月 8     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
月代を塗しビリケンさん撫づる 山尾玉藻 火星 200911  
月待つやライオン橋のライオンも 山尾玉藻 火星 200911  
茶の垣に囲まれゐたる月の家 山尾玉藻 火星 200911  
月天心歌に輪舞のセーヌ河畔 秋田建三 200911  
月白の土手をからすの越えにけり 大崎紀夫 やぶれ傘 200911  
深酒や仮寝をさそふ月の夜 吉弘恭子 あを 200911  
白紙一枚月光の机上澄み 岡本まち子 馬醉木 200912  
左義長の跡に潮さす月明り 五領田幸子 馬醉木 200912  
大和絵の式部見し夜の月まろし 金原登志子 馬醉木 200912  
狸来る気配や窓の月明り 鈴木照子 200912  
御仏に捧ぐ寺苑の月下能 小林成子 200912  
煌々と乱世見てゐる月兎 塩路五郎 200912  
物分りよろしき猫や月を友 宮崎左智子 200912  
月かこむ雲一瞬の絵画かな 宮田香 200912  
月の夜の別れが似合ふ女かな 苑田ひろまさ 200912  
こぼれ落つ珈琲豆や窓の月 山岸由佳 炎環 200912  
星ひとつ月ひとつあり渋の宿 近恵 炎環 200912  
ふるさとがないのに帰りたい月光 山田庫夫 炎環 200912  
「前略」や月の兎の文短し 長谷川いづみ 炎環 200912  
婆沙羅の日のたりの日々や月天心 延広禎一 200912  
厠にて密林の月想ひをり 小形さとる 200912  
月天心ホンガリと口開いてをる 小形さとる 200912  
月の神見えざるものを照しけり 本多俊子 200912  
月夜にてシヨパンのコーダ無窮動 瀬川公馨 200912  
明けのこる月に地方の音合せ 佐藤康子 遠嶺 200912  
コロラチュラソプラノの歌満つ月に 成宮紀代子 200912  
月光の漣なして砂漠なり 北川英子 200912  
月光が降る切株のうすじめり 辻美奈子 200912  
月明に流離ごころのなくはなし 安居正浩 200912  
月光がからの鳥籠射貫きけり 久染康子 200912  
月の甲斐ここは父祖の地亡夫の地よ 望月晴美 200912  
投げ入れの壺月光へ差し出しぬ 甲州千草 200912  
茶筅置く指に居待の月にほふ 近藤敏子 200912  
稿の枷はづして月を待ちにけり 鈴木直充 春燈 200912  
とめどなき外地綺談や月の宿 岩谷丁字 春燈 200912  
月天心話しばらくとぎれたり 宇賀令子 春燈 200912  
影に尾の生えてきさうな月夜かな 近藤牧男 春燈 200912  
少しづつ失ふものに月ひとつ 近藤牧男 春燈 200912  
胸になほ月は居待の鞆の浦 石田康明 春燈 200912 対潮楼
月の夜のわれに万能傷ぐすり 井上信子 200912  
棲み古りぬ月の届かぬ裏の窓 井上信子 200912  
ふるさとは月に濡れたる跨線橋 井上信子 200912  
封筒へ手紙を戻す月夜かな 倉持梨恵 200912  
九階の風月明の天守閣 数長藤代 200912  
月面着陸月汚されし思ひして 大橋晄 雨月 200912  
月光を浴びに項を結ひ上げて 植村よし子 雨月 200912  
コンサート終へたる琴を月照らす 中原吟子 雨月 200912  
琴の会果てたる湖畔道の月 中原吟子 雨月 200912  
柴折戸の音なく開き月あかり 東野鈴子 雨月 200912  
月白や能粛々と艶やかに 東野鈴子 雨月 200912  
月光は慈愛のひかり神の苑 上原恒子 雨月 200912  
月仰ぐ余生俳句に生かされて 近藤豊子 雨月 200912  
月のぼる川の向かうは古戦場 大西八洲雄 万象 200912  
寅さんの居さうな河原月のぼる 大西八洲雄 万象 200912  
天よりも池の月佳し絵筆とる 吉村勝也 末黒野 200912  
宇宙まで荷を送る世や昼の月 半沢一枝 末黒野 200912  
宮跡の四方の広野に月鎭み 奥村鷹尾 京鹿子 200912  
月光に死にゆく力もらひけり 竪山道助 風土 200912  
大いなる月上りきて魚信絶ゆ 栗田武三 ぐろっけ 200912  
太刀魚の月にぎらりと釣られけり 栗田武三 ぐろっけ 200912  
月天心はたりと風の熄みにけり 栗田武三 ぐろっけ 200912  
若後家のいざよふ月に佇ちつくす 栗田武三 ぐろっけ 200912  
月白の鶴橋渡りくるひとり 杉浦典子 火星 200912  
有明の月あんこ屋に餡の湯気 山田美恵子 火星 200912  
羽根音の月竹林の奥にあり 河崎尚子 火星 200912  
くぐり戸に張り紙のある月夜かな 根本ひろ子 火星 200912  
月さしてマサイの土の家まろし 天谷翔子 火星 200912  
月さして蓋浮き上がるマンホール 天谷翔子 火星 200912  
月暈をさして祭の客送る 海上俊臣 酸漿 200912  
病室に団子を供へ月を待つ 沖倉好秋 酸漿 200912  
奉納の試楽の舞や月の代 稲垣眞弓 200912  
月の出の波うちぎわにいてはだし 坪内稔典 船団 200912  
母の忌や捨印のごと月のぼる 渡邉友七 あを 200912  
漬け菜樽月夜は板に還るべう 定梶じょう あを 200912  
まんまるにこぼれ落ちさう秋の月 鷲見多依子 201001  
杵兎月に残して児の帰る 宮崎左智子 201001  
月光の一と間に殺気走りけり 柴田佐知子 201001  
父は立ち母は座りて庭の月 高倉和子 201001  
月の夜の遊びだしたる影いくつ 高倉和子 201001  
街並の端まで月の黒瓦 中田みなみ 201001  
しなやかにつと立ちあがり月の鹿 大野崇文 201001  
海境へ迷ふことなき月の道 杉本明夫 201001  
アンコール二度目はなくて月の道 泉田秋硯 201001  
巴里の月に柏手打ちて驚かす 泉田秋硯 201001  
源氏絵に偲ぶ千古の月明り 北尾章郎 201001  
波音の眠りを誘ひ月の湖 小川玉泉 末黒野 201001  
凄まじや月光夫の遺影まで 小野口正江 末黒野 201001  
月白や松籟池を渡り来る 清海信子 末黒野 201001  
病む人へ月の障子を開けにけり 大橋伊佐子 末黒野 201001  
月代の雲朱鷺色に移りけり 菅野日出子 末黒野 201001  
夕月を水田に残し鍬洗ふ 鈴木俊孝 末黒野 201001  
月かげを遠心に置く赤衣桁 大島翠木 201001  
岩頭に立つ月の香を嗅ぐ人か 小形さとる 201001  
身の芯に月光の青垂涎す 本多俊子 201001  
月満ちて青き匂ひのありにけり 本多俊子 201001  
人魂の集うて青し月の夜 橋本正二 201001  
月光や肺しろがねに染まるまで 冨松寛子 201001  
酒樽を据ゑ月の友迎へむか 小山徳夫 遠嶺 201001  
夕月や剣道場に気合充つ 山田禮子 遠嶺 201001 月→9

2019年11月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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