紫陽花 8      208句

紫陽花や藪を小庭の別座敷   芭蕉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
くれなゐの紫陽花の帯線路沿ひ 本郷宗祥 かさね 201208
水無月は紫陽花により輝やけり 田島昭人 かさね 201208
雨に咲く紫陽花の彩それぞれに 丸山酔宵子 かさね 201208
紫陽花の艶のましけり雨匂ふ 松本信子 かさね 201208
紫陽花の色鮮やかや雨しづく 吉田博行 かさね 201208
紫陽花の押しくらまんじゆう子等の声 塩千恵子 201208
紫陽花やどの句もみんな土臭し 塩千恵子 201208
濃紫陽花きれいな月の上りけり 熊谷清子 春燈 201208
紫陽花のけさの瑠璃色母の色 市川玲子 春燈 201208
落柿舎に古りし雨樋濃紫陽花 中川すみ子 201209
紫陽花の万の光や雨上り 中川すみ子 201209
紫陽花のいろ滲ませて雨しとど 宮崎左智子 201209
紫陽花や宇治十帖の寺に雨 杉本綾 201209
紫陽花や先端霞むスカイツリー 佐藤喜仙 かさね 201209
叢に咲く濃紫陽花ひなたみづ 吉田啓悟 かさね 201209
紫陽花の夕べに変はり朝の色 橋本修平 かさね 201209
紫陽花に雨また雨の重さかな 橋本修平 かさね 201209
大きな毬風雨に折られ濃紫陽花 坂上じゅん かさね 201209
紫陽花の葉上に光る露の玉 菊地崇之 かさね 201209
紫陽花や弾む話のクラス会 吉田博行 かさね 201209
紫陽花や新校長は雨女 城台洋子 馬醉木 201209
紫陽花や病院食にまだ慣れず 高倉恵美子 201209
たはむれに負はれた記憶濃紫陽花 鴨下昭 201209
二本松の少年墓に濃紫陽花 佐藤健伍 201209
隠れん坊ポスト仄見え濃紫陽花 卯木尭子 春燈 201209
紫陽花の雨にひらくやフリル傘 深川敏子 春燈 201209
紫陽花の波打つところ飯場あり 安居正浩 201209
紫陽花に遠景の海紛れたる 宮内とし子 201209
紫陽花に幸さがさむと手を沈む 河内桜人 京鹿子 201209
濃紫陽花碧潭いろになぞへ染め 杉山瑞恵 雨月 201209
紫陽花に路上駐車の触れゐたる 吉成美代子 あを 201209
紫陽花を囲ふ東西結界門 田中貞雄 ろんど 201209
日和見と言はれたくなし濃紫陽花 田中貞雄 ろんど 201209
電車待つホームの向ひ濃紫陽花 松田利秋 かさね 201210
弦楽の音色に咲けり濃紫陽花 矢野百合子 201210
純白の大きな紫陽花夜の庭 水谷直子 京鹿子 201210
紫陽花に夕暮れせまる離れ島 安田一郎 京鹿子 201210
紫陽花のみやびの雨となりにけり 青柳雅子 春燈 201210
肩触れてより無口なり濃紫陽花 岩永はるみ 春燈 201210
九十九折紫陽花ロード雨匂ふ 福田かよ子 ぐろっけ 201210
散歩みち雨後の紫陽花冴えざえと 古林田鶴子 ぐろっけ 201210
紫陽花にうもれて暮らし綺麗好き 細川知子 ぐろっけ 201210
紫陽花の雨となりけり通夜の道 安田とし子 ぐろっけ 201210
紫陽花の日々に記憶が薄れつつ 田村嘉章 ぐろっけ 201210
紫陽花や人呼ぶごとく家の門 小澤正信 201210
満開のすこし淋しき濃紫陽花 小澤正信 201210
紫陽花の毬の揺るれど何も出ず 島谷征良 風土 201210
紫陽花や厚着薄着を繰り返し 塩田博久 風土 201210
水飲んで紫陽花にすこし近づく 齋藤厚子 201210
紫陽花や画材の匂ふ写生会 岡田香緒里 やぶれ傘 201210
濃紫陽花妻の土産の熊野筆 福島せいぎ 万象 201210
