椿 4      100句

大空にうかめる如き玉椿  高浜虚子  六百五十句

椿  落椿

作品
作者
掲載誌
掲載年月
大鉢の椿みごとや咲き分けて 小黒加支 酸漿 200405
古戦場の血の色知るか藪椿 大畠政子 雨月 200405
武侯祠より持て来し椿真紅 松崎鉄之介 200405
散歩道ある日は椿ばかり撮る 松崎鉄之介 200405
ひとの庭の乙女椿を恋ひにけり 松崎鉄之介 200405
濤声のとぎれとぎれに島椿 岩渕彰 遠嶺 200405
鳥翔ちしあと紅椿大揺れに 林翔 200405
藪椿ほつほつ安房の磯明かり 廣島泰三 200405
島裏に淡水の淵やぶ椿 風間史子 200405
藪椿裸灯二つの轆轤小屋 秀島みよ子 栴檀 200405
拾はれて可愛がらるる紅椿 秋千晴 200405

 亡妻へ

椿咲く島より白衣観音像

鈴木とおる 風土 200405
廻廊のゆるき勾配紅椿 門伝史会 風土 200405
有楽椿庭の要に咲き継げり 門伝史会 風土 200405
有楽椿ひろふ指先ときめきて 門伝史会 風土 200405
檜垣文の信楽焼に白椿 中村洋子 風土 200405
正面の青竹籠の白椿 中村洋子 風土 200405
山門を入ればつらつら椿咲く 保田英太郎 風土 200405
窯変に挿すも一休椿かな 林裕子 風土 200405
半身を殺ぎて椿の散りにけり 高橋瑛子 河鹿 200406
藪椿七盛塚の天蓋と 川上恵子 雨月 200406
潮騒や径細くなる椿山 川上恵子 雨月 200406
虚子塔へひらく椿の若き木も 江頭文子 雨月 200406
蘂あまた抑へきれずに椿咲く 斉藤利枝子 対岸 200406
碑面を鳥のよぎれり椿山 江本怜子 対岸 200406
弥生期も女は長寿椿咲く 江本怜子 対岸 200406
観音の固き木の椅子玉椿 荻野みゆき 対岸 200406
噛み切れぬ馬刺一切れ肥後椿 山田六甲 六花 200406
はや傷を磯の霊屋の白椿 鳴海清美 六花 200406
喪籠りの垣に咲き継ぐ藪椿 大野公子 栴檀 200406
子規堂の筆塚囲む椿花 上岡末喜 築港 200406
大輪の椿を小枝支へをり 池部久子 酸漿 200406
猿橋の谷の深きに咲く椿 青木政江 酸漿 200406
椿拾ふ子がゐて海の見ゆる坂 松井淑子 200406
寺守の熊手の中の散り椿 竹中一花 200407
肩寄せて山門椿の紅の数 丸山冬鳳 京鹿子 200407
花椿こぼれ初めたる雨の水輪 丸山冬鳳 京鹿子 200407
雨音のつながる山路籔椿 藤岡紫水 京鹿子 200407
黒椿とふもくれなゐ深きいろ 岡淑子 雨月 200407
窯場裏潮風が吹き椿咲き 辻恵美子 栴檀 200407
天水で暮らす島主白椿 三関浩舟 栴檀 200407
紅椿切子ガラスに浮かばせて 桑添礼子 栴檀 200407
ゆるやかに廻りて流れゆく椿 竹内弘子 あを 200407
一枝に二輪の椿四苦八苦す 秋千晴 200408
椿垣風がざわざわしてゐたる 真保喜代子 200408
句集なき達者幾たり白椿 堀内一郎 あを 200411
炉開へ一輪乞はる玉椿 阿部すず枝 万象 200502
椿大揺れ疾風が渡る五島灘 有働亨 馬醉木 200503
耳ちぎれさう風岬風椿 有働亨 馬醉木 200503
玉椿を一枝活けし柱かな 加藤みき 200503
参道に散り敷く椿踏み迷ふ 神田一瓢 雨月 200503
