トマト 1     100句

トマト熟れ驟雨土を濡らさで過ぐ   原田種茅   石楠

トマト  蕃茄・赤茄子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
見ばえせぬトマトの味を問はれけり 稲畑汀子 ホトトギス 199808
貴船川の源流トマト浸しあり 浜口高子 火星 199810
トマト好きならずとも此のトマトはも 今井千鶴子 ホトトギス 199812
初捥ぎのトマトぷちぷちデザートに 光枝晴子 199812
ミニトマト大豆ほどにと成長す 高木伸宜 船団 199812
君等にはついてゆけない青トマト 松山律子 船団 199902
風さわわトマトは赤くなりたいの 松山律子 船団 199902
ふた囓りしてのトマトの香なりけり 山尾玉藻 火星 199907
玉音や掴みしトマト潰すまま 川端実 寒昴 199907
トマト切る病食用意音たてず 柳生千枝子 火星 199909
少年の頃のトマトの匂かな 広渡敬雄 「遠賀川」 199909
夕焼けにいちばん近きトマト捥ぐ 日下敬 船団 199909
三角に積まれしトマト真っ赤っか 小田元 船団 199909
新盆の呉天が来ればトマト捥ぐ 神蔵器 風土 199910
糸通す指にトマトの匂ふなり 米澤光子 火星 199910
指先のはじかれさうなトマト摘む 石垣幸子 雨月 199910
日の匂ひありしトマトを齧りけり 岡本明美 俳句通信 199910
君等にはついていけない青トマト 松山律子 ヒッポ千番地 199910
ひび割れたトマト摘め予言者よ 山内崇弘 海程 199911
トマト切ってひたと目の合う電子母子 入江一月 船団 199912
ほの赤いトマトはゴリラの手にともる 三宅やよい 玩具帳 200004
初恋の名にふさわしく春トマト 福田みさを いろり 200005
帆船にトマトびっしり春立ちぬ 塩見恵介 虹の種 200005
トロ箱の深きをえらびトマト植う 長井ヒサ子 春耕 200007
閉山の十戸に余るトマト熟れ 小林和子 風土 200008
無農薬トマトを齧り一歳に 朝妻力 俳句通信 200009
天使より朝のトマトを賜りぬ 村越化石 200009
亡き夫の植ゑしトマトの赤るめり 田宮勝代 酸漿 200010
プチトマト飾りてサラダ仕上がりぬ 林和子 俳句通信 200010
青トマト久太郎町一丁目 中原幸子 遠くの山 200010
健康よいつも厨にあるトマト 村田明子 円虹 200011
トマト一つ手向けて猫の墓参り 鎌倉喜久恵 あを 200101
トマト食べおり棟上げの木槌の音に 金子皆子 海程 200102
中核派まっ赤なトマトになっちゃいな 時枝武 船団 200106
箱に植ゑ老の培ふプチトマト 和田祥子 馬酔木 200107
桃太郎赤ずきんとてトマト買う 中野哲子 六花 200107
役立たぬ猪垣短かトマト熟れ 神蔵器 風土 200108
でつぷりとトマトケチャップ大昼寝 辻享子 シャガールの女 200108
まだ成らぬ苗にトマトの匂ひかな 高尾豊子 火星 200109
青くさきトマトが好きと歯が白し 白鳥武子 酸漿 200109
まん丸きほっぺのごとしミニトマト 小橋安子 いろり 200109
捥ぎたてのトマト頬張る大地の子 寺内佶 遠嶺 200110
驟雨あり熟れしトマトの皮やぶれ 竹内美智代 酸漿 200110
書き残す夫の農誌やトマト熟れ 山田清香 酸漿 200110
とれたての日の匂ひ立つトマト食む 高野清風 俳句通信 200110
部屋中に赤子泣く声トマト捥ぐ 荒幡美津恵 遠嶺 200111
残業の後のトマトを丸かじり 東莎逍 船団 200111
トマトにがぶり噛みついてるか後頭部 横山隆 海程 200112
新妻やサラダに飾るプチトマト 三池泉 船団 200112
