山 焼 1       98句

春の山燒いたあとから笑ひけり    正岡子規   寒山枯木

山火  山焼  焼山

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山焼きし山に円盤投げにけり 岡井省二 199902
髪匂ふまでお山焼見つめゐし 長谷川翠 馬醉木 199902
お山焼焼き直しとて人去れり 松崎鉄之介 199904
お山焼の大仏裏に戦友とも住むと 松崎鉄之介 199904
風神に任す山焼く火の加減 山下由理子 199906
お山焼きお伽の国まで焼かないで 松山律子 ヒッポ千番地 199910
雨を無視して山焼の始まりぬ 能村登四郎 芒種 199911
山の食堂踏ん込み炉にて鰈焼く 渡辺美知子 200001
山焼や阿蘇を旅せし日の遠く 田中藤穂 水瓶座 200002
山焼いてみたき午後なり秋の蝶 星野早苗 空のさえずる 200002
駈け登る火焔となりてお山焼 辻井桂子 雲の峰 200003
消防車と同じ道去ぬお山焼 夏秋明子 火星 200004
日暮まで鹿に会はざるお山焼 夏秋明子 火星 200004
山焼きの勢子に炊き出すにぎり飯 三浦てる 風土 200005
山焼のたんねんに刈る火切り道 朝妻力 俳句通信 200005
山焼くに大き欠伸の出ることよ 小形さとる 200006
山焼の町に火の色水の音 深澤鱶 火星 200104
空砲を合図に点火山を焼く 高垣和惠 雨月 200105
山焼くやきのふ啼きゐし鳥のこと 高垣和惠 雨月 200105
山焼の煙のこれり炎消え 宮津昭彦 200106
山焼く火墓いつせいに立ちあがり 梶浦玲良子 六花 200108
火の帯が火をつつみゆくお山焼 朝妻力 雲の峰 200202
いただきに別のほむらやお山焼 朝妻力 雲の峰 200202
お山焼の松明渡る水谷みづや 岡和絵 火星 200204
お山焼高張提灯立ち揃ひ 岡和絵 火星 200204
昨夜焼きしお山かぶさる町の上 有山八洲彦 200204
雪積みて焼山のなほ焦げ臭き 有山八洲彦 200204
焼山を剥がして翔つや黒鴉 有山八洲彦 200204
お山焼明王の炎となりにけり 三由規童 雨月 200204
山焼を恍惚と見て火の性か 楠原幹子 200204
山焼いてまだ天領の習ひとす 豊田都峰 京鹿子 200204
お山焼く業火とも見へ浄火とも 奥村鷹尾 京鹿子 200204
一線に炎並べり山を焼く 宮津昭彦 200205
山焼の煙の消えしあとの空 宮津昭彦 200205
山焼くや宙の日の暈昏うして 大沢美智子 200206
風音の大地に除り山を焼く 藤山道子 円虹 200206
山燒の口火を切れる蛇の舌 中原道夫 銀化 200206
焼き了へし山呆然とありにけり 田村玲子 200206
焼山の何もなかつたやうな貌 田村玲子 200206
頂上に人山を焼く日も近し 青山丈 200206
山焼くぞ焼くぞと旗の立てらるる 青山丈 200206
声飛ばし山焼く杣の頬被 岸はじめ ぐろっけ 200206
山焼や三条小鍛冶の店の前 磯野たか 風土 200207
ジョーカーを引いてしまひぬ御山焼 嵯峨根鈴子 火星 200207
焼山といへども富士の一部分 稲畑汀子 ホトトギス 200302
焼山の色を沈めて阿蘇五岳 稲畑汀子 ホトトギス 200302
良き風に火の筋走るお山焼 藤田壽穂 雲の峰 200303
山焼の日延べの雨ぞ霧の渦 阿部ひろし 酸漿 200303
お山焼見むと旅荷の遠眼鏡 村上光子 馬醉木 200303
山を焼き海のごとくに火の揺れり 鈴木てるみ ぐろっけ 200303
お山焼もろもろ卵爆ぜにける 加藤みき 200304
月の出づ山焼のがす雨のあと 阿部文子 酸漿 200305
山焼や大室山と小室山 江成幸子 帆船 200305
奈良七重山焼きたてでありにけり 谷村比呂未 銀化 200305
山焼き終へし天上の静かなり 石脇みはる 200306
焼山となりゐてほんに丸き山 橋本佐智 円虹 200306
山焼を暫し見てゐる郵便夫 田中峰雪 雨月 200306
分校教師山焼の火付け役を買ふ 筒井圭子朗 ぐろっけ 200307
山焼の日和先取る寒行事 奥村鷹尾 京鹿子 200403
山焼の法師が纏ふ裏頭袈裟 奥村鷹尾 京鹿子 200403
お山焼僧兵に付き麓まで 河井史 築港 200403
法螺貝の闇に響けるお山焼 河井史 築港 200403
お山焼松明の火を落し行く 河井史 築港 200403
お山焼稜線に添ひ火の走る 河井史 築港 200403
お山焼全山火には成りきれず 河井史 築港 200403
連山の目覚めうながす山焼く火 水原春郎 馬醉木 200404
山焼の火勢煽るや大太鼓 水原春郎 馬醉木 200404
祭神の秘めし炎やお山焼 水原春郎 馬醉木 200404
山焼や無風一転修羅なせる 水原春郎 馬醉木 200404
お山焼僧兵駈けて炎を渡す 三由規童 雨月 200404
焼山や大鼓おほかは打たれをりにける 延広禎一 200404
お山焼近付けば熱伝はり来 北瀬照代 築港 200404
お山焼背丈越す草焼き尽す 北瀬照代 築港 200404
点火せる人の多さよお山焼 北瀬照代 築港 200404
お山焼点点と火の広ごれる 北瀬照代 築港 200404
祝砲を上げて山焼始まれる 木藤ヒデ子 築港 200404
お山焼炎蛇行し燃え盛る 塩川滋也 築港 200404
山焼いて村の事業の一つ終ふ 永田あき 酸漿 200405
山焼の香の残る髪束ねけり 山県照江 百鳥 200405
山焼の炎の結び目に風生れ 鈴木とおる 風土 200405
焼山のまんべんなくといふがあり 田中英子 火星 200406
山焼の後の始末をしてをりぬ 高橋将夫 200406
山焼の火の壁なして立ちあがる 中村翠湖 馬醉木 200407
山を焼くたつき山焼見るあそび 岩岡中正 ホトトギス 200408
堂塔の焙り出されしお山焼 橘澄男 山景 200408
山焼や許されし火の美しく 木村茂登子 あを 200503
お山焼鹿鳴く声のただならず 山田天 雨月 200504
山焼きの火が火を追うてをりにけり 宇田喜美栄 200504
罷り越す寺社の僧兵お山焼 河合佳代子 六花 200504
眼裏に昨夜の山焼く炎燃ゆ 名取袿子 200504
山焼の前奏太鼓昂れり 中山勢都子 200504
山を焼くはじめ松明分け合ひて 遠野萌 200504
山焼けば我が心にも火の通ふ 岡米二 200505
山焼くや山彦を呼び戻さむと 出来由子 200505
山焼きて落人村の烟とす 宇都宮滴水 京鹿子 200505
山焼の真上にありし獅子座かな 高橋将夫 星の渦 200507
焼かれたる山が縮んでゐたりけり 柴田佐知子 200508
不死鳥を立たせてをりぬお山焼 杉山哲也 馬醉木 200601
山焼 →2      

 

2021年2月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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