椿 11      106句

暁の釣瓶にあがるつばきかな   荷兮

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
てのひらの法輪文や椿咲く 雨宮桂子 風土 201406  
人知れず海恋ふ色の白椿 浜福惠 風土 201406  
足摺の岬鎮まり玉椿 宮地静雄 末黒野 201406  
ひとつ咲く乙女椿に耳澄ます 辻知代子 201406  
通りしは郵便夫のみ藪椿 小川凉 201406  
紅椿咲ききつてより花昏し 齊藤眉山 末黒野 201407  
おそらくやこれより美しき椿見ず 宮崎左智子 201407  
南蛮の小壺親しき藪椿 呉屋菜々 万象 201407  
濃密に生きたしといふ紅椿 寺田すず江 201407  
白椿唯足るを知る手水鉢 田渕昌子 京鹿子 201407  
目かくしの椿よく咲きよく落つる 松田泰子 末黒野 201407  
白椿のちに汚点を残すとは 鈴鹿けい子 京鹿子 201407  
おのづから椿の重さ咲き揺るる 松田泰子 末黒野 201407  
紅椿鮮やかに陽を押し返す 青野安佐子 201407  
笑ふごと蕊むきだしに大椿 岡野ひろ子 201407  
禅寺へ突き当たる路地藪椿 松本三千夫 末黒野 201407  
太閤の金の茶室に白椿 布川孝子 京鹿子 201407  
地に椿空に椿や山の道 雨村敏子 201407  
美術館へ椿の空のありにけり 雨村敏子 201408  
蕊の奥覗き次ぐ世も八重椿 伊藤希眸 京鹿子 201408  
百千の椿散り果て麻酔覚む 佐藤雄二 万象 201408  
靴の紐締めて径の山椿 吉田きみえ 末黒野 201408  
送水会果てたる闇の椿かな 田中佐知子 風土 201411  
みつしりと椿の闇の厚みかな 有松洋子 緑光 201411  
揺れるつばきゆれざる椿夜の雨 堀内一郎 堀内一郎集 201412  
青空に己を描く椿かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201412  
酔うてゐるほどの椿の色であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201412  
夕日より色を授かる恋椿 藤井杏愛 京鹿子 201501  
白椿あつめて濁り酒かもす 竹内弘子 あを 201502  
酔うてゐるほどの椿の色であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201503  
青空に己を描く椿かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201503  
人去りて椿大樹の照りまさる 井上信子 201504  
山椿ぽとりと池に春動く 愼野あさ子 風土 201504  
今日といふ未知の明けゆく白椿 愼野あさ子 風土 201504  
鳶の輪の見るみる縮み磯椿 コ田千鶴子 馬醉木 201504  
つくばひに椿置きゆく竹箒 坂口芙佐子 火星 201505  
明日ありと蕊あきらかに紅椿 渡部良子 馬醉木 201505  
散り敷ける夜泣きの椿触れ合はず 工藤ミネ子 風土 201505  
紅椿九十の手の「茶筌塚」 間島あきら 風土 201505  
スカートの乱れの様に椿咲く 須賀敏子 あを 201505  
赤に桃斑の咲きし椿かな 森理和 あを 201505  
眞赤なる椿に倦きる日差しかな 山荘慶子 あを 201505  
壺中の天軸と椿と畳かな 竹内悦子 201505  
葉隠れに椿蜜吸ふ雨の鵯 飛高隆夫 万象 201505  
利休忌や寝しなに見しは白椿 鳥居美智子 ろんど 201505  
しばらくは乙女椿に沿ふ小道 大島英昭 やぶれ傘 201505  
八方へ向く大輪の椿かな 安藤久美子 やぶれ傘 201505  
亡き母は椿を好み帯柄にも 東秋茄子 京鹿子 201505  
太陽に挑みし椿山めらめら 近藤喜子 201506  
落ちてなほ煩悩見ゆる紅椿 岩月優美子 201506  
奉納の石灯籠や花椿 杉原ツタ子 201506  
ひたひたと波の音する椿山 寺田すず江 201506  
