残 暑 4 (残る暑さ)    101句

涼し過ぎてゐしにうれしき殘暑かな   松瀬青々

秋暑し  残暑

作品
作者
掲載誌
掲載年月
残暑なほ暖簾たたむを惜しむかな 北崎展江 くりから 201209
嶺に雲盆地の底の残暑かな 野畑さゆり 201210
走り根に走り根絡む残暑かな 根本ひろ子 火星 201210
オリンピックやつと終りし残暑かな 筒井八重子 六花 201210
裏返る桐の葉しろき残暑かな 神田恵琳 春燈 201210
「付近です」カーナビ切れてより残暑 田所節子 201210
化粧せずに日々過しけり残暑光 坂上香菜 201210
まだ残る暑さやプリンアラモード 本間瓦子 201211
眼底に軋み覚ゆる残暑かな 鈴木鞠子 末黒野 201211
魚影速し残暑の川の通り雨 谷貝美世 末黒野 201211
もの言はぬ残暑の海の深さかな 太田良一 末黒野 201211
膝小僧もてあましたる残暑かな 黒滝志麻子 末黒野 201211
遮りもものかは残暑容赦なし 川上久美 ろんど 201211
千日講逃れやうなき残暑光 伊藤紀子 ろんど 201211
息切らせ手摺に休む残暑かな 四條進 201211
大残暑めげずにゴルフ楽しめり 佐藤健伍 201211
この年で短パンTシヤツ大残暑 鈴木阿久 201211
あれあれと言ふばかりなり残暑かな 鈴木阿久 201211
白砂庭音吸ひ尽くす残暑かな 松本俊介 春燈 201211
陸橋の中央わたる残暑かな 栗原完爾 春燈 201211
街騒を抜け新たなる残暑かな 林紀夫 春燈 201211
山積の書籍の起伏残暑なほ 甲州千草 201211
中華街の蒸籠の湯気残暑なほ 菅野日出子 末黒野 201211
竹林の葉擦れ重たき残暑かな 松本三千夫 末黒野 201211
丸石も尖りし石も残暑かな 柿沼盟子 風土 201211
見送りて残暑の中に残さるる 雲所誠子 風土 201211
こより注連首に昇殿残暑かな 奥田茶々 風土 201211
山伏の一本高歯残暑かな 奥田茶々 風土 201211
挨拶もそこそこ過ぐる残暑かな 橋本修平 かさね 201211
街中の老人ホームの残暑かな 田島昭久 かさね 201211
豆腐売り残暑の中にラッパ吹く 田島昭久 かさね 201211
胃カメラを呑みてへろへろ残暑なほ 竹内悦子 201211
太陽を背負ふ心地やこの残暑 大島みよし 201211
手旗振る工事現場の残暑かな 宮木加津代 万象 201212
目を据ゑる残暑の森の西郷像 和田政子 201212
秋冷の花に残暑のまぎれ込む 布川直幸 201212
残暑きびしく選後派も古りにけり 青山正生 201212
につこりと笑へる俳句残暑かな 青山正生 201212
残暑きびしく戦後派も古りにけり 青山正生 201212
一通の癖字の残暑見舞かな 原田達夫 201212
残暑なほ天下の銀座昼下り 向江醇子 ぐろっけ 201212
塩振りし水ぐいと飲む残暑かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201212
頭の皮の少しずれたる残暑かな きくちきみえ やぶれ傘 201212
離陸する尾翼のひかりゐる残暑 大崎紀夫 やぶれ傘 201212
鉄塔に懸かる残暑や月赤し 藤原若菜 春燈 201212
腕時計外したきほどの残暑かな 杉本薬王子 風土 201212
拭いてやる体つめたき残暑かな 三村純也 ホトトギス 201212
上下から全身包む残暑かな 久世孝雄 やぶれ傘 201301
将棋指す孫と夫ゐる残暑かな 有賀昌子 やぶれ傘 201302
山雨過ぐ残暑かき消すほどならず 安原葉 ホトトギス 201302
いつまでも残暑のことをラジオかな 塩見恵介 船団 201304
残暑蹴飛ばして新刊本届く 陽山道子 おーい雲 201304
残暑にも森を抜け来る風のあり 安原葉 ホトトギス 201304
人気なき残暑の街に兄見舞ふ 森理和 あを 201310
春迎ふ国の友から残暑見舞 赤座典子 あを 201310
駆け寄りてビラ渡さるる残暑かな 七種年男 201310
網膜を刺すビル窓の残暑光 七種年男 201310
摩天楼残る暑さに影絵めく 菅谷たけし 201310
飛行船残暑がすみに浮かびたり 菅谷たけし 201310
暑中より残暑に変はる味噌の味 秋葉雅治 201310
水を撒く柄杓の先も残暑かな 吉田博行 かさね 201310
門口にうごめいてゐる残暑かな 小柳千美子 かさね 201310
街中の人の出淋し残暑かな 青木英林 かさね 201310
突堤に日暮れて集う残暑かな 川井素山 かさね 201310
草木の萎ゆる気配の残暑かな 大橋晄 雨月 201311
ひと時の緩びもあらぬ残暑かな 大橋晄 雨月 201311
バス停に残暑の影を分かち合ふ 石橋萬里 ぐろっけ 201311
引潮に足裏の走る残暑かな 加藤峰子 201311
経験のなき豪雨てふ残暑かな 松本三千夫 末黒野 201311
残暑かなタイトスカートより太もも 藤田素子 火星 201311
残暑この酷さ感じる今年かな 佐藤健伍 201311
雲にまだ力のありし残暑かな 西岡啓子 春燈 201311
峰々の寝そべつてゐし残暑かな 上辻蒼人 風土 201311
閻魔大王鼻ふくらます残暑かな 岩木茂 風土 201311
残暑かな鬼面の口の半開き 高野春子 京鹿子 201311
残暑なおダンプが落す砂の雨 藤岡紫水 京鹿子 201311
口ぐせに残暑まみれの書斎なる 豊田都峰 京鹿子 201311
銀杏並木長き残暑の疲れ見え 大橋晄 雨月 201312
残暑かな日陰で鳩は草つつき 伊藤更正 やぶれ傘 201312
瓢箪の凹(くぼみ)に影や残暑なほ 泉一九 やぶれ傘 201312
映画館出て街路樹の残暑かな 池田よし子 やぶれ傘 201312
風来れば風の来し方見る残暑 渡邉孝彦 やぶれ傘 201312
宿題に追われし大人残暑かな まつのたく ろんど 201312
青々と稲立ち上る残暑かな 吉村摂護 201312
ざつくりと帽子を洗ふ残暑かな 石黒興平 末黒野 201312
人力の飛び出す町の残暑かな 黒滝志麻子 末黒野 201312
残暑きびし旅のプランの立たぬまま 井日淳子 201312
離陸して残暑の神戸置き去りに 藤井啓子 ホトトギス 201312
久しぶり残暑ものともせぬ集ひ 稲畑汀子 ホトトギス 201408
癒えられし彼に残暑の案じられ 稲畑汀子 ホトトギス 201408
残暑消すには風さやぎ欲しかりし 稲畑汀子 ホトトギス 201408
みちのくの残暑の駅に降り立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201408
欠席の多き残暑でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201408
電波塔二つ見えたる街残暑 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
残暑解く鉄道模型めく俯瞰 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
新しき人とは知己や残暑解く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
残暑解く詩人の心戻しつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
感動の涙残暑を忘れさせ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
キャンパスに吸ひ込まれゆく残暑かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
東京の残暑は夢であれかしと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
降り立てば江戸の残暑を忘れもし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
残暑 →5      

 

2021年8月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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