登 山 1   100句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
石斛の香や雨過ぎし登山口 水原春郎 馬醉木 199808
すべり落ちる材木があり登山口 石井哲夫 海程 199810
登山小屋鼾の壺となりにけり 金藤優子 199811
日当りて十一月の登山道 神蔵器 風土 199901
登山靴下して空に峰さがす 川島ひとみ 船団 199909
登山靴ならぶ駅舎の露天風呂 田中よしとも 酸漿 199910
登山小屋熊に注意の十か条 藤野佳津子 円虹 199910
登山小屋主と犬と霧の灯と 井田実代子 雨月 199910
登山口羆除けの笛二度三度 藤村美津子 春耕 199910
たたみ目に既にし迷ふ登山地図 利根川博 銀化 199910
火祭の薪粗積みに登山口 山岸治子 馬醉木 199911
体重に等しきほどの登山の荷 山田夏子 雨月 199911
すれちがい挨拶かわす登山人 長谷川登美 ぐろっけ 199912
こまごまとはこべの花や登山駅 皆川盤水 春耕 200005
登山靴ゆるめ丸太のごと眠る 中村翠湖 馬醉木 200009
開くたび木酢匂ふ登山地図 中井和子 200009
登山電車空の孤島に到着す 吉村玲子 円虹 200009
カウベルや登山列車が喘ぎくる 梅谷昌弘 俳句通信 200009
登山バス尻振り首振る九十九折 佐藤真次 200010
登山小屋女の寝息深きかな 大木あきら 春耕 200010
よく晴れしこと口々に登山口 高野清風 春耕 200010
登山隊女性を女扱ひせず 阿部寒林 200010
登山隊絶頂にして隊を解く 阿部寒林 200010
登山者の呼応は何んの意味もなし 阿部寒林 200010
帽灯にしるす登山簿火蛾放つ 山本雅子 馬醉木 200011
登山服替えてヒュッテの客となる 渕江千代 酸漿 200011
登山電車這ふやうに崖登り来る 落合絹代 雨月 200011
娘に借りし登山靴干し夏終る 大津留いほり 200011
美女平までは混み今ひ登山バス 田口千恵子 200012
兄妹の齢に似合わぬ初登山 林田加杜子 いろり 200102
宝登山の梅それぞれに主張して 須賀敏子 あを 200104
登山道猫と歩きしみどりの日 柴田美佐子 いろり 200106
富士消して闇に登山の灯を置きし 稲畑汀子 ホトトギス 200107
霧をゆき父子同紺の登山帽 能村登四郎 200108
薫風や塩盛る阿蘇の登山口 原茂美 春耕 200108
土蹴つて乗れよとばかり登山馬 細野みさを 200109
登山バス一人乗り来て三人に 竹内美知子 200109
額の花登山電車の灯に浮かぶ 阿久津都子 春耕 200109
万緑や記帳台置く登山口 足立登美子 春耕 200109
歩ましむちからよ登山道にあり 亀丸公俊 銀化 200109
担ぎきし荷物枕に登山小屋 北吉裕子 俳句通信 200110
夥しき夫の登山具そも遺品 密門令子 雨月 200110
登山靴万年雪に締め直す 金森教子 雨月 200110
五合目まで登山馬にて往診す 永野秀峰 ぐろっけ 200110
乗換への駅に賑はふ登山帽 今井忍 ぐろっけ 200110
列組みてより無言なる登山隊 柴田修作 200111
登山靴慣らす古道の女坂 今井忍 ぐろっけ 200111
ななかまど途切れなき道登山電車 中川濱子 ぐろっけ 200112
天空に指紋を残す富士登山 鶴濱節子 船団 200202
立春に登山シューズの置かれたり 福田みさを いろり 200203
兄妹のまだ元気なり初登山 林田加杜子 いろり 200203
月山の峰遠くなり登山杖 河合笑子 あを 200207
富士山を汚なしといふ登山帽 小田元 六花 200207
葉桜やポケットにある登山証 小田元 六花 200207
木の香たつ杖の置かるる登山口 竹内喜代子 雨月 200207
一列にぬぎ揃へたる登山靴 梅村達子 帆船 200208
水筒に汲む岩清水登山口 滝川あい子 雨月 200208
こぼれつぐ水木の花や登山口 小林優子 酸漿 200208

 坂倉登喜子女史

登山隊率ゐる卒寿凛として

渡辺立男 馬醉木 200209
新田次郎の碑より始むる登山かな 金森信子 雨月 200209
水詰めて登山の靴の紐結ぶ 田中よしとも 酸漿 200209
手離さぬ登山靴あり群青忌 渡辺立男 馬醉木 200210
金剛の力を発揮登山杖 池谷市江 200211
秋口の登山口にてはや渇く 中原道夫 銀化 200211
細々と登山の注意駅に貼る 鵜飼紫生 雨月 200211
登山靴八方へ散る飛蝗の弧 森理和 あを 200211
岩道に命かけ子と登山する 鈴木てるみ ぐろっけ 200211
登山電車に朝餉のりんご丸齧り 加藤廣子 火星 200212
岩山の登山電車よ桔梗咲く 川島澄子 酸漿 200212
ついていけるかと思案す登山口 鈴木てるみ ぐろっけ 200212
ななかまど高度二千の登山駅 松本淳子 対岸 200212
吊橋を渡りこれより登山道 打田みえ 築港 200302
登山口すでに難所でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200307
地図に無き道を分け入り登山帽 荻野みゆき 対岸 200308
断念をするも勇気よ登山靴 佐保美千子 円虹 200309
暗やみの灯をめざしゆく富士登山 原田千寿子 雲の峰 200309
声高に笑ひ聞こゆる登山口 原田千寿子 雲の峰 200309
溶岩を踏み鳴らし行く登山馬 原田千寿子 雲の峰 200309
遭難のレリーフ霧の登山口 小田知人 ぐろっけ 200309
霧雨に初蝉鳴けり登山口 大内恵 酸漿 200310
夕星の手に触るるかに登山宿 清水和子 酸漿 200310
積み残す人なく登山バス発車 二村蘭秋 雨月 200310
磨り減るも頼りとなりぬ登山杖 二村蘭秋 雨月 200310
登山小屋小さき小さきランプ吊る 二村蘭秋 雨月 200310
風荒しラジオ頼りの登山小屋 二村蘭秋 雨月 200310
僧坊に脱ぎ捨ててあり登山靴 塩谷康子 百鳥 200310
登山小屋マヨネーズが立つてゐる 須佐薫子 帆船 200310
けもの道登り高鳴る登山鈴 岡田有峰 築港 200310
雷除の護符しのばする登山の荷 小森泰子 馬醉木 200311
教師ゆゑ弱音を吐けぬ登山かな 青野菜緒子 ホトトギス 200311
山彦を確かめながら登山の子 青野菜緒子 ホトトギス 200311
苦も楽も登山仲間といふ絆 山澄陽子 ホトトギス 200311
平地より岩場に軽し登山靴 山澄陽子 ホトトギス 200311
登山者にスイッチバックはじまりぬ 千原叡子 ホトトギス 200311
登山帽振りて木陰に友を待つ 石田風子 ホトトギス 200311
登山道消えて水禍の跡辿る 石田風子 ホトトギス 200311
大地踏む音確かなる登山靴 石田風子 ホトトギス 200311
帽子乗せ明日を待ちゐる登山の荷 中島真沙 ホトトギス 200311
富士登山して富士山を見ざりけり 小池星児 ホトトギス 200311
余白ある遭難碑ある登山口 小池星児 ホトトギス 200311
登山→ 2      

 

2021年7月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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