天高し 4     109句

うろつく猫にこらこらと言う天高し  金子兜太  ザ・歳時記

天高し  秋高し  空高し

作品
作者
掲載誌
掲載年月
天高し賽銭の音こそばゆし 重藤慶 築港 200512
天高し無窮の空を仰ぎゐて 柴田毅 築港 200512
組体操ぴたりと決まり天高し 早崎泰江 あを 200512
天高く干せる農衣の膨みぬ 芝生南天 河鹿 200601
問診に異状のなくて天高し 筏愛子 200601
疲れなく歩く古書街天高し 横田拾翠 四葩 200601
天高し隣家取り壊されしかな 天谷翔子 火星 200601
抜けるほど天高く晴れもの忘れ 中田みなみ 200601
天高し船を降り来る優勝旗 相川幸代 百鳥 200601
演劇部笑ふ練習天高し 杉山みゆき 百鳥 200601
天高し男女揃ひの乗馬服 前田倫子 百鳥 200601
天高し駅の広場にジャズバンド 細川房代 百鳥 200601
組体操見事にくづれ天高し 佐々木よし子 200601
天高し大師像筆三米 安部美和子 ぐろっけ 200601
天高し昼餉代りに串団子 大西八州雄 万象 200601
風紋の砂丘を行けり天高き 大里快子 酸漿 200601
天高き大内宿の紫菀かな 中緒和子 酸漿 200601
種八種含むパン食ぶ天高し 佐野つたえ 風土 200601
御成婚皇居の森の天高し 徳田正樹 河鹿 200602
身の内の患取り去って天高し 次井義泰 200602
天高し馬糞一俵買ひにけり 加藤廣子 火星 200602
のれん干す湯屋の三階天高し 津田霧笛 ぐろっけ 200602
天高し病との距離延ばさばや 山田をがたま 京鹿子 200602
焼岳の噴煙幽か天高く 伊藤稔代 200603
背を伸ばせまなこを上げよ天高し 西村数 ホトトギス 200603
天高し托鉢僧の鉦揺れて 坊城俊樹 ホトトギス 200603
天高しベルナデッタは跪き 阿部慧月 ホトトギス 200604
天高し一歩に一句生まれさう 岩岡中正 ホトトギス 200604
お座わりのお上手お上手天高し 芦川まり 八千草 200604
天高し佳き名ばかりの子安石 金丸まさ子 四葩 200609

 「同人」一千号を祝して

人文字の画あきらかに天高し

鷹羽狩行 200610

 「母港」三周年を祝して

帆をあげよ錨をあげよ天高し

鷹羽狩行 200610
天高し綽名で記す伝言板 宇都宮滴水 京鹿子 200611
星条旗日の丸基地の天高し 伊舎堂根自子 万象 200611
牧草ロールつぎつぎ生れ天高し 藤原照子 200611
天高し棚田の裾のログハウス 浜福恵 風土 200611
天高しよく喋りてはよく笑ひ 工藤義夫 馬醉木 200611
天高し旅に誘はれ誘はれて 島崎勇作 酸漿 200611
天高し大き佛に太き指 篠田純子 あを 200611
今日の遺影ほほ笑みて見ゆ天高し 吉田陽代 200611
嬰の名を初めて呼べば天高し 鈴木照子 200612

