1           287句

葛飾の月の田圃を終列車   川端茅舎   川端茅舎句集

  秋の月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
座布団を出したるままの縁の月 二見波周 ホトトギス 199509  
吾を容るる故郷や月の一本道 青柳志解樹 耕牛 199705  
送水会月早ばやと落ちゆきぬ 石垣幸子 雨月 199805  
月渡し砂丘の夜空明けてをり 稲畑汀子 ホトトギス 199810  
芦舟を担いで立てぬ月の浜 岡井省二 199810  
月明を海に出て哀しみもひとり 林田紀音夫 海程 199810  
横波にご乱心なりお月様 丸山佳子 京鹿子 199810  
一本の楊枝のこして月の客 鷹羽狩行 199811  
ともし火のとどかぬところ月の客 鷹羽狩行 199811  
人去りしあと月明の能舞台 小澤克己 遠嶺 199811  
月の山腕を組んでをりにけり 小菅佳子 199811  
月待の膝をくづしてをりにけり 今木偉郎 199811  
棒立ちのオクラや月の中にあり 山尾玉藻 火星 199811  
東向きの窓ならねども月の供華 大橋敦子 雨月 199811  
月翳といふ明るさの大伽藍 大橋敦子 雨月 199811  
大いなる月を目指してドライブす 岩田登世 雨月 199811  
月明り捨犬のまだ其処にゐる 森景ともね 船団 199811  
誰にでも蹤いてゆくから月といふ 中原道夫 銀化 199811  
月寢かせつけ世過とは腹の減る 中原道夫 銀化 199811  
つるべ落し反動のごと月上がり 宮津昭彦 199811  
武者ねぶた海へ送りぬ夜半の月 島田万紀子 馬醉木 199812  
月やいづこ雲かがやけば天蒼し 千代田葛彦 馬醉木 199812  
月明の師弟に会話とめどなし 小澤克己 遠嶺 199812  
タラツプを降りて李白の月仰ぐ 川井政子 風土 199812  
足大きく生まれし嬰に月上る 山尾玉藻 火星 199812  
月の出や魚鱗を削いで父母を守り 丸山海道 京鹿子 199812  
素泊りや月の甍を猫の踏む 丸山海道 京鹿子 199812  
片割月他の片割を探します 丸山海道 京鹿子 199812  
有明の月の寝嵩の残りけり 梅田津 銀化 199812  
宿下駄の焼印うすれ浜月夜 野口光枝 高籬 199812  
観月を口実にして長居客 松井洋子 ぐろっけ 199812  
つきあひがよくて月とも呑んでをり 年森恭子 ぐろっけ 199812  
望遠鏡固定の視野をそれし月 年森恭子 ぐろっけ 199812  
昇る月色変りゆく高さあり 溝上秀雄 円虹 199901  
綾とりの橋桁がない月の海 小堀寛 京鹿子 199901  
月と海遊びせむとや貝の唇 小堀寛 京鹿子 199901  
乗せてほし何思ひ漕ぐ三日の月 小栗佳批奈 京鹿子 199901  
仲麻呂の月澄みわたる古都の寺 萩野谷三和 遠嶺 199901  
ひらめ飼ふ月の水声村ねむる 矢三かつよ 馬醉木 199902  
月明の眼窩に憩う眼玉かな 金子兜太 海程 199902  
長病める母を思へば月の柚子 松井淑子 199902  
晧々と月爛々としてわたし 松田曼莉 京鹿子 199903  
うたげ跡青貝螺鈿は月の色 佐々木峻 船団 199903  
窓を開け月の光を心身に 甲田夏湖 船団 199903  
救急車月の隣家に来て止まる 加藤暢一 199904  
月が許さぬ醜男の沖田総司 児玉硝子 ヒッポ千番地 199905  
能面や月より大き紙風船 佐藤康子 遠嶺 199906  
野点席まで蹤いて来し月明り 阿部幸石 京鹿子 199906  
女客月を大きくして帰る 嵯峨根鈴子 火星 199907  
欲しき書を得て月の道遠からず 川端実 寒昴 199907  
外つ国に忘るる勿れ月の友 稲畑廣太郎 ホトトギス 199908 千葉由美子様送別
月のぼり畦にとびかう畦語かな 田中昌子 海程 199908  
もどり来て月夜のあぢさゐとなれり 豊田都峰 京鹿子 199908  
月の道大観峰へ到りけり 松崎佐 円虹 199908  
月満ちてゆける夜毎の空仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
月の宿出し人影の二三人 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
巡り来し忌日今宵の月仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
峡抜けて月の峠にさしかかる 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
月さへも露けき夜でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
荘守の逝きたる峡の月暗し 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
さゝめきの月の水面でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
雲間にもいざよふ月となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
雲重き東京を発ち月の帰路 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
置いて来し月が行手に現はるる 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
能登の旅日本海の月にそひ 稲畑汀子 ホトトギス 199909  
月満ちてゆく大空に祈りあり 稲畑汀子 ホトトギス 199909

