七 夕 2          191句

七夕や真の願ひの胸にあり    森るか

七夕  星祭

作品
作者
掲載誌
掲載年月
撓みをり病棟前の七夕竹
横林誠二
200309
七夕笹風賑やかに集まれる
塩川雄三
築港
200309
花舗今日は七夕笹を商へる
森田久枝
築港
200309
七夕の鶏の立てたる夕ぼこり
山尾玉藻
火星
200309
七夕や甍寄り合ふ出雲崎
深澤鱶
火星
200309
大太鼓響く七夕雨上る
中里カヨ
酸漿
200309
夢見むと雨の七夕早寝せり
松村富子
200310
七夕や信号を待つ子等の列
小池槙女
火星
200310
七夕の竹わさわさと運ばれ来
岡本明美
雲の峰
200310
七夕やうしろを木曾の闇流れ
中山世一
百鳥
200310
指が忘れず七夕の飾り切る
山崎靖子
200310
七夕に火星ばかりが目立ちけり
泉田秋硯
200311
異人館七夕短冊英字なり
永野秀峰
ぐろっけ
200311
七夕の笹にてるてる坊主かな
長谷川守可
百鳥
200312
星擦れの音か七夕竹そよぎ
細川洋子
200409
甘美なる七夕竹をくぐりゆく
齊藤實
200409
七夕の木賊を少し刈りにけり
山尾玉藻
火星
200409
雲切れて七夕の星瞬きぬ
大場フサ子
京鹿子
200409
牛ピラフ七夕竹の下に食ふ
辻恵美子
栴檀
200409
紙ばかりのみにて撓む七夕笹
野海衣子
築港
200409
警察署お浄めのごと七夕竹
松崎鉄之介
200409
七夕をいふエコー検査の女医さんと
藤田あけ烏
草の花
200409
七夕や忘じやすきは初一念
鷹羽狩行
200409
七夕の句座や念じて師の快癒
前田永子
200409
七夕や雨の予感を顳痰ノ
中村恭子
200410
七夕の遣ひまはしの小鉢かな
深澤鱶
火星
200410
七夕や家のまはりに水流れ
杉浦典子
火星
200410
七夕の夜をのつぴきならず寄る
丸山照子
火星
200410
病棟に七夕竹の立ちにけり
日比野和子
栴檀
200410
願ひごと多く七夕竹撓ふ
柴田雪路
200410
七夕や幼に淡き恋ごころ
家塚洋子
酸漿
200410
七夕竹担ぎ来し子の地蔵眉
今井飛佐
草の花
200410
七夕や七湯巡りの鍵を手に
森山のりこ
あを
200410
ゆっさゆっさ七夕竹の優勝旗
土屋利之
ぐろっけ
200410
詩に痩せて七夕竹と揺れてをり
小澤克己
遠嶺
200411
七夕の街に恋ある予感かな
金子慶子
遠嶺
200411
七夕雨一片の詩の膨らめり
近藤貞子
六花
200411
酔いしれる人人平塚七夕祭
西島みね子
八千草
200501
瀧じめりの七夕笹をくぐりけり
山尾玉藻
火星
200509
七夕竹低きところの混み合へり
望月澄子
対岸
200509
七夕竹雨の去りたる今宵かな
清原彰子
河鹿
200510
七夕にスリムを願ふ今年また
山崎泰世
200510
七夕の夜を尋ねきし登山靴
山尾玉藻
火星
200510
七夕の駅に降りきし盲導犬
小林成子
火星
200510
七夕の笹振りかざし甲子園
宮村フトミ
ぐろっけ
200510
七夕に二歳が願ひ五歳にと
中尾廣美
ぐろっけ
200510
語りたき事七夕にまとめをり
島崎久美子
酸漿
200510
七夕竹貧しき日々の甦る
泰江安仁
百鳥
200510
滑り台七夕竹の括られて
金川眞里子
百鳥
200510
筆をもつことも七夕祭かな
二村蘭秋
雨月
200510
七夕や逢ひたき人の名は書かず
横山迫子
六花
200510
七夕の子規の机にふれてをり
外川玲子
風土
200510
七夕や「すずめのお宿」にお話し会
遊橋恵美子
風土
200510
階段に雨の七夕笹立てり
山田圓子
築港
200510
七夕の笹持ち込まる駅の中
山田圓子
築港
200510
慾深き七夕短冊裏返す
隅田享子
200511
その中に早く死なせて七夕笹
木田千女
200511
愛があるから七夕の竹を買ふ
伊藤早苗
200511
七夕の太竹担ぐ親心
稲辺美津
遠嶺
200511
カルシウム摂らな七夕竹に雨
坂ようこ
200511
七夕や姉妹都市より使節団
中里とも子
百鳥
200511
傘立に七夕竹の挿されあり
鈴木和香
栴檀
200511
七夕や夜なべしごとの糊のあと
斉藤裕子
あを