 吉川智子句集『五大陸』序句

陸ありて海ありそして天高し

鷹羽狩行 200612
みづうみに降りたつよりの天高し 豊田都峰 京鹿子 200612
天高し皇子もたらせし鸛 北村香朗 京鹿子 200612
天高しホルスタインの散らばりて 鈴木清子 遠嶺 200612
天高し五輛満席ミニSL 森理和 あを 200612
余部の鉄路は無聊に天高し 永井雪狼 200701
天高しシャガールの馬にのりたき日 岸田爾子 200701
日本晴てふ言葉失せ天高し 山口速 200701
天高し鳥居に朝日山四郎右衛門 木田千女 200701
天高し笛で崩れて組体操 藁谷恵美子 200701
天高し入江に白き水位標 中山皓雪 200701
玉稿の修正の跡天高し 竹内文子 遠嶺 200701
屋根上の口笛奏者天高し 府川房江 遠嶺 200701
御僧の声高に在し天高し 大井彌雨 雨月 200701
天高しさてさて神馬の長き顔 石井平八郎 雨月 200701
天高し大きな耳の調律師 奥田茶々 風土 200701
天高し笹かき分けて三角点 那須亮子 万象 200702
天高し故宮に入れば天下は清 呉文宗 春燈 200702
天高しかつて御幸のありし道 今井松子 遠嶺 200702
天高しをんなばかりのラフティング 大澤君予 遠嶺 200702
天高し自治会館の起工式 秋田直己 ぐろっけ 200702
揺ぎなき穂高連峰天高し 大内恵 酸漿 200702
果てのなきことを果てとし天高し 蔦三郎 ホトトギス 200703
今更といふ語千金天高し 坂本敏子 京鹿子 200703
海草を鋤きこんでをり天高し 百瀬七生子 海光 200705
肥前より花鳥の心天高し 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
折紙の裏の白さや天高し 遠藤実 あを 200710

 「天為」二百号を祝して

意のままの手綱さばきや天高し

鷹羽狩行 200711
むささびの御嶽大杉天高し 関まさを 酸漿 200711
天高し胎児をしかと岩田帯 和田照子 200712
杉の秀の折れ線グラフ天高し 刈米育子 200712
天高し人愛せよと孫に文 四條進 200712
天高し腰で操る一輪車 小城綾子 200712
天高し米櫃の米減りにけり 内野俊子 春燈 200712
自由訳般若心経天高し 君塚敦二 春燈 200712
甘露門額縁にして天高し 曽根治子 風土 200712
天高し雇用延長制度です 七種年男 200712
段一つふやす跳箱天高し 田中清子 遠嶺 200712
天高し声良くひびく園児の輪 久保田嘉郎 酸漿 200712
天高し何もせずゐて空腹す 丸山佳子 京鹿子 200712
千号の誌齢を迎へ天高し 高木智 京鹿子 200712
天高し池にあふるる逆さ富士 宇賀英二 火星 200712
仰ぎ見る銅像の顔天高し 瀬沼利雄 酸漿 200712
ハングライダー舞ひ止まざるよ天高し 井上紀子 200801
尾根を越え更なる嶺や天高し 田中清子 遠嶺 200801
天高し遠嶺を望みつつ歩む 西川久美子 遠嶺 200801
宿願の一宇建立天高し 古田考鵬 雨月 200801
綱引の老いたる男女天高し 福盛悦子 雨月 200801
天高し言ふことなしの富士仰ぐ 上原恒子 雨月 200801

 祝市川学園七十周年

学び舎にも古稀はありけり天高し

林翔 200801
天高し沙幕囲ひに鑿の音 千田敬 200801
天高し砲台跡に新校舎 七種年男 200801
天高し生かされ賜はり合掌のみ 丸山佳子 京鹿子 200801
天高し砂場に並ぶ土団子 服部早苗 200801
天高し半島ぎしぎし岩軋み 吉岡一三 200801
天高し魚呑みこみし鷺の首 馬越幸子 ぐろっけ 200801
説法の時に大声天高し 大井邦子 ぐろっけ 200801
天高し進路のゴール見えぬまま 大空純子 ぐろっけ 200801
上海の自由特区や天高し 田中敬 200802
周航の歌碑に佇み天高し 中川すみ子 200802
稜線のなべて棚田や天高し 小泉三枝 春燈 200802
天高し毘沙門天の剣ますぐ 南一雄 200802
日本一と言ふ恵比須ゐて天高し 小林れい 酸漿 200802
どの駅も今日天高し山手線 真保喜代子 200802
天高し顔におでこという無言 中原幸子 船団 200803
天高し日の丸は目にしみる色 大川ゆかり 炎帝 200804
天高しピサの斜塔とさざえ堂 成瀬櫻桃子 春燈 200807
根を張りしものの風格天高し 近藤公子 200808
天高し 5      

 

2021年9月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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