乙女椿若さ気づかず過ぎにし日 江木紀子 雨月 201506  
八重椿咲くも落つるも華やかに 服部珠子 雨月 201506  
紅椿唐人お吉の墓を撫で 福岡かがり 雨月 201506  
池に落つなほ盛んなり藪椿 溝渕弘志 六花 201506  
かほ伏せて落ちし椿を起こしゐる 塩貝朱千 京鹿子 201506  
つちつら椿父は短気で筆まめで 波戸辺のばら 201506  
一輪の椿を活けて客間とし 國保八江 やぶれ傘 201506  
落場所を探してをりぬ八重椿 大坪景章 万象 201506  
椿とぶ風かおしやれか高齢か 大坪景章 万象 201506  
塵取にきのふの椿溢れしむ 内海良太 万象 201506  
乙女椿ほろほろ蕾落としつつ 飛高隆夫 万象 201506  
くれなゐの卜半椿とふはこれ 内藤静 風土 201506  
影引きて落ちて行くなり白椿 内藤静 風土 201506  
谷戸の里つらつら椿つらつらに 安永圭子 風土 201506  
酒中花椿咲きて句会に連なりし 和田絢子 春燈 201506  
老いらくの夢の名残や京椿 齋藤晴夫 春燈 201506  
女には通す意地あり紅椿 溝越教子 春燈 201506  
落ちてなほ風に震へる白椿 溝越教子 春燈 201506  
馬子唄の流るる妻籠八重椿 田中臥石 末黒野 201506  
ひねもすを雨のつらつら椿かな 岡田史女 末黒野 201506  
餌を探す鵯の動きや藪椿 高橋光民 末黒野 201506  
花椿明日散るために揺らぎをり 風間史子 201506  
西方に椿の落つる音したる 山本則男 201506  
白椿寡婦となりにし友とゐて 亀井紀子 201506  
遊び場は赤い椿の薬師さま 柴田志津子 201506  
急湍に落ちて椿の向きかはる 千波悠 201506  
病む夫の書を読む窓辺椿咲く 長山あや ホトトギス 201507  
喪の庭に赤を尽してゐる椿 松井志津子 201507  
紅椿石田波郷の墓所なれば 内藤静 風土 201507  
老境の落ちつく処紅椿 中村三郎 京鹿子 201507  
冠木門の藤村旧居白椿 今村千年 末黒野 201507  
用水に落ちし白椿びゃくちん挙手の礼 大坪景章 万象 201507  
鴨塚に大き一輪紅椿 島野ひさ 万象 201507  
ひつそりと落ちて嵩なす椿かな 佐津のぼる 六花 201507  
乙女椿漢まばたき忘れけり 廣畑育子 六花 201507  
塵取をすつかりおほふ椿かな 佐藤恭子 あを 201507  
偲ばるる虚碧椿の赤と白 安原葉 ホトトギス 201508  
椿活けて雨の一日すぎにけり 白石正躬 やぶれ傘 201508  
落つる椿下の椿を落としけり 白石正躬 やぶれ傘 201508  
団子虫も椿も掃きて春暮るる 浅井敦子 万象 201508  
椿山荘の婚いく組も蛍の夜 福岡かがり 雨月 201509  
沈むかに浮いて椿の流れけり 大崎紀夫 虻の昼 201510  
一つ折つて白洲次郎の恋椿 神蔵器 風土 201510  
殉教の島をおほへり藪椿 原田達夫 箱火鉢 201511  
結界のあれば越えたき紅椿 中原幸子 船団 201512  
くれなゐの卜半椿といふはこれ 内藤静 風土 201512  
散りぎはの椿の動悸伝はりて 片山煕子 京鹿子 201601  
藪椿おもたきまでの眠さかな 畑佳与 京鹿子 201601  
鞠つけば唄におくるる紅椿 石川倜子 馬醉木 201602  
散るものを嘲笑ふかに椿咲く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602  
横川路の椿待たるる日と思ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201602  
喪の家に佗助椿咲きをりぬ 黒澤登美枝 201602  
椿咲いて夫婦茶碗の当り前 高木晶子 京鹿子 201603  
椿大樹暁雲と夕日差 井上信子 201603 椿→ 1

 

2020年4月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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