夕映も一変化とし紫陽花白 鎌田篤 雨月 201210
人を待つ色紫陽花の紫は 出口貴美子 雨月 201210
六甲の霧に毬なす濃紫陽花 宮平静子 雨月 201210
強羅へと紫陽花の色移りゅく 佐竹千代 やぶれ傘 201211
手を深く差し入れて剪る濃紫陽花 平居澪子 六花 201212
紫陽花や無人駅舎に案内図 武石京子 やぶれ傘 201301
紫陽花の色にはじまる立話 武田紀久 やぶれ傘 201301
紫陽花を今年も咲かし廃医院 野沢しの武 風土 201304
枕頭に挿せし紫陽花今年又 竹貫示虹 京鹿子 201306
紫陽花の初花母の仏壇に 江見悦子 朴の青空 201307
清は清濁は濁なり紫陽花忌 水原春郎 馬醉木 201307
紫陽花やときどき浮ぶ鯉の口 吉成美代子 あを 201307
紫陽花の咲き代々の骨接ぎ医 大島英昭 やぶれ傘 201309
君とゆく紫陽花寺や喜寿の道 渡辺和夫 ろんど 201309
紫陽花や婀娜な姿となつてをり 鈴木藤子 ろんど 201309
たそがれや白紫陽花に彩ありて 鈴木直枝 ろんど 201309
紫陽花の毬暗闇に浮遊する 田尻勝子 六花 201309
沖晴れて来し紫陽花の地平線 吉田順子 201310
母の忌の墓去りがたし濃紫陽花 吉田きみえ 末黒野 201310
しづしづと畳廊下や濃紫陽花 石黒興平 末黒野 201310
足柄の畷彩どる濃紫陽花 三橋玲子 末黒野 201310
古民家の庭や際立つ濃紫陽花 行川秀雄 末黒野 201310
さざ波を湛へてをりぬ濃紫陽花 直江裕子 京鹿子 201310
をちこちに侏儒すまはせて濃紫陽花 青木朋子 201310
紫陽花は雨が似合ひか問ひかける 藤波松山 京鹿子 201311
暮れてなほ紫陽花に見る変化かな 鈴木みのる 風土 201311
紫陽花や今朝から着たるジャワ更紗 大橋伊佐子 末黒野 201311
紫陽花の終の色とよ秋夕焼 藤丸誠旨 春燈 201312
紫陽花は色重ねおり滲みおり こうのこうき ろんど 201402
紫陽花や赤い靴ほどよく濡れる こうのこうき ろんど 201402
紫陽花の葉のはらはらと十二月 須賀敏子 あを 201402
紫陽花や足踏みオルガン流れ来る 坂根宏子 野山の道 201404
軒毎に紫陽花の鉢河岸通り 庵原敏典 末黒野 201404
紫陽花の毬の気品といふ角度 稲畑廣太郎 ホトトギス 201406
紫陽花の色に雨待つ心とも 稲畑汀子 ホトトギス 201406
紫陽花に雨の少なき日のつゞく 稲畑汀子 ホトトギス 201406
紫陽花に仏母ぶつもの色のさしきたる 山田六甲 六花 201406
さは言へどやはりや雨の濃紫陽花 井上石動 あを 201407
初咲きの山の紫陽花ふた七日 宮崎左智子 201408
瀟洒なる額紫陽花を手に愛づる 四條進 201408
紫陽花の雨呼ぶ顔を持ってをり 大日向幸江 あを 201408
紫陽花や毬を突くかに触れてみむ 塩千恵子 201408
紫陽花を供へ華やぐご仏前 松田和子 201408
紫陽花や研師おもての外流し 間島あきら 風土 201408
紫陽花や甘味処の混み合ひて 大川ゆかり 201408
紫陽花や溢れてきさう涙つぼ 塩千恵子 201408
紫陽花の寺カラフルな傘の列 西田史郎 201408
紫陽花の垣根の先の祖母の家 横山さくら 春燈 201408
紫陽花のうす水色やひと日雨 折橋綾子 201408
夫逝きてひととせ巡り白紫陽花 山荘慶子 あを 201408
咲き満ちて水の匂ひの濃紫陽花 塩千恵子 201408
庭覆ふ紫陽花の彩闇に消え 西田史郎 201408
リアカーで紫陽花販ぐ園芸部 和田郁子 201408
雨に濡れ紫陽花の色はしやぎけり 塩千恵子 201408
