斯燈に星の生まれてあたたかし | 川口襄 | 遠嶺 | 200806 |
あたたかや永年座る計量器 | 星井千恵子 | 遠嶺 | 200806 |
千切り絵の太陽に顔あたたかし | 掛井広通 | 沖 | 200806 |
雑木山芽吹きの色のあたたかし | 羽賀恭子 | 峰 | 200806 |
各駅に標高表示あたたかし | 大橋晄 | 雨月 | 200806 |
あたたかや天下の瞼を登り来て | 大橋晄 | 雨月 | 200806 |
あたたかや祝がるに薔薇を五十本 | 西村しげ子 | 雨月 | 200806 |
梅の村称ふる校歌あたたかし | 三輪温子 | 雨月 | 200806 |
あたたかや小石一つが波つくり | 藤岡紫水 | 京鹿子 | 200806 |
あたたかや文士の古き相関図 | 篠田純子 | あを | 200806 |
歪みつつ伸ぶる旧道あたたかし | 柴田佐知子 | 空 | 200806 |
あたたかく吾を見守りゐる遺影 | 西澤さち女 | ホトトギス | 200807 |
あたたかや水飴は糸引きやまず | 八染藍子 | 狩 | 200807 |
煩悩の数の旅路やあたたかし | 島玲子 | 風土 | 200807 |
晩年のちちを思へばあたたかし | 荒井千佐代 | 空 | 200807 |
首筋を風にさらしてあたたかし | 吉田陽代 | 沖 | 200807 |
南極の石あたたかし姫女苑 | 大坪景章 | 万象 | 200808 |
花鳥園にひと日誘はれあたたかし | 福盛悦子 | 雨月 | 200808 |
あたたかや阿弥陀堂より人のこゑ | 岩岡中正 | ホトトギス | 200809 |
切株にあたたかな夜おりてくる | 火箱游歩 | 船団 | 200809 |
先生の手紙行間あたたかし | 大槻右城 | ホトトギス | 200812 |
あたたかや絵双紙の色いたく褪せ | 片山博介 | 春燈 | 200812 |
御用邸冬あたたかき海を抱き | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200901 |
宮坂冬郎君の結婚を祝ひて 土偶の尻掌にして重くあたたかに |
瀧春一 | 深林 | 200901 |
もう癒えぬ夫の掌あたたかき | 助口弘子 | 火星 | 200902 |
旅増えてゆけることにもあたたかし | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200903 |
左手に書かれし師の字あたたかし | 村上絢子 | 馬醉木 | 200903 |
休日出勤コピー機のあたたかし | 飯塚恵美子 | 炎環 | 200903 |
あたたかや無口な人のそばにゐて | 小倉陶女 | 春燈 | 200903 |
山寺の大きな鐘もあたたかし | 高倉和子 | 空 | 200903 |
手術屋と自称の主治医あたたかし | 坂上香菜 | 璦 | 200904 |
あたたかき勇魚の海に出でにけり | 小形さとる | 槐 | 200904 |
あたたかや乳歯にもある糸切歯 | 林昭太郎 | 沖 | 200904 |
あたたかや妊婦の腹にこゑかけて | 樋口みのぶ | 空 | 200904 |
あたたかし残り湯を吸ふ洗濯機 | 吉沢陽子 | 峰 | 200905 |
一冊の思はぬ本買ひあたたかし | 壬生きりん | 炎環 | 200905 |
あたたかや膝に散らして紅絹の屑 | 太田陽子 | 狩 | 200905 |
病む人にあたたかき灯のひとつづつ | 橋本榮治 | 馬酔木 | 200905 |
あたたかや光となりて鳥が飛ぶ | 石田邦子 | 遠嶺 | 200905 |
生きるとは影のあることあたたかし | 本多俊子 | 槐 | 200905 |
白鳳仏の倚像ふたたびあたたかし | 井口ふみ緒 | 風土 | 200905 |
あたたかや匠伝への菓子木型 | 能村研三 | 沖 | 200905 |
鳥の群かぞへ偶数あたたかし | 小林朱夏 | 空 | 200905 |
本堂に四角く座りあたたかし | 城孝子 | 火星 | 200905 |
あたたかや歩み励ます水の音 | 井上春子 | 春燈 | 200905 |
あたたかや親しきものを詠ひつぎ | 木村傘休 | 春燈 | 200905 |
浦島の絵巻解く宮あたたかし | 山口キミコ | 璦 | 200906 |
あたたかや少年ふたり池覗く | 一ノ木文子 | 炎環 | 200906 |
あたたかや切つて木の香に包まるる | 根岸善行 | 風土 | 200906 |
祝宴の末席にゐてあたたかし | 矢口笑子 | 春燈 | 200906 |
円空仏の里に立ち寄りあたたかし | 大井彌雨 | 雨月 | 200906 |
ニコライ堂秘めたる闇のあたたかし | 平野伸子 | 馬醉木 | 200907 |
思ひ出はあたたかきことのみならず | 今井千鶴子 | ホトトギス | 200907 |
あたたかや郷土の老樹見にゆかな | 木下もと子 | 鴫 | 200907 |
あたたかや納屋に蚕棚と父の椅子 | 近藤敏子 | 沖 | 200907 |
ひとり来し父祖の山墓あたたかし | 城孝子 | 火星 | 200907 |
あたたかや金の成る木に花満ちて | KOKIA | 六花 | 200907 |
小物屋のはにかむ媼あたたかし | 箕輪カオル | 鴫 | 200908 |
古書店の主は若者あたたかし | 武政礼子 | 雨月 | 200908 |
あかんたれ洟垂れへたれあたたかし | 火箱游歩 | 船団 | 200909 |
点滴の父の手今日のあたたかし | 小嶋洋子 | 泡の音色 | 200912 |
一天を統べ温顔のあたたかき | 伊藤敬子 | 笹 | 201001 |
日当りて障子の桟のあたたかし | 海村禮子 | 春燈 | 201002 |
あたたか →4 |
2021年3月16日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。
ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。