若 布 3       62句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初島へ靡きて風の干し若布 福岡かがり 雨月 201506
貝の殻混じる若布を洗ひをり 秋田典子 六花 201506
猿島や今日も出てゐる若布舟 村上倫子 201506
二丁櫓の若布をゆらす渡しかな 後藤眞由美 春燈 201506
文添へて里よりとどく干若布 吉田きみえ 末黒野 201506
若布干す屋号うすれし朽ち舟に 堀田順子 馬醉木 201506
風あそぶところ色濃く若布干 米山のり子 馬醉木 201506
万一のことを語れり若布汁 苑実耶 201506
穴だらけなりし若布の深みどり 柴原保佳 ホトトギス 201507
潮入りの川に漂ふ若布かな 住田千代子 六花 201507
湯の中の若布にもどる海の色 山田正子 201508
海の宿雲丹の御飯に若布汁 松本秀子 201508
新若布とてうすみどりなりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201602
風が声攫うてゆきぬ若布採 平田はつみ 馬醉木 201605
裏浜を黒一色に若布干 久染康子 201605
前浜の若布茎まで柔らかし 落合裕子 万象 201605
吃水線傾けもどる若布舟 牧はるか 末黒野 201605
海鳴りの音きこえくる新若布 野畑さゆり 201606
隠れ切支丹の裔の住む島若布干す 松本峰春 春燈 201606
砂浜を大きく使ひ若布干す 志方章子 六花 201606
海風と陽に包まれて若布干す 溝渕弘志 六花 201606
なんにでも若布や磯の料理小屋 青谷小枝 やぶれ傘 201606
若布干す漁婦やことばの荒使ひ 松本三千夫 末黒野 201606
若布干す少年ギター垣へ立て 松本三千夫 末黒野 201606
こそばゆき波音寄せぬ干若布 岡野里子 末黒野 201606
流木の素性は知れず若布干す 山田正子 201607
満載の若布舟より海女の首 吉田葎 201607
荷を解いて故郷の若布かほりたる 秋川泉 あを 201607
若布刈舟鳴門の渦に揉まれつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
干し終へて紙ほど軽き若布かな 大川暉美 末黒野 201705
黒々と干せる若布や潮の香 橋場美篶 末黒野 201705
浜日和若布乾びる音はじけ 福田禎子 末黒野 201705
屋号呼びあうて繰り出す若布舟 広渡敬雄 201706
若布(めのは)あぶるわが手いつしか妣の手に 近藤紀子 201706
火の山へ舳先傾け若布刈 布施政子 馬醉木 201707
島通ひの船を背にして若布干す 吉村幸子 雨月 201707
休む間の若布を濯ぐ水の音 浜福惠 風土 201706
漁師めし色あざやかな若布汁 鎌田光恵 201707
海人(あまびと)の潮したたらせ若布干す 田勝子 万象 201708
日輪を少し歪めて若布干す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
かがよひの捻れてゐたる若布干す 升田ヤス子 六花 201805
若布刈舟迎への妻も合羽着る 小田司 馬醉木 201805
舟に売る若布濡れ手に紙幣受け 小田司 馬醉木 201805
隙多き風に若布の乾きけり 小田司 馬醉木 201805
浦灯台のま近かに干して一番若布 浜福惠 風土 201805
舟屋口舟屋裏へと若布干す 浜福惠 風土 201805
神子の浦ちぎれ若布を笊干しに 岩木茂 風土 201805
一番若布干す雪嶺の光得て 岩木茂 風土 201805
BGMのパイプオルガン若布干す 落合絹代 風土 201805
荒砂の上曳きずりて若布干す 栗坪和子 201806
沖に立つ富士の嶺白し若布干す 高橋まき子 風土 201806
若布刈る若狭の波を均しては 南うみを 風土 201806
若布干す刈りきし磯の風に干す 南うみを 風土 201806
若布刈る漢へ波の寄せ返す 岡田史女 末黒野 201806
ベイブリッジを背に漢若布刈る 加藤静江 末黒野 201806
奉納の肘高々と初若布 林徹也 201807
若布干す磯の香りを干すごとく 饗庭悳子 末黒野 201808
潮騒の風を引き寄せ若布干す 片桐紀美子 風土 201905
若布刈舟落暉に磯を明け渡す 石原孝人 京鹿子 201905
海水滴たる前浜もんの新若布 辻響子 201906
島一つ風除けにして若布刈舟 石黒興平 末黒野 201906
渦潮の雫のたるる若布かな 森田節子 風土 201907
被災地から若布が届く友の筆 仁上博恵 201909
なゐ過ぎの流れ若布を拾ひをり 田中臥石 末黒野 201910
海人老ゆるもこの一閃の若布刈鎌 中村重幸 202005
若布干す千々に光れる波寄せて 宮下桂子 202006
艦影の近づいて来る若布干し 田中佐知子 風土 202006
若布採る人ゐて埠頭あを臭し 升田ヤス子 六花 202006
海に竿させば若布の掛かりきし 志方章子 六花 202006
砂浜を大きく使ひ若布干す 志方章子 六花 202006
乾きたる若布は風の軽さにて 田中佐知子 風土 202006
乾くほどに深海の色干若布 田中佐知子 風土 202006
若布干す村を法事の人ら過ぎ 田中佐知子 風土 202006
干若布滴は雪を穿つなり 田中佐知子 風土 202006
一竿は切り出しの竹若布干す 田中佐知子 風土 202006
目の前に海ある暮らし若布干す 田中佐知子 風土 202006
腕釧若布刈る竿下しけり 今泉忠芳 日輪馬車のタクト 202009
若布干す千々に光れる波寄せて 宮下桂子 202101
若布→ 1

 

2021年3月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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