200511
七夕や人みな自分の星を持ち
浜野清彦
四葩
200609
七夕の笹に風くる濡れてくる
くらたけん
200609
七夕や地の石ころも星の数
村越化石
200609
七夕竹飾りて涼し滝の道
中里 信司
酸漿
200609
七夕の星逢へぬ夜を吾も亦
若江千萱
雨月
200609
七夕や自負とす一句筆太く
二村蘭秋
雨月
200609
七夕竹曳きずる音の曲がりゆく
中田みなみ
200609
七夕の飾り重たげ保育園
早崎泰江
あを
200609
七夕竹子等の願ひに傾ぎけり
間宮陽夫
馬醉木
200610
七夕や飾り房なす錘なす
鷹羽狩行
200610
七夕や願ひの糸の地に達し
鷹羽狩行
200610
熱の子に七夕の雲疾く走る
河崎尚子
火星
200610
一枚だけ読む改札の七夕竹
宇垣みきえ
200610
安んずる七夕竹の撓みほど
田村園子
200610
七夕の仙台に買ふずんだ餅
和田一
雨月
200610
七夕やたつたひとつの願ひごと
劔持和子
酸漿
200610
願い事無くて七夕夫と酌む
大空純子
ぐろっけ
200610
七夕や海辺の草の濡れ深き
高橋さえ子
200610
魚めきて七夕竹をくぐりゆく
中村洋子
風土
200611
七夕竹本気の願ひひとつかけ
平田紀美子
風土
200611
七夕の飾りを競ふ姉弟かな
島崎勇作
酸漿
200611
満載の祈願七夕竹撓ふ
秋場貞枝
春燈
200612
七夕や母の遺愛の裁ち鋏
富岡三枝子
200701
七夕や男にもある富士額
樋口みのぶ
200701
七夕の美しく席はずされし
中原幸子
以上、西陣から
200705
七夕竹立てかけておく戦後の木
松崎豊
200705
遊ぶ子ら居らぬ辻々七夕竹
品川鈴子
ぐろっけ
200707
七夕紙にも絵更紗の筆さばき
品川鈴子
ぐろっけ
200707
七夕や逢へずに思ふ遠き友
須藤トモ子
200709
教頭の七夕竹をひきずり来
浅田光代
風土
200709
七夕や師は相生の天上華
伊藤真代
200709
交番に園児七夕飾りけり
内藤順子
酸漿
200709
七夕や遠方の友訪ね来て
南原正子
酸漿
200709
七夕や待つまでもなく電車来て
野路斉子
200709
七夕の一湾凪ぎて夕づきぬ
川崎俊子
馬醉木
200709
リハビリ室今日七夕の笹ゆれて
川崎俊子
馬醉木
200709
七夕竹担げば願ひ裏返る
池元道雄
馬醉木
200709
七夕や破れし恋を数へては
苑田ひろまさ
200710
七夕や泣いて笑つてすねて見せ
河合しよう
春燈
200710
七夕の振子時計が時刻む
瀬戸悠
風土
200710
空港のロビーに七夕飾りかな
須藤美智子
風土
200710
七夕笹集つて来し橋の上
大城戸みさ子
火星
200710
七夕や比良の山より水走り
松山直美
火星
200710
七夕笹飾りて留守の交番所
馬越幸子
ぐろっけ
200710
七夕や恋歌とふは古来より
水野節子
雨月
200710
七夕や茂つよく打つ居座機
中村翠湖
馬醉木
200710
何や彼や飾り七夕祭かな
木暮剛平
万象
200711
七夕の竹の高さに風の鳴る
根岸善行
風土
200711
七夕やメールにマタイ伝十九章
安永圭子
風土
200711
潮の香のかよふ七夕飾りかな
丸山照子
火星
200711
竹生島七夕笹に浮みゐる
天谷翔子
火星
200711
七夕や光りて落ちるグラニュー糖
小嶋洋子
200711
七夕のなごりの雨を樹が零す
真保喜代子
200711
七夕竹たわみ国際線ロビー
田口紅子
200712
七夕竹触るれば過去の繋がり来
半澤正子
馬醉木
200712
七夕やどうぶつたちの宇宙劇
上田敬
遠嶺
200712
七夕の少女も大志抱きをり
三宅照一
遠嶺
200712
七夕や届けられたる星座表
稲畑汀子
ホトトギス
200808
うなぎ屋の煙のとどく七夕笹
坂口夫佐子
火星
200808
力みたる文字の七夕飾かな
山田六甲
六花
200808
灯を消して七夕の夜のエコ談義
鈴木照子
200809
横たへて運ぶ七夕竹の丈
鷹羽狩行
200809
七夕や幼きころの袖袂
鷹羽狩行
200809
土砂降りとなる七夕の保育園
上谷昌憲
200809
七夕や母より継ぎし住所録
浅田光代
風土
200809
