トマト 3     100句

千万の宝にたぐひ初トマト  杉田久女  杉田久女句集

トマト  蕃茄・赤茄子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鉢植ゑに育つ一口トマトかな 廣瀬義一 雨月 201110
山麓のたこ焼き店に冷えトマト 坂根宏子 201111
井戸水に採りたてトマト冷やしけり 能勢栄子 201208
黒白はつけずトマトを舟形に 田原陽子 201208
ビニール傘主柱に継がれトマトの木 足立良雄 201208
はや支柱長きに替ふるトマト苗 柿沼盟子 風土 201209
トマト輪切り金環食を見し朝餉 杉山瑞恵 雨月 201209
井戸水に産毛逆立つトマトかな 江見巌 六花 201209
無人小屋朝採りトマト並びをり 早崎泰江 あを 201209
トマト添へひとりの夕餉華やげる 能勢栄子 201210
日を食うて太りしトマト食うてをる 中野京子 201210
ミニトマトほどの炎や恋初め 小張志げ 春燈 201210
はつなりのトマト加ふる亡夫の膳 林美智 ぐろっけ 201210
忘られしトマト吾を呼ぶ黴まとひ 村田とくみ ぐろっけ 201210
原爆忌花の如くにトマト浮き 林昭太郎 あまねく 201210
ざく切りの冷しトマトや独り膳 上月智子 末黒野 201211
菜園のトマトそれぞれ味くらべ 古林田鶴子 ぐろっけ 201211
母譲りトマトに砂糖かけたるは 藤田素子 火星 201211
捥ぎたてのトマトの匂ふ終戦日 前田忍 火星 201211
一斉に赤くはならぬトマト捥ぐ 青木朋子 201210
プチトマト真つ赤が嬉し数へけり 西田美ち ろんど 201212
朝どれのトマトはロッカーツーコイン 松本アイ ぐろっけ 201301
茄子トマト捥ぎてなぐさみ畑終ふ 菅野蒔子 末黒野 201301
セロリトマト食べ三月を迎へたる 大日向幸江 あを 201204
海を見しあとのトマトのマリネかな きくちきみえ やぶれ傘 201309
朝採りといふ重さあり熟れトマト 松岡和子 201310
完熟のトマト顔ぶつつけて喰ぶ 浅田光代 風土 201310
青トマト咥へて飛べり山烏 山形悦子 万象 201310
酸っぱさのぷちと弾けてミニトマト 山田天 雨月 201310
円光や籠いつぱいにトマト捥ぎ 中野京子 201311
白水を今朝も手塩のミニトマト 岡野里子 末黒野 201311
豪邸の塀の内なるミニトマト すずき巴里 ろんど 201311
初生りは驚き黄色ミニトマト 池田久恵 ぐろっけ 201312
完熟をぎゆう詰めパックのミニトマト 布川直幸 201406
研ぎたての包丁すぱとトマト割る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201407
丸かじりてふ醍醐味のトマトかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201407
赤き実をしまふトマトの苗を植う 中野京子 201408
連なりし青きトマトや屋根の下 山荘慶子 あを 201408
Tシャツの庭に干されてプチトマト 大島英昭 やぶれ傘 201408
和讃果てこの世のトマト茄子カレー 火箱ひろ 201409
六月の土に定まるトマト苗 鎌田悟朗 ろんど 201409
プチトマト赤くて青くて胸騒ぎ 火箱ひろ 201409
トマト食べ癌の直りし記事のあり 佐藤健伍 201409
釣宿の冷しトマトを丸齧り 荒井和昭 201410
口中に弾け朝採りミニトマト 安斎久英 末黒野 201410
呼び止めてトマトを一つ少年に 濱上こういち 201410
言はれてもトマトにソース戦中派 福島せいぎ 万象 201410
深緋(こきび)てふ日本の赤や初トマト 松岡和子 201410
