雪女郎 1     200句

雪女郎おそろし父の恋恐ろし    中村草田男

雪女  雪女郎  雪鬼

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雪女郎赤城泊りの窓叩く
山田弘子
春節
199503
雪女郎蹤き来るはずのなかりけり
長尾岬月
円虹
199807
かざす手はいづこに下ろす雪女郎
金子里美
船団
199811
日を月に変へむと仰ぎ雪女郎
鷹羽狩行
199903
雪女郎ほんくわいとげて帰りけり
市堀玉宗
銀化
199903
ホージョレヌーボー雪女郎など招かんか
ふけとしこ
船団
199903
こんな夜はきつと現はる雪女郎
原山幸子
199904
あをあをと月光氷る雪女郎
神蔵器
風土
199905
閼伽桶の氷つまめる雪女郎
関根洋子
風土
199905
語部になりすましたる雪女郎
八幡醉鵬子
199906
一つづつ村の灯を消し雪女郎
長沼紫紅
199906
雪女郎にも父ありや母ありや
長沼紫紅
199907
越後路の夜深くして雪女郎
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
酒酌みし夜に誘はれ雪女郎
稲畑廣太郎
廣太郎句集
199912
雪女郎たましい売りて乳涸らす
宇都宮滴水
京鹿子
200002
身の丈もちやうどつりあふ雪女郎
土井田晩聖
銀化
200003
雪女郎通ひ路の雪踏まれをり
松崎鉄之介
200004
みちのくの夢にまで見し雪女郎
土井田晩聖
銀化
200004
釣人の背にかぶさる雪女郎
大井邦子
ぐろっけ
200005
雪女郎いくさに死にし男呼ぶ
吉田汀史
200006
雪女郎キスしては人抱き殺し
赤坂恒子
船団
200006
豚汁の豚買いに行く雪女郎
赤坂恒子
船団
200006
雪女郎越後に君を恋せし日
稲畑廣太郎
ホトトギス
200101
これよりの極楽行きの雪女郎
後藤房枝
200101
雪女郎らし海鳴りの浜に立つ
杢子安子
200102
雪女郎坐せばそこから山となる
甲州千草
200103
重心をおいてけぼりに雪女郎
華明日香
銀化
200103
戸に触れて去りし風音雪女郎
橋本佐智
円虹
200104
松平家墓所に蹤きくる雪女郎
今井和子
風土
200104
雪女郎隠しもあへぬ涙かな
佐藤真次
200105
雪女郎敷きっぱなしの薄布団
土橋柚花
船団
200106
雪女郎嬰を寝かせて帰りけり
吉田さかえ
海程
200108
ヘルメットが二個玄関に雪女郎
鈴木みのり
船団
200108
さういへば風かも知れぬ雪女郎
稲畑汀子
ホトトギス
200201
エキストラの買って出でたる雪女郎
阪本哲弘
200202
MかL迷いしサイズ雪女郎
松沢久子
いろり
200202
出番まで着ぶくれてをり雪女郎
暮岸江
銀化
200203
衣嚢よりリップパレット雪女郎
宮京子
銀化
200203
雪女郎聞きしにまさる晴れ女
小澤スミエ
200203
苗木城址より雪女郎蹤き来しか
室伏みどり
雨月
200204
隙間より覗くにとどめ雪女郎
柿沼盟子
風土
200204
熱の子を抱きし後ろに雪女郎
伊藤宇太子
200205
廃線の鉄路をたどり雪女郎
毛利慶子
200211
喉くびの窶始まる雪女郎
須佐薫子
帆船
200212
待伏の白バイが追ふ雪女郎
斉藤和江
帆船
200301
油断なくうしろ日暮れて雪女郎
高橋邦夫
風土
200302
鶴の松あたりに佇ちし雪女郎
小林輝子
風土
200303
生ひ立ちは明かさずじまひ雪女郎
北川瀬通子
200304
番犬を手なづけられず雪女郎
北川瀬通子
200304
とのぐもり来るか秋田の雪女郎
吉田雪子
帆船
200304
数寄屋橋交番前の雪女郎
吉田順子
帆船
200304
雪女郎抱かれて解けてしまひけり
塩川雄三
築港
200304
雪女郎向うの岸に佇つてゐる
山路紀子
風土
200305
宇宙より帰りて見れば雪女郎
吉村春風子
遠嶺
200306
雪女郎上野の駅で別れけり
吉田順子
帆船
200401
本郷区詳細地図や雪女郎
中島隆
帆船
200401
齢五つ若く書くなり雪女郎
菊地嘉江
帆船
200401
貴婦人はもう真っ平と雪女郎
山元志津香
西の峰
200401
密室に雪女郎出づベル不通
片山八重子
ぐろっけ
200401
身の中に夕闇抱き雪女郎
水野恒彦
200403
かと思ふ生絹すずしの肌の雪女郎
大島翠木
200403
計算のされた後れ毛雪女郎
篠田純子
あを
200403
雪女郎来しか門口雪に濡れ
長崎桂子
あを
200403
焼香の人目を避けて雪女郎
河西みつる
草の花
200403
雪女郎甘く煮立てて魚の肝
神村鉄雄
