月 9     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
かの人を思へば月の上がりけり 環順子 遠嶺 201001
浮舟の静かな水面宵月夜 環順子 遠嶺 201001
一湾の光となりて水の月 春山和子 遠嶺 201001
額に受け更に手に享け月清ら 手島靖一 馬醉木 201001
萬霊の肩におもたし月の道 手島靖一 馬醉木 201001
御手洗の月影千々に溢れをり 手島靖一 馬醉木 201001
飛火野の低徊月にいざなはれ 手島靖一 馬醉木 201001
柵越えて鹿ひるがへる月の径 手島靖一 馬醉木 201001
月を待つ大きな闇に包まれて 岡野ひろ子 201001
声高の卒寿しづかに月を見る 岡野ひろ子 201001
面打の面打つ音や月の空 太田慶子 春燈 201001
つながれて月の出を待つ舳先かな 和田照海 京鹿子 201001
なる様になつた老いなり月を見る 松田都青 京鹿子 201001
月光がはやくほとけになれといふ 沼田巴字 京鹿子 201001
月冴ゆるしろより白きマリア像 村田冨美子 京鹿子 201001
萩月夜どこかに水の音のして 吉岡知香 京鹿子 201001
一人居てふたりと思ふ萩月夜 菊池和子 京鹿子 201001
こゆるぎの浜に打ち寄す月の波 山田春生 万象 201001
山車降りてひよつとこ舞へり夕月夜 山田春生 万象 201001
戸を閉めに出て遅月の琥珀いろ 柳生千枝子 火星 201001
月光にかはいてゐたる鵜籠かな 城孝子 火星 201001
山月にそよぎはじめし穭かな 蘭定かず子 火星 201001
月光のあたごふるみちたれも見ず 天谷翔子 火星 201001
夕月や心のほつれつくろへり 岸本幸 ろんど 201001
会釈せし人に振り向き月の道 金田けいし ろんど 201001
ヘリコプター空かきまぜて昼の月 鈴木とおる 風土 201001
句座戻る一人に月の大きくて 高村令子 風土 201001
天心の孤高の月となりにけり 根岸善行 風土 201001
惑星をぶら下げて月傾きぬ 根岸善行 風土 201001
雲とんで雲中菩薩月真澄 隅田恵子 雨月 201001
月の雨上り誕生日を祝ふ 椋本一子 雨月 201001
夕月やアルプスの姿たしかなる 小島三恵 酸漿 201001
月の夜や鹿のぞきてふ露天の湯 柳沢典子 酸漿 201001
真暗な箱根の山に月のぼる 鈴木多枝子 あをかき 201001
月光の中散髪を終へ帰る 坂口三保子 ぐろっけ 201001
開会は三十分後残る月 島本知子 ぐろっけ 201001
肉まん売る高架の下も月明り 磯田せい子 ぐろっけ 201001
すぢ雲のはてにありけり昼の月 藤井美晴 やぶれ傘 201001
雲間より月光至る歓喜天 藤井美晴 やぶれ傘 201001
月の出は正午過ぎかな飲食す 服部早苗 201002
大いなる月を放ちし芒原 山田弘子 ホトトギス 201002
月代やうす雲のややはにかみて 山口速 201002
月更くるなほ鳴り止まぬ脱穀機 矢田部なほ子 201002
横笛の夜気を統べたり月を待つ 岩永はるみ 春燈 201002
弦月の葉裏にまはる愁ひかな 松原仲子 201002
屋形船揺らす波間に月昇る 渡部磐空 201002
木枯一号中天の月真白 大坪景章 万象 201002
窓越しに身を低うして月眺む 卯辰美苗 万象 201002
池に波たたせ動かぬ月に触る 松田都青 京鹿子 201002
あら草に月の雫の育つかな 坂本敏子 京鹿子 201002
高まれるサンタルチーア月の舟 椋本一子 雨月 201002
不揃ひの飛び石つたふ月の夜 白石正躬 やぶれ傘 201002
月昇る時に合はせて待ち合はす 近藤倫子 ぐろっけ 201002
踊り場に出て話しゐる月夜かな 樋口みのぶ 201002
職ひきて故山の月を祭りけり 内藤玲二 201002
ふるさとはよきかな月を友に酒 遠藤若狭男 201003
茶筌にも月の光の届きゐし 後藤比奈夫 ホトトギス 201003
白々と砕け散る波月の浜 長山あや ホトトギス 201003
月育つ越後の旅と思ふさへ 藤浦昭代 ホトトギス 201003
月明の三角点に獣来る 広渡敬雄 201003
月光の波打つてゐる大阿蘇野 柴田佐知子 201003
夜回りの影連れ立てり月の町 冨田ヒナ江 201004
ガリ版は月の光を刻む音 佐藤喜孝 あを 201004
ゲレンデに不意に出でたり昼の月 中村月代 末黒野 201005
月仰ぐ満の祈りを姨捨に 谷中弘子 201005
山門の甍まぶしく昼の月 吉成美代子 あを 201005
月光や肺しろがねに染まるまで 冨松寛子 201007
接岸へ月のデッキを通りけり 島玲子 風土 201008
一本の道が出迎へ月の村 鷹羽狩行 201009
月を見る時の横顔ふと淋し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
月めがけ上り過ぎたる凡フライ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
雲に入り雲抜き月の旅路あり 藤浦昭代 ホトトギス 201009
城の空烏も月の景として 藤浦昭代 ホトトギス 201009
踏み迷ふ月の雫を含む芝 藤浦昭代 ホトトギス 201009
明け方の月の所在を問ふことも 稲畑汀子 ホトトギス 201009
月の夜は月の匂ひの煮ころがし 鳥居おさむ ろんど 201009
神主の詩吟を詠ずる月の夜 佐藤健伍 201010
岩牀の皇子は寂ぶしゑ月渡る 福田雅子 万象 201010
来る日より過ぎし日がよし月仰ぐ 服部郁史 京鹿子 201010
月上りくるいろいろの膝頭 山尾玉藻 火星 201010
いちまいづつ月の畳となりゆけり 山尾玉藻 火星 201010
街灯の途切れたる辻月明り 石川かおり 201011
柿葺落はねて浪速の月の夜 小林成子 201011
大輪のカサブランカや月の出に 安本恵子 201011
桐下駄の音の弾みや月を観に 塩路五郎 201011
月照らす湖のさざ波赤鳥居 池田加寿子 201011
クリークに稚き月あり江戸切子 小形さとる 201011
月光や致死量浴ぶるために佇ち 七田文子 201011
空襲の真夜に見し月忘れ得ず 柳生千枝子 火星 201011
月蹤いて来よ帰り路遠ければ 柳生千枝子 火星 201011
月白やほとけに鍵を掛けにゆく 蘭定かず子 火星 201011
列柱の影透きとほる夕月夜 橋添やよひ 風土 201011
この道もこの橋もまた月の道 森屋慶基 風土 201011
掛け軸を鯉の上れる月の夜 柴田佐知子 201011
一枚の波のぬめりや月の夜 高倉和子 201011
夕月や線路づたひに保安帽 中田みなみ 201011
法然の和歌のごとくに月澄めり 空音 六花 201011
月光やそぞろ心のハーモニカ 内田和子 酸漿 201011
特牛句碑どつかり据わる月の寺 品川鈴子 ぐろっけ 201011
月→10      

2021年11月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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