トマト 2     105句

千万の宝にたぐひ初トマト  杉田久女  杉田久女句集

トマト  蕃茄・赤茄子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
トマト苗貰うて俄畝作る 水谷みつゑ 築港 200507
本日は曇天トマト未熟なり 伊藤早苗 200508
ゆふぐれの花ついてゐるトマトの実 田中英子 火星 200510
地下売場つれづれに行きプチトマト 加藤君子 火星 200510
瓜トマト冷やすハリヨの棲める川 遠藤三鈴 栴檀 200511
トマト切る包丁研ぐは夫の役 稲畑廣太郎 ホトトギス 200607
笑ひゆきトマトの芽がきしてゐたり 本多俊子 200609
山霧にぐっしょり濡れしトマト捥ぐ 谷榮子 雨月 200609
鉢植のトマト弾ける真昼どき 鈴木多枝子 あを 200609
完熟のトマトの内臓のぞきをり 吉岡一三 200610
完熟トマト一つをけふの昼餉とす 竹内弘子 あを 200610
熟れトマトすぱつと切りたし包丁研ぐ 丹生をだまき 京鹿子 200611
雨上るいろめきたちし青トマト 佐々木紗知 京鹿子 200611
荒れ土にトマトを育て立石寺 松原智津子 万象 200611
持て成しは捥ぎたてトマトてんこ盛り 佐藤哲 万象 200611
病院の庭に来てゐるトマト売り 高倉恵美子 200701
雜草に垣してトマト培へり 瀧春一 200706
トマト熟れ月見草咲き避暑の家 瀧春一 200706
食細くなる子ならぬ子トマト熟れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200707
高原のトマト朝から丸かじり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200707
ひと枝の折れしが匂ふトマト苗 米澤光子 火星 200708
茄子トマト今年も無事に植ゑにけり 高倉恵美子 200708
朝まだきひんやり大きトマト捥ぐ 谷榮子 雨月 200708
青臭しトマトのわき芽つみし指 竹内弘子 あを 200708
トマト食む初恋の味とほきかな 長崎桂子 あを 200708
ミニトマトの熟期到来掌に余る 達山丁字 200710
庭の箱トマトすずなり笊に捥ぐ 池田光子 200710
トマトの香土間にてはがす雨合羽 生田恵美子 風土 200710
プチトマト少し元気に頬張りぬ 大空純子 ぐろっけ 200710
追ひかけて農婦の給ふ新トマト 生井慶子 万象 200711
熟れトマト刻み日光過敏症 田村園子 200711
赤々とトマトに名あり桃太郎 和田絢子 春燈 200711
注文の包丁届きトマト切る 高倉恵美子 200711
太陽の飛沫ぷちぷちプチトマト 掛井広通 200801
味気なきトマトを選みてしまひけり 山田六甲 六花 200806
むあむあと熱保存せるトマトかな 中島玉五郎 200807
武家屋敷胡瓜・トマトと花競ふ 神蔵器 風土 200807
見目よくて味のなかりしトマトかな 高橋将夫 200808
トマト丸齧りして昭和ふた昔 齊藤實 200809
運勢の良き数洗ふプチトマト 高田令子 200809
桃太郎トマト熟せり陽の恵み 能勢栄子 200810
地の奥の火色のトマト捥ぎにける 中野京子 200810
娘の泪乾きし朝のプチトマト 藤原冬人 火星 200810
かみ合はぬ夫との会話青トマト 井口初江 酸漿 200810
一人の卓トマトを添へてはなやぎぬ 芝宮須磨子 あを 200810
太陽の子てふトマトの完熟し 池田加寿子 200811
日照雨きて海女らのトマト完熟す 佐藤山人 200811
食べたげるトマトも君のあの罪も 中原幸子 船団 200901
素直に病む心ミルクとパンとトマト 瀧春一 深林 200901
手土産は丹波篠山産トマト 渡邉孝彦 やぶれ傘 200901
トマト咲く想定外の黄色かな 坂上香菜 200908
トマト植ゑナス植ゑてホモ・サピエンス 中野京子 200908