眼を病むやトマトの皿の縁二重 小川玉泉 末黒野 201410
サンドイッチにはさみトマトの桃太郎 河合とき 末黒野 201410
ミニトマト捥げり小鈴を外すごと 坂場章子 201410
引き売りの暗算力や茄子トマト 斉藤マキ子 末黒野 201411
慣れぬ齢とまどふ日々に四温なき 宮崎左智子 201504
深更のテレビでトマト試し切 佐藤喜孝 あを 201506
御手洗の杓のとまどふ花筏 岡真紗子 201507
捥ぎたての完熟トマト忌の朝餉 渕上千津 201508
来年の夢語る夫トマト捥ぐ 和田政子 201509
初生りのトマトの艶や日の匂ひ 荒井貞子 末黒野 201509
庭に生るトマト五六個色づいて 有賀昌子 やぶれ傘 201510
香を蔕にとどむるトマト丸かじり 布施由岐子 末黒野 201510
不揃ひの朝採りトマト廉価かな 松本文一郎 六花 201511
自転車の後ろ籠よりトマト落つ 丑久保勲 やぶれ傘 201511
ミニトマト転がしゲームのごとカラス 栗原京子 201512
とれたてのトマト大小ガラス皿 江口九星 201603
料峭や納屋に出荷のトマト選る 駒形祐右子 万象 201606
トマト苗茄子苗ゴーヤー苗植うる 青谷小枝 やぶれ傘 201608
パスタには熊本産のトマトかな 安藤久美子 やぶれ傘 201608
トマトに花考へながら用を足す 佐藤喜孝 あを 201608
火星接近トマト畑にトマト熟れ 林昭太郎 201608
畑のトマト会ふたび主張あらたなり 石田きよし 201609
素のわたしと素のまゆちゃんと地のトマト 笹村恵美子 201609
捥ぎたての草の匂ひのトマトかな 山田正子 201610
かぶり付くトマトに残る陽の余熱 山田正子 201610
キツチンに主婦の椅子ありトマトあり 古川夏子 201610
作り手の名の貼られゐるトマトかな 山内洋光 201610
千余回地震に揉まれしトマト食ぶ 相良牧人 201610
トマトのやうな笑顔で負けず嫌ひなり 内山花葉 201611
肩書は主婦一筋にトマトむく 中原吟子 雨月 201611
沢水を引きてトマトの浮き沈み 成田美代 201611
プチトマト二握りなりピクルスに 黒澤佳子 あを 201611
鉢植えのトマト熟せり声弾む 山荘慶子 あを 201610
片方の軍手に詰めるプチトマト 岩井京子 201612
あっルビー谷に落としたプチトマト 朝倉晴美 船団 201702
反抗期今日もトマトは熟れすぎて 朝倉晴美 船団 201702
愛されて冷たくされてプチトマト 陽山道子 船団 201702
代筆の礼と思しき茄子トマト 中川句寿夫 ここのもん 201705
鮮血のやうなトマトに齧り付く 山口ひろよ 201708
捥ぐときのトマトに五指を吸はれけり 中村嵐楓子 春燈 201708
鉢植ゑのトマト鈴生り幼稚園 内海保子 万象 201709
夫作るトマト歪に熟れてをり 池田光子 風土 201709
丹精のトマト熟すを撫でて待つ 池田光子 風土 201709
初生りのトマトサラダの天辺に 笠井敦子 201709
兄の忌の河内のトマト供へけり 磯野しをり 雨月 201709
ミニトマト脇芽を刈りて次を待つ 郭公 やぶれ傘 201709
赤を着てトマトを齧り今日強気 深川敏子 春燈 201709
大中小朝採りトマト水弾く 石田きよし 201710
脇芽欠くトマトの青き香りかな 江見悦子 万象 201710
プランター仕立のトマト艶やかに 石黒興平 末黒野 201710
弱点はとまと嫌ひやがき大将 山中志津子 京鹿子 201711
土間に充つるトマトの匂ひ施餓鬼寺 富田要 万象 201712
十月のトマト鈴生り誰が植えし 秋川泉 あを 201801
トマト→ 4      

 

2021年8月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。