唐 黍     66句

唐黍やほどろと枯るる日のにほひ    芥川龍之介

もろこし  玉蜀黍  唐黍

作品
作者
掲載誌
掲載年月
犯すかにcを剥く両の栂指 中島進二 銀化 199811
蒙塵の道に唐黍簾かな 松崎鉄之介 199811
好機嫌唐黍と白菜を食べて 金子兜太 海程 200006
唐黍の早生の花穂や五月尽 八田與四郎 酸漿 200008
納西なし族の村落かくす唐黍畑 松崎鉄之介 200012
母に似し唐黍売りの潮来路を 福田町子 春耕 200111
朝捥ぎし唐黍積みて帰京せり 成澤桂助 百鳥 200111
開拓碑囲み唐黍風に鳴る 海老澤映草 春耕 200112
北国より唐黍届くあをあをと 芝宮須磨子 あを 200210
唐黍の花のびらびら村の午後 奥田筆子 京鹿子 200210
唐黍を背負ひ吊橋帰り来る 森理和 あを 200210
風抜けて唐黍畑の照りかげり 宮沢千恵子 200312
金髪の唐黍人形妹とす 品川鈴子 ぐろっけ 200410
無造作に実る唐黍山の駅 佐藤千代子 帆船 200410
地震去る唐黍畠騒がせて 宮津昭彦 200509
主婦たちに青唐黍の蔭たのし 瀧春一 菜園 200509
つぎつぎに露の唐黍うち倒す 瀧春一 菜園 200509
唐黍は熟れ赤ん坊這ひまはる 瀧春一 菜園 200509
逝きし日の風の唐黍畑かな 高尾豊子 火星 200510
嵐めく雨の唐黍畑かな 水田清子 200511
唐黍の葉擦れのさやぎ送り盆 谷田部栄 万象 200511
日本海より暮るる唐黍熱し 浜口高子 火星 200512
村歌舞伎唐黍畑へ灯をこぼす 鎌須賀礼子 万象 200602
種唐黍かんかん硬し寒を経て 瀧春一 瓦礫 200606
妻のちから枯唐黍を仆しゆく 瀧春一 常念 200606
唐黍の琥珀の玉に土を被せる 瀧春一 瓦礫 200606
雨の粒唐黍の花しろがねに 宮津昭彦 200609
唐黍を焼いてをりたる屋形船 大城戸みさ子 火星 200611
唐黍を茹でるに邪魔となる眼鏡 笹原紀世子 200612
唐黍や十勝平野の畝長し 鈴木清子 遠嶺 200612
晩凉や唐黍の風葭の風 瀧春一 200706
星屑の殖えて唐黍ふとりたる 辻直美 200712
唐黍焼く忍野八海水清し 芦澤一醒 200712
唐黍のぴちぴち爆ずる村まつり 森ひろ 馬醉木 200801
唐黍の畑に浪音湧くごとし 宮津昭彦 200810
涼風に乗る唐黍の香りかな 鴨下昭 200811
唐黍の湯気の曇らす子の位牌 大村峰子 万象 200811
唐黍の花の高さの揃ひたる 廣瀬雅男 やぶれ傘 200909
唐黍を捥ぎて米寿のたくましき 室谷幸子 万象 200911
道問うて唐黍一本戴きぬ 小原登志春 雨月 200912
唐黍に板歯をつかふ翁かな 佐藤喜孝 あを柳 200912
高原の唐黍の香の流れくる 二見淑子 遠嶺 200912
唐黍の葉騒や五島灘昏れて 荒井千佐代 201011
唐黍の窓辺に映ゆる蕎麦屋かな 小泉和代 酸漿 201101
残されし唐黍吾子の歯形つけ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
唐黍を焼く薄口の香を広げ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
唐黍を焼く昔日の餓鬼大将 中山皓雪 201212
唐黍の芯のやうなる人であり 今井春生 201310
黒髭の唐黍もぐに躊躇なし 山口ひろよ 201312
唐黍の剥し甲斐ある実入りかな 金田けいし ろんど 201312
唐黍のひげとび出せり籠の穴 宮田香 201411
父の村唐黍畑の風の音 田中藤穂 あを 201510
鶏小渥のにほひ唐黍畑まで 根橋宏次 やぶれ傘 201511
唐黍の林立に雲流れけり 宇都宮敦子 201511
果てみえぬ唐黍畑風渡る 加藤静江 末黒野 201512
唐黍を齧り歯科医でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
橋の上ふと聞こえたる「唐黍」と 佐藤恭子 あを 201612
唐黍の林立に雲流れけり 宇都宮敦子 201702
唐黍や朝靄の中動くもの 秋川泉 あを 201909
唐黍や白い歯並の離島の子 太田良一 末黒野 202004
唐黍の粒の整列焼かれゐる 伊藤希眸 京鹿子 202011
唐黍の香に誘はれて直売所 森なほ子 あを 202012
唐黍を手折れば戦後香りけり 辻泰子 春燈 202210
唐黍やうれしさの粒ぽろぽろと 森清堯 末黒野 202211
茹でたての唐黍齧る円居かな 京極久也 末黒野 202212

 

2023年8月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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