登 山 3   100句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
暫らくは欄間に安置登山杖 佐藤山人 200809
昨夜の雨一気にあがり登山靴 妹尾貞雪 春燈 200809
筒鳥や登山者の鈴遠ざかり 白石正躬 やぶれ傘 200809
童らの焼印さはに登山杖 小林碧郎 馬醉木 200810
登山具を糶にかけをり夏痩せて 小林碧郎 馬醉木 200810
登山道身を傾けてすれ違ふ 山下由理子 200810
雷鳥の子に道ゆづる登山隊 山田春生 万象 200810
金輪際ふめぬお箸が登山口に 丸山佳子 京鹿子 200810
もう次へ踏み出す構へ登山靴 加藤美代子 炎環 200810
鈴付けて母の遺しし登山杖 柴崎甲武信 月日 200811
湯の宿に登山の汗を流しけり 渡辺安酔 200811
登山小屋夜風けものの声発す 西村梛子 馬醉木 200811
早起き会とて集まりし朝登山 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200811
訥辯の強力が指す登山地図 佐藤山人 200811
登山靴みがきこの世を無器用に 小谷延子 万象 200811
水音に足を速めて登山の子 平井澪子 六花 200811
登山帽四つ足となり岩場攀づ 藤原照子 200909
新宿の夜にまぎれし登山帽 古屋元 200909
風の情にほだされてゐる登山帽 片桐てい女 春燈 200910
五合庵濡れ縁にあり登山帽 加藤美代子 炎環 200910
登山電車窓いつぱいに夏の山 田島洋子 200911
登山靴劣化進んでゐたりけり 野田美子 200911
予定なき登山靴なり磨くなり 田村園子 200911
ひたすらにしりとり遊び登山道 平居澪子 六花 200911
登山の荷上がり框に降ろしけり 若井新一 200912
爽籟は木々のコーラス登山道 宮入河童 200912
九条を守る兄貴の登山帽 有本勝 ぐろっけ 200912
娶らざる不惑男の登山靴 穐好樹莵男 馬醉木 201008
すぐ寝つく若さ羨む登山小屋 鷹羽狩行 201008
登山口に赤いポストにもさようなら 丸山佳子 京鹿子 201009
熊笹の樺にかはる登山道 箕輪カオル 201009
登山道地獄の一、二、三丁目 島内美佳 ぐろっけ 201009
平坦な道を横切り登山径 湯川雅 ホトトギス 201010
登山地図と重ねし歌の小冊子 山田美恵子 火星 201010
ダウンロードサービス登山地図にまで 後藤比奈夫 ホトトギス 201011
味の良き空気と気付く登山基地 浜田南風 201011
休む間も紐をゆるめず登山靴 望月晴美 201011
登山靴のリズムを刻むがれ場かな 柿沼盟子 風土 201011
父の娘と労りあひつ夏登山 伊吹之博 京鹿子 201011
曲るたび空に近づく登山バス 渡部志津子 201012
髪も眼も歯も借りものよ登山靴 鈴木浩子 ぐろっけ 201012
アルプスの登山口なりななかまど 宮田香 201101
登山靴磨きて明日の峰仰ぐ 杉本光 201101
猪の小屋の前より登山道 須賀敏子 あを 201102
山ガールてふ色彩の登山客 年森恭子 ぐろっけ 201108
登山道頂きまでの御詠歌碑 井山幸子 万象 201108
ゴンドラやリフトで登山蔵王岳 だいじみどり 201109
山頂へ四粁登山ここらまで だいじみどり 201109
登山電車青水無月の底方発 久染康子 201109
帽深く被り直して登山口 鈴木照子 201110
雪渓をゆく豆粒の登山隊 室伏みどり 雨月 201110
一筋の煙の匂ふ登山小屋 成田美代 201111
槍恋ひし穂高恋ひしと登山地図 後藤比奈夫 ホトトギス 201112
登山地図お花畠を鏤めて  後藤比奈夫 ホトトギス 201112
登山道より山霧の降りてくる 高倉和子 201201
猪垣に錠かけてあり登山道 平居澪子 六花 201201
