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月 7     100句

里ふりて柿の木もたぬ家もなし   芭蕉

  秋の月

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
定規引きたるかの片割月昇る 辰巳あした 雨月 200901  
高階の終の住処や月仰ぎ 片山喜久子 雨月 200901  
なきがらを下ろす月夜の昇降機 笹倉さえみ 雨月 200901  
月の夜や真つ逆様の大道芸 及川木栄子 200901  
月代や橋を風ゆく小名木川 大崎紀夫 やぶれ傘 200901  
月代の棚田に煙立ちにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 200901  
すべり台ひとつの広場月あかり 廣瀬雅男 やぶれ傘 200901  
ぼた山や半ば欠けたる月出でて 藤井美晴 やぶれ傘 200901  
月の座の女性洋装の線整し 瀧春一 深林 200901  
妙高山みようこうの八角ヒュッテ月まろし 渡邉孝彦 やぶれ傘 200901  
月輪の徐々に顔出すビルの上 橋本美代 やぶれ傘 200901  
パソコンも俳書も月に侍るもの  山田弘子 ホトトギス 200902  
月の句を詠みきれざりし哀しさよ  安原葉 ホトトギス 200902  
阿波踊果てし円月誰も見ず  上崎暮潮 ホトトギス 200902  
玉杯のありつつ月の待たれつつ  後藤比奈夫 ホトトギス 200902  
月の出を待ち男酒女酒  後藤比奈夫 ホトトギス 200902  
月白を啣へ善知鳥の帰巣かな 延広禎一 200902 祝『白猪』上梓
炬火のやがてしづかに月昇る 雨村敏子 200902  
帰去来かへりなん月煌々とわが山河 川口襄 遠嶺 200902  
月の座の一管寂ぶる夕べかな 遠藤和彦 遠嶺 200902  
月に居れば月と同寸白兎 片岡宏文 炎環 200902  
ふかぶかと月の寄せ棟造りかな 鎌田政利 京鹿子 200902  
波の穂の寄ればむつみてくだけ月 鎌田政利 京鹿子 200902  
欠け月へ洒落てふ窓は半蔀に 鎌田政利 京鹿子 200902  
源氏千年紀の須磨の月を待つ 三村純也 ホトトギス 200903  
こぼれ月音背負ひゆく機通り 宇都宮滴水 京鹿子 200903  
水の月壊し切れずに独り占む 宇都宮滴水 京鹿子 200903  
月満ちて橋のまん中狭すぎる 宇都宮滴水 京鹿子 200903  
犬も入れ月の宴の人となる 宇都宮滴水 京鹿子 200903  
窓の月目路に誘ひてダンスの輪 宇都宮滴水 京鹿子 200903  
留守番の黒猫に月がまんまる 火箱游歩 船団 200903  
月の屋根走り過ぎたりうかれ猫 岡佳代子 200904  
月影や眠りおちたるバギーの児 山下青坡 200905  
野の隅に幻月かかげひそと住み 新関一杜 春燈 200905  
千の風渡る棚田や千の月 伊藤憲子 200907  
町の場末幻月かかげひそと住む 新関一杜 京鹿子 200907  
枝払ひ巣箱に月の光り射す 中山純子 万象 200907  
さんざしの浮き立ち見ゆる月夜かな 伊藤克子 酸漿 200907  
月瀬より届く新茶の芳しき 小林成子 200908  
まん丸に月を育てし恋の猫 川口襄 遠嶺 200908  
残月の淡々と落つ流刑の地 奥村鷹尾 京鹿子 200908  
赤い目で赤い月みる終電車 北側美美 200908  
街は寝て月の監視所厳とあり 八田木枯 晩紅 200908  
篳篥の音に月の使者迎へらる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909  
夕月を見失ひたる峰のあり 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
満ちゆける月に家路をつなぐ旅 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
計画はたちまち月にまとまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
都心にも近き旅寝や月仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
うすくと雲の存問月にあり 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
心充ちゆくは月満つことに似て 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
六甲のいざよふ月に招かれて 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
改装の窓にいざよふ月なくも 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
見えてゐし月失へりビルの角 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
夜々月の名を変へてゆく雨の中 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
旅心共有したる夜々の月 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
旅共にせし月のこと沼のこと 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
月仰ぎいにしへ人もかくあらん 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
森深く驚徳の世より仰ぐ月 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
月明へ声の出てゆく木菟時計 鷹羽狩行 200909  
すめらぎも大沢池の月を愛で 林日圓 京鹿子 200909  
静もれる奏楽堂や薔薇と月 加藤兵四郎 200909  
露天湯に四肢揺らめけり月の夜 森永洋子 200910  
よべの月まぼろしなるや雨の朝 稲畑汀子 ホトトギス 200910  
ささら波寄せくる月の渚かな 片山由美子 200910  
美しき妻をともなひ月の客 片山由美子 200910  
赤ん坊の両手つきたる月の卓 山尾玉藻 火星 200910  
繁二郎の馬に鞍置く青月夜 栗栖恵通子 200910  
松明の爆ぜて月へと散る火の粉 ことり 六花 200910  
月光に晒されてゆく母郷かな 小林朱夏 200910  
月明りそろそろ庭へ白鼻心 森理和 あを 200910  
月よりの雫の光る濃紫陽花 鈴木英男 末黒野 200910  
くろぐろと畝の並列夕月夜 前川ユキ子 200911  
浮き沈みは憂き世の些事よ月に雲 西田史郎 200911  
月を追ひ月に追はれし笈ひとつ 水谷洋子 十進法 200911  
ごつごつの肋数ふや今朝の月 山崎ゆき子 炎環 200911  
万葉に月光重く散るもあり 寺半畳子 炎環 200911  
ゴーシュ弾くセロの音外れ今朝の月 北島正太郎 炎環 200911  
昭和史の終ふクレーンやふる月光 須田千鶴子 炎環 200911  
月の窓新着メールの着信音 結城節子 炎環 200911  
涙拭いて一駅歩く月まんまる 丹羽晶子 炎環 200911  
宇治橋の弧の上に立ち月迎ふ 鷹羽狩行 200911  
隠れ家にしてゐる酒場月の雨 熊谷尚 200911  
月淡きうちに門火を焚きにけり 池田忠山 200911  
阿彌陀千体月のさざ波聴き給ふ 長谷川閑乙 馬醉木 200911  
人生に幕引くでなし月のぼる 泉田秋硯 200911  
港の月連れて出てゆく連絡船 三浦如水 はらから 200911  
頁繰るごとの疲れを夕月夜 小澤克己 遠嶺 200911  
月光の主宰すなはち編集長 小澤克己 遠嶺 200911  
炎かとやがて工都の月となる 高橋泰子 200911  
手作りパンふつさり割きて月を待つ 能村研三 200911  
月光もゆがむ明治の板ガラス 松本圭司 200911  
羽化叶ふかも月明の野に出れば 千田百里 200911  
いまやうの李白と酌めば月隠る 千田百里 200911 中上哲夫氏
月の出を待つ嬬恋の鳥瞰図 辻直美 200911  
月光を浴び寸劇のごとき生 辻直美 200911  
月明や前のみを見てをりしころ 栗原公子 200911  
月光の曳くしだり尾とおもひけり 井上信子 200911  
忌日来る夕月の白なまなまし 山崎靖子 200911  
月白の山一景の動悸かな 鈴鹿仁 京鹿子 200911  
またたきて何か告ぐよな秋の月 山口天木 雨月 200911 月→8

2019年10月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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