椿 3      100句

いま一つ椿落ちなば立去らん   松本たかし   松本たかし句集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初咲きの椿酒中花書にはさむ 鈴木石花 風土 200206
次の間に紅椿ある別れかな 遊橋惠美子 風土 200206
最澄は白空海は赤玉椿 川井政子 風土 200206
休憩所かこむ絞りの花椿 醍醐季世女 200206
句碑おほふ乙女椿や三室どう 谷村幸子 200206
目を過ぎるものは椿の中に入り 竹中一花 200206
海界や椿咲く道つづきをり 松下八重美 200206
我が庭の散華五彩の散椿 若江千萱 雨月 200206
海に出づ椿の道のくらかりき 安達風越 雨月 200206
京なれや菓子の宮あり玉椿 安達風越 雨月 200206
寿福寺を訪ふどの径も椿咲き 萩谷幸子 雨月 200206
咲きそめし椿のはやも潮傷み 山口裕子 200206
椿真つ赤きつと振り向かせてみせる 広渡紀子 200206
昏れ際を不意に日の射す籔椿 本橋墨子 200206
竹林につづく斜面の椿かな 別府優 200206
いはれありげな桃色椿「太郎冠者」 勝野薫 ぐろっけ 200206
問はるれば椿は花の重さなど 直江裕子 京鹿子 200207
僧堂の高さに揺れし藪椿 坊城中子 ホトトギス 200207
垣の上にかひな出でたり紅椿 宮澤さくら 遠嶺 200207
一輪の乙女椿に立往生 河内童楽 六花 200207
木の家に父の椿のまくれなゐ 雨村敏子 200207
椿咲く舟板塀の町医院 小阪律子 ぐろっけ 200207
坪庭の常寂光土貴椿 山路紀子 風土 200208
江戸図絵の麻布赤坂藪椿 高野良 帆船 200208
椿咲きくれなゐの闇ありにけり 宮原みさを 花月亭 200208
市守の屋敷の暗し紅椿 小林輝子 風土 200209
五色椿満開色の定まらず 塩川雄三 潮路 200210
飛鳥の風つらつら椿手にありて 門伝史会 風土 200211
山荘の茶室に椿西王母 足利ロ子 ぐろっけ 200212
飾り臼椿浮かせて客迎ふ 足利ロ子 ぐろっけ 200302
白椿大名邸の門閉ざし 井手由紀江 築港 200303
椿咲く海に背を向け保安林 長崎桂子 あを 200304
黒潮の恵みあまねし椿咲く 長崎桂子 あを 200304
卜伴や波郷椿は遅れをり 神蔵器 風土 200304
はるかなる蛇笏の句あり白椿 神蔵器 風土 200304
つらつら椿島の灯台タイル張り 伊藤白潮 200304
潮騒のたかぶる岬の崖椿 葛馬房夫 雨月 200304
白椿苗木に咲いてみせにけり 大串章 百鳥 200304
喫線侵すグラスに胡蝶椿かな 神蔵器 風土 200305
竹の幹紅き椿にひたと触れ 南うみを 風土 200305
くらがりを箒の音や紅椿 南うみを 風土 200305
ふつくらと乙女椿の咲きにけり 大山妙子 酸漿 200305
知らで過ぐ園の出口の白椿 松崎鉄之介 200305
紅椿斑入り美し目を見張る 上岡末喜 築港 200305
山椿真赤で小粒咲き誇る 上岡末喜 築港 200305
料亭の縁より庭へ紅椿 内山定子 築港 200305
椿山荘の椿の見ごろなる庭に 江木紀子 雨月 200305
虚子館に咲く大輪の椿かな 大塚鈴子 雨月 200305
虚子館に拾ひし椿持ち帰る 大塚鈴子 雨月 200305
厄介や散りても情の濃き椿 武井清子 銀化 200305
日に透ける少年の耳椿咲く 柳生千枝子 火星 200305
大阪の目白は黒し白椿 堀義志郎 火星 200305
椿咲く樹下にてひとのかくれけり 石脇みはる 200306
諡は円光大師貴椿 関根洋子 風土 200306
戦没者墓苑のしじま山椿 尾高せつ子 200306
山椿庭に馴染みて花開く 大房帝子 酸漿 200306
午後からの雲の片寄り藪椿 田中子 円虹 200306
大輪の椿ぽたりと真砂女逝く 荒木民子 200306
鎌倉の路地に椿のよく似合ふ 新倉舒子 200306
浦賀水道覗く足下に藪椿 須賀遊子 200306
茶店まで椿トンネル続きたり 川瀬信子 築港 200306
今日を終ふ椿ひとつをすくひとり 豊田都峰 京鹿子 200306
肥後椿今朝は鏡が笑ひけり 笠間圭子 京鹿子 200306
子守唄赤い椿の泪かな 笠間圭子 京鹿子 200306
椿咲き虚子回帰論しきりなり 大橋麻沙子 雨月 200306
おだやかな海を見てゐる椿かな 大石ひろ女 百鳥 200306
藪椿火の色抱きて活けらるる 閑田梅月 馬醉木 200307
藪椿亀の口より水を汲む 延川五十昭 六花 200307
水音の鼓打ちいる藪椿 延川五十昭 六花 200307
水墨の蕪村の軸や活け椿 延川五十昭 六花 200307
びつしり咲く乙女椿に雨強し 松崎鉄之介 200307
濤しぶきかぶる石段藪椿 白井墨絵 遠嶺 200307
河童の碑のかつぱ美男や椿咲く 柴田久子 風土 200307
椿あまた句碑もあまたの椿堂 藤田八重子 築港 200307
花椿さみしくならぬうちに発つ 市場基巳 200307
椿咲くひとつを供華に海女の墓 塩路隆子 花衣 200307
咲き満ちて闇鮮しき椿山 高橋さえ子 200307
おほかたは嘴のあとつく紅椿 遠野萌 200308
毛利氏の鬼門に椿群生す 内藤玲二 200308
玉椿風呂敷小脇の異邦人 桑原泰子 八千草 200309
初咲きの金魚椿や友の沙汰 桑原泰子 八千草 200309
五色椿もう咲く頃か白毫寺 田中時子 八千草 200310
虚子偲べとぞもちくれし椿咲く 上崎暮潮 ホトトギス 200311
開山堂日のあるうちに椿みて 岡井省二 省二句集 200312
白椿恋の呼び出しほどの紅 山元志津香 西の峰 200401
椿園海一望の丘の上 矢野洋子 対岸 200402
にぎやかに椿の蕾犇ける 郷地美代子 雨月 200403
ゆつくりと佛間に日射し白椿 服部郁史 京鹿子 200403
祈ぎごとや青蕾ひしと山椿 岡本眸 200403
魁の庭の椿を仏壇に 神原操 雨月 200404
玉椿掃いて熱めに朝のお茶 森理和 あを 200404
藪椿公園で食器洗ふ人 森理和 あを 200404
仙崖の「一円相」や椿咲く 神蔵器 風土 200404
誠山義豊大居士白椿 神蔵器 風土 200404
さきがけて島に椿の明石潟 鈴木とおる 風土 200404
父の忌来る椿の下を掃きにけり 大貫鬼灯 帆船 200404
正客の九十歳や白椿 中西道子 百鳥 200404
藪椿藪の外なること知らず 板倉幸子 築港 200404
天つ辺の椿に声のあるやうな 水野恒彦 200405
流されて水に色ある椿かな 土屋ゆたか 帆船 200405
椿→ 4      

2021年4月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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