草の花
200403
正面に廻つてきたる雪女郎
柴田佐知子
200404
カーテンを音たて開く雪女郎
佐々木幸
200404
青松の地に来て舞へり雪女郎
池上悠子
河鹿
200405
睡眠薬はこれから飲むと雪女郎
関根義行
対岸
200406
外国の言葉も交り雪女郎
漢隆司
八千草
200407
見しことは秘して闇夜や雪女郎
あさなが捷
200408
戸を叩き去りしは風か雪女郎か
野沢しの武
風土
200410
雪女郎なりしか土間の濡れをるは
野沢しの武
風土
200410
雪女郎めきて銀座を行く女
稲畑廣太郎
ホトトギス
200412
雪女郎階段国道横切って
松山律子
六花
200412
逢ひたさのつのりて溶けし雪女郎
高倉和子
200503
雪女郎いくたび赤き実を食むも
栗栖恵通子
200503
台橋のくらがりに立つ雪女郎
北島孝
雲の峰
200503
胸元に汚れありけり雪女郎
栗栖恵通子
200504
雪女郎仁王の腕に罅走り
関根義行
対岸
200504
神鏡を出たり入つたり雪女郎
伊藤希眸
京鹿子
200504
口あけて声は無かりし雪女郎
柴田佐知子
200504
雪女郎通るいつもの時間かな
定梶じょう
あを
200504
月明の雪ちらつかす雪女郎
長沼三津夫
200504
みんなみの島を訪ねし雪女郎
九万田一海
河鹿
200506
酔眼にとりつかれたる雪女郎
本郷桂子
ホトトギス
200506
しろがねの化身を闇に雪女郎
本郷桂子
ホトトギス
200506
ことことと戸を叩く音雪女郎
滝沢伊代次
万象
200601
暗証の覚えあやしき雪女郎
宇都宮滴水
京鹿子
200603
本当は人間が好き雪女郎
寺村年明
春燈
200604
雪女郎ならば子を置き出られさう
あさなが捷
200604
隠し湯の低き裸灯や雪女郎
鍋島広子
万象
200606
雪女郎ふり向けばミヤコ蝶々
稲畑廣太郎
ホトトギス
200701
その後の話聞きたき雪女郎
あさなが捷
200702
野の末の一本杉や雪女郎
廖運藩
春燈
200703
丈なす髪ずしりと重し雪女郎
廖運藩
春燈
200703
地の涯の犬の遠吠雪女郎
廖運藩
春燈
200703
聖歌唄ふカナダ生れの雪女郎
廖運藩
春燈
200703
溶接の光が漏るる雪女郎
定梶じょう
あを
200703
真夜中の無言電話は雪女郎
隅田享子
200704
マニキュアの最中のチャイム雪女郎
田下宮子
200704
ひと邑をふところに抱く雪女郎
小林輝子
風土
200704
閨に通ふ風あり恋の雪女郎
岡田宜紀
春燈
200704
老ゆること承服できず雪女郎
あさなが捷
200705
一人寝の右肩寒し雪女郎
苑実耶
200705
雪女郎の舍弟でありしかと氣づく
佐藤喜孝
あを
200711
ひよつとしてノックするのは雪女郎
稲畑廣太郎
ホトトギス
200801
いざなひし目の透きゐたる雪女郎
小澤克己
遠嶺
200802
雪女郎然るに種火ふところに
村田冨美子
京鹿子
200803
予刻人より先に来し雪女郎
須藤トモ子
200804
晴れ女とはいかぬ日なりし雪女郎
菅澤陽子
春燈
200804
雪女郎喉も子宮も真紅なり
加藤峰子
200804
雪女郎鏡の中を通り過ぎ
西村純太
200805
雪女郎弱気表に出さざりし
苑実耶
200805
雪女郎うすく笑ひて化粧とる
秋千晴
200805
雪女郎グラスの持ち方で判る
稲畑廣太郎
ホトトギス
200901
白銀に染め上げ君は雪女郎
稲畑廣太郎
ホトトギス
200902
獣道より現れて雪女郎
水上れんげ
200903
雪女郎守衛の仮眠深くなり
定梶じょう
あを
200903
山へ誘ふ朽木の里の雪女郎
竹内悦子
200904
情のこす客の夜咄雪女郎
伊藤洋子
200904
赤信号長ければゐる雪女郎
高木嘉久
200904
雲母坂僧兵追ひし雪女郎
三嶋隆英
馬酔木
200905
雪女郎うしろ姿の美しき
村上礼
200906
満州に置き去りにした雪女郎
北側美美
200908
林より不意に出てきし雪女郎
滝沢伊代次
万象
200912
雪女郎ゆびはプラチナほど冷ゆる
辻美奈子
200101
雪女郎馳せ参ずるに雪足らず
神蔵器
風土
201003
終電の我を待ちをる雪女郎
伊藤紫水
風土
201003
雪女郎音なく香なく通りゆく
布川直幸
201003
業平のなごりの邑や雪女郎
中川すみ子
201004
語り部の密密の声雪女郎
多戸昌子
遠嶺
201004
雪女郎見たかのごとく詠まれけり
小林朱夏
201004
序破急の太棹に舞ふ雪女郎
土居通子
ろんど
201004
三島までともに帰るか雪女郎
大久保白村
ホトトギス
201007
雪女郎背に爪あとの残りをり