杖つけば皆登山めく歩みかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
重装備解かず憩へる登山帽 湯橋喜美 201208
生涯で一度の登山富士の山 藤見佳楠子 201209
明易し火を焚いてゐる登山口 城孝子 火星 201209
富士登山湧き立つ雲の下にみゆ 吉田博行 かさね 201210
仰ぎ見て続く急峻富士登山 吉田博行 かさね 201210
しんがりに気息を合はせ登山帽 石黒興平 末黒野 201210
登山道ここより舗装途切れゐて 田中佐知子 風土 201210
登山帽鐔より雨の滴り来 石井美智子 風土 201211
解散の声はきはきと登山果つ 石井美智子 風土 201211
登山靴漸く馴れて雲の上 降幡加津 ろんど 201211
遭難碑までの登山でありにけり 藤浦昭代 ホトトギス 201212
バス降りて意気軒昂の登山口 松本文一郎 六花 201212
徳島の街の真ん中てふ登山 稲畑廣太郎 ホトトギス 201305
ここからが登山道です油瀝青 森理和 あを 201306
登山道崖を守れる著義の花 田中清秀 かさね 201307
登山地図晴の日の色にて描かれ 後藤立夫 ホトトギス 201310
登山客へ魚沼産の握飯 鈴木照子 201310
登山地図に夫の口上ありにけり 箕輪カオル 201310
梅雨明くる天保山の登山証 杉浦典子 火星 201310
登山帽歩幅小さくなりしかな 水原春郎 馬醉木 201311
雌岳より雄岳に向かふ登山杖 石田きよし 201311
登山道白く明らか山眠る 河村啓花 ろんど 201403
登山めく飛火野といふ斜面かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201407
もう登山出来ぬ足弱とはなりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201407
城跡へ向かふ身幅の登山道 鈴木石花 風土 201408
囀りや紐とり替ふる登山靴 野畑さゆり 201408
来れるかと夫の手伸びる登山かな 山ア里美 璦別冊 201408
足湯して八海山登山語り合ふ 森山暁湖 万象 201409
禅寺に長逗留の登山靴 柴崎甲武信 春燈 201409
熊除けの鈴鳴る登山バスの中 鈴木照子 201409
熊よけの鈴の追ひ越す登山道 樺山翠 雨月 201411
万緑を縫ひゆく登山電車かな 石黒興平 末黒野 201411
絵を貼りて羆注意の登山口 戸田春月 火星 201411
外つ国の人と唄へり登山宿 成田美代 201411
紐ゆるめ流れに濯ぐ登山靴 成田美代 201411
登山鉄道最後に載せる師走の荷 甲州千草 201502

 爲殘したこと

チンドン屋ピアノ初戀富士登山

佐藤喜孝 あを 201506
登山靴のまま焼香の列に在り 片桐てい女 春燈 201507
登山靴履くや身の内軽くなる 藤森すみれ 201507
新旧の疵の息づく登山靴 布川直幸 201507
滝道を過ぎて登山となりにけり 大橋晄 雨月 201507
礼文島の土に汚れし登山靴 林いづみ 風土 201508
熊笹を膝の分け行く登山口 丸山美奈子 馬醉木 201509
走り根を大股で行く登山帽 中島昌子 201509
仰ぎ見る尾根に登山の影小さし 羽賀恭子 201509
見え隠れせり林道の登山帽 安斎久英 末黒野 201509
登山靴風通したる晴間かな 野畑さゆり 201510
筆圧の強きの集ふ登山口 安居正浩 201510
登山帽褪せたる夫の記憶はも 密門令子 雨月 201510
登山靴踊りの輪からはみだせり 奥田茶々 風土 201511
これよりの道に登山の靴固め 山田佳乃 ホトトギス 201512
草の実や測量技師の登山靴 斉藤マキ子 末黒野 201602
登山 →4

 

2023年7月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。