色とぼし特養ホームの七夕竹
藤田宏
200809
七夕のわが彦星の雲隠れ
駒井のぶ
200810
七夕の天象儀てふ観て冷えし
深澤鱶
火星
200810
七夕の田を見て来たる足洗ふ
城孝子
火星
200810
でで虫の眠る七夕竹なりし
堀志皋
火星
200810
登校に下校に七夕竹仰ぐ
金森教子
雨月
200810
七夕や昔に帰る術はなし
芝宮須磨子
あを
200809
七夕や思ひ願ひのそれぞれに
牧原佳代子
酸漿
200810
七夕竹特急車内に捧げもつ
宇垣みきえ
200810
七夕の飾り片づく珠算塾
猪爪皆子
200810
七夕すぎどこの家にもアガパンサス
松崎鉄之介
200811
七夕の小笹括りし乳母車
川合まさお
ぐろっけ
200811
七夕竹潜り妻へのこけし買ふ
中村則夫
やぶれ傘
200811
七夕の真夜中にして櫂の音
中田禎子
白猪
200901
七夕や不思議なものに恋と夢
北川利信
200903
七夕や一の願ひはてつぺんに
岡田満壽美
夢のごとしと
200904
七夕の夜空仕上ぐる企画とや
稲畑汀子
ホトトギス
200907
言葉少なに七夕の空を見る
堀内一郎
あを
200908
七夕竹立ち泳ぎして流れけり
穐好樹菟男
馬醉木
200909
七夕や落ちてきさうな山の星
穐好樹菟男
馬醉木
200909
七夕やなつめの蓋の星光る
赤木和代
200909
七夕や無限の宇宙仰ぎをり
塩千恵子
200909
七夕ヘ乞はれて残す今年竹
菊地英雄
酸漿
200909
七夕の色紙踊らせ笹の風
奥村鷹尾
京鹿子
200909
七夕短冊に口遊みつつ万葉歌
杉本綾
200910
七夕を明日に村は草を刈る
飯田ひでを
200910
七夕やねがひ無き身も星仰ぐ
北岸邸子
春燈
200910
七夕の笹流れくる橋の下
十川たかし
200910
七夕の満月うすき雲の上
飛高隆夫
万象
200910
七夕人形祖母の遺品の古箪笥
高橋敏
200910
七夕に生れし人に吾子嫁ぐ
宝田俊幸
200910
七夕を飾つて宇宙ステーション
遠藤和彦
遠嶺
200911
七夕の月のまどかに天照らす
岡崎春菜
万象
200911
七夕や洞を照らせば古代文字
岸千手
200911
七夕の月は静かに定位置に
濱上こういち
200912
一泊の筆とらしむる七夕竹
村上すみ子
200912
七夕の飾りはじまるロビーかな
稲畑汀子
ホトトギス
201007
七夕や川ありし日の数寄屋橋
鷹羽狩行
201009
七夕笹きんきらきんの乾きかな
上谷昌憲
201009
七夕の星のひとつに母の面
宮沢治子
春燈
201009
七夕の逢瀬を阻むゲリラ雨
木村幸
201010
七夕の夜間飛行となりにけり
武田巨子
春燈
201010
七夕や夢うすうすと水の音
中山純子
万象
201010
七夕や金剛山の水飲んで
城孝子
火星
201010
七夕や妻は毎日家にをり
安居正浩
201010
上品な七夕飾り吉祥寺
小黒加支
酸奬
201010
七夕や湖底の橅の水青く
山本耀子
火星
201011
七夕竹天の投網は濡れもせず
山中志津子
京鹿子
201011
七夕笹横文字多し首都ホテル
恒成久美子
ぐろっけ
201011
女子大の七夕竹の華やげる
すずき巴里
ろんど
201011
天上に見せむと七夕竹灯す
渡部志津子
201012
七夕の夜の手鏡をみがきをり
高林公美
馬醉木
201101
駄菓子屋で七夕セット買ふ母子 田下宮子 201109
七夕竹独身寮に小さかり 高木嘉久 201109
七夕の清涼殿のへそ饅頭 奥田茶々 風土 201110
二人舞ふ巫女七夕の神遊び 奥田茶々 風土 201110
七夕の見えぬ星見る汐じめり 風間史子 201110
七夕竹揃う切口軽トラック 磯田せい子 ぐろっけ 201110
七夕の風の木橋を渡りけり 杉浦典子 火星 201110
七夕のセルビアの空雲厚し 松村光典 やぶれ傘 201110
七夕の筆を噛む癖父に似し 二宮一知 万象 201111
七夕の笹目印に逢ひに来よ 平居澪子 六花 201111
七夕の鋪に銀河のありにけり 岩木茂 風土 201111
七夕 →3      

 

2021年8月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。