種 袋   126句

月照らしテラスのうへの種袋   多田裕計

花種  種物  種袋 種売

作品
作者
掲載誌
掲載年月
振りて鳴る記憶の底の種袋 八百山和子 200007
種買うて命ささやく種袋 宮下本平 200007
八十八夜そこここ空ラの種袋 奥田節子 火星 200008
目覚めよと振りて蒔くなり種袋 大川冨美子 ぐろっけ 200009
種袋ふれば命の音すなり 寺田きよし 酸漿 200104
種袋振ればどこかに祖父の声 多田節子 雨月 200105
密やかな大志のつまる種袋 山室キミ子 銀化 200105
朝顔の種袋手に土起し 河合笑子 あを 200105
束ねありて埃をたたく種袋 小浦遊月 酸漿 200106
種袋ふってさざめく音聞けり 山本潤子 いろり 200107
種袋恋文のごと封を切る 三浦澄江 ぐろっけ 200107
種袋振ってさざめく音聞けり 山本潤子 いろり 200108
種袋ふりてたしかむ人の性 黒田貴勢 京鹿子 200111
後を引く甘納豆と種袋 朱間繭生 銀化 200204
種袋切るときめきの老いてゐず 熊丸淑子 馬醉木 200205
種袋目覚めさせむと振ってみる 北川キヨ子 200205
美しく売れ残りたる種袋 朝妻力 雲の峰 200205
地雷募金して受く花の種袋 鈴木照子 200206
日に振りて音それぞれの種袋 野口伊久子 馬醉木 200206
種袋人が疑ふから軽し 後藤立夫 ホトトギス 200207
種袋俳句つぶやくごとく読む 志鳥宏遠 ホトトギス 200208
鳥たちのはたと消えたり種袋 浜口高子 火星 200305
小糠雨割箸に挿す種袋 原茂美 雲の峯 200306
セールスマン名刺と花の種袋 小林佐江子 雨月 200308
一灯にかざして軽き種袋 糸井芳子 200308
種蒔いて名札に変はる種袋 内藤三男 ぐろっけ 200308
青空にドーナツの穴種袋 植木戴子 200312
種袋小さく振れば小さく鳴る 浅川正 雲の峰 200405
春耕の土の中より種袋 久保田妙 百鳥 200405
美しき絵の種袋ダリア植う 西屋敷峰水 河鹿 200407
日当るや旧かなづかひの種袋 田中英子 火星 200408
耳元に音のかそけき種袋 伊藤白潮 200505
ひとかどの病歴棚の種袋 吉田明子 200505
種袋小さき命の音たてて 木内美保子 六花 200505
買ふ人の誰もが鳴らす種袋 西口鶴子 遠嶺 200506
呉竹に昼の雨降る種袋 雨村敏子 200507
「入つてます」と種袋鳴りにけり 清水公治 200606
種袋背にして蒔く腰折れ女 林陽子 万象 200606
神棚に置かれしままの種袋 田島勝彦 遠嶺 200606
種袋振れば伊吹嶺晴れきたり 浜口高子 火星 200606
ガン保険勧められたり種袋 大山文子 火星 200606
種袋夜半の雷雨に目覚めけり 石崎淨 風土 200607
種袋目移りのして買ひ過ぎし 秋千晴 200608
種袋に問ふわたくしの発芽率 吉田明子 200701
種袋振るや日脚の伸びを言ふ 宇田喜美栄 200705
種袋を透かすや受胎告知絵図 延広禎一 200705
種袋振れば命の音したり 土屋啓 馬醉木 200710
購ふに振り確かめて種袋 中原敏雄 雨月 200801
種袋振れば命の音のする 稲畑汀子 ホトトギス 200803
佛壇の引出しにあり種袋 滝沢伊代次 万象 200803
手にとればささやく花の種袋 池元道雄 馬醉木 200806
たつぷりと未来がありぬ種袋 高橋たか子 馬醉木 200806
種袋選りをる妻の真顔かな 齋藤博 やぶれ傘 200806
色褪せし種袋にて頼りなき 能村研三 200903
釘の位置いつも不案や種袋 須藤トモ子 200904
その隅の種の出てこぬ種袋 柴田佐知子 200905
種袋振って肯く花言葉 青垣和子 雨月 200905
種袋老母しづかに在します 徳井節子 馬醉木 200907
思ひ出に繋がつてゐる種袋 前川明子 200907
状差しに播き忘れたる種袋 坂本節子 200908
種袋振れば片寄る種子の音 水谷靖 雨月 201005
種袋大竹藪を背負来る 神蔵器 風土 201005
種袋封書を開くるごとひらく 中根美保 風土 201006
十袋も買ひ荷にならぬ種袋 井田実代子 雨月 201006