贈 

黒川史子様旅立

星月の象の踝(くるぶし)あたりなり 岡井省二 199909  
頤(おとがひ)の月につかさどられてをり 岡井省二 199909  
月下にて動物園の匂ひをり 岡井省二 199909  
月明の曼陀羅華見し熟睡かな 加藤みき 199909  
月の声巣の鳰耳を欹てる 中林明美 船団 199909  
ゴンドラの反りにかも似て下り月 鷹羽狩行 199910  
くつきりと月従へて船行けり 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910  
月明に指の蹼八処かな 岡井省二 199910  
鯉こくの果して出でし月の膳 山尾玉藻 火星 199910  
月の上る前の眉引きゐたりけり 大東由美子 火星 199910  
月代や迦陵頻迦を舞ふ子等に 渕江千代 酸漿 199910  
網戸あけ又閉め月のまどかなる 林翔 199910  
同じ名の人もあふぎぬ名の月を 中原道夫 銀化 199910

東京板橋の同姓同名

の詩人中原道夫氏に

とじまりは月うつくしといひしのち 中原道夫 銀化 199910  
蓑助も蓑吉も寢ね月出づる 中原道夫 銀化 199910  
誰か来る気配月夜の曲り角 森脇恵香 俳句通信 199910  
竹群にアンデルセンの月昇る 安井よしこ ヒッポ千番地 199910  
月明の海坂なりし鬼子母神 小菅佳子 199911  
見えてゐて月の草山月の海 児玉輝代 199911  
弓張月火の見櫓に掛りをり 阿部悦子 酸漿 199911  
月見むと寄れば玻璃戸に雨滴あり 林翔 199911  
北枕亦よし月と対面せむ 林翔 199911  
坐りよき切株に座し月を待つ 能村研三 199911  
月の道真つ直ぐに見るデッキチェアー 能村研三 199911  
海へ月踊太鼓に乗つて出る 川島真砂夫 199911  
今少し耐へて勤めん月仰ぐ 浅利恵子 円虹 199911  
蔵造り御書院造り月の宿 柴原保佳 円虹 199911  
むらさきの紬匂へる月の客 関根洋子 風土 199911  
飛石をのこらりず踏みし月の猫 山尾玉藻 火星 199911  
眠りゐるチャイルドシート島の月 山尾玉藻 火星 199911  
月しづく海峡越ゆるとき激し 宇都宮滴水 京鹿子 199911  
渦潮のしほのかけ引き月天心 宇都宮滴水 京鹿子 199911  
金色の船団月をよぎりゆく 山田六甲 六花 199911  
稲美野の月に一礼して帰る 山田六甲 六花 199911 母里の人々に
月射して氷河のやうに街眠る 小澤克己 遠嶺 199911  
澄むこころ月の重さに耐へてをる 中原道夫 銀化 199911  
月見舟酌まねば流人にも似たる 千田百里 巴里発 199911  
雄鶏は繩文人か月仰ぐ 小枝恵美子 ポケット 199911  
月眺む男爵と呼ぶ野良猫と 小枝恵美子 ポケット 199911  
今は昔糺ノ森の月明り 小枝恵美子 ポケット 199911  
宇宙遊泳もやしも月へ行く途中 小枝恵美子 ポケット 199911  
月の村へ虫の顔して帰るひと 小枝恵美子 ポケット 199911  
月の出を待ちて「余香」の詩を吟ず 品川鈴子 ぐろっけ 199911  
月を観て月の畳に座りけり 城孝子 火星 199912  
チケットのとれしドナウの月夜かな 杉浦典子 火星 199912  
はんざきに再び会ひぬ月の夜 岡井省二 199912  
月の暈白鳥英美子のアリアかな 小山森生 199912  
石英の散らばつてゐる月夜かな 栗栖恵通子 199912  
まる画いて中に二の字や砂の月 延広禎一 199912  
ご飯うまし月に立山堆し 武田伸一 海程 199912  
肩先の月を水面に砕きけり 董振華 海程 199912  
星と星つなぐ月明瑠璃の壺 環順子 遠嶺 199912  
遅月を見つつ日記のペンを取る 阿部悦子 酸漿 199912  
月の道入江に敷かれ旅果つる 柿沼盟子 風土 199912  
月明や雁ヶ腹摺り山そびゆ 陣野今日子 風土 199912  
月仰ぎ母のこころを仰ぎけり 井上芙美子 円虹 199912  
一片の雲さへおかず月渡る 井上芙美子 円虹 199912  
月明にいざなはれゐる浄土かな 井上芙美子 円虹 199912  
月の風渡るポプラの並木道 加藤あけみ 円虹 199912  
