夜 振   38句

夜振  夜焚  夜釣

殺生の火のうつくしき夜振かな   高島茂   鯨座

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夜振浜引きずつて来し流木焚く 古里蝶次 199908
癌ぼやけ遠くなりたる夜振の灯 三浦勲 199909
夜振火やもとより魚に火難あり 丸山海道 海道全句集 199910
夜振人らし最終のバス降りし 能村登四郎 芒種 199911
夜振りの火かざせば風の集まりぬ 櫨木優子 199912
四万十の川面を照らす夜振りの火 真鍋瀧子 ぐろっけ 200011
夜振漁魚籠にあばれる大鯰 酒井ひろ子 200108
四万十川の闇をそびらに夜振の火 片山由美子 200205
古りし世の余呉の夜振の火なりけむ 中杉隆世 ホトトギス 200209
遷宮の祭の如く夜振りの火 森田博 200309
夜振火に声掛けたくて歩を急ぐ 泉田秋硯 200409
夜振火の四番の網をたぐるなり 藤田あけ烏 草の花 200410
岩鼻の向かうの照らふ夜振かな 藤田あけ烏 草の花 200410
解禁の鮎に夜振の舟揃ふ 密門令子 雨月 200411
方丈記いま夜振火の最中なり 高橋将夫 星の渦 200507
妹は夜振の馬穴提げどほし 大西八洲雄 万象 200508
四万十の夜振りは魚の鬼火とも 品川鈴子 ぐろっけ 200508
もう少し振らねば夜振火とは言へず 高橋将夫 200509
夜振火や魚らはてなと寄り来たり 中田みなみ 200509
夜振火や一駅なれど旅心 宮尾直美 200510
旅人として夜振火にあづかりぬ 上野泰子 対岸 200511

 「燎」十周年祝して

火の粉みな星となりゆく夜振かな

鷹羽狩行 200607
川上へ小さくなりゆく夜振の火 滝沢伊代次 万象 200608
夜振火の片手さぐりに岩傳ひ 瀧春一 200706
星よりも雲うつくしき夜振かな 鷹羽狩行 200707
臑に魚はね当たりたる夜振かな 山田六甲 六花 200708
夜振火の消えて海鳴り俄なる 吉田かずや 春燈 200808
夜振火を突きつけられし川の闇 吉村摂護 200809
夜振火のちろちろちろと眠くなる 吉田政江 201009
夜振火のカンテラ提げて岩場ゆく 水谷靖 雨月 201109
夜振火にドガの踊り子飛び込める 柳川晋 201208
くるぶしに魚の当たってゆく夜振 山田六甲 六花 201309
とびしまのしほさゐばかり夜振舟 和田照海 京鹿子 201510
岩を噛む白波照らし夜振かな 横山昭子 雨月 201512
夜振火に闇がぐるりと巻きつきぬ 高橋将夫 201609
夜振火に浮ぶ人影ふと怖し 熊岡俊子 雨月 201611
夜振火や小島の姿現はにす 前田美恵子 201708
深吉野の月影揺らす夜振かな 和田華凛 ホトトギス 201711

 

2021年5月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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