椿 5      100句

椿落て昨日の雨をこぼしけり   蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
紅引かな待ち人といふ名の椿 山元志津香 八千草 200506
庭椿光と風を混ぜて咲く 阿部ひろし 酸漿 200506
いつの間に咲きしよ椿太郎冠者 阿部ひろし 酸漿 200506
八重椿見てきて一重椿かな 阿部ひろし 酸漿 200506
八重椿継ぐ人のなき家に咲く 西出俊子 酸漿 200506
足湯して帰りませんか椿坂 中野哲子 六花 200506
椿八重この家大正ロマンめく 丸山佳子 京鹿子 200506
散りぎはの生身の重さ八重椿 藤岡紫水 京鹿子 200506
咲き出でて乙女椿の向きまちまち 松崎鉄之介 200506
亡き妻の家に真紅の椿かな 松崎鉄之介 200506
廃村となるとも存す藪椿 村越化石 200506
紅椿とぶひの跡へ吹かれ散り 三輪洋子 200506
香椿の挙れる蘂の尺ほどに 紺野とも子 200506
一輪を髪に付けたき椿あり 須賀敏子 あを 200506
遠方へ文認めし紅椿 下越逸子 200506
滝壺の深きは見えず椿咲く 松永ハツエ 200506
椿子に杞陽椿を剪りし朝 千原叡子 ホトトギス 200507
南面に玉椿とぞ散り敷きぬ 稲岡長 ホトトギス 200507
空いまだ昼のいろなり山椿 戸栗末廣 火星 200507
薮椿羅漢百想百行よ 三河晃 築港 200507
雑木山深く入り来て薮椿 福田千代子 築港 200507
色褪せて枝に残りし白椿 藤居長治 築港 200507
観音に供華の椿の華やげり 河内桜人 京鹿子 200507
百あれば百の椿の仏かな 松本安弘 六花 200507
ポケットに含羞錆びる白椿 若泉真樹 200507
羽ばたきのいくたび過ぎし椿山 青山悠 200507
どかどかと工事夫の来て椿山 青砥真貴子 200507
葉隠れの椿数ふる夕ごころ 青砥真貴子 200507
くれなゐを極め椿の自己主張 青砥真貴子 200507
祝ぎ近き虚子一門に椿咲く 吉田小幸 ホトトギス 200508
四代目を雄々しく継ぎぬ梅椿 吉田小幸 ホトトギス 200508
月影という白椿薬師仏 若泉真樹 200508
藪椿縄文遺跡は虚ろにて 福山至遊 200508
椿散り梅咲く径をゆっくりと 田中藤穂 200508
少女消え椿は紅きしづく溜む 田渕昌子 京鹿子 200508
つらつらと椿名残の内侍墓 北川孝子 京鹿子 200508
足摺の怒濤に呑まれ崖椿 葛馬房夫 雨月 200508
椿咲き干鰯の上の鳥威し 瀧春一 菜園 200509
椿垣伝うてゆけば別の家 上崎暮潮 ホトトギス 200510
道行に少し遅れる椿かな 河西志帆 京鹿子 200511
掛筒に一花の椿西王母 神蔵器 風土 200512
舫ひ綱投げて椿の島繋ぐ 遠藤真砂明 200601
耳大き木彫りの蕪村椿咲く 安永圭子 風土 200602

 「玉藻」九〇〇号を祝して

鎌倉や八重九重の玉椿

鷹羽狩行 200603
咲き満つる日を旬日の椿かな 稲畑汀子 ホトトギス 200603
彼の日より形見となりぬ肥後椿 稲畑汀子 ホトトギス 200603
仕事には優先順位梅椿 稲畑汀子 ホトトギス 200603
傘さして父の来てゐる椿かな 戸栗末廣 火星 200603
花椿蕉翁の杖なぞ細き 高橋大三 ぐろっけ 200603
庭隅に咲きし椿は太郎冠者 阿部ひろし 酸漿 200603
呆気なく散りて惜しまる八重椿 坂元フミ子 河鹿 200604
湯ざめせる壷の椿のみな蕾 浜口高子 火星 200604
紅椿二十を綴り輪冠 北川英子 200604
人声に心温もる玉椿 金子孝子 200604
苗市に探す椿の太郎冠者 伊藤白潮 200604
あたらしき青竹の桟玉椿 里中章子 200604
遠目にも冴え返りをる椿かな 山田六甲 六花 200604
鵯の触れざる椿選びけり 赤座典子 あを 200604
散る椿お百度石に山の影 清原彰子 河鹿 200605
山門の暗さや椿咲いてをり 平田紀美子 風土 200605
椿の名書き留めてをり大巧寺 島田和子 風土 200605
海荒るる日は美しき山椿 平田紀美子 風土 200605
乙女椿小さき稲荷と丈揃へ 松崎鉄之介 200605
家絶えしも藪椿咲く墓残る 須原正三 200605
艪の音の遠ざかりゆく椿山 寺田すず江 200605
万葉の歌恋ふ心梅椿 足立典子 雨月 200605
玉椿海の匂ひの風とどく 網野茂子 酸漿 200605
藪椿水音高き峡の川 久保田ヤスエ 酸漿 200605
幼き日かよひし道や藪椿 松元末則 酸漿 200605
森出でて道ながかりし白椿 松元末則 酸漿 200605
無住寺や椿の下の欠仏 村田さだ子 酸漿 200605
掌で包みきれない椿かな 須賀敏子 あを 200605
藪椿止むことのなき水の音 飯島かほる 対岸 200605
暖く乙女椿も焦げにけり 瀧春一 常念 200606
先生は椿の咲ける島の人 野中亮介 馬醉木 200606
椿寺接待受くる緋毛氈 植竹惇江 春燈 200606
師碑詩魂祝ぎ咲く気多の杜椿 渕上千津 200606
姉弟継ぐ句碑のこころ根椿濃し 渕上千津 200606
磯の鵜の真昼は近し花椿 市場基巳 200606

 悼兄

白椿戦のことは語らざり

加藤みき 200606
業平の墓前にしやんと紅椿 阿部範子 200606
瞑想の五百羅漢に椿燃ゆ 川口道子 200606
白椿まはりに雨のよく降れる 杉浦典子 火星 200606
羽搏きは椿の蜜にかも知れぬ 北村香朗 京鹿子 200606
真つ直ぐな蘂を大事に椿咲く 斉藤利枝子 対岸 200606
昼の雨椿の雫大きかり 斉藤利枝子 対岸 200606
白椿闌けて胎藏界日和 吉村たけを 海市蝶 200606
閻王に椿咲きけり白毫寺 大畠政子 雨月 200606
斎王の墓寂々と白椿 堀田清江 雨月 200606
つらつらと椿燃ゆなりお七の忌 天野みゆき 風土 200606
玄界に椿の島の浮きにけり 吉村摂護 200606
咲きながら椿褪せるよ日が経つよ 坪井洋子 200606
北青磁に白雲木と玉浦椿 東亜未 あを 200606
茶筅塚乙女椿の寄り添ひし 内堀京子 河鹿 200607
山居して藪の椿にこころ足る 浅井青陽子 ホトトギス 200607
六年の歳月しかと梅椿 山田弘子 ホトトギス 200607
決断の微動だにせず白椿 赤羽正行 遠嶺 200607
知恵伊豆の墓に寄り添ふ白椿 嶋木勝次郎 遠嶺 200607
竹山の椿めつぽふ揺れやすく 鈴木多枝子 あを 200607
雨音の他は聞えず白椿 岩垣子鹿 ホトトギス 200608
椿→ 6      

 

2021年5月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。