秋の月   36句

さる引きの猿と世を経る秋の月   芭蕉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秘め事を見抜かれてをり秋の月 小川花久 いろり 200012
事もなく一人歩きや秋の月 河合笑子 あを 200110
秋の月英語混りの蕎麦談義 津田礼乃 遠嶺 200311
思春期は悲も喜も涙秋の月 岩崎憲二 京鹿子 200312
舞ひし手のひらりと秋の月上ぐる 小澤克己 遠嶺 200402
消せる灯をすべて消したる秋の月 森理和 あを 200411
ほろ酔ひの夫と見上げる秋の月 斉藤裕子 あを 200411
米櫃に満干のあり秋の月 鈴木多枝子 あを 200612
靴音に急されるやう秋の月 猪爪皆子 200811
全霊を竹刀に委ね秋の月 林友次郎 遠嶺 200812
宮殿を眠りの国へ秋の月 岡田弘子 遠嶺 200812
尊馬油塗る手足あり秋の月 中島陽華 200901
またたきて何か告ぐよな秋の月 山口天木 雨月 200911
まんまるにこぼれ落ちさう秋の月 鷲見多依子 201001
秋の月丸墓山にかかりけり 白石正躬 やぶれ傘 201101
ありありと魚影の過ぐる秋の月 中田みなみ 201111
隅々を知ることや憂し秋の月 湯村栞 201204
山中の外湯に見上ぐ秋の月 後藤克彦 かさね 201211
摩天楼より高々と秋の月 山田春生 万象 201212
泥舟に乗らぬ世渡り秋の月 松田都青 京鹿子 201301
リハビリのベッドに仰ぐ秋の月 秋田直己 ぐろっけ 201302
父の齢今日越えにけり秋の月 布村松景 春燈 201312
物干しの竿に移れり秋の月 辻香秀 201312
秋の月屋根にしづかや鬼瓦 石原健二 やぶれ傘 201312
出窓よりまだ見えてゐる秋の月 杉浦典子 火星 201412
鎌足の産井にうかぶ秋の月 山田春生 万象 201701
秋の月触れてみたいなら浮気です 夏冬春秋 船団 201707
雲かかれども中秋の月は月 時澤藍 201812
ことば一つ捨て中秋の月ひらふ 菊池和子 京鹿子 201901
灯の消えし災禍の町の秋の月 本田武 やぶれ傘 201912
山津波鎮め暮秋の月円か 石本秋翠 馬醉木 202001
秋の月田に幾つもの水溜り 白石正躬 やぶれ傘 202002
Gパンに穴ありてこそ秋の月 佐藤喜孝 あを 202012
代書屋の野暮な看板秋の月 中田光介 202108
秋の月漢詩の里や洞庭湖 長谷川はまゆう 末黒野 202201
哀悼の句や静かなる秋の月 加藤静江 末黒野 202302

2023年11月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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