年寄の冷しトマトの丸かじり 大坪景章 万象 200908
プランタのトマト一号試食会 斉藤裕子 あを 200908
そこそこの味と言ひたし我トマト 斉藤裕子 あを 200908
又は砂糖母は塩ふるトマトかな 北側美美 200908
振り売りやトマトのどこか濡れゐたる 五十嵐勉 200909
下山して茶店の冷しトマトかな 都丸スミ代 やぶれ傘 200909
太陽の色が溢るるプチトマト 米山喜久子 200909
菜園にトマト炸裂敗戰日 鎌倉喜久恵 あを 200909
日照の少なき露地のトマト捥ぐ 和田森早苗 200910
輝いて太陽系の熟れトマト 小澤克己 遠嶺 200910
天と地の恵みたつぷり茄子トマト 池田光子 200910
ほめ言葉かけてトマトの脇芽つむ 石田きよし 200910
あやふきは鴉の声と熟れトマト 石田きよし 200910
両手からこぼれるほどにトマトもぐ 後藤とみ子 ぐろっけ 200910
園児らの声に鈴なりトマトかな 小関栄子 200910
白磁皿にトマトを置いて日章旗 宮田香 200911
父在らば熟れしトマトの届く頃 中村クミ子 遠嶺 200911
トマトもぐお下げ頭の陽にまみれ 白石正躬 やぶれ傘 200912
門川にトマトの浮かぶ茅葺き家 小阪律子 ぐろっけ 200912
茄子トマト怠け教師の連絡帳 鴨下昭 201006
丸かじり部活帰りの子のトマト 稲畑廣太郎 ホトトギス 201007
トマト切るより主婦の朝始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201007
大皿のサラダを囲むプチトマト 竹内弘子 あを 201007
神化かな宝石箱のミニトマト 中島陽華 201008
飼ひ猫を褒めればトマト挘ぎくれし ことり 六花 201008
吾子の目の高さに熟れしトマトかな 小澤徳江 遠嶺 201008
日輪をもぎとる朝のトマトかな 中野京子 201010
ミニトマト植ゑたるままに入院す 森さち子 201010
マチュピチュは遥けしトマト瑞々し 藤原若菜 春燈 201010
食べ頃のトマトをつつく鴉かな 佐藤和子 万象 201010
塩つけて食ふ海の日の青トマト 深澤鱶 火星 201010
もぎたてのトマトよ反抗期の匂い 相澤和子 ろんど 201010
何はともあれ朝ごはん食ベトマト食べ 中島讃良 ろんど 201010
一つ一つ日に照るトマト捥ぎにけり 大西まりゑ 酸漿 201010
朝づくりトマトの色を見て終る 長田秋男 酸漿 201010
いちはやく朝のトマトに嘴の跡 菊地英雄 酸漿 201010
アリゾナの友に妻より無肥トマト 伊吹之博 京鹿子 201011
プランターの初採りトマト父の忌よ 田中貞雄 ろんど 201011
湯上りや冷やしトマトに塩かけて 丑久保勲 やぶれ傘 201012
空はるかもぎしトマトにかぶりつく 久世孝雄 やぶれ傘 201012
食卓にひと色欲しとトマト捥ぐ 夏目満子 酸漿 201012
労ひつ枯れしトマトを引きにけり 夏目満子 酸漿 201012
楽しみは夫の植ゑたる茄子トマト 高倉恵美子 201108
血管の透けたるトマト選びけり 吉田希望 201109
パジャマの子トマト熟れしを丸かぶり 中井登喜子 201109
朝市にべっぴんさんのトマト買ふ 森下康子 201109
朝霧のトマトは愛子桃太郎 コ田千鶴子 馬醉木 201109
トマト缶開けて夕餉の冷スウプ 呉屋菜々 万象 201109
芽掻きして指に昔のトマトの香 紅谷芙美江 万象 201109
カクテルにあしらふトマト旅果つる 清水佑実子 201109
被災地育ちの真つ赤なトマト買ふ 鈴木 セツ 201109
初生りのトマト仏間を明かるくし 水野弘 ぐろっけ 201110
捥ぎたてのトマト研ぎたての庖丁 川上久美 ろんど 201110
トマト →3      

 

2021年8月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。