もろこし     70句

病膳にもろこしの期のまばゆき日   長谷部朝子   暖流

もろこし  玉蜀黍  唐黍

作品
作者
掲載誌
掲載年月
もろこしを咲かせ結核療養所 山尾玉藻 火星 199907
菜園のとうもろこしは歯ぬけなり 長谷川鮎 ぐろっけ 199910
ひぐらしやもろこしの皮そり返り 浜口高子 火星 200010
産み月の牛にもろこし茹でにけり 富岡伸子 春耕 200109
ひと畝のとうもろこしに夕日さし 中道錦子 200208
もろこしを焼き望郷の山河あり 渡邉友七 あを 200210
素顔なりもろこし焼をよく噛んで 佐藤よしい 風土 200211
応援部焼くもろこしやボート場 本山卓日子 京鹿子 200211
もろこしを干して山家の窓塞ぐ 野田光江 雨月 200212
裕次郎忌たうもろこしを二本食ふ 伊藤白潮 200309
住めば都たうもろこしの花ざかり 伊藤春生 帆船 200309
もろこしで髭をこしらえ鬼に化け 八木紀子 ぐろっけ 200309
もろこしを食ぶる峠も阿蘇のうち 阿波野青畝 ぐろっけ 200309
とうもろこし実の髭育ち雨兆す 島崎勇作 酸漿 200310
焼もろこし積みて早出の客を呼ぶ 阿部文子 酸漿 200310
もろこしの髭の日々濃くなりにけり 兼子栄子 酸漿 200310
茄子の馬もろこしの尾のふさふさと 三好かほる 万象 200410
もろこしの隊列くがねなしてけり 大橋敦子 雨月 200410
子の泣ける家もろこしを焼く匂ひ 土屋酔月 火星 200411
三人に書けりとうもろこしの礼 伊藤白潮 200508
もろこしに移民せし日を語る人 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
千代田区に曳き売のくるたうもろこし 杉浦典子 火星 200510
お談義はたうもろこしの茹で加減 佐々木新 春燈 200512
にほひくる焼きもろこしの香に至福 二村蘭秋 雨月 200601
もろこしの皮の重層一気に剥く 服部早苗 200602
とうもろこし釜茹でにして米を見ず 瀧春一 瓦礫 200606
もろこしの茹で湯を馬のよろこべり 滝沢伊代次 万象 200609
観音坂魔除けもろこし焼く匂ひ 河島瑞子 万象 200612
もろこしの振分け干しや藁庇 渡部節郎 200612
もろこしや谷間ヴァリーと呼ばれてゐる大地 柳川晋 200711

 浅間山噴火の死者祀る

拓農の焼もろこしを観音に

手島南天 万象 200801
唐もろこし乱食ひをして叱られる 椿和枝 200910
一本のたうもろこしを持てあまし 鎌倉喜久恵 あをかき 200910
病食にたうもろこしの初を食む 岡野ひろ子 201009
もろこしや囲碁名人のにきび顔 高橋泰子 201010
とうもろこしのハーモニカ食ひ成長期 杉本綾 201011
にににににとうもろこしにかぶりつく 貝森光洋 六花 201012
唐もろこし年月ほぐすやうに食ぶ 椿和枝 201110
きしきしとたうもろこしを採りにけり 大島英昭 やぶれ傘 201111
青臭し初もろこしの直売所 赤座典子 あを 201208
もろこしの大束小束太梁に 松岡和子 201211
車座の黙つてかじる焼もろこし 河崎尚子 火星 201211
かさかさと昼のとうもろこし畑 大崎紀夫 やぶれ傘 201309
唐もろこし齧る歯並の良き媼 北尾章郎 201311
もろこしのひげの湿りてをりにけり きくちきみえ やぶれ傘 201311
秋の雨たうもろこしがお買得 吉成美代子 あを 201312
北国のもろこし届くクール便 島玲子 風土 201312
もの捜せば見つけてたうもろこしの種 定梶じょう あを 201405
土饅頭囲みたうもろこし育つ 江見悦子 万象 201410
ジム帰りたうもろこしを求めけり 松村光典 やぶれ傘 201410
もろこしを焼くや焦げ目の醤油の香 新井八重子 末黒野 201412
白昼夢たうもろこしの髪を梳く 堀内一郎 堀内一郎集 201412
もろこし焼く子らは遠くに離れ住み 多方清子 雨月 201501
取れ立てのもろこしほぐす離乳食 大内和憲 万象 201511
朝市のもろこし青き匂ひかな 大橋伊佐子 末黒野 201512
にはとりの鳴いてたうもろこしの花 根橋宏次 やぶれ傘 201609
ひとしきりたうもろこしを手折る音 根橋宏次 やぶれ傘 201611
事故現場トウモロコシが立っていた 秋山泰 船団 201702
もろこしの花堂々と一坪に 窪みち子 201712
つぎはぎの夢に弟焼きもろこし 田中藤穂 あを 201810
海鳴りに近くたうもろこしの花 大崎紀夫 やぶれ傘 201910
もろこしや一歯たりとも欠けあらず 太田チヱ子 末黒野 201911
もろこしの焦げ目飛び飛び道の駅 野口希代志 やぶれ傘 202002
雨が葉に当たるたうもろこし畑 大崎紀夫 やぶれ傘 202010
たうもろこしを砲弾のごと積んで 有賀昌子 やぶれ傘 202010
茹でもろこし昼餉に付きて快復期 斉藤マキ子 末黒野 202011
もろこしを焼くや醤油の香り立て 森竹治郎 末黒野 202103
軒に吊るもろこし隠れ里の冬 小倉征子 202105

 

2021年8月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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