椿 10      100句

古井戸のくらきに落つる椿哉   蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
つらつら椿もつと南の育ちなり 瀬川公馨 201207
水染めて椿の紅を流しけり 中村風信子 馬醉木 201207
杉林の傍へにひそと咲く椿 菊地崇之 かさね 201207
紅椿要のひとつ落ちにけり 石田きよし 201207
切岸の鵜の吹かれをり藪椿 岡野里子 末黒野 201207
井戸蓋にきれいなままの紅椿 坂口夫佐子 火星 201207
結界や門跡尼寺の白椿 齋藤晴夫 春燈 201207
地の果てか東支那海白椿 飯田ひでを 201207
糊こぼしてふ椿にも紅椿 宮原悦子 雨月 201207
椿園花高く咲く藪椿 田島昭久 かさね 201207
椿山越え片栗の花を見に 金森教子 雨月 201207
雨に濡れ凛と寺領の白椿 稲垣佳子 末黒野 201208
小菊橋暗渠のうえの藪椿 佐藤喜仙 かさね 201208
紅透ける椿の真昼村静か 水野範子 ぐろっけ 201208
白椿添ふて古搭婆新搭婆 吉成美代子 あを 201209
手向けある椿一輪波郷の墓 北崎展江 くりから 201209
濯ぎては水叩きては椿晒す 高瀬博子 六花 201212
曼陀羅のまん中に落つ白椿 安田優歌 京鹿子 201301
くれなゐの椿ぽつてり落ちにけり 布川直幸 201301
敷紙の椿が酒に浮かびくる 我門行男 201302
紅椿脇抜け落ちても媚もてり 丸山佳子 京鹿子 201304
今年も八十路を無事にと白椿 東秋茄子 京鹿子 201304
岬へとつらつら椿潮ぐもり コ田千鶴子 馬醉木 201304
師を偲ぶ縁となりし椿かな 原田たづゑ 春燈 201304
喪ごころに蝶も椿もうすずみに 荒井書子 馬醉木 201304
昼を灯して八重の椿のような眠たさ 池田澄子 201304
やぶ椿赤心の紅深くして 樺山翠 雨月 201305
へうたんの酒鳴りにけり椿山 山尾玉藻 火星 201305
まばたきをひとつ椿の落ちにけり 浜口高子 火星 201305
咲きつぎて椿おもたき昼下り 佐藤信子 春燈 201305
さりげなくつくばひに置き白椿 辻香秀 201305
乙女椿官庁街を彩りて 竹内悦子 201305
八重椿羽根落つ如く地に咲けり 大場光よし 風土 201305
妙蓮寺椿咲きをる妙蓮寺 竹中一花 201305
夕焼けてつらつら椿ほてりけり 古川夏子 201305
開墾を語る黒き碑椿咲く 米田文彦 かさね 201305
蠢きし椿目眩の予兆あり 和田政子 201305
訃報また大輪椿紅曇る 田中藤穂 あを 201305
信長に焼かれし寺の紅椿 高木健吉 雨月 201305
岐れ路野地蔵黙し椿散る 水野範子 ぐろっけ 201305
虚子の忌の椿求めて花屋まで 大橋敦子 雨月 201305
虚子先生ひたすら椿好まれし 大橋敦子 雨月 201305
ぬかるみに落ちし椿の白さかな 山田正子 201305
鼓の音して滝落つる山椿 杉浦典子 火星 201305
椿咲く虚子の誕日来ると咲く 磯野しをり 雨月 201305
椿咲く紅のなき世の紅として 蔦三郎 ホトトギス 201305
椿濃く岬に一石一字塚 浜福惠 風土 201305
一本に花満ち満ちて藪椿 蒲田豊彦 雨月 201306
江の島の海を見下す椿山 川井雪乃 万象 201306
紅椿こだはりもたず落ちにけり 村上倫子 201306
紅椿ふと住み古りて居りにけり 井上信子 201306
白椿すべり落ちたるメランコリー 熊川暁子 201306
白椿天蓋となす千家墓碑 桜井知恵子 雨月 201306
「頬笑み」てふ夫が遺しし椿かな 大嶋洋子 春燈 201306
火の色の祈願袋や玉椿 江島照美 201306
目印の椿満開美術館 仁平則子 201306
秀吉の息吹いまなほ椿寺 松田和子 201306
門前の乙女椿に迎へられ 佐藤喜仙 かさね 201306
落ちにけり雨の椿の真白なる 筒井八重子 六花 201306
藪椿やぶのおほかた花まみる 深澤鱶 火星 201306
小流れを追ひつ追はれつ藪椿 福本すみ子 201306
灯の下に夜の椿となつてをり 近藤喜子 201306
金剛山の風の冷たき藪椿 根本ひろ子 火星 201306
ぬかるみのひかり蔵せり椿山 深澤鱶 火星 201306
御成門に咲き継ぐ五色椿かな 堀田恵美子 雨月 201306
椿見て日向に出でし利休の忌 戸栗末廣 火星 201306
椿咲く再会信じ友送る 伊吹之博 京鹿子 201306
散椿盆に山盛り虚子忌かな 萩原すみ 春燈 201307
砂に落ち音の滲まぬ白椿 鳥居美智子 ろんど 201311
呆気なき訣れなりけり白椿 久保久子 湖心 201402
二百回重ね来しこと梅椿 稲畑汀子 ホトトギス 201402
島椿ひとのいまはの海の景 竹内弘子 あを 201403
いく度も植ゑ替へ五色椿かな 稲畑汀子 ホトトギス 201403
五色にはあらねど五色椿かな 稲畑汀子 ホトトギス 201403
今日も来るつがひの目白椿咲く 吉成美代子 あを 201404
父母も兄も白玉椿あたりかな 加藤みき 201404
金をさす茶碗めでたし あて 椿 神蔵器 風土 201404
椿の夜父のふところ膨らめる 山尾玉藻 火星 201404
よく晴れて朝刊の音椿の音 井上信子 201405
白椿老いたりと言ひまだと言ひ 井上信子 201405
引き売りが椿の門に声かけし 西村節子 火星 201405
一湾の力ーブ大きく紅椿 市ヶ谷洋子 馬醉木 201405
白波に囲まれ島の紅椿 野上杏 201405
藪椿垣間見へたる浄土かな 前田美恵子 201405
騙されてみたき時あり紅椿 森下康子 201405
床の間に利久好みの白椿 中道愛子 201405
教会と椿の島に母老ゆる 城台洋子 馬醉木 201405
川向うにあり清姫の黒椿 高松由利子 火星 201405
紅椿人恋ふこころ捨て切れず 岩月優美子 201406
紅椿白魚句碑を荘厳す 味村志津子 雨月 201406
唐大和上東征伝地に椿 雨村敏子 201406
白玉の椿にかはる紅椿 原田たづゑ 春燈 201406
白椿活けて静寂や写経の座 加藤北天 雨月 201406
山椿天王山に降る霊気 谷岡尚美 201406
修羅の世にかくもましろく白椿 西川保子 春燈 201406
山祇へ切り岸伝ひ紅椿 岡淑子 雨月 201406
白椿散り敷く坂や逢ひにゆく 中村紀美子 春燈 201406
つづけざま落ちし椿の嵩なりし 藤本千鶴子 火星 201406
紅椿胸に明りが灯るやう 大谷信子 201406
つらつら椿ここで二時間歳とって 火箱ひろ 201406
椿→ 11      

 

2022年4月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。