水涸る       52句

涸れ川を鹿が横ぎる書架の裏   中島斌雄

水涸る  川涸る  瀧涸る  池涸る  沼涸る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
水涸るる用水池を猫歩く 鈴木とおる 風土 199903
学舎の灯写して池の水涸れて 保坂加津夫 いろり 199904
流木の幹の白さや水涸るる 田中由喜子 馬醉木 200002
濠の水涸れて天守を聳えしめ 鷹羽狩行 200003
水涸の沢を覆ひて水木咲く 河内孝子 酸漿 200007
水涸れて滝壷と云ふ浅さかな 朝妻力 俳句通信 200101
白鷺の脚なほ細し水涸れて 津田経子 火星 200105
観光のメッカのトレビ水涸れず 友田直文 200105
水涸れて井の蓋ずれし半夏生 栗城静子 200110
水涸れて谿枯れてこの寧らぎよ 山田弘子 円虹 200202
竹干して茶筌の里の水涸るる 綿谷美那 雨月 200204
水涸れて湖底に沈む校舎見ゆ 藤田寿子 ぐろっけ 200204
水涸れし滝の裾なりすみれ咲く 今井久良子 酸漿 200205
水涸れし日の忘られず虹の石 後藤比奈夫 ホトトギス 200208
水涸れてもうバッタンコとも言はず 宮原みさを 花月亭 200208
水涸れて僧都今日より黙に入る 岩崎憲二 京鹿子 200303
水涸れて午後は日当る巌なる 水野恒彦 200304
札所への滅罪橋や水涸るる 仙田孝子 風土 200307
水涸れの小便小僧笑むばかり 木下節子 雲の峰 200403
小石投げ井戸の水涸れ確かむる 石橋萬里 ぐろっけ 200502
水涸れし公園の川落葉敷く 鈴木喜十 帆船 200503
水涸のくねりくねりて草臥れし 奥田節子 火星 200503
水涸れし池を飛び立つ河童虫 市場基巳 200510
水涸れて滝の高さを思ひをり 浜口恵以子 風土 200602
神官の一語一語や水涸れて 水野恒彦 200602
水涸れの池に青鷺降り来たり ことり 六花 200608
水涸れて荒れ果ててゐる薬草園 岡本直子 雨月 200701
みたらしの水涸れてゐし人多し 大山文子 火星 200703
水涸れを示す橋脚水位計 武藤士侑 ぐろっけ 200706
水涸れや西行井戸のふさがるる 水谷ひさ江 六花 200711
再びの地震に青田の水涸るる 松本アイ ぐろっけ 200812
水涸れて鴫の足跡著し 山田六甲 六花 200911
女滝まで数歩のところ水涸るる 山田六甲 六花 200912
水涸れて又三郎の哭く夜かな 上家弘子 ろんど 201003
水涸れて又三郎の突く夜かな 上家弘子 ろんど 201003
水涸れて小さき空も失せにけり 村田慶子 末黒野 201004
ごつごつと巌を晒し水涸るる ことり 六花 201012
五尺余の橋にも名あり水涸るる 宮田香 201103
すぐそこに占ひ師座し水涸るる 山尾玉藻 火星 201112
水涸れし噴水の錆@落葉降る 中山純子 万象 201201
古ふくべ叩き踊れば水涸るる 山尾玉藻 火星 201201
水涸れの瀧に賽銭上げてきし 大西八洲雄 万象 201203
水涸れて集まる鯉の背鰭垂る 沖則文 ぐろっけ 201205
水涸れし浅瀬に集ふ鷺の群 難波篤直 201404
水涸れて一つ消えたる谷戸の音 落合絹代 雨月 201502
水面のかげ残せし川の水涸るる 柴田靖子 201602
水涸れてまさらな白砂川底に 橋本順子 201603
水涸れてダム湖の周り蛇の衣 七郎衛門吉保 あを 201709
水涸れて眠りに入りぬ水車小屋 岡田正義 雨月 201803
水涸るるころの手触り糸底に 辻美奈子 202101
水涸るる関東めぐる絹の道 森村江風 202101
水涸るる鷺の狩場を過ぎてより 小倉征子 202105

 

2021年12月3日 作成

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