種袋振りてみて買ふ常ながら 舩越美喜 京鹿子 201007
蒔き時を加筆されをり種袋 山本無蓋 201007
花ひらく夢すでに見し種袋 小川凉 201008
種袋土間の奥までひかりさす 相澤和子 ろんど 201008
ポケットをはみだしてゐる種袋 白数康弘 火星 201103
種袋立てて終りぬ庭仕事 若本彰子 酸漿 201106
蒔き終へてちよつと覗いて種袋 辻直美 201204
農に生きひと日暮れたり種袋 犬塚芳子 201205
種袋振れば目覚むる音のして 水谷靖 雨月 201205
種袋写真信ずるほかは無し 北尾章郎 201206
封を切る恋文ならぬ種袋 三浦澄江 ぐろっけ 201206
種袋振つて大室山晴るる 柴田久子 風土 201207
種袋振つてみもする花舖の客 福永幸子 末黒野 201207
採取日をメモしてありぬ種袋 上林富子 やぶれ傘 201209
解体の蔵に置き去り種袋 小林朱夏 201403
乗り継ぎの空港で買ふ種袋 奥田茶々 風土 201406
種袋犬のよろこぶ音のして 柴田久子 風土 201406
花言葉あふれてゐたり種袋 柴田久子 風土 201406
晩年や振れば音する種袋 門伝史会 風土 201406
ふとよりし店に見付けし種袋 山荘慶子 あを 201503
種袋マンガ本のごと積まれをり 長崎桂子 あを 201504
種袋うすき袋を振りてみる 本多和子 201505
大振りの球根と買ふ種袋 安藤久美子 やぶれ傘 201505
自家製の子供の文字の種袋 山本無蓋 201506
種袋こぼしつつ持つ長男坊 児玉有希 京鹿子 201507
種袋上がる地温を待ちにけり 太田チヱ子 末黒野 201507
花言葉の声ありにけり種袋 阪倉孝子 201605
種袋振りて聞ゆる母の声 矢野百合子 201606
種袋音の元気を買ひにけり 石田きよし 201606
咲き誇る景の浮かぶや種袋 東小薗美千代 末黒野 201606
日を吸ひて柔き黒土種袋 犬塚李里子 201607
メモを手に買ひ揃へたり種袋 秋山信行 やぶれ傘 201608
種袋耳の近くで振つてみる 木村享史 ホトトギス 201609
種袋振りて明日の音を聴く 石原孝人 京鹿子 201609
種袋にすり寄り鯉の懐し気 中田みなみ 201611
種袋振りて明日の音を聴く 石原孝人 京鹿子 201701
伸びやかな父の字なりし種袋 沼田巴字 京鹿子 201702
種袋今にも芽吹きさうな種 江見巌 六花 201704
種袋土恋ふ声のひしめけり 川崎良平 雨月 201705
かざしみる日のまだ淡き種袋 笹村政子 六花 201705
種袋見るだに心動きをり 大橋晄 雨月 201706
けふの雲西へ西へと種袋 犬塚李里子 201707
靴箱の上に明日蒔く種袋 柴田佐知子 201707
まだ隅に種のはり付く種袋 柴田佐知子 201707
種袋振れば近づく波の音 荒井千佐代 201709
むらさきの種袋あり朝曇 植木戴子 201807
種袋忘れぬ場所に置いておく 横田敬子 201809
立止まる生協で売る種袋 田中藤穂 あを 201905
蒔き終へし土にかませて種袋 小森泰子 馬醉木 201906
ごつと触るる豆の形や種袋 青谷小枝 やぶれ傘 201907
耳元で二度三度振る種袋 小沢えみ子 201907
種袋こんなにきれいに咲くかしら 今井康子 201911
種袋振りて夢馳す花咲く日 鍋島武彦 末黒野 202005
種袋色濃き物と大書され 上辻蒼人 風土 202007
押し戻す力たしかに種袋 中根美保 風土 202105
赤一色にはつか大根の種袋 浜福惠 風土 202105
二段目は夫の抽斗種袋 田中佐知子 風土 202105
種袋かさこそ夢の音弾む 小澤えみ子 202105
種袋くるくる選ぶレジの横 中嶋陽子 風土 202106
種袋の絵のごと育つ紅大根 種田利子 春燈 202203
種袋立て植木鉢置かれけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 202205
なつかしげに鯉のすり寄る種袋 中田みなみ 202205

 

2023年3月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。