夢殿の筋塀月の守衛の影 谷添睦子 199912  
杉玉の蛾眉なす月へ羽化したる 水内慶太 銀化 199912  
丘の辺の穂のひとさしの下弦月 丸山佳子 京鹿子 199912  
九十九里月の渚となりにけり 荻原芳堂 春耕 199912  
月の能月へひらきし扇かな 阪上多恵子 雨月 199912  
能面にいのち通へり月出でて 阪上多恵子 雨月 199912  
摺り足の音のかそけし月の能 阪上多恵子 雨月 199912  
斑鳩の寺も仏も月の秋 阪上多恵子 雨月 199912  
月天心家々息をひそめたる 樺山翠 雨月 199912  
夜汽車より砂漠の月をみて飽かず 山村すみ 俳句通信 199912  
眠りなさい、あの月の浜砂のように 山岸みずき 船団 199912  
河馬飛んで見せてよさてと月の客 児玉硝子 六花 199912  
船の道すなはち月の道となり 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912  
二度の月自宅越えて逢いに行く 武井康隆 船団 199912  
天平の石の廊下を月の船 秋野火耕 船団 199912  
エンタシスやがてふくらむ月の影 樫井賢一 船団 199912  
月ひとしずくポストに入れてしらんぷり 津田このみ 月ひとしずく 199912  
月浴びて尻尾が少し長くなり 津田このみ 月ひとしずく 199912  
伊吹山夜は薬草の月の供華 中川濱子 ぐろっけ 199912  
観月船行きも戻りも微速なる 三浦如水 ぐろっけ 199912  
臈たけし月の氷河を想ひ寐る 千代田葛彦 馬醉木 200001  
いづこより湯浴みの音や鎌の月 土肥屯蕪里 俳句通信 200001  
月明の雲の移りし岳樺 大和田鏡子 俳句通信 200001  
弓張の月片割れは池に落つ 峯尾文世 銀化 200001  
月涜す望遠鏡を磨くなり 波多洋子 銀化 200001  
堂も塚も影絵となりて月を待つ 片山喜久子 雨月 200001  
月影をしまう瞼わたしのもの 河野志保 海程 200001  
月の膳少しの酒に酔いにけり 久保田一豊 いろり 200001  
月一つ医王にかたむき愛染忌 山田耕子 京鹿子 200001  
愛染忌月下の川瀬に師弟影 山田耕子 京鹿子 200001  
息入れし折鶴月の雲に乗す 伊藤希眸 京鹿子 200001  
風音も一人の客や月の庵 小澤克己 遠嶺 200001  
月に背き鬼女は髪から暗くなる 田淵昌子 京鹿子 200001  
まつさきに出てゆくかたち月の靴 井上菜摘子 京鹿子 200001  
雲脱したる月のごと脱稿す 村松紅花 ホトトギス 200001  
稿急ぐごと月雲の中急ぐ 村松紅花 ホトトギス 200001  
草の戸や月と火星と美しく 村松紅花 ホトトギス 200001  
雲をやり過ごし一と息入れし月 粟津松彩子 ホトトギス 200001  
激変の世を照しつつ月静か 長谷川登美 ぐろっけ 200001  
亡き夫は月よりだんご喜びし 長谷川登美 ぐろっけ 200001  
歩を遣ればすぐに影添ふ月の橋 安田登志子 ぐろっけ 200001  
月の影つれて角なるタバコ屋へ 足利徹 ぐろっけ 200001  
ネクタイを緩めながらに月を見る 三上冨佐子 ぐろっけ 200001  
藁束を抱へ込んだる月の家 石脇みはる 200002  
氷らむとして畑土の月の光ゲ 小山森生 200002  
米寿経て月へ戻りしかぐや姫 高木智 京鹿子 200002  
箱膳の漆まつたり雲間月 北川孝子 京鹿子 200002  
月明の水に棲むもの水揺らす 田中藤穂 水瓶座 200002  
海底に蛸壺島に月明り 田中藤穂 水瓶座 200002  
半月を横抱きにして山走る 星野早苗 空のさえずる 200002  
切れ味のいい月夜かな二人居て 星野早苗 空のさえずる 200002  
外灯の囲み解きけり月の猫 星野早苗 空のさえずる 200002  
残月は引き込み線より街に入る 星野早苗 空のさえずる 200002  
受話器からこぼれる闇を畳む月 尾上有紀子 わがまま 200002  
しとしとに男も濡れる月夜なり 尾上有紀子 わがまま 200002  
月明かり痺れた子宮が透き通る 尾上有紀子 わがまま 200002  
水の澄み月澄む宇治に二た夜寝し 村松紅花 ホトトギス 200003  