開き切るまで待てぬ鳥藪椿 稲畑汀子 ホトトギス 200503
まこと艶佐保のあけぼの椿活け 稲畑汀子 ホトトギス 200503
わが庭の五色椿へ案内して 稲畑汀子 ホトトギス 200503
椿咲き庭の春秋はじまりし 稲畑汀子 ホトトギス 200503
椿咲く限り来る鳥ある狭庭 稲畑汀子 ホトトギス 200503
血の色に椿の咲くや田原坂 木船史舟 200503
椿よし空に浮くより水に浮き 八田木枯 晩紅 200503
戸を繰りて薄氷にのる紅椿 鈴木国子 200503
情念に生きたしと思ふ椿かな 熊岡俊子 雨月 200504
紅椿萬のはじめの一鳥居 鈴鹿仁 京鹿子 200504
良寛のいろはにほへと椿咲く 神蔵器 風土 200504
六十年経ちし友の死紅椿 高倉恵美子 200504
藪椿水平線に沈む船 森理和 あを 200504
白椿宙に浮遊の月あかり 中村翠湖 馬醉木 200505
椿灯す孟宗林の入口に 神蔵器 風土 200505
どの道も海へ通へり藪椿 浜福恵 風土 200505
水光る比丘尼の道の椿かな 浜福恵 風土 200505
点々と紅や磯馴そなれの藪椿 浜福恵 風土 200505
枝潜り来たるは鵯か椿吸ふ 浜福恵 風土 200505
多聞院坂くれなゐ散らす藪椿 布施まさ子 風土 200505
花筧とて一枝の紅椿 内藤静 風土 200505
濃き色の奥になほ濃く藪椿 荒木甫 200505
席入りに一枝が馳走白椿 岩崎憲二 京鹿子 200505
乙女椿いつも床屋へ行く道に 松崎鉄之介 200505
鳥発ちし音に椿の揺れてをり 杉浦典子 火星 200505
玉くづる椿の紅の長屋門 高松由利子 火星 200505
いづれより見ても全き白椿 中上照代 火星 200505
句座に椿虚子誕辰の日なりけり 西村しげ子 雨月 200505
白椿明治この地に終焉す 堀田こう 雨月 200505
手入れよき禅林殊に白椿 村梛子 築港 200505
庭椿朝な夕なに眺めをり 白石秀雄 酸漿 200505
赤は上白は裾なる椿垣 大坪景章 万象 200505
ひらくより風にさはりし白椿 鈴木多枝子 あを 200505
弓を引く大きなかまへ黒椿 寺門丈明 あを 200505
山椿対馬暖流はしる島 九万田一海 河鹿 200506
放浪の果の小町や紅椿 山岡季郷 馬醉木 200506
藪椿踏みて脇社を詣でけり コ田千鶴子 馬醉木 200506
葉隠れの椿も数へゐたりける 加藤みき 200506
椿散る白鳳佛のうすごろも 酒本八重 里着 200506
黎明に競ふ白木蓮白椿 林翔 200506
海光にふくらみ午後の椿山 大沢美智子 200506
来し方に紅二つ三つ薮椿 西田弘 築港 200506
少年に蜜を吸はれし紅椿 星加克己 ぐろっけ 200506
藪椿寺百選の水秘むる 寺岡ひろし 雨月 200506
神主が申して柳葉椿かな 関根洋子 風土 200506
紅唐子椿点せる古今伝授の間 横田晶子 風土 200506
地にありて仰向く椿伏す椿 菅原末野 風土 200506
不破の関椿の紅を地に拡ぐ 辻恵美子 栴檀 200506
初椿いちばん先に死ぬ気なり 山元志津子 八千草 200506
椿 →5      

 

2021年4月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。