勤行の鐘紫陽花の苑昏るる 川村亘子 末黒野 201409
水音の誘ふ山路濃紫陽花 安部和子 雨月 201409
色変はるほどにおもたげ濃紫陽花 和田郁子 201409
絵草紙に夢二のをんな濃紫陽花 森田節子 風土 201409
峰寺の紫陽花殊に濃むらさき 山本漾子 雨月 201409
紫陽花の道尽き己取り戻す 大橋晄 雨月 201409
紫陽花を見事に咲かせ医王山 佐藤健伍 201409
紫陽花を見て来し人の半跏趺坐 真柄百合子 末黒野 201409
紫陽花や色褪せてなほ咲く定め 大口堂遊 春燈 201409
紫陽花や雨には青の相応しく 大橋晄 雨月 201409
紫陽花の満面の笑み雨しづか 宮崎左智子 201409
紫陽花の喝采浴びし子の華燭 島田浩美 201409
紫陽花の安堵の円さ神遊ぶ 丸井巴水 京鹿子 201409
紫陽花にまづ迎へられ枳殻邸 大橋晄 雨月 201409
濃紫陽花小さなポエム集まりて 伊藤照枝 201409
庭重くなる紫陽花の毬十九 高橋たか子 馬醉木 201409
雨晴れて不惑の色の濃紫陽花 河口仁志 201409
交番は留守紫陽花の暮れし色 高野春子 京鹿子 201410
この時期の庭の玉座に濃紫陽花 久世孝雄 やぶれ傘 201410
肩触るる紫陽花の彩百八段 上野紫泉 京鹿子 201410
決断がころころ変はる濃紫陽花 松田都青 京鹿子 201410
人のゐて紫陽花園の静かなり 青木朋子 201410
人のゐて紫陽花園の静かなり 青木朋子 201410
夕靄へ大きく沈む濃紫陽花 大橋伊佐子 末黒野 201410
紫陽花の浮世離れのいよよ瑠璃 西田孝 ろんど 201410
紫陽花を剪る額一つはづすごと 今瀬一博 201410
紫陽花を揺らし下校児別れゆく 荒井吉一 末黒野 201410
紫陽花や瓶いつぱいの梅醤 中里昌江 末黒野 201410
紫陽花の濃き紫は妣の色 千葉惠美子 末黒野 201410
紫陽花の大人の色となりにけり 今井春生 201410
紫陽花の化粧直しや雨ひと日 生井慶子 万象 201410
嫁ぎ行く孫のやさしさ濃紫陽花 吉田きみえ 末黒野 201410
お迎へも覚悟の床よ濃紫陽花 ふじの茜 201410
空あをく紫陽花あをき瑞泉寺 國保八江 やぶれ傘 201410
紫陽花に発色つづき妻にも唄 堀内一郎 堀内一郎集 201412
紫陽花の雨意のひとひら紅ふふむ 秋葉雅治 201501
紫陽花の脱色の季峰の雨 柳本渓光 ろんど 201501
独り居に紫陽花の雨見てをりぬ 野沢しの武 風土 201503
紫陽花のはじめの色に旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 201506
紫陽花に紛るる色の通りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201506
紫陽花に躓いてゐる夕陽かな 寺田すず江 明日葉 201505
紫陽花の籠先に着く今宵はも 稲畑汀子 ホトトギス 201607
紫陽花の七色の夢咲かせけり 大日向幸江 あを 201607
何時も雨の紫陽花寺のご朱印帳 中江月鈴子 201608
紫陽花に早やさみどりの毬生まる 田原陽子 201608
師のことばかみしめてをり濃紫陽花 栗山よし子 馬醉木 201608
群青の額紫陽花を所望せり 生田高子 春燈 201608
紫陽花や風にのり来る鳥のこゑ 石橋邦子 春燈 201608
紫陽花の色生む雨と風欲しや 橋添やよひ 風土 201608
紫陽花やあしたはきつと変はれるはず 雨宮桂子 風土 201608
紫陽花や若き妊婦とすれ違ふ 篠田純子 あを 201608