白く蒼く赤くトマトの熟れにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200207
茄子トマト井戸に浮かせて村眠る 戸栗末廣 火星 200207
テーブルの端に止まれるトマトかな 市川伊團次 六花 200207
内乱の噴き出すトマト啜りけり 大嶋康弘 銀化 200208
天主堂跡に小祠トマト熟れ 朝妻力 雲の峰 200208
入院の母の案じるプチトマト 中村克久 雲の峰 200209
待ちわびしトマトの色や今日捥ぐ日 菊地英雄 酸漿 200209
ふるさとに深き井戸ありトマト冷ゆ 宮城白路 風土 200210
下町の路地鉢植のトマト熟れ 川崎妙子 風土 200210
初生のトマトを捥ぐに夫を呼ぶ 三村武子 酸漿 200210
水船のトマトをひとつ掴み出す 影山わこ 百鳥 200210
鳥よけの網めぐらしてトマトあり 柴田靖子 200210
蝉声にトマトソースのよくからむ 山崎未可 銀化 200210
名水の溢れトマトの浮き沈み 杉本美智江 雨月 200211
減塩の膳にトマトの輝けり 増田八重 酸漿 200211
熟れトマトさながら露の日の出かな 安達実生子 200302
大山の裾のトマトを捥ぎにけり 山尾玉藻 火星 200307
地上絵を見たしとトマト囓りつつ 朝妻力 雲の峯 200308
収穫す胡瓜六本茄子トマト 東亜未 あを 200308
鮎・トマトみな退院を待つてをり 楠原幹子 200309
谷水へトマト浮かして山の昼 榎本みや 築港 200309
友の育てしトマト・隠元供へけり 平間裕子 対岸 200309
恋の熱冷ますトマトの皮を剥き 高田令子 200309
茄子トマトじつと見下ろす鴉の目 早崎泰江 あを 200309
初捥ぎのトマト一つの重さかな 中緒和子 酸漿 200310
過去は皆パステルカラートマト切る 山中宏子 200310
なつかしき匂いと色で買うトマト 馬場美智子 六花 200310
ベランダの青きトマトを数へけり 大森美恵 風土 200310
朝市のトマトの形不揃ひに 中田寿子 ぐろっけ 200311
捥ぎ立てトマト一人の時を明るくす 津久井キヌイ 対岸 200312
振り売りの完熟トマト目で選ぶ 山本怜子 ぐろっけ 200312
ミニトマトのびるのびるよ吾を越え 西島みね子 八千草 200401
きうり茄子トマト山家の庭狭く 大串章 百鳥 200407
捥ぎたての日向の匂ひトマト食む 大塚孝一 帆船 200407
器ごとトマト冷たきオードブル 後閑達雄 対岸 200407
たつぷりと水かけトマト匂ひけり 中島一路 対岸 200407
トマトのせ姫街道を一輪車 中島瑞枝 百鳥 200408
トマト買ふ釣り調はぬ朝の市 林敬子 酸漿 200408
昨夜の雨しづれる朝のトマト捥ぐ 高野清風 京鹿子 200409
子に送るトマトの熟れの待たれけり 関戸国子 酸漿 200409
大鍋に熟しトマトをぐつぐつと 長谷川鮎 ぐろっけ 200409
今欲しや固いトマトに刃を添へて 井上信子 200410
ドラキュラの末裔なりしトマト吸ふ 木村みかん 200410
玉音のあの日の如くトマト熟る 廣畑忠明 火星 200410
添へ書きにあふるる思ひ熟れトマト 永田歌子 遠嶺 200410
モーツアルト聴きて育ちしトマトかな 奥田弦鬼 風土 200410
トマト二つ吾が豊饒の朝餉かな 若山実 雲の峰 200410
トマトつくる友の講釈長かりし 苑実耶 200410
無防備の色を極めてトマト熟る 伊藤敬子 遠嶺 200411
誰彼の大きトマトをほめて行く 関戸国子 酸漿 200411
夕さりのチャイム流れしトマト畑 高尾豊子 火星 200411
トマト→2      

2021年7月26日 作成

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