栗栖恵通子
201102
千年の恋は実らず雪女郎
森下康子
201103
雪女郎みくじの凶を懐に
三上程子
春燈
201103
いつからか我の後ろに雪女郎
伊藤紫水
風土
201103
雪女郎手持無沙汰に朽木村
竹内悦子
201104
雪女郎は母者よダムの雪しんしん
大島翠木
201104
有為の奥山うろうろと雪女郎
近藤喜子
201104
雪女郎金太郎飴なめてをる
松原仲子
201104
屋根軋む雪女郎より置手紙
いそべみつ
ろんど
201104
雪女郎結ひし神籤か濡れてをり
柴田近江
201104
雪女郎月に遠出をして来しか
浅沼久男
201104
DNA同じなりけり雪女郎
山口ひろよ
201105
湖に星またたけば雪女郎
小林愛子
万象
201105
雪女郎ひとり暮しの戸をたたく
久世孝雄
やぶれ傘
201106
雪女郎赤き鳥居に異界あり
續木文子
あを
201110
吾の心まで白くする雪女郎
稲畑廣太郎
ホトトギス
201201
母といふ仮面の奥の雪女郎 樽井明子 京鹿子 201201
雪女郎おとしてゆきぬ紐一本 松崎雨休 風土 201203
しろがねの帯を解きて雪女郎 涌羅由美 ホトトギス 201205
その吐息かかりてみたき雪女郎 涌羅由美 ホトトギス 201205
画用紙に口唇だけや雪女郎 足立良雄 201205
眠れざる窓にさわさわ雪女郎 布川直幸 201212
雪女郎来よキムチ鍋の汁真つ赤 布川直幸 201212
雪の夜の雪女郎かも土不踏 服部早苗 201302
消ゆるもの命つぐもの雪女郎 藤丸誠旨 春燈 201303
露天湯へ夜毎通へる雪女郎 森下康子 201304
駅伝のしんがりに付く雪女郎 宇都宮敦子 201304
雪女郎御在所岳を降り来ると 石垣幸子 雨月 201304
雪女郎電車を止めて終ひけり 三輪慶子 ぐろっけ 201304
しんがりの我が裾を踏む雪女郎 佐々木紗知 京鹿子 201304
鮟鱇のごとき口もつ雪女郎 佐藤喜仙 かさね 201404
月光を浴びて影無し雪女郎 藤岡紫水 京鹿子 201404
離陸待つ機窓に縋る雪女郎 横山昭子 雨月 201406
脈診によよと溶け出す雪女郎 鈴鹿けい子 京鹿子 201501
追憶や出雲風土記の雪女郎 小野寺節子 風土 201502
足跡もつけずに消えし雪女郎 秋千晴 201503
雪女郎懐中電気持たせやる 吉村摂護 201504
ひとつづつ家の灯消ゆる雪女郎 小林輝子 風土 201504
雪女郎情念融けることはなく 岩月優美子 201504
島裏に眠りを深く雪女郎 山田六甲 六花 201504
雪女郎いくたりもゐて野風呂かな 原田達夫 箱火鉢 201511
真夜中のコンビニへ行く雪女郎 須賀敏子 あを 201603
顔の被忘れてしまひ雪女郎 伊藤希眸 京鹿子 201604
雪女郎合切袋持ち歩く 木戸渥子 京鹿子 201604
雪女郎ルージュは真紅と決めてをり 有松洋子 201604
雪女郎夫を隠してしまひけり 石橋幾代 201604
姿見をくぐり抜け来し雪女郎 山本則男 201604
データより触れて診て欲し雪女郎 斉藤裕子 あを 201604
まとひたる星明り脱ぎ雪女郎 中村嚢介 ホトトギス 201606
後ろから小さなノック雪女郎 伊藤紫水 風土 201609
雪女郎てふ恋人を置き去りに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
現し世に立ち寄り惑ふ雪女郎 犬塚李里子 201702
雪女郎歩くたび鳴る根付け鈴 加藤峰子 201704
己がたましひ捜しゐる雪女郎 近藤喜子 201704
雪女郎鶯張りを音もなく 山田佳乃 ホトトギス 201706
耳の奥かゆくて真夜の雪女郎 雨宮敏子 201804
逃げ出せぬ渡世の道や雪女郎 平野多聞 201804
国東の鬼に会はむと雪女郎 河原敬子 201804
温石を懐にして雪女郎 瀬川公撃 201805
湖の生まれ名はよごという雪女郎 宮嵜亀 船団 201809
雪女郎首都を虜にしてしまふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
雪女郎首都を虜にしてしまふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
リズミカルにカーリーヘアーの雪女郎 荻布貢 201902
上場の株価気になる雪女郎 波戸辺のばら 201904
千年の恋にさまよふ雪女郎 大杉映美 馬醉木 201904
雪女郎 →2      

 

2022年1月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。