ゆふぐれを吸ひ紫陽花の青深し 田中藤穂 あを 201608
亡き人に紫陽花の色日々に濃く 森直子 あを 201608
紫陽花を剪りて束ねて雨上がる 須賀敏子 あを 201608
紫陽花や港は音のみな重き 松本三千夫 末黒野 201608
紫陽花や路地を出てゆく紅の傘 永田万年青 六花 201608
長谷観音紫陽花に頬緩むかな 大橋晄 雨月 201608
水の化の紫陽花の藍雨を呼ぶ 齋藤晴夫 春燈 201609
紫陽花の日々の変化や母癒える 豊田信子 201609
紫陽花の路地を誰にも会はぬかな おーたえつこ 201609
紫陽花や石屋の土間のくぼみ跡 間島あきら 風土 201609
紫陽花のそれぞれ藍を違へをり 門伝史会 風土 201609
薬師門へ紫陽花の道額の道 佐藤やすこ 風土 201609
紫陽花や潮さし入るる浜離宮 川田好子 風土 201609
紫陽花の花の寂しさ蝶呼ばず 飛高隆夫 万象 201609
野間土手の片面紫陽花づくしかな 古川京子 万象 201609
紫陽花の道の筵の新しき 今越みち子 万象 201609
紫陽花やまだ漕ぎ出せぬ三輪車 大畑善昭 201609
母へ時ゆつたり使ひ濃紫陽花 田所節子 201609
紫陽花や小樽運河は藍深む 七種年男 201609
海望む寺百段の濃紫陽花 岡本ヨシエ 末黒野 201609
天空の藍の雫か濃紫陽花 木村弓子 末黒野 201609
紫陽花の毬繁る葉に沈みけり 久保晴子 雨月 201609
額紫陽花拡がり庭を狭めたる 久保晴子 雨月 201609
江の電行く紫陽花に触れ軒かすめ 堀田こう 雨月 201609
紫陽花の呪文かかりし烏骨鶏 竹内悦子 201609
もの思ふ紫陽花の毬遠く置き 本多俊子 201609
紫陽花を眼裏にまだ海でゐる 近藤喜子 201609
紫陽花や静かに昼の雨の降る 寺田すず江 201609
紫陽花に心の鍵をかくしけり 藤田美耶子 201609
紫陽花や起伏ゆたかに水の音 吉田順子 201609
水鏡して紫陽花のほこらしや 柴田靖子 201609
通るたび紫陽花に身を躱しけり 住田千代子 六花 201609
紫陽花に鎌倉行こか独りでも 黒澤佳子 あを 201609
屈折のこころ紫陽花ばさと剪る 渡部良子 馬醉木 201610
紫陽花や妣との手まりつきの唄 堺昌子 末黒野 201610
紫陽花の鞠のとりまきカフェテラス 佐藤康子 末黒野 201610
境内の奥の小流れ濃紫陽花 石川叔子 201610
紫陽花の七色の旅終はる頃 齋藤晴夫 春燈 201610
紫陽花の白の明るき夕べかな 土井ゆう子 風土 201610
紫陽花に古き裏木戸華やげり 久世孝雄 やぶれ傘 201610
暁光や不惑のいろの濃紫陽花 北川孝子 京鹿子 201610
紫陽花のほとぼりほどのこれも恋 直江裕子 京鹿子 201610
紫陽花の彩をたたへて婚の使者 亀井福恵 京鹿子 201610
紫陽花あをく北斎に転居癖 服部早苗 201611
曲屋の紫陽花は地に触るるほど 工藤ミネ子 風土 201612
紫陽花の帰り花置く水車庵 赤松赤彦 六花 201612
紫陽花や伊豆磯石の水匂う 平野無石 201612
濃き色となり紫陽花の重くなる 嶋田一歩 ホトトギス 201701
咲き残る秋の紫陽花草の色 飛高隆夫 万象 201701
紫陽花のふゆりふゆりや寺の鐘 寺田伸一 船団 201702
江戸花火とふ紫陽花の白さやか 落合由季女 雨月 201705
今週は紫陽花ばかり描いて雨 中川句寿夫 ここのもん 201705
紫陽花→ 9      

 

2021年6月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。