山 火       68句

わがゆめにありしがごとき山火とも   阿波野青畝   紅葉の賀

山火  山焼  焼山

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大阿蘇の一変したる山火かな 松崎佐 円虹 199901
南に山火の闇のありにけり 小菅佳子 199906
旅にゐて旅恋ふ山火あかあかと 野路斉子 199906
法螺貝や山火の横を素通りす 小菅佳子 199907
一山を風に委ねし山火かな 松崎佐 円虹 199908
立上る火に夜叉めきぬ山火守 長谷川杜人 200007
大山火阿蘇龍神の化身なる 松崎佐 円虹 200007
天を染め燃え盛りゆく大山火 松崎佐 円虹 200007
遠山に影落としたる山火かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200102
防人のごとく山火を遠見かな 岩岡中正 ホトトギス 200108
火に古き火はなしと言ひ山火守 鷹羽狩行 200202
昨日見て今日見て阿蘇の山火かな 伊藤伊那男 春耕 200205
草千里火口へ山火まつしぐら 伊藤伊那男 春耕 200205
わきおこる風や山火は火の鳥に 中村翠湖 馬醉木 200206
風音の追ひ立てて来る山火かな 藤山道子 円虹 200206
風の神宿りて山火走りけり 藤山道子 円虹 200206
音立てて山火の走る速さかな 藤山道子 円虹 200206
見通しの付き緊張を解く山火 藤山道子 円虹 200206
猛りたる山火の中に仏見し 田村玲子 200206
身に及ぶ山火の照りの仄かなる 田村玲子 200206
山火燃ゆ蝋人形館まなかひに 吉永すみれ 風土 200305
をりをりは阿蘇より高き山火かな 柴田佐知子 200305
地を這へる野火立ち上がる山火かな 田中黎子 円虹 200306
なだれたる山火の天へ柱なす 田中黎子 円虹 200306
天焦がす山火の修羅の阿蘇路かな 松永唯道 円虹 200307
一塊の山火一山呑む迅さ 松永唯道 円虹 200307
隠れ火のまた頂に立つ山火 松永唯道 円虹 200307
お山焼全山火には成りきれず 河井史 築港 200403
野地蔵へ攻め登りゆく山火かな 渡辺周子 雲の峰 200404
助手席の妻よく眠る遠山火 長沼三津夫 200405
大蛇雲渦巻く阿蘇の山火かな 穐好樹菟男 馬醉木 200605
鶏の眼にほむらつめたき遠山火 松たかし 火星 200607
遠山火母のたもとを握りしめ 松たかし 火星 200607
冬天の闇はひのぼる山火かな 中野京子 200704
木瓜咲くや山火の跡の峠路に 瀧春一 200706
くろぐろと山火の跡の山まどか 瀧春一 200706
急峻に丈とり戻す山火かな 八染藍子 200707
遠山火にぎり拳をなほとかず 藤井寿江子 馬醉木 200710
野火山火この世急がず生きむとす 水野恒彦 200805
川の詩を深く彫る石遠山火 中村恭子 200806
ほのぼのと山火ののこる闇ひとつ 外川玲子 風土 200904
五山火の放映に手を合はしけり 山口キミコ 200911
消防車山火に染まり待機せり 秋千晴 201004
後戻りしたる山火の大いなる 柴田佐知子 201005
遠山火汽車に寝てゆく旅に馴れ 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
山火点けて人馳けにけり闇の中 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
山火果て月皓々と塔の上 田下宮子 201204
寝仏の胸焦がしゆく山火かな 吉田葎 201205
燃え渋る山火を囃し鳶の笛 藤井君江 馬醉木 201206
心にもともして遠き山火かな 岩岡中正 ホトトギス 201209
遠山火猫の水飲む音のして 神蔵器 風土 201305
火の粉ふり払ひ燃え盛る山火 近藤喜子 201305
山火見し夜は雨の音聴いてをり コ田鶴子 馬醉木 201404
火が紙を食みゆくごとし山火燃ゆ 中野京子 201406
山ひとつ動かしてゐる山火かな 広渡敬雄 201604
詩に心焦がして仰ぐ山火かな 甘岡中正 ホトトギス 201608
棒振つて走る男を山火追ふ 柴田佐知子 201705
山火消え星々は鈴振るごとし 深川淑枝 201707
借景の富士を浮き立たせし山火 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
いつさいを浄めて走る大山火 河原敬子 201804
猛りたる山火は狼の墓標 深川淑枝 201807
立ちあがる山火の奥の山火かな 永淵惠子 201808
いつか吾をつつむ火音か大山火 深川淑枝 202010
一途なる山火の色はさびしとも 深川淑枝 202010
丸焼けの兎残して山火消ゆ 深川淑枝 202010
山火いまカルスト大地駆け上がる 奥田茶々 風土 202105
山城の石積み焦がす山火かな 林徹也 202211
その下に命の叫び山火かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302

2023年2月10日 作成

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