おとながゐる児童公園地の月夜 本橋怜加 冬牡丹 200003  
聖歌隊病窓に月残し去る 池松昌子 馬醉木 200003  
月明の地球の果ての崖に立つ わたなべじゅんこ 鳥になる 200003  
ゑのころのくすぐつたくて月夜かな 稲田眸子 200005  
纜の集まつてきし月の幹 稲田眸子 200005  
弦月に削られてゐる山の際 大林淳男 銀化 200112  
万象を折敷く月でありにけり 村上瑪論 銀化 200112  
月の出を待たず傾げるワンカツプ 岡田万壽美 雲の峰 200112  
ひた面の月の光の鼻梁かな 小山森生 200112  
澄む月の天上にあり曼荼羅忌 竹内悦子 200112 省二逝く
月宮の省二ゆれゆく象の鞍 栗栖恵通子 200112  
金色の鶴渡りゆく月の海 雨村敏子 200112  
月の夜の朱肉を練つてをりにけり 中島陽華 200112  
月待ちの鬼の山なる一葉かな 山尾玉藻 火星 200112  
月明の樒の家となりにけり 野澤あき 火星 200112  
月明の外階段を登りゆく 浜口高子 火星 200112  
月の夜の匂ひ袋に眠り落つ 大和あい子 百鳥 200112  
月明や美事に死することのこる 石川不憫 百鳥 200112  
月しろの古事記の村の家並かな 上野澄江 百鳥 200112  
故郷の月まんまるく上りけり 佐藤悦子 百鳥 200112  
永遠にからだを曲げて月の中 小田さやか 船団 200112  
坂町の月傾けて胡弓かな 小澤克己 遠嶺 200112  
月雲に入り恋唄に声しぼる 小澤克己 遠嶺 200112  
父母を恋しくなりて月を詠む 吉野のぶ子 遠嶺 200112  
月の出を乱さぬやうに笛を吹く 野口香葉 遠嶺 200112  
能管の泌み入る月の城下町 野口香葉 遠嶺 200112  
月戴せて大きく曲る胡弓の音 小島とよ子 遠嶺 200112  
黒シャツに風の一文字月天心 小山徳夫 遠嶺 200112  
霽月や路地に胡弓の女の影 小山徳夫 遠嶺 200112  
月あかり胡弓恋唄街をゆく 吉野のぶ子 遠嶺 200112  
坂町のぼんぼり月に登りゆく 吉野のぶ子 遠嶺 200112  
月天心師の一言の詩ごころ 関口幹雄 遠嶺 200112  
十の瞳や弓張月の街に佇つ 重高涌子 遠嶺 200112  
ひとひらの雲を重ねし月の道 重高涌子 遠嶺 200112  
月の坂影したがへて人歩む 田中藤穂 あを 200112  
胸中を吐露してからの月に暈 林日圓 京鹿子 200201  
占ひの当りむら雲出でし月 丹羽杏華 京鹿子 200201  
トンネルの穴から崩れ月の浜 荒川美邦 京鹿子 200201  
逢ふまでの気負ひうすれし雲間月 北川孝子 京鹿子 200201  
反論の余地流しけり夜半の月 北川孝子 京鹿子 200201  
刈り終へし田の身軽さの月出でぬ 斎藤棹歌 200201  
月明の夜行列車の獣めき 関洋子 200201  
いのちあるよろこびしかと月上る 加古みちよ 火星 200201  
抱く児の指先に月のぼりたる 城尾たか子 火星 200201  
マリア像後にしたる月明り 城尾たか子 火星 200201  
先刻よりマヌカン歩き月の道 泉田秋硯 200201  
月孤なり伯耆冨士また孤なりけり 友田直文 200201  
月の虹観むナターシャもカチューシャも 千代田葛彦 馬醉木 200201  
太棹のひびきも錆びて月曇り 石川個子 馬醉木 200201  
点字読む少女に月の円かなり 高橋たか子 馬醉木 200201  
月読まむ紫女に清女に遠くとも 出口貴美子 雨月 200201  
屋形船月の出潮の隅田川 安陪青人 雨月 200201  
暗々といさよふ月に星消ゆる 松田欽吾 雨月 200201  
月の儀を待つ菅公の歌碑ほとり 片山喜久子 雨月 200201  
月天心この世不測のことばかり 藤田誉子 雨月 200201  
月昇るまでを香炷き籠りをり 下平しづ子 雨月 200201  
海老網を仕掛けし沖に遅き月 藤野智弘 200201  
月影に偸盗跡のありありと 村上瑪論 銀化 200201  
半月を目蓋として星流る 田村はじめ 銀化 200201  
月草に月の来てゐる淡き思慕 角田信子 六花 200201  
魂のぬけしか身体月浴びて 市場基巳 200201  
先生の昼夜の夜を月の下 山西雅子 200201

省二先生に

〈木犀やしづかに

昼夜入れかはる〉

といふ御句のあれば

赤松に月かかりけり盧遮那仏 雨村敏子 200201  
月仰ぐならひとなりぬ遺されて 黒田咲子 200201  
月透ける袋のやうな雲の底 黒田咲子 200201  
月の野に黎の杖をひかれしか 近藤きくえ 200201  
黒羽に橋あり月の待たれけり 望月周 百鳥 200201  
狛犬の四肢踏んばつて月に吼ゆ 宮みさを 百鳥 200201  
神の火の焚かるる杜や月天心 今井松子 遠嶺 200201  
遠き灯やデッキは月の指定席 遠藤匡子 遠嶺 200201  
月上がるまで神苑の薪を割る 関口幹雄 遠嶺 200201  
月の砂漠の劇場ほど泣きぬ あざ蓉子 船団 200201  
桃のタネ植えて真っ赤なお月様 黒田さつき 船団 200201  
熟睡児のずしりと重き月夜道 石橋萬里 ぐろっけ 200201  
卒寿われ月を若しと仰ぎけり 粟津松彩子 ホトトギス 200202  
今生の月の懸りし厳島 後藤比奈夫 ホトトギス 200202  
清盛に心通ひて月にあり 後藤比奈夫 ホトトギス 200202  
いろいろなたましひと逢ふ月の磧 森茉明 京鹿子 200202  
忘れゐしをさな名一つ月の道 森茉明 京鹿子 200202  
月明の礼する影に礼返す 佐藤真次 200202  
神送る漆黒の空黄なる月 出原博明 円虹 200202  
玄月の鏡の中を雲流れ 竹内悦子 200202  
いまごろは母者と月の砂漢かな 加藤みき 200202  
半分を少し過ぎたる月の会 桜井ともや 六花 200202  
エスカレーター月のごとくに少女降り 仁藤さくら 船団 200202  
月しろの賑ひめける風のいろ 岡本眸 200202  
未だ出でぬ月にまたたき佛の火 長沼紫紅 200202  
姫皇子の生れたる月のまどかなる 萩原記代 200202  
窓蹴つて魚になりたき月夜かな 湯浅夏以 遠嶺 200203  
改めて過去ふり返る月夜かな 桑坦信子 いろり 200203  
招月庭に月の通ひ路見てありぬ 福盛悦子 雨月 200203  
月天心夜廻りの柝の遠ざかる 田所洋子 雨月 200203  
月の出の遅れて星の総出かな 稲森柏郎 200203  
月一つ飛島一つ我一人 上崎暮潮 ホトトギス 200204  
蝋燭能大寺に月いざよへる 桑田青虎 ホトトギス 200204  
落ちさうな月最上川黙つてゐる 新関一杜 京鹿子 200204  
月よみの潮の八重知る君がゐて 境良一 京鹿子 200204  
月欠ける線つよく彫るあらは顔 境良一 京鹿子 200204  
舟舫ひ一片の月湖に上ぐ 志賀青柿 ホトトギス 200205  
残月や鶴唳天を埋め尽くす 伊藤冬留 200205  
鳴門指し絞られてくる月の潮 上崎暮潮 ホトトギス 200206  
犬橇の鼓動が走る月の出を 西村みもざ 京鹿子 200206  
つくし野や誰彼夙に月の人 大井貞一 京鹿子 200207  
水甕の空つぽなりし月の庭 小林あつ子 火星 200207  
狛犬の四肢踏んばって月に吼ゆ 宮原みさを 花月亭 200208 月 2

 

2019年10月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。